不思議戦隊★キンザザ

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デタラメ映画批評 Vol.47

ちょっと前にショッピングモールに行ったら「帰ってきたあぶない刑事」で使用されたレパードとハーレーが展示してあった。

 

 

 

 

 

 

綺麗過ぎて本当に劇中で使用したのか?と訝しんだマダムですこんにちわ。あぶない刑事?観てません。そんなことより毎日毎日暑すぎて動けません。動けないためブログも滞っております。脳味噌も停止状態だからです。あとやっとネトフリに入ってコブラ会に夢中、ますます脳味噌停止状態です。マダムの脳味噌が機能するのはまだ先となります。

 

禁じられた遊び

 

戦時下で両親を亡くして孤児となったポーレットの悲しいお話。ポーレットは農家一家に拾われるが、まだ死を理解していないポーレットは十字架や花で飾られた墓を所望する。少年ミシェルはポーレットの願いをかなえてやるためにネズミやモグラを捕まえては秘密の場所にせっせと墓を作る。無邪気に喜ぶポーレット。

ある日警察が農家一家を訪ねてきた。ポーレットを戦争孤児として施設に入れるためである。ポーレットは一旦修道院に連れていかれるが、すぐさま「戦争孤児」の名札を首から下げさせられて駅に放置される。

 

思ってたのと全然違った

 

駅に放置されたまま終わるという、まったく救いのない終わり方であった。当時はこのように駅に置き去りにされる孤児が多かった。大勢のひとびとが行きかう駅では孤児を拾ってくれる大人がたまにいるからである。では拾われなかったら?ホームレス化するか、死ぬかである。

観ていて楽しい作品ではない。それでもこういった作品は必要であると思う。

 

シャレード

 

富豪と結婚したレジーナがスキー旅行から戻ってみると家はスッカラカン、レジーナが留守の間に夫が家財道具一切を売り払って金を持って逃走したという。そのうえ夫は乗っていた列車から何者かに突き落とされ死亡。夫の仕事のことなど一切知らないレジーナは途方にくれる。

そこへ旅行先で知り合ったピーターと名乗る男が現れる。ピーターはレジーナを心配して駆けつけてきたのであった。レジーナはピーターを頼る。というかピーターしか頼れない。夫はなぜ逃げたのか?そのとき持っていたに違いない大金はどこに消えたのか?ピーターは何者だろうか?

 

非常に良質な娯楽作品

 

ヘプバーン主演のミステリ作品。ストーリーも面白いが、見どころはやっぱりヘプバーンのファッション!帽子にスカーフ、スーツとバッグと靴の組み合わせ、イエローやレッドのコート。衣装は全てジバンシィ。いやあ、美しい。

 

惚れ惚れ

 

煙草を吸う姿がサマになってる!

 

憧れのスカーフとサングラス

 

ヘプバーンのコメディエンヌっぷりが可愛い。軽さがあって声に品があって本当に素敵。可憐とはこのことか!

 

シェラ・デ・コブレの幽霊

 

建築家で心霊調査員のオブライエンのもとに「死んだ母親から毎晩電話がかかってくるので調査してほしい」という奇妙な依頼が舞い込む。依頼者は盲目の資産家であった。オブライエンが現地へ赴くと依頼者の妻ヴィヴィアが母親の墓に案内する。ここでまず一発目の心霊現象。幽霊は本当にいるのか?いるとしたら、なぜ幽霊は出現するのか?

 

古いけどモダン

 

フィルムが現存せず幻とされていた64年制作のモノクロホラー作品。どーしたワケかアマプラにあったので観賞。アーティスティックなモノクロの映像にホラー風味の不協和音、そこに女の啜り泣きが加わってバリバリに不穏な空気。ハッキリ言って美しい。ホラーのセオリーをちゃんと踏んでいる。

面白いのは心霊調査員のオブライエンがリアリストであることだ。心霊調査員なのに幽霊を信じていない。そのうえで調査する。途中で幽霊の正体が分かった途端、ホラーからサイコスリラーに変わるどんでん返しが非常に巧み。落とし前もつく。面白かった。

 

インサイドマン

 

真昼間に銀行強盗事件が発生、人質を取られて警察は手も足も出ない。警察は周到な計画を立てた強盗団に翻弄される。襲われた銀行の会長は知り合いの敏腕弁護士に助けを求める。勝つのは誰だ?

