2021年4月25日、
 臨時休業中のマイントピア別子東平ゾーンの一般駐車場にパジェロをデポ
 
一本松駅から唐谷まで上部鉄道跡を辿り
 七釜谷、裏谷、唐谷と廃止から百年以上を経た煉瓦と石積みの橋梁を
 
新緑の季節のなかで眺めることが出来ました
 
9時12分、唐谷を渡り終えた地点から折り返します
 
 
ご訪問頂きましてありがとうございます(≧∇≦)/
 

 

 
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上部鉄道の分岐から兜岩ルートへ

 

想像してたよりも、しっかりした道みたい

 最後までこの調子でお願いしたいものですw

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上部鉄道の軌道跡から確認できた上方の石積みはやはり牛車道でした
 
この「幻の新牛車道」を辿った人はさすがに誰もいないと思うけど・・・
 山と谷の両側に石積みは続いてる
 
上部鉄道と並行する5.5キロ区間、すべて残っているのだろうか?
 この新牛車道を辿れるものならば、歩いて確かめたいものですらい
しばらく進むと石垣があり、住友共電らしい廃鉄塔の鉄骨が積んでた
 ここを過ぎると明確な尾根道になります
 
この尾根より二つ左の一本松駅から石ヶ山丈尾根に至る支尾根!
 ここに道は無いけど、尾根筋の這い上がりを得意とする達人(猪)達は良く利用してるみたい(笑)
 
えっ?わたし
 まだまだ瓜坊なのでムリムリ🐗あせる
 
えんとつ山さんの
 

植林の中、尾根道を進みます

 

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植林の間から右の斜面にアケボノツツジがちらほらと見えました

 

アケボノツツジは標高1000メートル以上の岩場に育つといいますが、

 まさにって感じのポイントですね

 

兜岩から下るとき、間違えそうな場所
 いかにも自然な道が続いてますが崩落でルートが変わったみたい
 
途中開けた場所から力業で作ったような登山道になってたのは
 崩壊地を迂回する為やったのね
どんどん登っていくと谷を挟んで西赤石山
 
この西赤石山の北斜面にアケボノツツジが群生していて
 開花を迎えると、斜面全体が淡いピンク色に染まり桃源郷のようになるそうな
 
記事を書いてる今日現在でいえば、既に見頃になってるかも
この谷は前回の三連橋の架かる唐谷川の源流やんびっくり
登山道は灌木が茂るトラバース道になって明るくなりました
 ごつごつした茶色の橄欖岩が目立ちます
 
上から話し声が聞こえて来たので、ふと見上げると、
 一本松駅跡でルートを聞かれた二人組が岩に腰かけ話してる
 
一本松への急登でも大きな声で話しながら
 平気で登ってたので流石に体力あるわ~びっくり
 
あの辺りが兜岩と呼ばれているアケボノツツジのビューポイントやろか?
 
 
アケボノツツジはシコチュー市の豊受山や赤星山でも見ることが出来ますが
 兜岩から眺める大群落は四国屈指のスケールを誇るとか
 
私目も是非とも眺めてみたいものですが、
 花が咲き揃う時期にと思うのは誰しも一緒!
 
混雑も仕方がありませんよね~
 
別子側の日浦登山口の駐車場も溢れ、東平の登山者用駐車場も満杯になるみたい
(今シーズンは施設が休業中の為一般の駐車場も利用出来ると思います)
 

魔戸の滝辺りから石ヶ山丈尾根ルート、西谷川造林道ルート、一本松-石ヶ山丈ダイレクトルート等で兜岩に行ければいいけど・・・

 藪漕ぎ有りの熟練者ルートなので私には難しいかも

眼下には新居浜市とその沖の瀬戸内海
 西には西条市から今治市としまなみの島々、
 
東には四国中央市を一望できる絶景が広がります
 
串ヶ峰は下から見上げれば独立峰に見えますが・・・
 チョコンと飛び出た上兜山の肩になってます
 
石ヶ山丈の西斜面がピンク色になってるけど
 アケボノツツジはこの辺り(標高1200mくらい?)までしか咲いていません
 
兜岩周辺まで上がってくるのは、あと1~2週間くらいかかるのかな
 
東平の駐車場から見上げると一面ピンク色に見えて
 おおぉ~、今年はもう咲いとんのか!
 
