まそほ繁盛記
「ふう…ただいま帰りました。あれ…ドア開け放してますのか?」
「クーラーが又調子悪いみたいで、途中で止まりよったんですわ!」
「えええ~!これから暑いのに~!早速電話しますわっ!」
Bは、業者に電話した。
「あさってになるそうですわ!それまで我慢ですわ!明日、暑ないことを天に祈りまひょ。」
「明日、30度くらいありそうでっせ。」
「さ、さん、さんじゅうどぉ~?天は味方してくれまへんのやなっ!ばかたれ!」
「天に聞こえまっせ。それでバチ当たりまっせ。なるべく厨房に入らんようにしまひょ!」
「静か~に、じぃっと過ごしまひょ~なめくじみたいに。」
「ビール飲んだらあつなるからやめときなはれや。」「へえ~仕方おまへん。
心おだやかに心おだやかに…深呼吸して…」
女将達は、暫くのあいだ黙って作品を作り続けた。
「なあ、Gはん~。これは修業ですやろかあ?うちら修業しても修業しても精神ステージがあがりまへんなあ~。」
「喋りなはんな!暑いさかい!それと、もう少し離れて座りなはれ!暑いさかい!」
「いいましたな!Gはんこそ、うちの目の前でお茶飲まんといておくれやす!
暑いさかいっ!」
あああ
「クーラーが又調子悪いみたいで、途中で止まりよったんですわ!」
「えええ~!これから暑いのに~!早速電話しますわっ!」
Bは、業者に電話した。
「あさってになるそうですわ!それまで我慢ですわ!明日、暑ないことを天に祈りまひょ。」
「明日、30度くらいありそうでっせ。」
「さ、さん、さんじゅうどぉ~?天は味方してくれまへんのやなっ!ばかたれ!」
「天に聞こえまっせ。それでバチ当たりまっせ。なるべく厨房に入らんようにしまひょ!」
「静か~に、じぃっと過ごしまひょ~なめくじみたいに。」
「ビール飲んだらあつなるからやめときなはれや。」「へえ~仕方おまへん。
心おだやかに心おだやかに…深呼吸して…」
女将達は、暫くのあいだ黙って作品を作り続けた。
「なあ、Gはん~。これは修業ですやろかあ?うちら修業しても修業しても精神ステージがあがりまへんなあ~。」
「喋りなはんな!暑いさかい!それと、もう少し離れて座りなはれ!暑いさかい!」
「いいましたな!Gはんこそ、うちの目の前でお茶飲まんといておくれやす!
暑いさかいっ!」
あああ
まそほ繁盛記
「えらい蒸し暑いですなあ。」
Gが汗を拭きながら登場した。
「エアコン修理、明日やないときまへんで!ほんまにこの、ボロボロ!いまいましい!大家にいうても埒あきまへんしな!」
「あんたとこで直しなはれ、て言われるのが関の山ですわ!」
「大家にいっぺん寒い思いを…」
「凶暴になりますわなあ、こないに暑いと。さあ、明日の仕込みでもしますか!」
「そうですな、明日予約は7時からやけど、下ごしらえだけでもやっといたら楽ですもんなあ。」
その時、店内の電話が鳴った。
「きっとエアコン屋でっせ!明日来る時間やろか…。」
Bは呟きながら、受話器をとった。
「へえ、まそほでございます。あっ、どうも…こんにちは。へえ、へえ、え?