強盗団VS警察だと思ってたら、強盗団VS会長の頭脳戦。もちろん強盗団が一枚上手であった。緊張感が持続して飽きない作品。

 

クライヴ・オーウェンが渋い

 

ザ・ファン

 

野球好きが高じた野球好きのおやじが贔屓にしている選手のストーカーになる話。

 

もっとこう・・どうにかなっただろ!

 

軸足がブレブレで野球愛なのか家族愛なのか親子愛なのかサイコサスペンスなのか、優先順位がはっきりしないので全体的にとっ散らかった印象。とことん中途半端。焦点をどれかに絞ってほしい。余韻なし。そのうえBGMがことごとくシーンに合っていない。センスなさすぎ。まさかトップガンの監督だったとは・・・。

 

刑事ジョー ママにお手上げ

 

強面刑事のジョーは今日も今日とて強面だった。腕力は素晴らしい。腕力が全てを解決する。そこへママがやってきた。ママはジョーがいまだに独身なので心配しているのだ。ジョーは狼狽える。ママこそジョーの弱点だからである。

 

スタローンだからこその作品

 

スタローン主演のコメディ。ゆる~観れて脳味噌使わない系なので猛暑の夏にもってこいの作品であった。内容はすぐ忘れるけど重要じゃないから構わない。

 

ゴーストシップ

 

半世紀前に行方不明だったほぼ幽霊船となった元豪華客船に乗り込んでみたら幽霊が出てくるわ死体が出てくるわ仲間が次々と死ぬわ等々不吉なことがバンバン起こる。これやっぱ幽霊?オカルト系?それともサイコホラー系?どうやって落とし前つけるんだろう?と思ってるとなんと犯人は悪魔。は?悪魔?オチはこれでいいの?本当に?と混乱しているうちに、悪魔はもう次の仕事を見つけてせっせと働き始めているところで終わった。ものすごく腑に落ちない。

 

時間の無駄だった

 

LA大捜査線 狼たちの街

 

相棒を殺された主人公、相棒の仇を取るため偽札事件の犯人を追う。犯人はちょっと狂った芸術家。その狂気が主人公にも伝播し、法も秩序もかなぐり捨てて追い詰める。

 

80年代臭さえなけりゃな~

 

80年代のシリアスなサスペンスアクション。スジは悪くないけど、80年代にはイケてたであろう「イケてる感」が今では古臭くて観賞の邪魔をする。ファッション、BGM、メイク、キャメラワークなどである。なぜ80年代はあんなにもダサいのか。個人的嗜好だろうか。マダムが苦手なだけか。ただしカーアクションは素晴らしく、フレンチ・コネクションみたいだなあと思ったら同じ監督だった。納得。

 

16ブロック

 

素行のよくない刑事が16ブロック先(約1.6キロ)の裁判所まで頑張って囚人を護送する話。たった16ブロック先に届けるだけなのだが主人公の刑事がブルース・ウィリスなのでそう簡単には行かない。出発してすぐ酒屋で酒を買ってたら車に残した囚人が殺されそうになる、馴染みのバーに逃げ込んで応援を頼んだら仲間に裏切られる、そっからまた逃げ出して囚人とブルースが追われる身になって、たった16ブロックなのにすげー遠回りする羽目になる。囚人を連れて情報を探ると警察にも裁判所にも裏切り者がいることが判明。ブルースは無事に囚人を送り届けることができるだろうか?

 

やはりブルース・ウィリスは偉大だ

 

面白かった。これはもう全面アクションでとても良かった。逃げて逃げて逃げまくってバンバン撃ちまくる。ラストもちゃんと綺麗な落とし前をつけてスッキリ爽快。ブルースはやっぱアクションの重鎮だよ。

 

ギフテッド

 

フランクは亡くなった姉の娘メアリーを引き取って育てている。メアリーはギフテッド、つまり天才であった。しかしギフテッド向けの学校には通わせず、普通の学校に普通の生徒として通わせていた。そこへフランクの母親でありメアリーの祖母であるイヴリンがやってくる。イヴリン曰く「歴史に名を残すためギフテッド用の教育を与えるから私にメアリーを預けなさい」。

