慣用句には
[耳をふさぐ]という言葉と
[耳を傾ける]という言葉があります。
「耳をふさぐ」は耳を閉じ、心を閉じるということ。
物理的に耳をふさぐ意味もありますが
多くは 心理的な防衛状態を表します。
例えば
自分への批判、説教、愚痴のような事柄から
自分にとっての都合の悪い事実
自分が向き合いたくない事柄
自分が受け入れられない真実 などのような
自分が素直に受け入れられない事柄があると
私たちの「思考」や「信念」は
無意識に「聴覚」という感覚機能を停止させ
それについての情報が
それ以上 入ってこないようにします。
小さな子供の場合
両親が 喧嘩ばかりしていたりすると
耳に不調が出て
両親のケンカを聞かなくて済むようにもします。
人は
自分が受け入れられないようなことを聞いたとき
怒りや怖れの感情を表したり、
あるいは悲しみや不安の感情を使って
受け入れることを拒んだり
自分とは関係ない、と怒りなどの感情を隠したり
切り離したりして情報を受け取ることを拒みます。
こうして
「耳をふさぐ」ことで それ以上聞かないことで
自分を守ろうとしているのですが
「怖れ」がなくなることはありません。
そもそも「恐れ」る必要をなくするために
自分は 耳に届く情報のうち
特に 何を気に入らないのか
何を聞きたくないのか
何を知りたくないのか
何を受け入れられないでいるのかを 知る必要があります。
他者が 好みもやり方も全て自分と違うこと
誰かのやり方を受け入れられないこと
自分のやり方を受け入れてもらえないと感じること。。。
自分の内面と向き合い
自分の怖れという
自分自身のありのままの感覚を尊重するためには
他者に対してではなく
自分自身に対する誠実さ、素直さ、謙虚さが
真実を教えてくれるはず。
恐れが真実でないことがわかると
「心が開いて耳を傾ける」ことができるようになります。