ああ、そうでっか。そら仕方おまへんなあ。いえいえ構いまへんで…へえ、ほなまた。失礼します…おおきに。」
「どなたはんからだす?」「明日キャンセルになりましたわあ~。」
「…う~ん…仕方ありまへんなあ。まあ、商売してたらこんなこともおますわなあ。」
「そうですわな。当日やのうて、よかったですな。」「けど、一気に力が…あついし…」
「今から暑いて言うたら十円やでっ。それで貯まったらジャイアントコーン買いまひょ!」
「いやですわ!お金 もったいない!暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い!」
「壊れましたな!明日エアコンと一緒に、修理してもらいまひょな!」
「ケタケタケタケタ」
ぷしゅう
Gが汗を拭きながら登場した。
「エアコン修理、明日やないときまへんで!ほんまにこの、ボロボロ!いまいましい!大家にいうても埒あきまへんしな!」
「あんたとこで直しなはれ、て言われるのが関の山ですわ!」
「大家にいっぺん寒い思いを…」
「凶暴になりますわなあ、こないに暑いと。さあ、明日の仕込みでもしますか!」
「そうですな、明日予約は7時からやけど、下ごしらえだけでもやっといたら楽ですもんなあ。」
その時、店内の電話が鳴った。
「きっとエアコン屋でっせ!明日来る時間やろか…。」
Bは呟きながら、受話器をとった。
「へえ、まそほでございます。あっ、どうも…こんにちは。へえ、へえ、え?
ああ、そうでっか。そら仕方おまへんなあ。いえいえ構いまへんで…へえ、ほなまた。失礼します…おおきに。」
「どなたはんからだす?」「明日キャンセルになりましたわあ~。」
「…う~ん…仕方ありまへんなあ。まあ、商売してたらこんなこともおますわなあ。」
「そうですわな。当日やのうて、よかったですな。」「けど、一気に力が…あついし…」
「今から暑いて言うたら十円やでっ。それで貯まったらジャイアントコーン買いまひょ!」
「いやですわ!お金 もったいない!暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い!」
「壊れましたな!明日エアコンと一緒に、修理してもらいまひょな!」
「ケタケタケタケタ」
ぷしゅう
まそほ繁盛記
六月に入ってから、暑い日が続いていた。
Bが病院から、そろそろ帰ってくる時間だった。
「あ~、ただいまあ~。暑いですわあ~。お腹も減りましたわ。」
「お帰りやす。どないでした?膝は。」
「今日も水を抜きましたわ。暫く様子見ですわ。あんまり長い事、歩いたらあかんて、言われましたで。」「そらそうですやろな。」「それよりもなっ、電車乗りましたらなっ…多分、足引きずってたんやと思いますけど…席、譲ってくれた若者がおりましてなあ!」「おばあさんやと思われたんやないですか?ぐへへへ。」
「せやろか?それやったらまだ、妊婦さんに間違われたいですわ!いや…そんなことやのうて…その若者が耳にピアスやわ、指輪は五つほどつけてるわ、結構なかっこした若者やったから、うち、びっくりしましたんや!それでな…ふふふん」
「な、なんだす?」
「おりしなに、なんぞお礼しよと思いましてな…」
「何しはったんだす?」
「アフリカのホイッスルを…」
「へ?あ の笛?どうせ、なんか一言添えたんですやろ?だいたい想像できますけどな!」
「へえ、もちろん『ありがとう、これを貴方に差し上げるわ!アフリカの笛よ。お守りとして持っていてね!きっといいことがあるからね。』って言いましたんや。」
「やっぱり!まるで、魔法使いや!」
「神様がおばはんに化けてた、と思うはずですわ、彼は。」
「気の毒ですなあ…」
ちちつ
Bが病院から、そろそろ帰ってくる時間だった。
「あ~、ただいまあ~。暑いですわあ~。お腹も減りましたわ。」
「お帰りやす。どないでした?膝は。」
「今日も水を抜きましたわ。暫く様子見ですわ。あんまり長い事、歩いたらあかんて、言われましたで。」「そらそうですやろな。」「それよりもなっ、電車乗りましたらなっ…多分、足引きずってたんやと思いますけど…席、譲ってくれた若者がおりましてなあ!」「おばあさんやと思われたんやないですか?ぐへへへ。」
