1911(明治44)年に採掘場所の下部移行に伴って廃止された

 国内初の山岳鉱山鉄道住友別子鉱山鉄道上部線

 

標高1,100mの角石原駅から835mの石ヶ山丈駅まで

 全長5,532mを、1/18の勾配で265m下りますが

 

廃止されてから110年を経た軌道跡を兜岩分岐から

 約3.85km辿り、87分かかって石ヶ山丈停車場跡まで下って来ました

 
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こんにちは
 お立ち寄り下さりありがとうございますヽ(≧▽≦)ノ

 

 

石ヶ山丈駅跡を過ぎても続く水平道を僅かに下ると

 石ヶ山丈の尾根と交差して

 

軌道跡から続く道床はそのまま牛車道へと変わります

 

この尾根との交差地点は石ヶ山丈分岐と呼ばれ

 石ヶ山丈尾根ルート、石ヶ山丈沈砂池経由で犬返し方面へ下る尾根ルート、

 

牛車道を経由した魔戸の滝ルートや上部鉄道跡を利用し東平や銅山峰フュッテ至るルート等〃

 

様々な登山ルートが交差する交通の要衝なのです

 

 

その為、沢山の標識が林立しており
 石ヶ山丈ジャンクションとも呼ばれてるそうな

 

時刻は17時46分になりました
 現在地の石ヶ山丈JCから尾根伝いに下り
 
A地点の牛車道分岐を経て
 牛車道(林道石ヶ山丈線に改良区間)と林道西種子川線を辿り、魔戸の滝駐車場へと向かいます
 
ここからA地点までの尾根直登ルートの下りで牛車道と3度出会います
1番目の牛車道との交差地点
 
ここで牛車道を右(石ヶ山丈方面)へ向かうと
 次のピンカーブで窓の頭に至ります
 
左(立川中宿方面)に向かうと
 次のピンカーブで上部鉄道跡の下を並行に通る旧端出場水力発電所の導水路に接します
 
導水路の保守路が安全であれば
 石ヶ山丈貯水池から東平の第三変電所跡に至るルートでしたが
 
現状は導水路の鉄橋が落石で崩壊しており、命懸けです
 
此処の牛車道自体は廃道状態ですが藪化はしておらず
 辿ることは可能ですが、左へは落石が多くて歩き辛いです(>_<)
 
牛車道との交差地点を過ぎて暫く下ると
 左側に窪地のある煉瓦の道になります
 
この窪地の中には鉄格子の様なものなどが見える
 なんか産業遺産みたいじゃがね~
 
ほうなんじゃがね
 
ここが海抜750mの石ヶ山丈貯水池と呼ばれる1912(明治45)年に完成した
 旧端出場水力発電所へ水を落とす為の沈砂池だったんよ
 
法皇山脈の向こうの銅山川に築かれた
 七番堰堤から最大1.2t/sの水が全長4kmの日浦通洞・第三通洞を抜け
 
更に上部鉄道の下に作られた3km弱の導水路を辿ってここに送られて来てた
 
109年前に煉瓦で築かれた貯水池跡
 
image
遺構の中には水門がいくつもあり、
 どの様に水の流れをコントロールしていたのか興味深い
この石ヶ山丈貯水池の目的については色々な意見を目にしますが
 最近では水に混じった砂や異物を除く目的で沈砂池という表現が使われているようです
 
私的には砂の除去よりも落とす水量の調整の為に設けられたような気がしますが…
 
余水吐や6つの水門、どのようなシステムだったのだろう
 
廃止されてから今年で51年、当時30歳なら今年81歳なので
 住友共同電力のOBで操作に携わっていた方がご存命かも知れません
 
こうした証言記録も是非とも残して欲しいものです
ここから落とされた水は当時東洋一を誇った597mの落差を流れ落ちて、
 旧端出場水力発電所のタービンを勢いよく回していた

 

旧端出場水力発電所  東洋一・世界一の技術を探る ダイジェスト版 6分08秒

 

旧端出場水力発電所は1912(明治45)年に完成し、

 1912(大正10)年から始まった四阪島大改造計画で蒸気動力を電気動力に変換

 

同発電所の水路の拡張と発電機の増設を実施することで
 四阪島への電気供給が可能となり
 
1922(大正11)年、新居浜-四阪島間約20㎞の海底ケーブルを敷設し送電が開始され
 1970(昭和45)年まで現役で稼働します
 
水圧鉄管の台座と保守路の石積みの階段が残っています
 
水圧鉄管路から沈砂池の出口方面
 
すぐ下で水圧鉄管道を横切る道は牛車道
 
発電所が作られた時には牛車道は既に使われては居なかったので
 水圧鉄管は牛車道を突き抜けていました
 
マイントピア別子横にある旧端出場水力発電所に向けて一直線に続く水圧鉄管路
 
最も勾配のきつい場所では45度はあると思います
 
4月11日の牛車道探訪でここからこの保守路を下りましたが
 まだ記事をアップできておりません(-_-;)
 