フランクは断る。なぜなら天才数学者だった姉のダイアンがメアリーを残して自殺した元凶が、ダイアンを管理支配して名誉欲を得ようとしていたイヴリンだからである。

 

つまらないこともない

 

なかなか良かった。ギフテッドとその周辺も苦労があるんだろうなあと思った。周りにそんな人物おらんけど。

 

MAMA

 

長年行方不明だった姉妹が山小屋で発見された。叔父のルーカスが姉妹を引き取り育てるが姉妹は懐かない。姉妹ふたりで架空の「ママ」を作り出して遊んでいる。それが大変不気味である。というか、本当に超常現象が起こり始める。姉妹は本当に人間か?誰と話しているのか?彼女らの「ママ」とは一体なんなんだ?

まだ幼い姉妹は発見されるまで山小屋でバケモノに育てられていたのである。育ててくれてるんだから姉妹にとってはママである。しかし現実世界を生きていくためにはバケモノと決別しなければならない。どうやってバケモノを穏便に追い返せるだろうか?だがバケモノは姉妹にたいする執着心しかないのでこっちの話を聞かない。なぜならバケモノだからだ。ああ、会話が成立しないバケモノって嫌いだよ。あ、話が通じないからバケモノなのか。

 

バケモノの存在が前提となっている

 

最初から最後までずっと不穏である。ホラーファンタジーになるのだろうか。あんまりファンタジーの要素ないけど。引き取られた姉妹の姉は徐々に人間らしくなっていくけど、妹はずっとバケモノに懐いていてイライラする。お前、バケモノがいいんだったらバケモノに付いていきゃいいじゃん!ルーカスも妹は諦めてバケモノにくれてやればいいじゃん!と思ってたらその通りになったので一応良かった。妹、死ぬけど。

しかし幽霊とかバケモノとかを最初から肯定しているホラーはやっぱ苦手だ。納得できないからである。

 

汚れなき祈り

 

ルーマニアの修道院で悪魔払いの最中に少女が亡くなった。どういう理由で少女は悪魔憑きにされたのか、どのような悪魔祓いをやっていたのか。悪魔祓いは正当な行いになるのか?

 

ああ貧乏はいやだ

 

2005年にルーマニアの修道院で実際に起こった悪魔憑き事件をモデルとしている作品。風景がまず中世。こんな場所であんな暮らしをしていたら、そりゃ脳味噌も中世に戻るわ、ってな感じ。好きでそんな暮らしをやってんならいいけど、どうも好きでやってるようではないのである。全ての元凶は「貧しさ」である。

ルーマニアはチャウシェスク政権の悪夢からまだ立ち直っていないのでは?と思った。避妊や堕胎を法律で禁じて孤児を量産し街には孤児が溢れ、その子孫がいまでは欧州各地で大量のスリと化して悪事を働いている。主人公のアリーナとヴォイキツァも孤児である。育ての親はいても、育ての親が孤児を引き取るのは金のためである。なので成人になったらどっかへ出稼ぎに行かせるのである。こんな暮らしで教育なんて育たない。貧しいから教育より出稼ぎを優先するほかない。負のスパイラルである。

当作品の公式サイトには「信仰と愛のはざま」やら「友情を超えた深い絆」やらといった美辞麗句が並んでいるが、追及するべきはそんなことじゃねえだろうと思った。

 

ミッションインポッシブル フォールアウト

 

トム様が撮影中に骨折したやつ。それ以外覚えていない。

 

すごかった気がするけど覚えてない

 

マッドマックス フュリオサ

 

前作「怒りのデスロード」で登場したフュリオサの前日譚。マッドマックスシリーズのスピンアウト作品になるのだろうか。

面白くないこともなかったがデスロードほど熱くなることはなかった。というのも、前作では新鮮だったキャデラック2段重ねのギガホースも命知らずのウォー・ボーイズもゆや~んゆよ~んなハードキャッツも既知だからである。

 

中毒性はない

 

初出はバイカー野郎のディメンタスであった。こいつがフュリオサの敵となるのだが、マッドマックスの敵としては小粒。といってもこれはディメンタスのせいではなく、前作のイモータン・ジョー様のカリスマ性とインパクトが破格だったため誰が敵になってもジョー様を超えることはないだろうからである。

