初の海外遠征!異国の地プラハ
時は、2004年、季節は初夏を感じる頃と記憶している。思いもよらないことから、突然舞い込んで来た仕事だった。ひょんなことから、ある監督と出会ったのだ。異色を放つその監督は有名な方で、チェコプラハでCMや映像関係をディレクションしている外人監督だった。彼は副業の傍ら、趣味と実益を持ってエロティックビジョン。所謂AVを様々な国で撮り、現地で販売などしている二つの顔を持った人物なのだ!! (っす、すごい!)その監督は、日本で撮るAVには日本のアクター(男優女優)を起用して監督をする。奇しくも数ヶ月前に彼の起こした現場に呼ばれていた。そこは都内某所のハウススタジオ。そこには、割と顔が知れた企画単体系の女優がキャスティングされていた。内容は、特に台本が用意されているわけでもなく、数人の男に弄ばれる一人の女優。所謂複数プレイである。男優5人が入れ替り立ち替り絡んで行くありがちな設定だった。監督は挨拶程度の辿々しい日本語しか喋れず、常に横には日本人コーディネーターが連れ添って通訳の役を果たしていた。< yoroshiku-< ヨロシクー今となっては、何故俺がその監督のお眼鏡に適ったのか?その理由は定かでは無い。その現場終わりに声を掛けられ、いきなり誘われた。< hi, TAKA.< はい、TAKAその計画とはプラハに男優3人を呼び、現地の外人女優と様々なシーンでの撮影を長きに渡って撮ると言うのだ。<Bravo!Let's do it in Prague!!< プラハでやっちゃおうよ!!その撮影期間、、なんと1ヶ月間!< ワ、、ワンマンス?< YE~S!< いえ~す!長い!ものすごく長い!気の遠くなる話だ。しかし、提示された待遇は非常に良いものだった。行き帰りのチケットは勿論、滞在先の宿泊施設の用意。ギャランティーとは別に現地の食事代やお茶代、観光に使われた金銭全て負担すると言うのだ。当時の俺のギャラ事情は、1日拘束で2万円であった。単純計算でも×1ヶ月=60万円特別ボーナス有り【困難を要する場所や条件によって】。。。空いた時間は自由に観光し放題。(当時の写真)経費を使うことも許されている立場。(当時の写真)それは好条件以外なにものでもない!(当時の写真)又と無いチャンス!生涯降り立つことなど無いかも知れないチェコプラハ< Very good places.< トテモイイトコロヨー男優として有名になることを夢見て、志半ばの俺は正直、心がときめいていた。飛行時間は、初めての14時間。直通が無いため、乗り換えを要する。そして、何より言葉の壁。< Oh.Ye~s.現地で日本人を見かけることなどあるのだろうか?俺自身、英語にしろ語学力に乏しい。< あいあむじゃぱにーず< Oh.Ye~s.< おう、いえ~すいやん、ホームシックにかかったらどうしよう~女子かっ!!行くよ!!行きますよ!!インターナショナルなセクシーアクターになってやる。<Prague is a very good place. Let's do it together in Prague!< おう、いえ~すしかしながら1ヶ月は長い。男優それぞれが個人事業主である故、仕事を受けるのも、営業するのも本人自身なのだ。人気テレビタレントであっても、1ヶ月の期間姿を消してしまったら、その後戻れるポストがそこにあるか否かわからない。駆け出しのAV男優が1ヶ月現場を空けて、干されてしまわないか?最悪の事態が頭を過ぎる。しかし、経験値を上げる為!度胸が試される時!!能力を養えるには、、、ドラクエだってそうだったように、レベルアップは絶対的に必要なのだ。自分の直感を信じて、俺は思い切って仕事を引き受ける決意を固めた!当時携帯電話は、そのまま海外での使用が出来ず、各自空港で海外での使用が可能なモトローラ製の小型携帯と替えて現地に持ち込まなければならなかった。番号はそのままで日本からの電話を受けることが出来るもの。今後の為にも、製作会社から仕事のオファーがあった場合に備えて、その後のスケジュールを告げる必要があるのだ。旅立つ勇者は、俺を除いてあと二人。一人は、俺よりちょっと早く業界に携わっていたガタイの大きい実力派男優Y君。もう一人は、まだフェラ男優に上がったばかりのA君だった。三人はお互いの性格も知らず、1ヶ月間共同生活をすることになる。帰り道、チェコの旅行ガイドを買った。観光旅行ツアーなら何も考えずに楽しむことだけに集中出来るのかも、、、しかし!今回は、与えられたミッション!日本のAV男優三人が向かう想像もつかない異国の地。長身金髪?白人の相手。長い飛行時間。長期滞在。言葉の壁。< ダイジョブダイジョブ< だいじょぶだいじょぶあげれば不安しかない~やれるのか俺?大丈夫なのか俺?とにかく大きめのキャリーバッグに1ヶ月分の衣装と備品と、、夢を詰めて、、、いざ、プラハへ!爪痕残す為に旅立ったのだ。つづく