親離れさせたくても~重度知的障害者の巣立ちは | もえもえ育児ほぼ終了日記と障害児家族の防災ブログ

親離れさせたくても~重度知的障害者の巣立ちは


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先天性の遺伝子疾患と重度知的障害ありの娘(22歳)

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元々は娘の子育て中の記録として始めたブログですが、現在は主に障害児(者)家族の防災ブログとなってます


今回は我が家にも無関係ではないニュースの話題です。


我が家の一人娘のもえもえは先天性の難病による身体の不具合と重度知的障害をあわせ持つ障害者です。


現時点では私達夫婦が通所施設や行動援護、ショートステイ等を利用しながら生活の全てを賄っています。


ですが、いずれ私達も老いてきますし、もえもえの生活を支え続けることは難しくなります。


出来れば私達夫婦がまだ元気でもえもえのフォローが出来る内に施設なりグループホームなりに入居させたいと考えています。


考えてはいるのですが



もえもえの支援学校時代の先輩の親御さんは相続したアパートをグループホームに建て直して我が子を入居させていますが、正直言って運営は相当に苦しいそうです。

ちなみにこちらも立ち上げ後即座に受け入れ人数一杯になってまして仲良くしていたからと言っても、もえもえの入る余地は今のところありませんタラー

人手の確保も大変で、実は立ち上げ当初は私ももえもえが学校に行っている間の短時間だけ支援に入ったりもしていました。

体調を崩して手伝えなくなりましたがショボーンタラー

それでもこのグループホームは親御さんが自由に使える土地があったことで、ご自身のお子さんの為に立ち上げることが出来ましたが、元手も土地建物も無い状態から立ち上げるのは至難の技。

特にもえもえの様な重度知的障害+医療機関との連携も必要な障害者の入居となるとそれなりに知識を持ったスタッフさんによる必要充分な支援体制が欠かせません。

上の記事に入居を希望しながら入居できていない方の話が出ていましたので引用します。


益美さんは「息子の場合は最重度の障害と病気という2つの側面があるので、『誰でもいいから託したい』とはなりません。重い障害があっても受け入れてくれる施設はどこも空きがなく、息子が暮らせる場所が本当にあるのか心配です。知人の中には自宅から離れた県外の施設に入居したという人もいますが息子と会えなくなるのも寂しいです。できれば自宅の近くに利用できる住まいができてほしいです」と話していました。


住み慣れた地域で暮らす為のグループホームのはずが、適切な支援が得られないから入居できない、入居できても住み慣れた地域を離れなければならないこともあるのが現実。


重度知的障害を持つ人の入居が進まない理由も出ていました。


さらに各自治体に待機者が生じる理由などについて尋ねたところ、特に重度の知的障害者が利用できる住まいの不足を訴えるところが多く、受け皿となるグループホームが足りていないとか、専門的な介護のスキルを持った人材が不足しているといった意見が目立ちました。


重度知的障害者、特にもえもえや引用した方のように医療も含めて生活全般に多様な形の支援が必要な障害者の場合、単純に入居できれば良いと言うものでも無いのです。


国は大規模入居施設から地域で生活する少人数のグループホームに障害者の生活の場を移そうとしています。


ですが、少人数のグループホームでは支援者の数も少なく、生活全般に手がかかる重度障害者を受け入れる余裕がないケースがどうしても多くなります。


家庭的で地域社会の中で一般の住宅と変わらない環境のグループホームは確かに魅力的です。


でも、やはり手厚い支援体制を構築することが難しいのもまた事実です。


自分の身の回りのことは自分で出来る、もしくは簡単な支援で完結するし、日中の支援は別に受けられるからホームには寝に帰るだけ、なら別に支援者がホームに一人だけでも良いのです。


ですが、自分の身の回りのことも、自分の体調管理も出来ない、体調不良になったことを正しく伝えることも難しい、ちょっとしたことで体調を崩すもえもえの様なタイプを支援するならば、イレギュラーな事態に対応できるだけの人手を確保する必要があります。


少なくとも人手が必要となった時にすぐに増員できる体制作りが必要でしょう。


それだけ手がかかるとなると入居を受け入れることに二の足を踏むホーム側の事情もわかります。


また受け入れてくれるグループホームがあったとしても施設運営側に問題がある場合もあります。

全国で数多くのグループホームを運営していた法人が入居者の食費を過剰に徴収して提供されていた食事はお粗末なものだったり、支援実態を水増しして請求していたりしていたと言うニュースを視た方も多いと思います。

実はここ最近もえもえのショートステイ先を探していた時にここの法人が運営しているグループホームがショートステイも受け入れていると言うことで一度見学と相談に行ってみようかと思っていたところにこの報道が出ましてガーン

被害は受けませんでしたが、危うくとんでもない施設を利用するところでしたアセアセ

私達の住む地域の親の会での調査でもいずれはグループホームに入れたいけど、そもそも足りていないと言う声は多く上がっています。

ですが、適切な支援がなければ生活が成り立たない子どもであれば尚更手元から離すことを躊躇う親御さんもまた多いです。

特に親御さんがご高齢な場合「子どものことは親である自分達の責任」と言う意識が根強くて、自分達が面倒見られる内は自宅でとギリギリまで頑張ってしまう傾向があります。

最初の記事の中に出てきた入居希望しながら入れない待機者以外に潜在的な待機者は相当数いると思われます。

本来なら障害がある子どもがしっかりと新しい環境に馴染んで適切な支援を受けて生活を営める様になるまで親が並走できる元気がある内に入居できるように動き出さなければならないと思うのです。

ですが、間違った責任感や、子どもへの強すぎる思いや、親の方も新しい生活に踏み出す勇気が無かったりと様々な事情から親亡き後の子どもの住まい確保の声を上げることも出来ていないケースが多いです。

本来、日本に暮らす以上障害者であっても「健康で文化的な最低限の生活」は保証されているはずなのに、必要な支援、生活の場が充分に確保できているとは言えません。

国は障害者の生活の場を大規模入居施設からグループホームへと移行させるのであれば、責任を持って全ての障害者が生活できる場所と充分な支援体制を作っていただきたい。

私達も親として出来ることはやりますが、個人の力で出来ることには限界があります。

まずは障害者の生活の現状を正しく把握し「当たり前に生活できる」仕組み作りをしていただきたいと心から願います。


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特に災害弱者と呼ばれる方ほど備えは必要です。

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