「せやろか?それやったらまだ、妊婦さんに間違われたいですわ!いや…そんなことやのうて…その若者が耳にピアスやわ、指輪は五つほどつけてるわ、結構なかっこした若者やったから、うち、びっくりしましたんや!それでな…ふふふん」
「な、なんだす?」
「おりしなに、なんぞお礼しよと思いましてな…」
「何しはったんだす?」
「アフリカのホイッスルを…」
「へ?あ の笛?どうせ、なんか一言添えたんですやろ?だいたい想像できますけどな!」
「へえ、もちろん『ありがとう、これを貴方に差し上げるわ!アフリカの笛よ。お守りとして持っていてね!きっといいことがあるからね。』って言いましたんや。」
「やっぱり!まるで、魔法使いや!」
「神様がおばはんに化けてた、と思うはずですわ、彼は。」
「気の毒ですなあ…」
ちちつ
まそほ繁盛記
「山翁は、昨日、ぶつぶつ言うてはりましたな。」
「そら、自転車乗ってて職質うけたら、気ぃ悪いですやろ。自転車泥棒かも…と疑われてるんやから。」
「あの人らは、服装で判断しはるから、スーツにネクタイやったら呼び止められんかったやろて言うてはりましたな。」
「あんさん、職質うけたことおますか?」
「なんで、うちが…そういえば…昔、友達と夜中にドライブしてましてな、検問があったんですわ!うち、助手席に座ってたのに、免許証の提示を求められましたんやでっ!思い出したら腹がたってきましたわっ!」
「窓から身体半分出して、ひゃっほう、とか言うてはりませんでしたか?」
「言うてまへんっ!鉄パイプで地面もガリガリこすってまへんっ!車もパラリ ラパラリラ~なんて鳴らしてまへんっ!」
「ほな、なんでだす?」
「しいて言えば…その時、友達、免許証不携帯でしたんや!夜中の2時頃やったし…!」
「充分怪しいですがな!」「他にも思いだしましたわ!道歩いてたら、後ろからパトカーがマイクで、そこの歩行者!端へ寄りなさいって言うんでっせ!何も、わざわざマイクで…あっ、あと着物に襷掛けで運転してましたら、とめられましたわ!敵討ちですか~って言いよりましたわ!ニヤニヤしながら!あと…」
「もうよろしわ!仰山おますのやな!うちはな…」
つる
「そら、自転車乗ってて職質うけたら、気ぃ悪いですやろ。自転車泥棒かも…と疑われてるんやから。」
「あの人らは、服装で判断しはるから、スーツにネクタイやったら呼び止められんかったやろて言うてはりましたな。」
「あんさん、職質うけたことおますか?」
「なんで、うちが…そういえば…昔、友達と夜中にドライブしてましてな、検問があったんですわ!うち、助手席に座ってたのに、免許証の提示を求められましたんやでっ!思い出したら腹がたってきましたわっ!」
「窓から身体半分出して、ひゃっほう、とか言うてはりませんでしたか?」
「言うてまへんっ!鉄パイプで地面もガリガリこすってまへんっ!車もパラリ ラパラリラ~なんて鳴らしてまへんっ!」
「ほな、なんでだす?」
「しいて言えば…その時、友達、免許証不携帯でしたんや!夜中の2時頃やったし…!」
「充分怪しいですがな!」「他にも思いだしましたわ!道歩いてたら、後ろからパトカーがマイクで、そこの歩行者!端へ寄りなさいって言うんでっせ!何も、わざわざマイクで…あっ、あと着物に襷掛けで運転してましたら、とめられましたわ!敵討ちですか~って言いよりましたわ!ニヤニヤしながら!あと…」
「もうよろしわ!仰山おますのやな!うちはな…」
つる
まそほ繁盛記
「うわあ…また、仰山の山椒ですなあ…」
テーブルの上には、箱に入った山椒の実が置かれていた。
「ええ匂いしてますやろ!ちりめん山椒でも作ろかと思いましてな!」
「そら、おいしそうや…けど、この実をとるのが、時間かかりますやろなあ…どうせ、うちもやらされるんやろけど…。」
「当たり前だすっ!さあ、やりまっせ!うちは、ここんとこ山椒にこってますのや!」
「へえへえ…らっきょといい山椒といい…迷惑な話ですわ!おいしいから、やりますけど。」
暫くの間、二人は下を向き、黙々と実をちぎっていた。
