明治の後期になり
大量出鉱体制を整えつつあった別子銅山では電力の増強が課題になります
今日の脱炭素社会を予見した訳では無いでしょうが
住友さんは赤石山系の向うに流れる水に目を付けます
銅山越の南を流れる銅山川とその支流の水を利用して
稼働コストの安い水力発電を行うこととし
1912(明治45)年端出場水力発電所が完成しました
発電用の用水として、日浦に集められた水は
日浦通洞(明治44年貫通)と第三通洞(明治38年貫通)を通り
水路で石ヶ山丈(海抜約750m)の煉瓦造の水槽まで引水し、
当時日本一を誇った落差597.18mの水力を利用して発電を行いました
それより1970(昭和45)年に廃止されるまで
別子銅山、そして工業都市新居浜市の基盤づくりに
旧端出場水力発電所は大きな役割を果たしました
旧端出場水力発電所~東洋一・世界一の技術を探る~(ダイジェスト版) 6分08秒
本編(15分)はマイントピア別子で観られるそうです
東洋一を誇った落差597.18mの水圧鉄管
いよいよ全長1,273mの水圧鉄管路に挑みます
時刻は14時46分
現在地は標高711mの石ヶ山丈沈砂池直下の牛車道上です
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こんにちは(*>ω<*)ゞ
お立ち寄り下さりありがとうございます
沈砂池直下の牛車道上から見下ろした鉄管道は
独フォイット社製水圧鉄管の保持施設の左側に整然と石段が続いてた
トーチカ(笑)の横に続く
この石段を真っ直ぐに降っていけばいいんやね~
楽勝やん(^^♪
困ったがね~
4月11日の探訪から既に7ヶ月以上経ち
写真を撮影した場所をわっせて(忘れて)しもたがね
MCIやけんねw
街中ならiPhoneの写真位置情報で撮影場所が特定出来るんやけど
写真にGPSデータは記録されてても山中なので周りに何も表示されず
もちろん牛車道や鉄塔など表示されません
これでは撮った位置が判別できず困ったあるよ
デモ・・・デモデモ
水圧鉄管路は牛車道と9回も交差してますが
しっかり交差地点にマーキングしといたがね
おっと、不徳な事を思っちゃいけません!
犬が縄張りを主張するマーキングとはちゃうけんね〜
地図アプリのジオグラフィカのマーカーやけん間違うたらいけんよ
でも、マーカーには座標と標高しか記録されておらず
標高とトラックポイントを照合して時刻を割り出しました
写真の時刻を参照して
bから
jまで牛車道で区切って進んでいこうと思います
水圧鉄管は合計9回(b-j)に亘って牛車道を横切りますが
その通過時刻と標高を記入しました
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まずは b - d 区間です
標高差153m 所要時間40分
石段は自然石を用いて
丁寧に整然と積まれ1.2km以上も真っ直ぐに続いてる
明治時代の素晴らしい職人技やね
ここまでは勾配も緩くて歩き易い鉄管路でしたが・・・
地形図でも次の鉄管支持施設から先は勾配がきつくなってるみたい
スキーなら絶壁に見えるかもw
おぉ~!
ホンマに45度の急勾配になったがね!
勾配がきつくなると石段の一段〃〃の奥行きが短くなり
登りならつま先を石段にかけて登れますが
降りは踵だけ乗せて降りる訳にもいかず
カニさん歩きで歩き難いです
しばらく降ると
その石段もザレた小石で埋まってしまった
進むも地獄、戻るも地獄状態に
写真では大したことない様に見えるけど・・・
ほんまに大変だったがね_(:3 」∠)_タスケテクレー
ひどい荒れ様でした
10年前には石段が埋まってはいなかったようですが
近年の豪雨の影響でしょうか、ザレ場地獄と化してます
でも足場は悪くてもルートは明確で迷う様な事は無い
滑り易い足場を一歩ずつ降りていく…
というより滑り落ちて行くw (^◇^;)
地形図にある古道が横切ってるはずだけど気が付かなかった
歩き辛いザレ場が暫く続きましたが
そろそろ牛車道に出る頃かな?
