梅田ではじめたギャラリーカフェ まそほのつぶやき -9ページ目

まそほ繁盛記

Bは、ぼんやりとした顔で座っていた。
「おはようさん!どないしはりました?うすぼんやりとして!きれかけの蛍光灯みたいでっせ。うひゃひゃひゃ」
Gが自分の言った言葉に満足して笑っても、ため息で応じただけだ。
「はあぁ…」
「何があったんだす?うちにできる事はないやろけど、あったとしても力になりまへんけど…単なる好奇心で聞いてますのやけど…何があったんだす?」
「あんさんの無礼な台詞に反撃する気力がおまへんわ!うち、毎日毎日、金縛りにおうて、夜、寝られまへんのや。」
「ええ~!毎日でっか?」「ここんとこ毎晩ですわ。もう、しんどうて…げっそりしそうですわ。」
「見掛けは、げっそりしてまへんで!大丈夫ですわ。」
「なんとでも、言うとくなはれ。…はあ~」
「うちも経験ありますさかい、あんさんのしんどさはよう解りまっせ!窓は閉めて寝なはれ。それと、布団の位置を変えてみたらどないですか?」
「おふだは?おふだ貼ったらどないやろか?」
「牡丹灯籠やないんやから!そやっ身体にお経をかいたげますわ!」
「いりまへんっ!どうせ、あほだら経ですやろっ!…………書くんやったら、腹周りを わざと書き忘れとくなはれ。」
「妖怪に、持って行ってもらうんでっか?腹の肉。」おほほ

まそほ繁盛記

「なあ、Gはん。こないだのイベント、仰山来てくれましたなあ!」
「ほんまに、よろしおましたわ。店が赤字やとか、そんな事より、スカスカやったら演奏者に悪いですがな。」
「そうですなあ…いろんな人が聴いてくれはったし…楽しんでもらえましたかなあ…」
店の電話が鳴った。
女将達は、一瞬顔を見合わせたが、結局Gが電話をとった。
「へえ、まそほでございます。え?…ああっ、お久しぶりです。明日?�=?MMM$G$9$J!)$X$(!"$*$*$-$K!#$*BT$A$7$F$*$j$^$9!#!W
「予約でっか?」
「ほら、以前よく来てくれてた、さわやか新入社員ですわ。メンバーの結婚パーティーみたいでっせ!」
「あの、なんかまっとうな若者達ですな!ありがたいですなあ。覚えててくれたんですなあ。張り切ってメニュー考えまひょかっ!」「あんさん、明日、病院いきますのやろ?膝を木に替えますのか?」
「違いまっせ!ほら…検査でFRPみたいなやつ…」「FRPて…樹脂ですがな!それもええかもしれまへんけど、言わんとしてるのはMRIの事ですやろ?よう検査してもらいなはれや!膝にコロボックルが住んでるかもしれまへんで。」「ははあん、うちの行動はコロボックルに支配されて…」
「腦に住んでるのは、オカダンゴムシですわ。ふん」つづづ

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フラメンコギターのライブを夜に控え、女将達は準備に追われていた。
「から揚げは、下ごしらえできました…と。Bはんっつまみ食いしなはんなっ!」
「…う…うち、なんも食べてまへんでっ!」
「食べんのは、かまいまへんけど、その鶏肉、なまでっせ。ざっと油通ししただけやさかい。」
「どないしまひょ!飲み込んでしまいましたわ!……まあ、ええですわ…ワニかて鶏肉を生で食べるんやさかい。」
「そうですな…て、自らをワニと一緒にしなはんな!ワニの胃液なんか、溶かす力が物凄いんやから!」
「ワニの胃液やったら、食生活の幅が、ぐっと広がりますな!煮てよし、焼いてよし、生でよし、まるごとよし!骨もよし!鯖なんかも骨ごと…」
「人間にはなあ、優れた味覚っちゅうもんがおますのやで。わざわざ丸飲みせんでもええやないですか!」「いえ、ほら、朝の忙しい時に、ググッと鯖やら鮭やら呑んだら便利やないですか!」
「ヒグマでも、もう少し上品な食べ方しますわ!それにゲップが、魚くそうてたまりまへんやろな。あほな事ばっかり言うてんと働きなはれやっ!」
「今日、お客さん来てくれるやろか…だあれもこんかったらどないしょう…」
「開けてみんとわかりまへんがなっ!は、た、ら、き、な、は、れ!! 」
はいい

