前回は私が共依存で、恋は盲目だという話とキャリアコンサルタントの勉強について書きました。


今回は「性とこころ」の学会に参加した事で性被害にあわれた方の苦しみや憎しみ、悲しみなどいろんな気持ちでいることがわかりました。


なかったことにできない過去とどうやって生きていくのか。


私達、犯罪者は刑期が終われば終わりだと勘違いしやすいですが、被害者のことを考えると終わりになることはありません。



薬物やアルコールも被害者はいます


私は覚せい剤取締法違反で刑務所に行っていますが、被害者はいないと思っていました。


なぜなら自分だけが薬をやっておかしくなって、捕まっただけだと思っていたからです。


本当にそうなのでしょうか。


私は覚せい剤が欲しくて援助交際や風俗で働いていましたが、その収入だけでは足りず親にすがったりしていました。


何度も何度もお金をせがんだりしていましたし、寝ている母を起こしてはお金の話をしていました。


時には睡眠薬を大量に飲んだ時は母が病院に連れて行ってくれたり、怒られなくてもいい母が看護師に怒られたりしていました。


これだけでも十分に迷惑かけています。


娘のおかしくなった姿をみなくてはならない母の気持ちを考えたら、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。


「ごめんね」では済まされないことを私は母を含む家族に平気でしてきました。


刑期を終えたからそれでいい!ではないし、辛い思いをさせてしまったことは一生消えません。


なので出所して16年たちますが、母や家族が心配しないように心がけていますし、自分が前を向く姿勢を持ち続けているのです。



彼は昔の私と同じで、被害者がいないと思っています。

薬物やアルコールで捕まっただけだから。


私に迷惑をかけた、心配をかけた、辛い思いをさせたとかは感じてはいます。


私はアルコールや薬物でおかしくなった彼を見るのが凄く嫌で辛かった。


・眠剤で何を言っているかもわからない状態

・眠剤が効きすぎて歩けない状態

・アルコールを飲んで暴れる

・アルコールの影響で嫌なこと言われる

・飲酒運転をする


これ以外にも沢山あり、書き出したら止まらないないのでこの辺にしておきますが、いくらアルコールや薬物の影響とはいえ私はトラウマになっている部分があります。



母にしてきたことが自分に降りかかったとき、初めて母の辛さがわかりました。


彼は社会で過ごすうちに、被害者はいないという考えから被害者はいるに変わるのではないかと思っています。


強烈なフラッシュバック


つい先日、彼から写メが送られてきました。

おでこや目尻に擦り傷や腫れのある写メでした。

この写メを見た時に2年半前に酒に溺れ、眠剤を飲んで手に負えなかった時期のことを思い出しました。


飲みに出かけて殴られて帰ってきた時のことが急に頭を過り、動悸がして一気に気持ちが落ち、あたかもあの時に戻ったかの様な恐怖を感じました。



パニックになりながらも彼に「転んだの?」とメールをしました。


そしたら仕事中に熱中症で足場から落ちたと返事がきました。

(今は、腫れが酷くなることもなく無事に治りました。)



昔の彼と今の彼は違います。

出所してきたころより、今の方が成長しています。頭でもわかっているし、自分の目で見てわかっていましたが、何気ない写メから強烈な不安と恐怖を体験した出来事でした。



最後に


元受刑者として感じたことは、被害者がいない犯罪はないのではないかと考えています。

罪を償えばよしではなくて、刑期を終えたあとにどうやって生活していくのかが大切なのだと思います。刑務所にきてしまったのは誰のせいでもなく、自分選んだ選択の結果です。

その結果を良い方向にもっていけるのも自分です。


そして待ち人経験者として、一時の感情で考えるのではなく、先のことも含めて待つ方がいいのではないかと考えています。

出所後は決して幸せな生活ばかりではないです。時には心が折れそうになることもたくさんあります。

それでも待つ!と思うなら、パートナーが中にいる間にきっかけ作りだけでもしてみて欲しい。


私自身、きっかけ作りをしたおかげで今の状態にこれたと思っています。

もし、きっかけ作りをしていなかったら彼はまた捕まっていたと思います。






このウナギを食べる前にプチ喧嘩をしました。

彼は機嫌の悪い私が気になり、うなぎの味がしなかったそうです笑笑




キャリアコンサルタントの養成講習が無事に終わりました。

これからは11月の試験に向けて頑張っていきたいと思います。