私たちの失敗
前回は彼に対する支援の方法が、ズレていた話を書きました。恋は盲目です。楽しい事が続けば、辛く悲しかった出来事も忘れてしまいます。優しい言葉をかけられたら、優しい態度で接してきたら嬉しくて、辛く苦しかった彼の言動が無かったかの様に消えてしまいます。自分の感情を蔑ろにする事で、深く自分を傷付けた結果となりました。私は大丈夫だと思ったブログをずっと読んでくれてる方はわかっていると思いますが、私は元受刑者です。私自身が受刑者だった過去をもっていながらも、彼に対しては適切な判断が出来ませんでした。それは共依存だったからです。(今は後戻りしない様に、気をつけています。共依存に戻る要素は彼と私にはまだあるからです。)以前のブログにも書きましたが、彼が刑務所にいる間はラブラブなんです。考えられる理由は・お互い距離が保てている・お互い会えない寂しさが強い・私が、彼に振り回されるストレスがない・彼がお酒や薬物が体に入ってない・彼が余計な交友関係のストレスがない・彼が社会で生活するストレスがない・刑務所にいる事で、彼がある程度の[欲]が抑えられているだから出所しても、今のまま上手くいくと過信していました。捕まる度に、彼から送られてくる手紙には「今回の件は本当に、ごめんなさい。次は必ず◯◯(私)を幸せにする。こんなに大切で大好きなのに、苦労をかけてしまって反省しています。」とか「次は絶対に◯◯(私)を悲しませる様な事はしない。本当、俺がバカだったよ。前に◯◯(私)が行きたいって言っていたお店に行こうね」とか「もう、お酒は飲まない。信じて。覚醒剤をやめれたからお酒もやめれる。俺にはお酒は合わないんだ。飲んじゃいけない人間なんだ。本当に懲りたよ。」とか反省の手紙がツラツラと書かれて送られてきます。私は毎回、本気で反省していると思って信用していました。・いい加減懲りただろう・大人だしわかっているだろう・彼はいい歳だし、いい加減気づくだろう・こんなに反省しているんだから捕まる事はもうしないだろしかし、出所してくると元の私達に直ぐに戻ってしまう事を繰り返していました。私達2人に足りなかった事は・私は彼に考える時間を与えていなかった・彼もきちんと考える事が出来ていなかった私に例えてみます。私が服役中に都合の良かった母や姉から手紙がきていたら、許してもらえたと勘違いして、本気で反省は出来なかったからです。このままでは見捨てられるこの気持ちが、私を良い方向に向かわせてくれたのだと思います。なぜ自分が刑務所にくる事になったのか。原因は何か。と深く考える事が、本当の反省や更生の入り口に入るのではないかと思います。彼の出所後の経過彼はもうすぐで出所して1年9ヶ月が経ちます。(こんなに長く社会にいるのは初めてです)私達は喧嘩も減り、お互いの事を考えられる様になってきています。自分の感情を押し付けるだけの関係ではなく、相手を思いやる事が出来る様になってきました。これは決して簡単な事ではありません。彼は考え方はもちろん、言葉や態度、物事の受け取り方も変化していっています。彼は刑務所11回通算25年の犯罪の常習犯です。再犯率が高い彼が、社会に残っていられるのは考える力が、前よりは身についたからではないかと思っています。刑務所という場所は社会から遮断された場所です。せっかくのチャンスはここにある。だから時間を決して無駄にしないで欲しいし刑務所での生活が社会に響いてくる事を受刑者は忘れないで欲しい。最後に、私や彼の更生の仕方が全ての人に適している訳でない事をお伝えしておきます。キャリアコンサルタントの勉強状況今、私はキャリアコンサルタントの試験に向けて勉強中です。毎週水曜日、9:30〜17:30までオンラインでの講習を受けています。朝から夕方まで辛い。パソコンに向かい講師の話を聞いたり、課題を発表したりしますが眠くなったりします。でも沢山の気づきもあるので、自分のためにもなります。(例えば自分の癖や考え方の歪み)7月末まではオンライン講習があるので、とりあえずは投げ出さずにがんばります。6月29日に彼と参加させて頂く学会です。この学会に、彼も参加するとは考えてもいませんでした。彼が、何を感じ学ぶのか楽しみです。来月のブログには彼と参加してみて感じたことも書いていきたいと思います。