とぬか喜びしたけど、そう上手くはいかんかったぜよショック

 

兜岩から西赤石山北面
 
もうしばらくすると、この辺り一面が淡いピンク色に染まる(らしい)
 
 
西赤石山の北側の岩峰が兜岩ですが、赤石山系の地質は複雑で、
 西赤石山の西側にある岩場は地下のマグマ溜りから突出した東平角閃岩の東端部
 
東赤石山を中心として、前赤石山西面から権現越えまでの赤石山系の稜線は、
 橄欖(かんらん)岩という岩石で構成されておりますが
 
その表面は赤っぽくて、赤石山の名前の由来はこの色から来ているらしい
 
そこより随分と西に位置する西赤石山の北側に、
 ここだけ離れて橄欖岩がボコッと露頭しており、アルプスみたいな岩峰が違和感を醸してる~w

 
橄欖岩は地球のマントル(地下深部数10km以上)を構成する比重の大きい岩石(マグマの成分)で、
 人間の住む地表まで上昇してくるのはとても稀れなので
 
東赤石橄欖岩体のような広大な露出を持つ岩体はとても珍しく
 地質学者にとっては垂涎の研究対象なそうな
 
雲が新居浜方面からどんどんと赤石山系の稜線に向けて吹き上がって来ます
 笹ヶ峰から沓掛山への吊り尾根の間に石鎚山が見えるのを待ってるけど・・・
 
なかなか雲が途切れませんショボーン
 
沓掛山は雲に隠れとるけど(^^;)
 なんとか石鎚山を撮って西赤石山へ移動しますてへぺろ
 
 

魔戸の滝への分岐(熟達者コースって書いてある)

 

この分岐から石ヶ山丈尾根藪漕ぎルートと、

 西谷川(西種子川)造林道ルート(こちらも最初に造林小屋跡まで藪尾根を下らねばならない)を辿る事ができます

 

石ヶ山丈尾根ルートは

 西赤石から石ヶ山丈、犬返、生子山、えんとつ山と

 

尾根筋を辿る魅力いっぱいのルートで

 えんとつ山から石ヶ山丈ジャンクションとも呼ばれる石ヶ山丈分岐までは尾根筋を辿った事があります

 

 

ルートさえ明瞭であれば、この先も是非挑戦してみたいものですが…

 GPSあれば、なんとかなるかなあせる

 

走る人走る人走る人

 

兜岩から西赤石へは急登の道(@_@;)

 

最後の登りは一直線

 途中に待避所が無いので上りと下りで込み合う時は渋滞の原因に・・・

 

西赤石山(標高1,626m)山頂に無事到着ニコニコ
高知県の団体さんが兜岩に向かっちゅうが
 ガイドさんも含めてかなり年配さんやったきに~
 

 

 
物住ノ頭より東の稜線は小箱越まで
 四国中央市と別子山村(現新居浜市)の境界になっており

 

物住頭の東側にある前赤石から八巻山・東赤石と続く岩場は

 赤石橄欖岩が露頭してアルプスの如き山容でがんす(岩だけに🤗)

 

石ヶ山丈の尾根と兜岩の向こうに新居浜の市街地が広がり
 瀬戸内海に浮かぶ四阪島の5つの島も肉眼で確認出来ました
 
製錬所のある家ノ島と美濃島は埋め立てられて一つの島になってます
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西赤石山の頂上からの展望は良くありませんが
 西テラスからは展望が楽しめます
 
稜線に這い上がるといつの間にか霧も晴れてました音譜
 
ここから西方面を眺めると
 笹ヶ峰から沓掛山にかけての吊り尾根の中に
 
西黒森、瓶ヶ森、石鎚がきれいに収まっており、
 まさに石鎚遙拝所と云ってもいいくらい
 
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パノラマ写真
 
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石ヶ山丈の西斜面はアケボノツツジでピンク色になってる

 

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今回の起点の東平が見える
 ここから上部鉄道一本松駅跡、石ヶ山丈の尾根へと一直線で辿れば兜山への最短ルート?