「なあ…」
Bが口を開いた。
「なんだす?」
「駅に貼ってあるポスターで、ポイ捨てはやめましょう、とか書いてますやろ?ポイて…投げ捨てやったらあきまへんのやろか。」
「投げ捨てやったら、ものすご大きいもんも含まれますがな!ポイ捨ては、絞りこまれますやろ?吸い殻とか、あと…煙草のパッケージのフィルムとか…あき缶も、まあポイ捨てられ組ですわな!」
「ポイ捨てのポイは、がん見する、の、がんですな。使いかたとしては。」
「なんだす?うち、そんな与太者みたいな言葉、知りまへんでっ!」
「与太者て…お江戸…?」「…もっと言うたげますわ!ひょうろくだまっ!ぬけさくっ!仕上げに知らぬ顔のはんべえ、とくらぁ!」「お江戸で、池波正太郎ですなっ!」
つささ
テーブルの上には、箱に入った山椒の実が置かれていた。
「ええ匂いしてますやろ!ちりめん山椒でも作ろかと思いましてな!」
「そら、おいしそうや…けど、この実をとるのが、時間かかりますやろなあ…どうせ、うちもやらされるんやろけど…。」
「当たり前だすっ!さあ、やりまっせ!うちは、ここんとこ山椒にこってますのや!」
「へえへえ…らっきょといい山椒といい…迷惑な話ですわ!おいしいから、やりますけど。」
暫くの間、二人は下を向き、黙々と実をちぎっていた。
「なあ…」
Bが口を開いた。
「なんだす?」
「駅に貼ってあるポスターで、ポイ捨てはやめましょう、とか書いてますやろ?ポイて…投げ捨てやったらあきまへんのやろか。」
「投げ捨てやったら、ものすご大きいもんも含まれますがな!ポイ捨ては、絞りこまれますやろ?吸い殻とか、あと…煙草のパッケージのフィルムとか…あき缶も、まあポイ捨てられ組ですわな!」
「ポイ捨てのポイは、がん見する、の、がんですな。使いかたとしては。」
「なんだす?うち、そんな与太者みたいな言葉、知りまへんでっ!」
「与太者て…お江戸…?」「…もっと言うたげますわ!ひょうろくだまっ!ぬけさくっ!仕上げに知らぬ顔のはんべえ、とくらぁ!」「お江戸で、池波正太郎ですなっ!」
つささ
まそほ繁盛記
「残念ですなあ…」
「しょうがないですわ。」女将達は、少しばかり気落ちしていた。
というのも、来月に予定していたコンガのライブが延期になってしまったからだ。
「フルテツさん、入院しはって、はよう元気にならはったらよろしなあ。」
「退院しはったら、退院パーティーみたいな形でやりまひょ!」
「それがよろしな!」
「ところで、あんさんの満 月ポンの調子はどないだす?」
「満月ポン?…ああ…半月板のことでっか…。なんやえらいこと傷んでましてな裂けてますのやて。様子みて手術せんならんかも…」「少し、めかた、軽しなはれや!年いったらこたえまっせ!」
「身体、かるしても、うちは脳みそが40キロほどありますさかいになあ…!」「またまた、いい加減なことを!そんな人類おりまへんで!けど、そんだけあったら足の骨、もっと太くせな支えられまへんやろな!直径15センチ…は、いるんとちゃいますか?」
「二本やったら足りまへんから四本にしますわ!そんだけあったら、地面に接する部分は少しでもええから靴のサイズ20センチでも…」
「そないな身体になってしもたら靴なんかいるかいな!人間やおまへんわっ!」「あ!お客さんやっ!」
つくづく
「しょうがないですわ。」女将達は、少しばかり気落ちしていた。
というのも、来月に予定していたコンガのライブが延期になってしまったからだ。
「フルテツさん、入院しはって、はよう元気にならはったらよろしなあ。」
「退院しはったら、退院パーティーみたいな形でやりまひょ!」
「それがよろしな!」
「ところで、あんさんの満 月ポンの調子はどないだす?」
「満月ポン?…ああ…半月板のことでっか…。なんやえらいこと傷んでましてな裂けてますのやて。様子みて手術せんならんかも…」「少し、めかた、軽しなはれや!年いったらこたえまっせ!」
「身体、かるしても、うちは脳みそが40キロほどありますさかいになあ…!」「またまた、いい加減なことを!そんな人類おりまへんで!けど、そんだけあったら足の骨、もっと太くせな支えられまへんやろな!直径15センチ…は、いるんとちゃいますか?」
