コートカードのディスカッションのときに話題にした、<キング>と<ナイト>のお話についてです。
それを聞いて、「あ、あのことね」と思える方には伝わったはずですが、「そもそも、そのことを知らないからわかりません」ということもありますね。
そこで、補足を書きます。
タロット連合で解説する「ウェイト=スミス・タロット」のコートカードは、ペイジ、ナイト、クイーン、キングで成り立ちます。
それに対し、「トート・タロット」のコートカードを見ると、ナイト、クイーン、プリンス、プリンセスで成り立ち、ナイトは王であり、クイーンは女王、プリンスは王子にして皇帝、プリンセスは王女にして女帝とされています。
「ウェイト=スミス・タロット」のペイジ、ナイト、クイーン、キングは、どうなるでしょうか。
ペイジは小姓、クイーンは女王のままでOKとして、キングは王なのか、ナイトは騎士で王にはならないのかという疑問が出てきます。
一般的には、「ウェイト=スミス・タロット」のキングは王で1番偉い人、クイーンはその妃、ナイトは王族と国を守る騎士で、王族に仕える小姓と解釈されているでしょう。
拙著のタロット本は全部、この考え方に準じています。
キングは王で国1番の偉い人、ナイトは騎士で国を守る人という、おそらくチェスと同じ(チェスは詳しくないですが)役周りです。
ところが、キングが王であるとすると、異論を唱えられることもあります。
そういうときに、意味がわからずに困ってしまうことがないように、解釈が2通りあるということを覚えておけるといいでしょう。
宮廷時代に遡ると、ナイトが王であるという考え方がわかりやすくなります。
昔の王は、自らが指揮をとり、先陣を切って戦へ向かいました。
戦に勝つと、戦利品を持ち帰りながら勝利の凱旋を行い、広げた領地での武勇伝を伝え周ります。
(【タロットのあだ名】ドヤ顔カードでもご紹介しています)
ここで出てくるのが小アルカナの凱旋カード<ワンドの6>です。
タロット連合2で<6>の解説の賢龍先生が、張りぼての馬のお話をされていましたね。
昔の王は、現代とは異なり、安全な場所で守られているわけではなく、自らが戦地に赴いて勝利を収めていたのです。
それを踏まえてコートカードを思い出せば、ナイトはただの騎士ではなく、先陣を切って遠征に挑む王でもあることがわかるでしょう。
戦のための遠征に出られなくなると、もう、王として役不足となり、王座を奪われたり、敵からの襲撃を受けたりするのです。
軍団を率いる力量がないと、王座を守り切れなくなってしまう。
つまり、ある程度は若く、体力があり、類い希な戦力を誇る武人が、王になれたと考えることもできます。
戦力にならず、戦の指揮をとれない者は玉座を追われてしまうし、そうした力のない者は王になれないということです。
昔は今より寿命も短いですから、王を引退するくらいのときにちょうどよく召されてしまったのかもしれません。
以前から、当ブログで紹介しているトルコのドラマ『オスマン帝国外伝』をご覧になると、この模様がすごくわかりやすいです。
小姓も出てきますし、王の妃が女帝として後宮(日本でいうところの大奥のような)を守っていることも見て取れます。
ところが、現代社会にあてはめてみると、ナイトである騎士は軍隊や軍人となり、キングである王は経験があり、そこから生まれる知略で安全な場所から指令を出したりしているわけです。
高齢化社会らしいコートカード展開ですね。
という時代背景からの読み替えも起きてくるタロットと考えると、いろいろな絵柄で表現を変えたデザインのタロットが登場することにも頷けるでしょう。
ところでオスマン帝国外伝の背景として、トルコが浮かんできます。
1453年、ビザンツ帝国の都コンスタンティノープルが、オスマン帝国に征服されてイスタンブルと呼ばれるようになったそうです。
イスタンブル(イスタンブール)といえば、トプカプ・サライ博物館のある場所です。
タロット連合2の<A>の解説で鏡リュウジさんがお話されていた、マルムーク・カードが保管されている博物館です。
16世紀のはじめに作られたマルムーク・カードは、現在のトランプやタロットのルーツともいわれています。
トプカプ・サライ博物館は、トプカプ宮殿博物館とも呼ばれ、オスマン帝国の宮廷だった場所です。
まさに、オスマン帝国外伝の舞台ですね。
世界遺産となったトプカプ宮殿は、博物館として利用されているのです。
あー、行きたいなぁ
オスマン帝国外伝の王や大宰相が戦のときに身につけていた鎧は、書泉グランデさんにありました
こんなに重そうで動きずらそうなものを着込んで馬を走らせて、刀を振り回すなんて、相当のトレーニングをしていなければ、若者でもムリですね。
王になるのもラクじゃないことがわかります。
オスマン帝国外伝がタロットにつながったのは偶然でしたが、こんなにも惹かれるのは、そういうつながりもあったのかともと思えてきちゃいますね。
ということで、オスマン帝国外伝も、よろしければチェックされてみてください。
トルココーヒーのお店に行きたかった理由も、こうしたいろいろが影響していました
タロット連合2について、また投稿しますね
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