インターネットという環境が
整備された世の中で
生まれ育った
現在20歳代の人たちは
消費活動において
非常に慎重だと分析されています。
バブル期が過ぎ去った
どちらかというと
倹約志向の雰囲気の中にリアルに漂っていることが
購入を決断する段階で
「ためらい」
という
衝動買いの正反対側に位置する
重くて頑丈な
まるで
銀行の金庫の扉のような
ものさしを
それぞれの思考の中に
作り上げていると言えます。
同時に今回の東日本大震災という途轍もないインパクトが
消費行動を委縮させていることも事実でしょう。
慎重であることは
「失敗したくない。」
そのものであって
決断できない世代
自分のジャッジで失敗したくない
臆病で
傷つくことがコワい人たち
などと括られてしまっていたりもします。
これが
モノを売る側にとって
非常に高いハードルとなっています。
そしてインターネットの存在が
インターネットを使いこなすというプロセスが
高いハードルを
さらに重く高くしているのです。
そのインターネット上のアクションとは
「検索し、比較すること」
です。
最近自分の周りに
こんな人多くないでしょうか。
実店舗(リアルなショップ)に出かけて
正規の販売価格だけを確認して
もう少しベテランの域に達すると
お目当ての商品の特徴を聞くだけ聞いて
買い物をしないで帰ってきちゃう人。
そして帰宅してから
同じスペックのものをネットで探して
ニセモノをつかまされないように用心しながら
できるだけ安く手に入れられるところや手段を
必死に検索している人。
こんなこと当たり前のことじゃん。
これが当たり前のことになったの
すべて
インターネットの検索からの比較
という行動パターンが熟成されてきた
長い消費活動という歴史の中においては
つい最近のことなのです。
この行動パターンが顕著に強烈に見られるのが
いまの20歳代の人たちなのです。
さらに
宣伝広告が刺さらない(伝わらないの意)
買うのか買わないのかという以前の問題で
そもそも関心を向ける段階にまで至っていないきらいがあると分析されてもいます。
それが如実に表れているものの代表が
自動車、いわゆるマイカーに関する意識でしょう。
ぼくらの時代は
学校を卒業し働き始めて
最初に個人的に所有したいモノの上位に
クルマ
がドカンと存在していました。
駐車場などの維持費も含めた
地域性なども関係してくるかもしれませんが
「就職したらまず最初にクルマを買おう。」
年齢や信用などのハードルがクリアできることに
胸をおどらせた人が多かったと思います。
でもいまは違うんです。
最近のトヨタさんのCMを観て
気づいている人も少なくないでしょう。
ドラえもんの実写版が、そのキャストも含めて大人気で
ブランド認知度をアップさせた
一連のあのCMです。
あのCMでは
「クルマを買いましょう。」
などというメッセージは一切ありません。
「まず、免許を取りましょう。」
とやっているのです。
のび太役の俳優さんが
しずかちゃん役の女優さんにたしなめられています。
「いつ免許取るの。」
ぼくらの頃には考えられないアプローチです。
少しでも早くマイカーを持ちたいのですから
それを運転するために絶対必要な運転免許は取得しないわけがなかったのです。
それが
クルマに興味を持ってもらうために
教習所に行って
クルマに接する機会をレバレッジにするために
「さあ、免許を取りましょう。」って切り口になるわけです。
このアプローチこそ
テレビCMをはじめとする「プッシュ型」の情報提供が効かない(刺さらない)という特徴と表裏一体の現象ともいえるです。
一方的に情報を押しつけるだけでは20歳代の若者は振り向いてくれないってことです。
モノが売れないと愚痴をこぼしている暇があったら
モノやサービスを体験できる環境を整えて
自ら情報収集をしたくなるような
接触機会を提供することをし続けなければならないということです。
ネットショッピングの「初回サンプル無料」なども
全く同じ手法といえるでしょう。
クルマを切り口に
マーケティング目線で
アンテナを立てていると
ドンピシャのタイミングで情報が飛び込んできます。
最近、東京都内でも頻繁に目にする
「カーシェアリング」という文言です。
レンタカーをもう少しライトにした感じの
クルマの使い方です。
ぼくはまだ利用したことがありませんが
この「クルマなんて持つもんじゃなくてシェアするものだ。」
という基本コンセプトによって組み立てられているビジネスモデルが
思わぬ波及効果を生み出しているのだそうです。
すでに気づいた人もいると思いますが
接触機会を提供する
ことになったのです。
カーシェアリングを利用した
クルマを持っていない若者たちが
「マイカーって全然アリだよね。」
となって
所有欲が芽生えるというパターンです。
ここがキーポイントで
20歳代の人たちは
決して
所有欲が他の世代に比べて低いのではないのです。
「欲しいものが買えないのはつらい」という葛藤から逃れるために
「なければ、ないでいい」と思いこませる心理が強くはたらいているのであって
動機づけの刺激が加わって
あきらめの心理からいったん解き放たれてしまえば
その反動で大胆な消費行動をとるということなのです。
この動機づけが上手なコンテンツの代表が
AKB48
ですね。
ほぼ毎日と言っていいほど専用劇場で公演があって
接触機会そのものの
握手会を開催する。
クルマとアイドルグループの戦略が
何ら違いが無いことにハッとしてください。
マーケティングに興味があるのなら
星条旗の国でまさにいま繰りひろげられている
大統領選挙
このありまさを
じっくりウォッチすることをオススメします。
切り口を変えてみるだけで
問題意識でアンテナを立てるだけで
いままでとは
ちょっと違うものが
簡単に見えてくるもです。
もちろん
そこから得られた
情報のリテラシーに気を配りながらです。
「それってスゲーな。」
で終わっているうちは
そちら側に
居続けるしか
ないのです。
そこから
もう一歩でしょ
あ~、もったいない。
This is HASHIMOTO☆QUALITY