「二本やったら足りまへんから四本にしますわ!そんだけあったら、地面に接する部分は少しでもええから靴のサイズ20センチでも…」
「そないな身体になってしもたら靴なんかいるかいな!人間やおまへんわっ!」「あ!お客さんやっ!」
つくづく
まそほ繁盛記
女将達は、奈良に来ていた。
キトラ古墳の壁画の一部である『玄武』、その特別展示を鑑賞する為である。
「ええですなあ~!広いですなあ~!」
「旅行気分もあじわえて、楽しなってきましたわ。ええと…バス…あっ、あそこやっ!はよのりまひょ。」バスに乗ること20分くらいで、目的地の飛鳥資料館に到着した。
「ええとこですなあ。緑が目にはえて…あおによし…」
「その後、続きまへんのやろ?断片的には、思い出しますのやけどなあ…。」
「まとめたら、万葉で鹿で額田女王で、古墳で世界遺産で聖徳太子で遣唐使で、あとは笹寿司、っちゅう事ですな!奈良は!」
「まとめてまへんがな!それより、あの亀石の向こうの石!へんな形ですなあ!あっ!パンフレットに、フグリ山って書いてありますわ。」
「近くでっか?フグリ山。」
「結構あるみたいやから今日は行けまへんで。せいぜい、石舞台へ行ってみるぐらいしか…時間的に…」
「あおによし 都の春は いずくにか いまにのこりしフグリやまかな…けっけっけ!どないだす?」
「駄作も駄作!フグリ山いれたかっただけですやろ?おみとおしでっせ!」
まほろば
キトラ古墳の壁画の一部である『玄武』、その特別展示を鑑賞する為である。
「ええですなあ~!広いですなあ~!」
「旅行気分もあじわえて、楽しなってきましたわ。ええと…バス…あっ、あそこやっ!はよのりまひょ。」バスに乗ること20分くらいで、目的地の飛鳥資料館に到着した。
「ええとこですなあ。緑が目にはえて…あおによし…」
「その後、続きまへんのやろ?断片的には、思い出しますのやけどなあ…。」
「まとめたら、万葉で鹿で額田女王で、古墳で世界遺産で聖徳太子で遣唐使で、あとは笹寿司、っちゅう事ですな!奈良は!」
「まとめてまへんがな!それより、あの亀石の向こうの石!へんな形ですなあ!あっ!パンフレットに、フグリ山って書いてありますわ。」
「近くでっか?フグリ山。」
「結構あるみたいやから今日は行けまへんで。せいぜい、石舞台へ行ってみるぐらいしか…時間的に…」
「あおによし 都の春は いずくにか いまにのこりしフグリやまかな…けっけっけ!どないだす?」
「駄作も駄作!フグリ山いれたかっただけですやろ?おみとおしでっせ!」
まほろば
まそほ繁盛記
「楽しみですなあ!」
「ほんまですわ!」
女将達は、にこにこと顔をほころばせていた。
来月末に、コンガのライブ開催が決まったのだ。
「うちは、一回、生でききたかったんだす!フルテツさんのライブ!」
「うちも、あんさんの話しを聞いて、ぜひとも聴いてみたいと思てましたんやっ!はよう実現して、よろしおましたわ!」
「うちらは、小さい願い事は叶いますなっ!」
「あんさんが、地球征服とか宇宙軍総指揮官になりたいとか望めへんかったら、たいていは叶いまっせ!」「うちの望みは一つだけ~地球の平和でございますぅ~!」
「うわ、なんかむかつきますなあ!」
「話しは戻りますけどな、山爺ぃも、たまには役にたちますな!フルテツさんに言うてくれはったから、ライブが出来ますのやから!」
「山爺ぃて言いなはんな!妖怪みたいやがな。山翁って言いなはれ!…とにかくライブ、盛り上がったらええのに!立食パーティー形式やから、メニュー、考えまひょ!」
「三�=?M$0$i$$$O!"$-$O$k$d$m$+!)!W
「スカスカの心配はないと思いますけどなあ…逆に、みちみちを心配しますわ。空気うすなるし…!」
「空気て…どんだけ…あっ!今思いだした!ゆうべ、家の前で、酔っ払いの若者達が『どんだけーっ』て、連呼してましたんや!流行ってますのか?」
「よく耳にしますなあ!阿呆ですわっ!聴いたらイライラしますわっ!脳みそどんだけーっ!ですわ!」
「こんだけーっ」
Bが、床のピーナツをつまみあげた!
