戦略コンサルで学んだことが事業でどう役立っているのか | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

戦略コンサルで学んだことが事業でどう役立っているのか

戦略コンサルで学んだことが事業でどう役立っているのか、
ということを、起業した者の立場からよく考える。

実用性という意味で考えると、
(特にベンチャーにおける実用性)

・常にイシューが何かってことを意識しながら作業を進める

ということと、

・モレのないリスト作りをする

ということは非常に重要。
これがズレると、意味のない作業を延々としてしまう。
ただでさえ人が足りない中で事業を進めるので、これは致命的。


一方、

・ロジカルシンキング

とか

・きれいなスライドをつくること

とかは、こけおどしというか、
人を説得するときには重要かな、という程度だと思う。

たとえば、初対面の人に事業を説明するときとか、
部下に何かを納得させるときとかには、
魔法みたいに効くこともあるんだけれど(=こけおどし)、
事業運営に絶対必要かというと、そんなことはない。


(本当にハラに落ちてもらうためには、やっぱりまともに事業を運営できているかって方がよっぽど重要)
(戦略コンサルは人を説得するのがメインの仕事なので、戦略コンサルには絶対必要だが。)

(もうちょっと詳しく説明すると、
 ロジカルシンキングで出てきた結論というのは、
 当初から漠然と思っていた結論とほとんど変わらない、というケースが8-9割を占める。
 一方、ロジカルシンキングで出てきた結論が正しい確率は、明らかに8-9割を切る。
 従って、ロジカルシンキングを精緻にこなすことよりも、
 PDCAサイクルを一周より速く回すことに専念した方が事業運営には効果的。
 ただし、PDCAサイクルを自身で回すことの出来ないコンサルにとっては、
 ロジカルシンキングの精緻さは不可欠 )

というわけで、

戦略コンサルをしながら「将来起業したいなぁ」という方は、
(いるのか? このブログを読んでいるのか?)
・ロジカルシンキング
・きれいなスライドをつくること
とかのために、時間を費やしても、
起業という目的を果たすために、効果的はあまりないと思う。

むしろ、気をつけるべきなのは、
・常にイシューが何かってことを意識しながら作業を進める
・モレのないリスト作りをする
ということについて、きちんと癖をつけておくということだと思う。
一朝一夕にはなかなかできることではないから。

なんでそんなことを考えているのかというと、
従業員にどういうスキル移転・座学のトレーニングを行っていこうか、
考えているためなのです。