ゴルフ直線打法 -59ページ目

「上体が右に回る」動きの実態を体感する

前回に到達したスイングの実行イメージ、「順に右腕、左腕の「魔法の動き」でトップに入れ、両腕の切り返しでダウン」(06-12-13)は、動きの作り方が明快なので、動きの仕組みをゆっくり体感しながら確認することができます。その結果、これまで繰り返し登場してきた「上体を右に回す」、あるいは「上体が右に回る」動きの実態を捉えることが可能になります。

左手の親指を右手で握り、グリップの形に固めてアドレスの構えを作り、ここから右の肩と上腕の「魔法の動き」(内側回し)で左手を右に引き、そこから左の肩と上腕の「魔法の動き」(外側回し)の動きでグリップを引き上げます。この継続する右と左の「魔法の動き」の結果、両腕が固く体に巻き付けられる体勢が出来上がります。

この体勢から、トップの切り返しを、両肩と両上腕の「魔法の動き」(車のハンドルを左に切る形の動き)で実行します。実際にこの動きをしてみると、背骨が右回りに回る形の動きと共に、右肘が上、左肘が下になる動きが現れ、これと同時に右前腕回内、左前腕回外の動きが現れて腕が伸びます。これがダウンの動きで、その限界で両上腕が左へ引かれてインパクトが実現します。

これらの動きでは、腕と体の結びつきが次第に強まるバックから、「ハンドル左回し」の動きで両腕と体の結びつきが更に強まり、上体が右に捻られながらダウンへの方向転換が実現することが明瞭に確認できます。ただし、背骨の構造上この動きと同時に、腰骨(腰椎)が左に引かれるために胸が正面向きに引かれ、上体が右に回る動きは外からは見えません。

この方向転換の動きと共に、両腕の前腕を含む「魔法の動き」が実現して肘が伸び、強力なダウンとこれに次ぐインパクトが一気に実現することになります。インパクトで胸の上部が正面向きに保たれるために、スイングの方向性が確保されます。

実際にクラブを握ってこの一連の動きを確認すれば、急速かつ強力なヘッドの引き下ろしと左への振り抜きを体感することができます。重々しい動きではなく、あっという間の振り抜きがダウンで実現します。しかも体はしっかり安定に保たれます。体の動きでクラブを引っ張って来た人には、信じられないような速い動きになる筈です。しかもショットの方向性も良くなります。

それでも腕の動きでダウンをリードというのは納得し難い、ダウンは腰で引っ張るものだ、と考える人のために、この意識が生み出すスイングがどんな型になるかを次回に検討してみましょう。

順に右腕、左腕の「魔法の動き」でトップに入れ、両腕の切り返しでダウン

前回は初心に返り、「魔法の動き」でトップの切り返しからダウンを振るという、腕の動きでリードするスイングの実行法を提案しました(06-12-12)。ここでの要点は、トップの切り返しを肩と両上腕の「魔法の動き」で実行することでした。

しかし、バックについては「バックのスタートから肩と腕の「魔法の動き」の完全遂行で腕を振り」という、やや漠然とした説明になっています。この点をこれまでの検討結果を考えて明確にするのが、今日の話です。

バックのスタートが難しい動きであることはよく知られています。そこで、これを動きの作り方に慣れている右腕の「魔法の動き」で実行します。この場合は、右肩と上腕の「魔法の動き」を意識して実行すれば簡単に動きが作れます。この動きに引かれて左腕の「魔法の動き」が現れますが、これは左腕が引き伸ばされる受け身の動きになります。

この右への動きの限界で、今度は左の肩と上腕の「魔法の動き」を意識して実行すると、右腕の受け身の動きでトップへの引き上げが実現します。ここまで来れば、後は前回に議論した「ハンドル左回し」型の両肩と上腕の「魔法の動き」で一気にダウンからインパクトの動きに入ります。

腕の動きと背骨の動きには密接な関係があり、これらの「魔法の動き」の各場面の動きに対応して、自然な背骨の体勢に入ります。この事実を認識すると、背骨の動きによく繋がる腕の動きを実行すれば、これまで詳しく検討してきた背骨の動きが、無意識の中に実現することになります。これで始めて、スピ-ドのある動きが得られる分けです。

