あの日を境に担任を始め、クラスメイトの俺に対する見方や態度が変わった。
不純な野望を抱え、この学園を選んだような輩である。
まさに、迷い込んだ1匹の害虫![]()
担任からしてみれば、目の上のたんこぶと言ったところであろう。
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入学早々に<<100人斬りを掲げる>>など、
突拍子の無いことを言い出したのだから仕方ない。
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見た目のチャラさもあって、シカトまではされないが
必要最低限の会話しかせずに益々孤立しているように感じた。
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その頃の高校生の流行と言えばストリートニュースなどの雑誌が流行り、読者モデルの走りを感じさせていた。
『コギャル』と言う単語が生まれたのもこの頃で、ルーズソックスを履いている女子もチラホラ現れ始めた。

髪にエクステ、日焼けマシーンで焼いた肌。
その出立は、カテゴライズされるならば俺と同類!![]()
◯◯系など、幾つかの系統に属する者をそう呼んでいた時代だ。
そのスタイルを見て、親近感を覚えずにいられなかった。
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「ねぇ。アンタぶっ飛んでるよねぇ~
マジでウケる!」![]()
同じ匂いを嗅ぎつけたのだろうか?
日焼けしたコギャルA美が声を掛けてきた。
クラスの女子の中でも、彼女は一際目立つ存在である。
小麦色を通り越したガングロ姿に、ピンクや白のエクステを施したロングヘアー。
ウエストを何度も外側に折り返して、短く見せた制服のスカートに真っ白なルーズソックス。
それは、決して真面目とは程遠い姿だった。
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「あんた、あれマジ?
でもさー
やった数数えるのってどーすんの?」
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単純な質問だ![]()
心配ご無用![]()
当時流行であったVUITTONのシステム手帳を改良した
『100人斬りノート』たるものを用意していたのだ。
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その中身は
関係を持った女子の記録としてプリクラを貰うつもりでいたのだが、
当時のプリクラシールは時間が経つにつれ真っ白に劣化してしまうようなお粗末なものでリアル感に欠ける。
そこで考えたのが当時の『インスタントカメラ(チェキ)』の利用である。![]()
その場で気軽に撮れて、余白に日付など書き込むスペースもあった。
100人斬りノートには
- 顔写真
- 日付の書き込み
- 名前(あだ名ニックネーム)
- 所感
これらを書き込み作成することに決めた。
「ウケんだけどー!それ達成したらすごくないー?」
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目立つ上、存在感があるA美は持ち前の明るさや、センスもあって女子達の人気者。
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日焼けはしているが、イマイチなり切れないような女子の憧れであったのかも知れない。

そんな彼女やコギャルに憧れている女子数名を仲間ににしては、引き連れていつも行動していた。
面白半分に、時折ちょっかい出して来るそのグループに男1人、俺はいつしか馴染んでいたのだった。
そんなある日のこと、突然A美がこんなことを言ってきた。
「クラブで遊んでる友達なんだけどー
アンタのこと話したら、会ってみたいって!