地図アプリを思い出して現在地を表示すると・・・
15時16分、牛車道のすぐ上に居た
この辺りの勾配は緩やかになってます
15時22分に標高572mの牛車道との
2回目の交差地点(c地点)に出たよ~
この区間はなかなか難儀し
標高差153mに40分も費やしました
標高572m地点↑(c地点)
往路11:07、復路15:22
復路では牛車道でマーカーを記録しただけで
写真は撮って無かったので(往路で撮ったからいいやと思った)
往路の写真を再掲しました
標高558m地点↑(d地点)
往路11:03、復路15:24
3回目の交差地点は
山側の牛車道から下の牛車道がすぐ下に見えるほど近くて
15時24分に到着です(1分もかからないのに何故か2分後になってる)
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続いて d - e 区間
標高差58m 所要時間 8分
内部は石段も多く残っており勾配も緩くて歩き易かった
4回目の牛車道(標高500m)と
15時32分に交差します (写真では何故か15:30)
標高500m地点↑(e地点)
往路10:44、復路15:32
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e - f 区間
標高差18m 所要時間 4分
勾配も緩くて歩き易い(^^♪
標高482m地点↑(f地点)往路
10:38、復路15:36
5回目の牛車道(標高482m)と15時36分に交差しました
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f - g 区間
標高差47m 所要時間 8分
10年ほど前にこの辺りの樹木は伐採されたようです
前方の鉄塔は四国電力四国中央中幹線96番鉄塔で
水圧鉄管路のすぐ横に建ってます
標高435m地点↑(g地点)
往路10:21、復路15:44
6回目の牛車道(標高435m)と15時44分に交差しました
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標高411m地点↑(h地点)
往路10:11、復路15:52
15時52分に7回目の牛車道(標高411m)と交差しました
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h - i 区間
標高差102m 所要時間13分
四国電力四国中央中幹線96番鉄塔
水圧鉄管のすぐ横に建ってます
95番鉄塔は①番目のピンカーブ奥、97番は尾根に建ってます
この区間も歩き易いです
鉄管の保持施設も大きくなってきました
フランジとボルトが残っており、ここの鉄管は直径760mmで厚みが30mm
降るにつれて水圧がかかり、直径は小さく、厚みは厚くという事やね
上部では直径890mm、厚み 8mm
下部では直径660mm、厚み30mm
コンクリートから謎の乳色の液体が染み出し
鍾乳石の様に垂れ下がってた
標高309m地点↑(i地点)
往路不明、復路16:05
8回目の牛車道と16時05分に交差しました
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i - j 区間
標高差67m 所要時間13分
最初に旧端出場水力発電所から鉄管路を登って
牛車道にアクセスした場所(標高242m)まで降ります
この区間も緩い勾配で歩き易いです
左側に住友共電の鉄塔があるので拓けてて明るいです
ここから牛車道までは
殆どの人が住友共電の鉄塔保守道を利用するので
水圧鉄管道を歩く人は殆ど居ません
ところが・・・
誰も歩いて無いと思っていたらモノズキさんは居るもので
先に導水路の1号トンネルを潜ったグループを紹介しましたが
あのグループが2019年4月21日にここも通っとったがね
チョット悔しい気持ち(笑)
16時18分、9回目の牛車道との交差地点に降りて来ました
今朝午前9時ちょうどにアクセスした
新居浜市郷土美術館の案内板がある鉄管の台座
水圧鉄管はここから右に少し角度を変え
旧端出場水力発電所へと向かいます
標高242m地点↑(j地点)
往路 9:00、復路16:18
何故か鉄管が2本牛車道を潜ってます
旧端出場水力発電所と水圧鉄管
水圧鉄管はここから更に
標高136mの発電所のペルトン水車に向けて降っていきますが
往路で既に辿っているので
もう一度石ヶ山丈方面へ牛車道を往きます
・・・ってどこに行くのよ( ゚ ▽ ゚ ;)エッ!!
長くなりましたので次回に続きます
最後までご覧くださりありがとうございました
では、また
次回も見てね(≧▽≦)
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