ゴルフの話では、腕の動きでスイングをリードすると言うと、「尻尾が犬を振るのではなく、犬が尻尾を振るのだ」という、陳腐な諺を引いて反論されるかもしれません。これも、腕は尻尾ではなく前脚だ(!)と考えれば、迷うこともない筈です。論より証拠、とにかく試してみて下さい。

初心に返る:「魔法の動き」でトップの切り返しからダウンを振る

さて、これまで背骨の動きを重視してスイングの動きを見て来ましたが、実は脚腰背骨の動きの特徴は、腕の動きに対して体を安定に保持することです。これは、日常生活で腕を動かす場合に、全く無意識に体の安定が保たれることから分かります。

この事から、スイング動作の検討でも、まず腕でクラブを振る動きから初め、その結果に必要な範囲での体の動きを加えることを試みる方が、自然なアプローチになる筈です。実験してみると実際にその通りであることが簡単に確認できます。

この場合に基本になる動きは、肩と腕の「魔法の動き」です。これは、右の前腕回内と上腕内旋(内側回し)、左の前腕回外と上腕外旋(外側回し)で作り出される動きです。この場合先端の両前腕の動きでは十分な力は出ません。そこで、腕でクラブを振る動きを、肩と両上腕の「魔法の動き」で駆動することを考えます。

この場合の肩と上腕の「魔法の動き」は、両手で車のハンドルを固く握り、左へ一杯に切る時の動きです。両手をグリップの形に握り合わせていれば、この動きに伴って、前腕の「魔法の動き」(右回内、左回外)が現れ、グリップが固まります。

そこで、左手の親指を右手の平で握ってグリップの形を固め、これを右上腕内旋、左上腕外旋の肩と上腕の「魔法の動き」で振ってみます。右肩が後ろの上、左肩が前の下方向に回りながら、肩が右に引かれる動きになり、グリップが右に引かれながら左へ回転します。

その限界でグリップを更に左に回すように両肩の動きを強めると、背骨が引き込まれて右肩が後ろに引かれ、左肩が前に引き出されてグリップが引き上げられます。ここで更に肩の「魔法の動き」で右上腕内旋、左上腕外旋の動きを強めると、グリップが一気に引き下ろされ、そこから左へ引かれます。

これまでトップの切り返しを、右前腕内旋による「魔法の動き」でリードすると書いて来ましたが、これを肩と両上腕の「魔法の動き」で前腕の「魔法の動き」(右回内、左回外)をリ-ドしてクラブを振るという、「魔法の動き」の完全遂行に置き直すことで、トップの切り返しからダウンまで一貫して腕の振りが主導するスイングが実現します。

バックのスタートから肩と腕の「魔法の動き」の完全遂行で腕を振り、これにスイングの大きさに応じて脚腰背骨の動きを加えると考えれば、ごく自然に安定かつ強力なスイングが実現します。小さなショットでは、脚腰の動きの意識は不要で、肩と腕の「魔法の動き」だけで実用的な結果が安定して得られます。

腕の動きで背骨を動きに入れ、背骨の動きで腕を振る

インパクトの動きに関連して、「一手前更に同時の動きを見る」(06-12-07)ことを検討しました。この言葉の表現する動きは、実は動きの変化点のすべてで要求されます。

腕と肩の「魔法の動き」を確実に実行しながらスイングの動きを観察すると、バックのスタート、引き上げ動作に入るところ、トップの切り返し、インパクトに入る直前などの時点で動きに変化が生じることが分かります。実は、これらの時点で「魔法の動き」を意識的に実行することで、腕の大きな動きに変化が生まれるのです。

腕の大きな動きは、背骨と脚腰の繋がりが生み出す、背骨の動きで引き出します。これは、内部の背骨の動きがあると、これに対する地球の反作用が外側の筋群を通して腕を振ると考えれば納得できます。この動きを力強く実行するには、地球と脚腰の繋がりを確保する必要があり、動きの変化点での「魔法の動き」で背骨を引き、これによって必要な脚腰の体勢を固めるのです。

結局全ての動きの変化点で、一手前に「魔法の動き」が働き、その結果で決まる脚腰背骨の体勢が、内部の背骨の動きとこれに伴う外部の腕の振りを支えることになります。「魔法の動き」で引き金を引き、背骨の動きが弾丸を発射する、これの繰り返しでバックのスタートからインパクトの振り抜きまでのクラブの動きが実現するわけです。