まそほ繁盛記

「あ~あづぅ~!」
Bは、袖をまくりあげた。まるで、七月のような暑さで、長袖がうっとうしかった。
「なあ、Gはん!」
「へえ」
「気候もええし、どないだす?月末あたり、京都でも行きまへんか?作品展も行きたいですし!」
「あきまへんわ!うち、作品仕上げなあきまへんのや!六月十三日搬入までに、間に合いまへんがな!」
「あっ、そうでしたなあ!トンテンカンと、銅板叩かんといかんのでしたな。」「日曜日の昼間しか出来まへんのや、そやないと前みたいに菓子折り持って、謝りにいかんとあきまへんがな。日曜日、全つぶれですわ!追い込まれてますのや!」
「そういう時に限って、なんか用事が出来たりするんでっせ!」
「不吉な予言しなはんな!言うときますけどな、あんさんが倒れても、駆け付けまへんでっ!」
「そないな薄情なぁ~。うちが苦しんでてもでっか?」
「そのかわり、お祈りでもさしてもらいますわ!遠隔で!」
「リモート?そら、おおきに!さぞかし、ようききますやろなっ!」
「あんさんも、遠隔呪い、かけてはりましたがな!」「人聞きの悪い!あれは、家の前で、立ちションしよったからですわっ!腐ってもげますようにて…」
ぼろり

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連休明けの月曜日は、雨も上がり、夏日を感じさせる陽気だった。
「どないです?お母はんの具合は。」
「おおきに、だいぶ、ようなりましたわ。けど、元気になったらなったで、うるさいんですわ。寿司食べたいなーとか、退屈やから、早くこいやとか言いますのや。」
「元気になってる証拠ですがな!もうすぐ退院できそうですなあ。」
「病院て、ほんまに退屈ですわ。こっちが病気になりそうですわ。お母はん、退屈で仕方ないもんやから、紙に自作の、妙な詩やら、暗号みたいな絵をかいてますのやで!」
「へえ…どんな詩を作りはったんでっか?」
「それが、ものすごくシュールで、けったいなしろものでしてな…多分、病院の食事のまずさを書いてると思いますのやけど…ええと…皿の上に、それを載せないでと言っているのに、どうしても載せるのか…とかなんとか。」
「それで、それで?」
「聞きたいでっか?そんなん。」
「聞きたいですわ。」
「一緒に、お皿でダンスを踊ろうよ、私の望みは叶うのかな…と、こうですわ!」
「いひゃひゃひゃ、絶好調ですな!お母はん!」
「あああー、ぼけてますのや!何かと交信してますのや!それか、あれは、お母はんの着ぐるみを着た、謎の生物ですわっ!」
つづん

お知らせ

この度、フラメンコギターのライブを催します。

五月十一日(金)
7時30分~、9時30~の二回で、各40分程度。お隣りとの共同企画ですので、当日は、どちらの店でも御自由に出入りしていただけます。
メニューも、当日限定のものをご用意しております。ノーチャージですので、
どうぞ、お気軽にお越し下さい。
ギタリスト
長尾 ゆうたろう

皆様のお越しをお待ちしております。

まそほ繁盛記

「おはようさんです。」
Gは、いくぶん疲れた表情で出勤してきた。
「おはようさんだす。雨、まだ降ってましたか?」
「ざあざあ降ってまっせ。多分、今日は暇ですやろなあ…ゴールデンウイークのさなかやし…。」
「そやさかい、ケーキでも焼きまひょ!うち、実家から玉子持ってきましたさかい。」
Bは、玉子のパックを指し示した。
「また、仰山…実家に、どれほど、玉子がおますのやっ!」
「お母はん、入院してるさかいになあ。玉子、なまもんやさかいに、はよ使わんことには…ケーキの他に、なんか使いみち、おまへんやろか。」
「玉子焼…玉子丼…けど、うちらだけで、そないに食べられまへんで。うち、玉子好きやないし、だいいちコレステロールが心配ですがな。育ち盛りやないんやから!」
「巨大プリンとか作りたいと思いまへんか?」
「ここで?二人だけで?
玉子が余ったから、暇なオバハン二人巨大プリンを作るの巻…ああ、いややいやや!」
「ほな、巨大オムレツ!」「巨大巨大て、そんなに巨大がええですか?どっかの地方都市の地味なイベントみたいやおまへんか!」
「みんな、実は、好きなんですて!」
「あ!ええ事思いつきましたわっ!こうしたらどないやっ!」
Gは、玉子に手をのばした。
「さては、その動きは…うちにぶつけよと…これでどないやっ!」
Bが構えたのは、中華鍋だった。
「生き生きしだしましたなあ。阿呆らし!」
たたた

