時は2009年の頃だ。真顔

 

 

 

 

 

 

男優としての仕事も忙しく起動に乗っていた頃、それは何の前触れも無く、突然こんな話が俺に舞い込んで来た。






電話「ロードショーに出ないか?」

 

俺「えっ?」滝汗滝汗滝汗滝汗

 

 

 

 

 

そんなぶっきら棒な電話から始まったのだ。






当時、メディアにも多々露出していた大手制作会社◯フトオン◯マンドからの依頼だった。






もっとベテランがいる中、何故俺が?それは、やはり俺が目立っていたからであろうか?

ニヒヒニヒヒニヒヒ

 

 

 

 

 

 

男優でギャル男の出立は、大勢いる中でも一際異色を放っていたのだろう。






聞けば、奥田英朗原作の小説「ララピポ」の映画化だった。
主演は、当時若手で勢いがあった成宮君!脇役には平成ノブコブ吉村君、そして森三中村上さんと様々な個性派揃い。







その中で俺は?いったい何役?ウインクウインクウインク
 

 

 

 

 

 

仰つかった役柄とは、タイトル画面が出る前の冒頭シーン。
 

 

 

 

 

 

モテない男が観ているAVの中の男優役である。

笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き






セリフこそ無いが、顔がロードショー画面いっぱいに出て観客に向かってニヤリと笑う!
約30秒の出番である。






「なーんだ。大したこと無いじゃん!」

そう思う読者もいるだろう。真顔真顔真顔






いやいや!
そんなことはない!
ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ






その簡単な30秒のシーンを撮るのに要する時間は、三時間にも及ぶ

ポーンポーンポーン

 

 

 

 

 


そしてエンディングロールに名前が刻まれる大役






普通ならプロダクションから選ばれた役者の卵が、オーディションを受けて決まる役なのだ。
真顔真顔真顔





どうしても本物の男優でやりたいと、監督たっての希望により急遽決まったのだった。
ニヒヒニヒヒニヒヒ





当日呼ばれるままスタジオ入りをすると、いきなり控室に通された。






そこには、TAKAネームシールが貼られたガウン、スリッパが置いてあった。

デレデレデレデレデレデレ





そして衣装さんとメイクさんの女性2人を紹介された。






エンドロールの始めの方に名前が載ると言うことはこういうことなのであろうか?
ちゅーちゅーちゅーちゅーちゅー





「では、衣装合わせとメイクをしますので準備お願いします!」






入ったメイクルームは、横並びに広い場所だった。






もう既に数人がメイクを施している。






案内されるまま座った、、
横には小太りの女性がいた。
森三中村上さん隣に吉村さん






共演者だ!滝汗滝汗滝汗滝汗






軽く会釈した。滝汗

 

 

 

 

 

 

2人とも見慣れない俺を見て不思議な表情を浮かべていた。
チーンチーンチーン





「では、メイクがおわりましたら一階のリビングに集まって下さい!」

ADらしき人の声。






本日が撮影初日?

もしくは、ここの現場でしか合わない面々の顔合わせなのであろうか?
真顔真顔真顔真顔真顔





緊張の中、キャスト紹介が始まった。






主演の成宮君、助演の女優さん!そして脇役の皆さん。

そして、いよいよ。。。

 

 

 

 

 

 

俺の番だ。真顔
 

 

 

 

 

「現在活躍中の若手AV男優TAKAさんです!」






一言、、一言挨拶しなければ、、滝汗






「は、はじめましてTAKAです、、皆さんの足を引っ張らないように頑張ります、、」滝汗






気が利いたことを言えず、

新入社員の初日挨拶みたいになってしまった~

ゲローゲローゲローゲローゲロー






監督からの演技指導リハーサルを経て、いよいよ俺のシーンからだ!






画面を見つめる男の役は、劇団大人計画のミナトカオルさんだった。






なんとこのモテない男性役の為に、自分の体重を10キロも増やして来たらしい。






プロ根性だー!

ゲローゲローゲロー






「俺は君のこと知ってるよ。よろしく」爆  笑






それはまさに「嬉しい」の一言だった。クラッカーニヤニヤクラッカー






床には仰々しくレールが引かれ、カメラがベッドを回り込む。






俺は、中央のベッドの上で女優役の女性とセックスを繰り広げている。







もちろん、前貼りらしきモノを肝心な部分に装着された状態だ。
真顔真顔真顔

 

 

 

 


レールの上をゆっくり舐めるようにカメラが動く。

 

 

 

 

 

行為にふける中、近くカメラに気付いてカメラ目線。






さぁ、最大の見せ場顔面アップ!






口元を緩ませニヤリと笑うのだ。ニヒヒ






額の汗は、事前にメイクさんが施していた。

頬を伝って落ちてゆく。







「はい!カァーーット!!」






人生最初で最後になるかも知れない映画体験は終わった、、、。
真顔真顔真顔





出番待ちをしていた成宮君は、少し離れた所でこちらを伺っていたようだった。キョロキョロ






彼はとても気さくな人で、休憩中の俺に気軽に声かけてくれた。ポーン






ここでは言えない色々な業界話で盛り上がり、連絡先を交換する仲になったのだった。デレデレ






それから数ヶ月が経ち、そんな出来事も忘れるほど忙しい日々に追われていた中、ついに全国ロードショーがスタートした。






メディアの力は凄い!!






この映画を観た友達や知り合い、何年もご無沙汰していた方々から

観たよー!!!もぐもぐキョロキョロイヒ

との連絡が暫く続いたのだった、、、。
ニヒヒニヒヒニヒヒ




おわり