飛ばそうと思い、ティー・グラウンドで体を大きく振り回す素振りを実行すると、この変化点の動きの感覚を忘れます。これでフェアウェイの外にボールが飛ぶことになります。逆にゆっくりした動きで、それぞれの変化点、特にトップの切り返しの意識を確認するリハーサルが、安定したショットに導くのです。

トップから腰で上体を右に回すダウンを試す

これまでいろいろダウンの動きを検討して来ましたが、その議論の要点はダウンで「上体が右に回る」動きを確保することでした。この動きは、腰を左に回す動きでダウンを始める限り、絶対に不可能です。すそこで今回は、直接上体が右に回るような脚腰の動きを作ってみることにします。

これは簡単で、まずトップの体勢を作り、そこから腰を右に回してみればよいのです。思い切ってこの動きを試してみて下さい。確かにこれで、グリップが右脇前に引き下ろされるダウンの動きが実現する筈です。是非この動きの感覚を確認してみて下さい。

これならば、始めからこの動きでダウンを実行すればよいのでは、と思われますが、そうではありません。この動きと共に腰が左へ流れる動きが出やすいのです。これも試してみればすぐ確認できます。これでは結局上体が左へ回る動きが発生してしまい、元の黙阿弥になります。

「上体を右に回す」動きは、トップからの急激なグリップの引き下ろしと、これに次ぐ肘の押し伸ばしを実現するものでなくてはなりません。これを実現するには、しっかり固めたトップの体勢から、背骨の両側を一気に固め、両膝を固めて両脚で強く地面を下向きに押す動きが必要なのです。

深いトップから、腰を固定して両脚で地面を強力に押し下げるダウンを実行してみて下さい。実際にクラブを振ってみれば、これでヘッドが急激に加速されることが体感できる筈です。この場合の腰の左への動きは極めて限られたものになります。

インパクトの右腕の動き:シャフト・プレーンの罠再論

インパクトでは、アドレスの構えに戻るように右腕を振ろう、という意識が発生しやすいのです。これをクラブの動きの形で捉えると、アドレスの構えのシャフトと目標線(ボールと目標地点を結ぶ直線)を含む平面、いわゆるシャフト・プレーンの上でクラブを振り抜く意識になります。

右手にクラブを握り、右腕だけでこの平面に添ってヘッドを引いてみると、右前腕が回外してグリップが小指側に引き込まれる(アンコックする)形になります。この動きでは上体が左へ回り、右肩が前に引き出されます。これはこれまで何回か議論した、シャフト・プレーンの罠で、これまで目指してきた直線打法にとっては最悪の動きを生み出します。

強力なインパクトを実現するにはグリップを固める必要があり、右手のコックは強まります。この固まったグリップを左へ引くと、右腕は内側に回ります。右腕でクラブを引いて確認して下さい。このグリップを上体の「左」回転で振ると、右腕は外側に回ります。右腕が内側に回る動きでインパクトするには、インパクトの直前に右肩を背骨の方に引かなくてはならないことが分かります。

右手でクラブを握り、この右肩を引く動きを試してみれば、確かに右グリップが固まって左へ引かれることが確認できます。対応する左腕の動きは、左肩を右前に引き出す動きで実現します。左右何れのグリップも、これらの動きで固く握られることが分かります。インパクトでアンコックするなどというイメージでは、この強力なグリップによるクラブの振りは実現しません。

右肩を背骨の方に引き、左肩を右前に引き出す動きは、まさしく「上体が右に回る」動きになります。実際のインパクトでは、この動きが引き止められる一瞬に、強力な左への振り抜きが実現します。これも容易に確認できます。右グリップと左グリップが頑張り合う(拮抗する)形で固まることで、腕を振る強力な筋の動きがしっかりヘッドに伝わります。

推測能力が高い人は、上体が右に回るとインサイド・アウトの動きになり、ヘッドが外側に振り出されてしまうのではないかと疑うかもしれません。ところが胸の辺りには左に回る動きが生まれ、肩の回転の平面は正面向きに保たれるのです。これが「肩が縦に回転する」動きを生み、ヘッドが目標方向に向けて振られるインパクトが実現するのです。これも体感的に確認できます。