どだけ
「ほんまですわ!」
女将達は、にこにこと顔をほころばせていた。
来月末に、コンガのライブ開催が決まったのだ。
「うちは、一回、生でききたかったんだす!フルテツさんのライブ!」
「うちも、あんさんの話しを聞いて、ぜひとも聴いてみたいと思てましたんやっ!はよう実現して、よろしおましたわ!」
「うちらは、小さい願い事は叶いますなっ!」
「あんさんが、地球征服とか宇宙軍総指揮官になりたいとか望めへんかったら、たいていは叶いまっせ!」「うちの望みは一つだけ~地球の平和でございますぅ~!」
「うわ、なんかむかつきますなあ!」
「話しは戻りますけどな、山爺ぃも、たまには役にたちますな!フルテツさんに言うてくれはったから、ライブが出来ますのやから!」
「山爺ぃて言いなはんな!妖怪みたいやがな。山翁って言いなはれ!…とにかくライブ、盛り上がったらええのに!立食パーティー形式やから、メニュー、考えまひょ!」
「三�=?M$0$i$$$O!"$-$O$k$d$m$+!)!W
「スカスカの心配はないと思いますけどなあ…逆に、みちみちを心配しますわ。空気うすなるし…!」
「空気て…どんだけ…あっ!今思いだした!ゆうべ、家の前で、酔っ払いの若者達が『どんだけーっ』て、連呼してましたんや!流行ってますのか?」
「よく耳にしますなあ!阿呆ですわっ!聴いたらイライラしますわっ!脳みそどんだけーっ!ですわ!」
「こんだけーっ」
Bが、床のピーナツをつまみあげた!
どだけ
まそほ繁盛記
「ありましたで、見つけましたで!」
出かけていたBが、嬉しそうに戻ってきた。
「何がおましたんや?」
「雨月物語だす。うち、前から探してましたやろ、それが、お手軽な文庫本で、おましたんや!原文と現代語訳が併記されてて、読みやすそうですわ。」
「そらそら結構ですなあ。うちも、ちゃんと読みたいですわ。大昔に教科書に載ってたんは覚えてますけど…」
「ええですなあ、上田秋成!あの人の怪異文学は最高ですわ!」
「今でいうたら誰ですやろ…荒俣はん?ちがうな…」「京極はん?もっと違いますな。水木はん…」
「ますます違う方向に行ってまっせ!水木はん漫画家やし!」
「楳図はん!きゃあああ」「うちの頭に今、蛇女がはいずり回る図が浮かんだやおまへんかっ!」
Gは、頭をかるく振った。「Bはん、雨月には金縛り対処方は出てまへんで。」「わかってますわ!鯉になったぼんさんの話やら、浮気性があだになって、怨霊に取りつかれる男の話やらが載ってますのやで!楽しみですわ、寝そべりながらチューチュー食べながら読もかいなあ!あっ、とんがりコーン食べながら読みますわ!」
「家でしなはれやっ!お尻でも掻きな がらダラダラ読みなはれ!うちの読書姿勢とは、全く違いますな。」「Gはんは、枕にしますんやろ?」
ちつつ
出かけていたBが、嬉しそうに戻ってきた。
「何がおましたんや?」
「雨月物語だす。うち、前から探してましたやろ、それが、お手軽な文庫本で、おましたんや!原文と現代語訳が併記されてて、読みやすそうですわ。」
「そらそら結構ですなあ。うちも、ちゃんと読みたいですわ。大昔に教科書に載ってたんは覚えてますけど…」
「ええですなあ、上田秋成!あの人の怪異文学は最高ですわ!」
「今でいうたら誰ですやろ…荒俣はん?ちがうな…」「京極はん?もっと違いますな。水木はん…」
