「初の海外遠征！異国の地プラハ～１」はこちら
【登場人物おさらい】
<<男優陣>>
・俺よりちょっと早く業界に携わっていたガタイの大きい実力派男優Ｙ君。
・まだフェラ男優に上がったばかりのA君。
<<監督陣>>
・異色を放つその監督は有名な方。チェコプラハでCMや映像関係をディレクションしている外人監督。
日本からチェコまでの直航便は無く、
途中の乗り換え時間を含めて約14時間ほどかかった。
実際にフライトは、大学の卒業旅行でハワイに行った以来2回目である。
狭い座席空間、エコノミーで過ごす長旅は疲労も大きく気も使う。
まして、性格も年齢もそれぞれの3人が打ち解けて行くにはちょっと話題も続かない。
<・・・
暇潰しに何気なくつけた映画は、丁度その頃やっていたトランスフォーマーが流れていた。
何も知らない日本人3人はチケットだけを握り締めて、未経験の土地に向かう。
全く不安が無いはずはない。
そんな中、俺は眠い気分と眠れ無い現実の狭間を彷徨っていた。
それは、もちろん2人も、、、
(チラッ
えっ
爆 睡 ⁉
ね、寝てやがった～
図太い2人と、
繊細な俺？
先が思いやられる。。
長い長い飛行が終わり、3人は荷物の受け取りに。
重いキャリーバッグが、これから始まる長い旅、そして滞在期間を物語っていた。
歴史を感じる建造物は、とてもモダンである。
そこに佇むだけで、昔観た映画のワンシーンのように絵になってしまう。
目に映る物全てが、インスタ映えしているようであった。
あそこのオープンカフェでコーヒーブレイクしたなら、、、パリジャン？
パリではないけど～
パリを知らないけど～
うかれていた、、、。
さて、我々は案内されるまま滞在先のマンションへと向かった。
外観は、鮮やかな色合いのレモンイエローと言うべきか。
エントランスは広く、一階にはトレーニングジムの完備。
三階には、モーニングやランチが用意されたオーガニック食堂。
とてもお洒落で尚且つ充実の設備に驚いた。
しかしそれでいて鼻に付くようなセレブ感やギラギラは無く、センスの良さが際立つ大満足のマンションであった。
室内は、16畳はあろうか1LDKに広めのクローゼット。
バルコニーから街を見下ろすと、石畳の広場に設置されていた時計台の針が重なり、時刻を告げる音色が鳴り響いていた。
今日から約一カ月ここで暮らすんだなぁ。
夢と期待で、外を歩く女性全てが飛び切りの美女に見えて仕方なかった、、、。
翌朝になると、早速スケジュールによって忙しなく移動が始まった。
初日は、ハリウッド映画でしかお目にかかれないような豪邸スタジオでの撮影。
当たり前のように存在している『庭のプールでのシーンから』だった。
(※画像はイメージです)
太陽の下、素っ裸で泳ぐ美女2人。
プールサイド、パラソルが並ぶデッキチェアーに寝そべる日本人達。
その中で、先ずは若手の彼を囲んで美女2人が彼を逆ナンパしてイタズラを仕掛けてゆくのだ。
そう、それは
美女がWフ〇ラ～&乳首舐め。
至れり尽くせりのご奉仕！
それをこのロケーションの中では、まるで夢のようなワンシーンである。
フェラ男優を卒業したばかりの彼にとって、マグロのように寝たまま奉仕を受けるなんて、それは朝飯前のことに違いない！
我々2人は、安心して暖かい眼で見守っていた～羨ましいぜ！！
ん？
でも？
様子がおかしい？
えっ？
勃たない彼？？
うんともすんとも、、、
おいおいおい！
「カァーット！」
見兼ねた監督の声が響く。
それは、緊張からなのか？
再度チャレンジ
でも、、
勃たない
あの手この手で美女2人が責めるが、、ダメ、、
この異国の地で
しかも初日
その上、超簡単なシーンで
勃たない！
手を広げて頭を振る美女～
『OH！NO！』
『problem、、、』
諦めの表情。
(もうダメだな、、)
そんな気がした。
案の定、彼はその後1時間頑張って
戦線離脱したのだった。
チーーン
（成仏しろよ。）
要するに男優はせずに、監督案でADを仰せつかうことになる。
酷く言えば荷物運び&お手伝いなのだ。
スタッフの判断は早かった！
それは日本より断然厳しい。
その日にダメなら次は無いのだ。
我々2人に緊張が走る！
明日は我が身なのだ。
いや、差し替えで俺がやらねばならぬ！！！
その瞬間、俺は昔の出来事を思い出していた、、、
それは
小学校の音楽発表会の時に合唱した
あの「大きな古時計」！！
俺だけ独唱パートがあった。
外したらどうしよう～
カッコつけて立候補したまでは良かったが、、
不安の中、心臓が飛び出るような緊張感を覚えた。
まさに今、そんな感覚である。
勃たなかったらどうしよう～
美女2人にオモチャにされるなんて、男冥利に尽きるシーンなのに、、、
いやいやいや！
俺はやる！
彼とは違うのだ！
楽しむんだ！！
掌に何故か女と描いて飲み込んでみた。
きっとそれは勝手が違～
一人俺は、覚悟を決めたのだった。
つづく