上体を左に回してクラブを振るという誰もが好みやすい動きと、シャフト・プレーンのような動きの作り方との関係が不明瞭なイメージを組み合わせると、ごく自然に安定しないスイングが身に付きます。体力の有効利用を実現するには、一つ一つの動きがどのような結果を生むかを確認し、無意味な動きの危険から身を守る必要があるのです。

インパクト!:一手前更に同時の動きを見る

インパクトの瞬間の動きには、更に細部の動きがあります。この場合も、一手前の動きとこれに続く内外の動きを詳しく理解する必要があります。これで初めて、インパクトのパワーを生み出す仕組みを納得し、それを意識的に実行することができるようになります。

クラブを持つと、クラブの重さのために、ゆっくりした動きは不可能です。そこで、左手の親指を右手で握って両手をグリップの形に固め、体の動きとの繋がりを確保する「魔法の動き」を一貫して保ちながら、ゆっくり動きを確認します。この場合、ヘッドの動きはイメージで捉えることにします。これで以下のスローモーション・ドリルが可能になります。

トップの切り返しの動きの要点は、右前腕の回内と共に、グリップを固めることです(「この一点:深いトップでグリップを固める」(06-12-01))。ダウンで引き下ろすのは、この固めたグリップです。したがって、引き下ろしの動きだけでは、ヘッドは地面にまで下りず、右斜め上の位置に止まります。この動きを確認してみて下さい。

ここからヘッドを下げるには、両腕を伸ばしてヘッドを押し下げる動きが必要です。これには両脚の踏ん張りで地面を強く押し下げる動きが必要になります。これがインパクトの一手前の動きです。この動きを実行してみると、上体が右に回る動きが現れて、ヘッドが右足外側前方向に引き下げられます。この動きも確認して下さい。これがインパクト直前の一手前の動きになります。

ここで更に両脚の踏ん張りを強めると、両腕が更に引き伸ばされると同時に、一気にグリップが左へ直線的に引かれます。これがインパクトの瞬間の強力な動きです。これらの動きを継続的に実行してみると、一貫して「上体が右に回る動き」が現れ、その限界で背骨が固定され、腕が左へ引き抜かれるという、インパクトの動きの現れ方が納得できます。

背骨の動きが上体を右に回して腕を引き伸ばし、これで引き伸ばされる体の外側の筋群が腕を強力に左へ振るのです。ボールを目指してヘッドを振るという感覚の腕の振り方では、今確認したインパクトの一瞬の動きは絶対に実現しません。一手前の動きと体の内外の同時の動きを追うことで、丸く振る動きの中のインパクトのイメージが完全な誤りであることが分かります。

以上のスローモーション・ドリルによる動きの確認が終わったところで、今度は実際にクラブを握って振ります。適度な長さの、振りやすいクラブを振りながら、すでに確認したグリップの動きの要所要所に対応する脚腰背骨の動きを確認します。これでスイングの全貌が明らかになります。(バックの動きの実行には、「左の脚腰で右胸を引っ張ってバック、次いで右の脚腰で左胸を引っ張ってトップ」(06-10-31)というイメージが効果的です)

右脇下を通してヘッドを振る?

さて、ダウンで「上体が右に回る」動きを捉える要領として、トップからヘッドが「脇の下から来る」ような感覚で振る話を書きましたが、この話にも危険が潜んでいます。右前腕が回外(外側に回る)の動きに入りやすいのです。

この動きが現れると、トップからヘッドを低い位置に引き下ろす際に両膝が左に流れ、この動きと共に腰が左へ回ります。これはいわゆる腰回し型のスイングで絶対に避けたい動きです。ところが、右手を下から使ってインパクトという、カミング・アンダーの動きを説明するダナウェイの写真にも、この形の腕の動きと腰の回転が現れています。

不思議なことですが、スイングの動きを説明しようとす、実際のスイングの動きに一致しない動きに引き込まれるのです。これは、自分自身で動きを考える場合にも常に発生する問題です。このために、望ましくない動きに入り込んだまま何年も経過することになります。

この困難から脱出する最高の方法があります。それは「一手前を読む」(06-12-02)です。腰の左への回転を防止するには、両膝を右に引き込んで両膝の左への流れを止める必要があります。この動きを確保してダウンの引き下ろしを実行するには、深いトップに入れるトップの切り返しの動きで、この両膝の体勢を確立すればよいのです。