「ますます違う方向に行ってまっせ!水木はん漫画家やし!」
「楳図はん!きゃあああ」「うちの頭に今、蛇女がはいずり回る図が浮かんだやおまへんかっ!」
Gは、頭をかるく振った。「Bはん、雨月には金縛り対処方は出てまへんで。」「わかってますわ!鯉になったぼんさんの話やら、浮気性があだになって、怨霊に取りつかれる男の話やらが載ってますのやで!楽しみですわ、寝そべりながらチューチュー食べながら読もかいなあ!あっ、とんがりコーン食べながら読みますわ!」
「家でしなはれやっ!お尻でも掻きな がらダラダラ読みなはれ!うちの読書姿勢とは、全く違いますな。」「Gはんは、枕にしますんやろ?」
ちつつ
まそほ繁盛記
「困りましたなあ…」
「うち、眠いのに…」
Bは、金縛りが続き、ぐったりしていた。
「ああ、うちが陰陽師やったら、すぐに力になれますのになあ…あっ!そや!九字の護符!あれ唱えなはれ!ええっと…りん、ぴょう、とう、しゃ…あとなんやったかいな?」
「こう、ちゅう…これは、八犬伝ですな…あかん!もう頭ん中、八犬伝に乗っ取られましたわ!タマズサが怨霊まで登場してますわっ!」
「ちょっとBはん!自分の事やのに、もっと真剣に考えなはれ!」
「れつ、っておまへんでしたか?」
「うち、ちょっと聞いてみますわ!そういうのに詳しい人知ってますさかいに。」
「知ってますのか?何もんです?その人。」
「いや、ただもんですわ。けど、やたら、そういうの詳しいさかいに。」
暫くしてGが戻ってきた。「今、聞いてきました。
りん、ぴょう、とう、しゃ、かい、じん、れつ、ざい、ぜん、ですわ。これを唱えなはれや!まちごうたらあきまへんで!」
「大丈夫だす。ついでに塩も盛って、御幣もつけて、結界はっと きますわ。」
「そうしなはれ!そうしなはれ!もひとつおまけに、ニンニクも飾って、シーサーも置いときなはれ!」 「柊に鰯もっ!こうなったらケルトのお守りやら、インディアンのお守りやら…スカラベやらなっ!なんや、たのしなってきましたわ!」
つづき
「うち、眠いのに…」
Bは、金縛りが続き、ぐったりしていた。
「ああ、うちが陰陽師やったら、すぐに力になれますのになあ…あっ!そや!九字の護符!あれ唱えなはれ!ええっと…りん、ぴょう、とう、しゃ…あとなんやったかいな?」
「こう、ちゅう…これは、八犬伝ですな…あかん!もう頭ん中、八犬伝に乗っ取られましたわ!タマズサが怨霊まで登場してますわっ!」
「ちょっとBはん!自分の事やのに、もっと真剣に考えなはれ!」
「れつ、っておまへんでしたか?」
「うち、ちょっと聞いてみますわ!そういうのに詳しい人知ってますさかいに。」
「知ってますのか?何もんです?その人。」
「いや、ただもんですわ。けど、やたら、そういうの詳しいさかいに。」
暫くしてGが戻ってきた。「今、聞いてきました。
りん、ぴょう、とう、しゃ、かい、じん、れつ、ざい、ぜん、ですわ。これを唱えなはれや!まちごうたらあきまへんで!」
「大丈夫だす。ついでに塩も盛って、御幣もつけて、結界はっと きますわ。」
「そうしなはれ!そうしなはれ!もひとつおまけに、ニンニクも飾って、シーサーも置いときなはれ!」 「柊に鰯もっ!こうなったらケルトのお守りやら、インディアンのお守りやら…スカラベやらなっ!なんや、たのしなってきましたわ!」
つづき