まそほ繁盛記

女将達は、イベント用のメニューを考えていた。
「何がええですやろか…」「お隣りは、イタリアンやさかいに、かぶる事はおまへんで。そや、から揚げも入れまひょか。」
「そうですなあ。あの特製から揚げは、ほんまに美味しいさかい。あ、お隣りのメニューに、シチリアのライスボールっちゅうのがおましたな!食べてみたいですわ!」
「シチリアといえば…」
「マフィアですわ!ゴッドファーザーですわ!」
「アルカポネも、確かシチリアの御出身やないですか?」
「なんだす、御出身て!尊敬してますのか?」
Bの目が、遠くをさまよいだした。
「きっと、ドン・フィットーネも食べましたんやで。ライスボール。…『おい、マリオの奴から、まだ何にも言ってこねえのか!誰か奴に言ってやれ!ぐずぐずしてやがると、二度とてめえのベッドで目覚める事はねえだろうってな!…ロザリー!そのライスボールを一つ、とってくれ!…なんだこりゃあ!チーズが石鹸みたいになってやがる!』てな事を言いながら、ファミリーで食事しましたんやでっ!マリオは、フィットーネの娘と逃げましたんや!ああ…どうなる!そしてどうする!二人は無事に逃げおおせるのか!」
「…終わりましたか?」
「へえ」
つづく

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「あっ、どないでした?お母はん。」
Gは、遅れて来たBに、あたふたと駆け寄った。
「えらいすんまへんなあ。迷惑かけて。」
「そんなん、よろしわ。気にしなはんな、お互い様ですわ。」
「急性の胆嚢炎でしたわ。あ、これは言いましたな。もう、うち、疲れて…頭がぼおーとしてますわ。」
Bは、椅子に座ると、指でこめかみを軽くもんだ。
「それで、どないですのや?」
「普通やったら、麻酔からすぐ醒めて、自発呼吸しますんやけど、なかなか醒めまへんのや。他のとこも悪いさかいに…もうドキドキで、まるでロシアンルーレットですわ!又は、黒髭危機一発!人間ボムですわっ!」
「ほんまですなあ。いつ、爆発するか、わかりまへんもんなあ。」
「親は、いずれ先に逝きますけど…わかってますんやけどなあ…それは、今やないと、思いたいですなあ。」
「ほんまにそうですわ。」「それよりもな、病院の前に小さい池がありましてな、新宮さんの作品が設置してありますのや。」
「風で動くやつでっか?」「そうそう。で、そこは、小さい公園みたいになってますんやけど、鳩が仰山おりましてな、今シーズンみたいで、あちこちで交尾してますのや!うち、初めてみましたわ!」
「へええ~。うちも、みたことないでっせ!鳩の交尾!」
「ああ、うちも長いこと、こう…」
「やめなはれーっ!」
「長いこと、こうえん、行ってまへんて、言おうとしたんでっせ。」
ななな

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Bが出勤すると、ドアの前に一枚のCDが置かれているのに気が付いた。
「?なんだす??」
Bは、添えられていたメモを読んだ。
「へええ…Gはんにも、相談せんと…」
小一時間ほどして、Gが出勤してきた。
「おはようさんだす。お隣りさんから、ほら、これ!」
「え?ふんふん…へええ…フラメンコギターのライブでっか。うちと共同でっちゅう事ですな。ええやないですか。やりまひょ、やりまひょ!」
「そうですなあ!音楽のイベントやりたかったし、お隣りさん、そのギタリストのお友達みたいやし。」
「たくさん、来てくれはったらええのに!よっしゃ、お隣りがきはったら、さっそく打ち合わせしまひょ!」
夕方、隣のオーナーがやってきて、三人は、あれやこれやと話しあった。
「それじゃあ、DMのデザインは、まそほさんにお任せしていいですか?」
「わかりました。なんか、考えますさかい。また、まとまったら、持っていきますわ!」
30分後、女将達はまだ頭を抱えていた。
「うーん…なんかイベントのキャッチコピーがいりますなあ…なんか…グッとくるやつ。なんか、おまへんのですか?」
「さっきから、考えてますのやけど…魂をゆさぶる…とか…」
「ありふれてますわ、そんなん!例えば…エキゾチック…」
「ジャパン?」
「GO!GO!ヒロミ!…ドあほう!まじめに考えなはれっ!」
たらら