ココから見下ろす限りでは石段もあって簡単そうですが
 足を踏み入れたことを後悔するほど厳しい道程でしたアセアセ
 
 
今回は新緑の季節で遺構が見え辛いですが
 2019年元日にも東平経由で上部鉄道跡と石ヶ山丈貯水池を辿りました
 
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右に牛車道を少しだけ辿り、藪尾根を下ります
 
ココを下るのは3度目ですが、迷わないかと毎回不安(^_^;)
 明るいうちにココを通過出来て一安心です
藪尾根の途中で牛車道のピンカーブと接しておりますが
 
この辺りの牛車道は林道石ヶ山丈線として整備され
 コンクリートやガードレールの補強がされております
 
しかし、現状は荒れ放題になっており
 車でここまで来ることは不可能ですが歩くのは問題ありません
 
本来ならここから牛車道を下った方が
 ゴールまでの距離は近かったのですが
 
A地点の牛車道分岐で古道の確認をしたいが為に
 このまま藪尾根を下ります(;^_^A
 
18時13分に牛車道分岐に到着
 
牛車道を左に辿れば立川中宿に至りますが
 住友林業(株)によって簡易作業道として途中まで使われており
 
大斜坑跡を経て県道47号線へも通じてますが
 ここにチェーンが張られており、一般車両は通行出来ません
(県道47号線からの入口にもゲートが設けられています)
 
県道47号線からの入口ゲートに掲げられている注意書き
牛車道分岐(A地点)で牛車道と交差する古道
 下方向と上方向
 
4月18日の牛車道再訪でこの古道を見つけて
 ここまで辿って来ましたが
 
その時はこの牛車道にぶつかって終わりかと思ってましたが
 牛車道と交差して更に上方向に標高を稼いでいるとの情報を得てその確認にやって来ました
 
この情報通りに上方向へ古道は続いていました
 この古道は江戸時代の第二次泉屋道の可能性が高いと思います
 
勿論素人の推測ですが・・・(;^_^A
 
ここにも同じ注意書きがチェーンにぶら下げられていたのですが
 今回は外れて道路に落ちてました
 
もしも林道石ヶ山丈線が整備されていたなら
 反対側(林道西種子川線)からこのゲート(チェーン)までは自動車で乗り入れることが出来ました車DASH!
 
立川中宿-石ヶ山丈分岐までの牛車道
 

牛車道の現状は

 ①生活道路として使用されている

 ②廃道若しくは散策・登山ルートとなっている

 ③住友林業(株)の私道として使用(ゲート在り)

 ④林道石ヶ山丈線として整備、現状は荒れている状態

 

古道(ひょっとして第二次仲持道?)と牛車道の交差

 

牛車道を石ヶ山丈方面へ上ります

 

牛車道と林道石ヶ山丈線の分岐(合流)地点
 
次の牛車道のピンカーブで林道石ヶ山丈線と合流しています(下図)
 

18時24分、現在地は牛車道と林道石ヶ山丈線の合流地点

 

林道石ヶ山丈線を下ります

 

雨で路床が大きく抉られています

 

舗装路になったけど舗装面の上にも多くの土砂と石が流れて来てる

 

写真では昼間みたいに明るく写ってるけど

 既に薄暗くなってます

 

いきなり道が消えたのかと・・・

 びっくらしたばってん

 

土砂崩れで路床の上に土砂が堆積して草生してたんじゃがね

 

もう少し暗ければマジ焦ったかもあせる

 

林道西種子川線に出ました
 
既に薄暗くなった深い谷を奥へと向かいます
 

牛車道分岐から26分

 駐車場のパジェロが見えた

 

心配した落石にも遭って無くてよかった〜

 

18時42分、出発して約10時間
 無事に帰って来る事が出来ました(≧∇≦)

 

今回は私にはちっとハードル高かったですが

 地図アプリのおかげで迷いながらも何とかゴールでけた

 

ココにも落石が・・・

 

西谷川(西種子川)は水量が多くて勢いよく流れてる
 

GPSトラックログの3D動画 70秒

この動画で山のどの辺りを上部鉄道が通っていたのか良くわかるよ(≧▽≦)

 

所要時間 9時間52分(休憩含む)で16.99kmの探訪でした
 
最後までご覧いただきまして有難うございました
 
次回に続く
では、またバイバイ
 

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