ダウンでグリップの引き下ろしを考えて腕を引くと、両膝が左へ流れるのです。これに対して、ダウンの一手前のトップの切り返しで、両膝の引き込みを実行し、確認して置けば、そこからはただ一気にグリップを引き下ろすだけで、望ましい腕の振り抜きが実現するのです。実は、「この一点:深いトップでグリップを固める」(06-12-01)がこのための動きだったのです。

一度間違った動きに入り込むと、それからの脱却は実に難しくなります。「一手前を読む」要領で、動きの確認をしてみて下さい。

カミング・アンダーとオーバー・ザ・トップ

トップからいきなりボールに向けてクラブを振ると、オーバー・ザ・トップと呼ばれる悪い動きになることは昔から知られています。これに対して、大変な飛ばし屋マイク・ダナウェイは、以前のブログでも紹介した雑誌(Choice 1993 no.1)の特集記事で、パワーと正確性を生むものとして、カミング・アンダーと呼ばれる動きの重要性を指摘しています。

体の動きの捉え方は、それぞれの人の感覚と思い込みに依存することが多いので、ダナウェイの説明を読んでも詳細には理解し難いところがありますが、その要点は、「右肩は、ダウンからインパクトにかけて前に出ずに、低い軌道を通って縦に回転する」という記述から読み取ることができます。

この記述を読めば、右腕が脇の下を通るように振ってボールを打つ、というイメージが浮かびます。このイメージの効用を実験的に確認した経験があります。体力的には十分飛ばせる筈の二人の人が、上から叩きつけるようなスイングで不安定なショットを打っていましたので、カミング・アンダーで下を通して振ることを勧めた瞬間から、見事なショットが出始めたのです。

自分自身の癖は、脇下を通して引き出すダウンでしたが、ある時このダウンでシャフトが撓うことを指摘されました。強い引き下ろしが実現できる望ましい動きだと言うのです。このダウンの動きが癖になっていたために、本人にはその意味が明瞭では無かったのです。

このブログの話では、「上体が右に回る」ダウンが、背骨と地球の繋がりを確保する、強力な動きであることが明らかになりましたが、この動きに馴染めないと感じる人を説得するのは、依然として難しいのです。そこで思い出したのがこのカミング・アンダーの昔の経験です。「上体が右に回る」ダウンは、確かにこの動きを生みます。

そこで、「上体が右に回る」動きが捉え難いと感じる人は、トップから右脇下を通してヘッドを振ると考えて、クラブを振ったらどうでしょうか。とにかくこれで思い切りドライバーを振ってみて下さい。文字通りヘッドが「(脇の)下から来る」感覚で振るのです。目的意識が動きを作ると考えれば、これが有効な「処方箋」になるかも知れません。

「上体を右に回して打つ」を目で見る

バックからダウンまで「上体を右に回し続けて打つ」(前回参照)というのは、納得し難い動きであることは確かです。そこでこれを確認する簡単な方法を説明します。

バックで上体が右に回れば、回らない場合に比べてグリップが早い時期から上に上がることは理解できます。実際に動きを確かめても容易に確認できます。ダウンで上体が右に回れば、ヘッドが一旦右後ろを通ってから引き下ろされる筈です。これも容易に確認できます。結局、一貫して上体が右に回れば、トップの近辺でヘッドが前から上がり後ろから前に下りる軌道が見える筈です。

腰が先行して右に左に回る動きでは「反魔法の動き」が現れます。この場合は上体の動きが遅れるために、バックではヘッドが後ろに引き込まれてから上に上がる動きになります。この動きでは、最後になって上体が右一杯に回る形になりますから、ここからのダウンでは上体を右に回す動きは不可能で、ヘッドが直接ボール方向に引き下ろされる形の動きになります。

この場合の動きの特徴を纏めれば、ヘッドが後ろから上に上がり、前に引き出されながらダウンという形になります。前の場合と比べれば、トップの切り返しでのヘッドの動きの前後が逆転する形になります。ダウンの始めにヘッドが右後ろ方向に引かれる動きが、「上体を右に回す」ダウンの決め手になる特徴です。

この点に注目して、世界の第一線で活躍するプロの動きを観察してみて下さい。ダウンの初期に殆ど例外なくこの右後ろからの引き下ろし軌道に乗るのが見られる筈です。逆になるのは腰の回転が先行する形のスイングであることも確認できることでしょう。