今週末一緒に行かない?」
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当時、渋谷センター街にあったクラブ◯◯◯で回していたDJがA美の彼氏だったのだ。
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高校生が入れるはずが無いクラブに出入り出来るのは、その年上DJ彼氏のおかげであった。
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当時のクラブはセキュリティーが緩く、非常に乱れたものだ。
トイレの中でヤるカップルもいれば、非常階段でヤる者もいたくらい。
俺は仲の良い友達がいる訳でも無く全くのアウェイであったが、世話好きのA美が悪そうなクラブ仲間に俺を紹介してくれた。
そのおかげで噂にもなり、みるみるうちに顔見知りが増えていった。
前代未聞の100人斬り!が非常にウケたのだ。
ドレッド頭のS君、ホストをやってるY君。
俺よりも断然年上の22~24歳くらいであろうか。
2人とも周りにギャルを侍らせていたモテ男。
彼らイケメン2人の存在が大きかったのだ。
次々と紹介される女子
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「彼ねー100人斬り目指してんだけどー
協力してやってよー」
その一言で、いとも簡単に関係を持てたくらいだ。
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ポケットというポケットに常にコンドームを忍ばせていたのだが、
見る見るうちに無くなってしまうくらいの勢いだったのだ。
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たぶん
そのクラブの中だけでも60人は下らない女子と関係を持てたのである。
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高校1年から3年の卒業までの間、そのクラブにはお世話になったものだ。
「ねぇねぇ!ヤリ帳見せてよ!」
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面白がって定期的に見にくる他クラスの女子も増えてきた。
「ヤリ帳」って![]()
しかし、俺の狙い通りにことが進んでいた。
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チェキで撮る=顔が載る
同じ学校の女子生徒は記録されることを懸念して人数には入ることはなかなか無い。
しかし、ヤリ〇ンの友達を紹介してくれたり、バイト先の女子を誘って合コンしてくれたりと実に協力的であった。
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それはまるで、100人斬り達成を一つのイベントとして楽しんでいるように感じた。
若さが織りなす男女を超えた友情と言うべきか?
しかし、それでは学校内の女子とは全く関係を持たないのか?と言うと
それが、そんなこともない
若さとは、好奇心の塊である。
プライベートをさらけ出している俺に対して、気軽に何でも相談できるイメージがいつしか勝手に出来ていたのだろう。
「ねぇ。体育館倉庫でヤろうよ」![]()
「屋上でヤらない?」![]()
「今日、ウチ誰も居ないんだー来ない?」![]()
「やってみたいエッチがあるんだけどさー」![]()
数としてカウントさせてもらえないが、学校内でも30人近く関係を持った女子が存在していた。
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まさにリアルハーレムである
高校2年生も終わりに近づいていたこの頃
実はもう100人斬りなど、どうでも良くなっていたのだ。
いや、実質100人は超えていた、、、
しかしながら
注目されていたヤリ帳は、78人でストップしていたのだった。
「あと少しじゃん!」![]()
「私、もう学校辞めるから人数に入れていいよ」![]()
本人よりも周りが盛り上がり、100人斬りは、いつしか1人歩きを始めていた。![]()
様々な人達の手助けがあって、
100人斬りの目標を無事に達成したのは
3年生になって間も無くのことであった。
これを通じて、女の本音や生態、考え方など色々な部分で勉強になったと思う。![]()
我々男と同じように性欲だって皆んなあるし
ハメを外して遊びたい気持ちだってある!
寂しくて温もりを求める日もあれば
友達の延長にセックスがあったりする
15歳~17歳の男女のドラマ
若さと言う財産
全て
ひっくるめて
アオハル
と呼べるのだろう。
後に俺は、
AV男優としてデビューした。
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~卒業してから早十数年~
俺のもとに一通のハガキが届いた。
【第一期卒業生の集い】
それは同窓会の連絡だった!
皆んな
元気にしているだろうか?![]()
俺。。。
なんて言われるだろう?![]()
懐かしさを抱えて
30歳を過ぎた皆んなと久しぶりに顔を合わせた。
未だ独身を貫いている者
すっかり3人の子供のお母さんになった者
それぞれの人生を歩んでいた。
A美、、、は
「久しぶり!」
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綺麗な黒髪
品の良い色白の女性がそこにいた。
あの頃のA美の面影は
姿を消していた。
、、、、、、、、、、。
懐かしさを噛みしめつつ、
気恥ずかしさに押しつぶされそうになりながら、
意を決して言葉にする。
「実は俺、、AV男優なんだ。」
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それを驚くクラスメイトは誰一人としていない。
「TAKAって、そのままじゃん!」
「いや、AV男優になると思ったよ!」
それは
まさしく
満場一致の言葉だった、、、。
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おわり
