時を戻そう(ぺこぱ)
時代は平成に移り変わり、激動な歴史を予感させる1991年頃の話である。
俺は、とある進学校への受験に見事合格を果たし、新たなる門出を迎えようとしていた。
ある目標を達成させるため、寝る間を惜しんでひたすら受験勉強に勤しんだ。
そう
その学校でなければならない理由があったのだ。
某私立◯◯高等学校は、進学校化を目指すために共学校にと変貌を遂げる年であった。
俺たちが入学した年度は、元々の女子校だった高校にテコ入れとして男子生徒を迎える事となっていた。
その結果1クラス40人の中、男子は僅か5人しか存在しなかった。
ハーレム？
う～ん
今思えば、浅はかな考えであったことは否めない。
受験戦争に勝ち抜き無事入学を果たした、
男子の大多数が後にそう思ったであろう。
少数＝モテる
の法則は成り立つのか？
体験した正解を、簡単に答えよう
少数であるが故に一瞬は注目されモテる
が、特定の彼女を持った時点でそのモテ期は終わる。
そして学級内で別れたなら
「酷い元彼」と罵られ
お古を毛嫌いする女子からは、興味の対象から直ぐに外されてしまう。
別れの原因が自分で、まして浮気などと知れ渡ったなら、、、
女子全員
完全シカト
女の結束ほど怖いものはないのだ。
きっとこれは、共学化した学校あるあるなのかも知れないと思う。
では、どうすれば3年間平和に学校生活を送れるのか？
それは同じ学校生徒とは一切付き合わず、他校に彼女を持つことがベストと言えよう。
「それって、女子が多い学校をわざわざ選んだのに全然意味無いよね？」
そうなのだ！
調和と言うべきか「暗黙の了解」。
男子は、ある一定のルールに縛られてしまうのである。
盲点であった、、、。
しかし、俺にとってそこは重要ではなかったのだ。
何はともあれ
新学年の入学式も無事に終え、クラス分けが決まった。
A.B.C.D.Eの5クラスがある中、俺の所属する学級はCクラスになった。
そして、出席番号は15番
辺りを見渡すとクラスの中は、新入生の女子ばかり！
可愛い子も居れば、そうでもない子もいる。
当たり前だ
ここは、女の園
と命名しても過言ではあるまい。
男子は俺を入れて、たったの5人。
その中にイケメンらしき輩は、、、、、
いないじゃないかw
見た目、割と真面目でナヨっとした男子が多いように思えた。
前後左右
女子！女子！女子！
もう、男子は眼中入れない。
一年毎のクラス替えを考えると、このクラスの皆んなと過ごせる時間は限られているのだ。
まぁ、考え方によっては楽しみが毎年訪れると言うこと。
俺はいたってポジティブシンキング
（ガラーーーー！！）
扉がスライドして、勢いよく担任の男性教師が入って来た。
起立！
礼！
「「おはよう御座います！」」
歳の頃、30代中くらいであろうか。
短髪に奇抜な蛍光色のナイロンジャージ上下セットを着こなしているスポーツマン？
後にわかったのだが、Y先生は体育講師兼任であった。
そんな担任の他愛もない自己紹介が済み、
いよいよ恒例なのか？我々初対面の生徒が挨拶する番だ。
それは、出席番号順に教壇の前に出て、
1年間の抱負や趣味、これからの目標をそれぞれ語るというもの。
学生らしく勉学に励み、資格の取得やら大学受験に向けて成績を上げるだとか
部活に入り、インターハイやプロを目指して行きたい
などと、模範的かつマニュアル通りの退屈な自己紹介が続く。
「彼氏を作りたいです！」
などと時折、場を和ませる希望もチラホラあったりもする。
数少ない男子達は
出身中学、趣味の音楽のこと、家族構成などなど。
正直
興味ないわ
どいつもこいつも
マジかーー
特に男子！
ホントにそれだけかい！？
女子が選り取り見取り
この中から可愛い子を彼女にしたいだとか、モテたいとか本音は無いのか？
そして
ついに俺の番がやってきた。
俺は、明らかに真面目とは言えない出で立ちである。
当時流行っていたキムタクカットは、アッシュブラウンで少し長め
校則アウト！
制服は、紺のブレザーとグレーのパンツ上下セットであったが
白シャツに合わせた、レジメンタルの校則ネクタイを緩めて、少し大きめを選んだパンツを腰履きにして裾を引き摺った。
今思えばダサいが、当時の流行だ！
そんな俺が
教壇の前に立った瞬間、先生の目付きが急に厳しくなった気がした。
コイツは要注意人物だと感じとったのであろうか？
俺は構わず、ゆっくり周りを見渡して大きく息を吸った
「ｽｰｯ」
えー
自分のー
高校3年間の目標はー
目指せ！
、、、、、、
100人斬りです！！
、、、、、、
！！！！！！！
「おいっ！！」
「お、お前！何を言ってるんだ？」
担任が慌て蓋めいた
「今は自己紹介の場で、、
ふざけてんじゃない！！」
声を荒げた
「皆んな真面目にやってんだぞ！」
と続く
顔が真っ赤なのは怒りか？
いや、俺は至って真面目だ
真剣にやろうと思っていたのだ
周りが騒めき始めた。
コイツは何しに高校を受験したのだと、言わんばかりに蔑んだ視線が俺に集中した。
それは
予想通りの反応
これでいいのだ
変な奴！
変態！
いかれた野郎！
常識をぶち壊し、ムーブメントを起こすには爆弾発言が必要だったのだ。
そう！
目標はハッキリしている。
ヒト科人間の男として存在したのであれば、女を知らずして人生を語れないのだ！
世の中泣いても笑っても男と女しかいない。
わかり切っていること。
なのにそれが幾つになっても、いつの時代でも男女がトラブルの原因に繋がる。
- 浮気
- 不倫
- 離婚
- 裁判
しまいには、殺人に発展することだってある。
ならば相手の特性や考え、身体の仕組みなど、医学的要素を含め
全てを知り尽くしてやろうではないか！
もちろんその中には、恋愛攻略に必要なマインドコントロール、
パワーバランスなどの精神論、本能論、それらを用いて
完全攻略を果たす！
その第一歩として
高校3年間と限られた期間に、特定の彼女を一切持たず
100人の女性と関係を結ぶこと。
自分に与えた大きなミッションなのだ。
宣言してしまった。
もう、後戻りは出来ない！
俺！
やるしかない！
必ずやり遂げる！
強く心に誓った、、、、。
後半につづく