 

この岩は東平角閃岩はてなマーク

 五四って文字が刻んである

 

関東から九州にかけて日本列島を東西に横切る大断層の中央構造線

 この南側に、三波川変成岩帯が広がっています

 

三波川変成岩帯は、今から1億年以上前、当時の太平洋にあった海洋プレートが

 大陸プレートの下に深く沈みこんだ際、海底に堆積していた玄武岩などの溶岩が

 

海洋プレートとともに地下20kmより深いところまで潜り込み、高い圧力を受けてできた岩石で構成されている

 

このような岩石の中には、赤いザクロ石と緑色のオンファス輝石からなるエクロジャイトが含まれており

 別子山地域の一部では、地下30~100kmという深部で出来たエクロジャイトが露出している

 

瀬場谷と銅山川の合流点付近で見つかった転石

(もともとは瀬場谷中流部の山中に分布していたらしい)

 

赤石山系権現越にある権現岩もエクロジャイトのようです

こちら⇒曽我さんのホームページ

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ミツバツツジとヒカゲツツジ(黄色い花)
 稜線を西へ下ります
 
南へ下る尾根道との分岐
 旧別子の接待館辺りに下るみたい
この先のガレてる場所に
 当初下る予定だった銅山峰ヒュッテへの近道の分岐があります
 
日没までまだ十分に時間があるので
 予定を変更して嶺南の旧別子地区の牛車道の痕跡を探り
 
目出度町(めったまち)の永久(栄久)橋まで嶺南側にも下ってみる事にします
 
東山を過ぎると銅山越までもう近い
 
赤石山系 愛媛県自然環境保全地域で
 高山植物が約70種分布しており、採取は禁止されています
 
とくにツガザクラは、ツツジ科で砂礫地を好み、
 高さは10~25cmで、5月中旬から6月初旬にかけて
 
枝の先に釣り鐘型の薄いピンク色の可憐な花が咲き誇ります
 
 
アカモノは、ツツジ科で高さは10~25㎝程度の小低木で
 山地の日当たりのよい所に育ちます
 
銅山峰周辺では5月下旬から6月下旬にかけて釣り鐘型の白色で可憐な花を咲かせます
 果実は球形で赤く熟し、食べることが出来、銅山イチゴとも呼ばれる
 
兜岩を出発して約2時間
 振り返ると、西赤石山からだいぶ下って来てる
 

銅山越の左に牛車道が見えてる

 この辺りの牛車道は登山道として現在も使われています

 

稜線に咲き誇るミツバツツジ
 
三界万霊、登山者を見守る銅山越(標高1,294m)の峰地蔵 
 
銅山峰の鞍部、いわゆる銅山越に嶺南と嶺北を結ぶ峠があり
 ここに蘭塔婆のようなコの字型の石積みがあります
 
この中に無縁仏を供養する為に、
 1744(延享2)年、1904(明治37)年に造られた石仏と年代不明の石仏の3体が安置されています
 

 
 
ここまでの距離は9.63キロで、所要時間は6時間28分(休憩・探索含む)
 
ここは1702(元禄15)年から1886(明治19)年に第一通洞が開通するまでの184年間
 粗銅と共に山中に住む数千人の食料も仲持人夫に背負われて
 
この峠を往来したという第三次仲持道であった(案内板より)
 
と書いたものの・・・
 1880(明治13)年11月に銅山峰を越える牛車道が完成しているので
 
178年間の間違いなのでは・・・
 
銅山峰周辺はツガザクラの群生地
 
最後までご覧頂きましてありがとうございました
 
長くなりましたので次回に続きます
 
では、またバイバイ
 

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