まあ前作と比較してばっかりもアレなので今作の良かったところを挙げると、リクタス/スクロータスの兄弟。サンダードームのマスター/ブラスターのコンビを彷彿とさせる。リクタスもブラスターも怪力の大男だが少々オツムが弱いという一種の無垢さを持っており、これがジョージ・ミラー監督のリリカルでセンチメンタルな部分なのだと思う。このコンビが作品に深みを与えている気がする。

 

以上、最近は暑すぎてお外へ出てないので映画館で観賞した作品は最新でフュリオサである。気が向いたらまたなんかアップするつもりである。

 

 

 

 

 

 

 

華やかじゃなきゃ、ファッションじゃない TAKADA KENZO

高田賢三の展覧会に行ってきた。賢三と言えば花柄。マダムは賢三の花柄が大好きだ。一着も持ってないけど。

 

もうこれだけでKENZO

 

作品数はそんなに多くなかったが、賢三の生涯に沿った代表作が順番に展示されていた。どれもこれも美しく、見ているだけで元気がでる。ワクワクしてくる。驚くべきことに全て写真撮影オッケーだった。ということで会場で撮りまくったKENZOの美しい作品たちと賢三の生涯を紹介したい。

 

ヴィヴィットなレッドがKENZO

 

1939年、7人兄弟の三男として姫路市内で生まれる。実家は待合であった。二人の姉と一緒に「それいゆ」「ひまわり」といった少女雑誌を愛読する物静かな少年に育つ。18歳で神戸市外国語大学へ入学するが、本当は美大や洋裁学校へ行きたかった。

 

まだ垢抜けてない

 

電車の広告で文化服装学院が男子学生募集を始めたことを知り居てもたってもいられず、外語大を辞めて単身上京。昼間働き夜はスタイル画研究所に通って勉強。19歳で晴れて文化服飾学院へ入学。金子功やらコシノジュンコやらの天才どもと同期。

 

大御所大集合

 

一発目はこちらのドレス。1960年制作。個人蔵となっていたので賢三と親しい方の持ちものだろうか。

 

完成されたスタンダード

 

文化服装学院在籍中に、装苑賞を受賞したドレス。上記と同じく1960年、賢三若干21歳。装苑賞とは老舗の洋裁専門誌「装苑」が主催する賞である。老舗ながら最も尖ったファッション誌とも言える。

 

質実剛健な雑誌です

 

いま見てもスタイリッシュ

 

1964年、東京オリンピック再開発のため、賢三は10か月分の立退料を受け取ってアパートを追い出される。会社に半年間の休職届を出して立退料で渡仏する。パリで腕試しにデザイン画を売り込んでみたら売れる。メーカーや百貨店、ELLEなどが賢三のデザインを買ったのである。賢三、会社に休職延長届出す。

 

かわいい

 

上手いなー!

 

1969年、ブティックオープンのため店を借りる。会社は前年に退職した。そして1970年に初めての店舗「JUNGLE JAP」をオープン、ショーを開催する。賢三の快進撃の始まりである。

 

垢抜けました

 

パリは瞬く間に賢三を受け入れた。70年代の作品はどれもこれも当時の快進撃を彷彿とさせるパッションに溢れている。

 

反物ワンピース

 

ブリティッシュ風のルック

 

この配色!

 

直線裁ちのコート

 

アーミールック

 

フェイクファーのコンビネゾン、暖かそう!

 

漫画風ルック

 

雪の女王みたいなウェディングドレス

 

モデルといえばこのひと!山口小夜子

 

フォークロアなウェディングドレス

 

小夜子かわいい~

 

賢三の花柄は憧れだった。目の覚めるようなヴィヴィッドな配色、それでいてレトロスペクティブでロマンティック。当展覧会で高田賢三のイメージは全て70年代で完成されていたことを知った。

 

柄on柄!でも煩くない!

 

そこはかとないフォークロア

 

ポピーとバラがKENZO風味

 

かわいい!かわいい!

 

後もこんなにかわいい!

 

民族衣装的なドレス

 

多色使いなのに落ち着きがある

 

赤がKENZOの赤ですね

 

このチラリズム!素敵!

 

バディックっぽい木綿のドレス

 

更紗っぽい木綿のドレス

 

70年代のファッション界は勢いがあった。多様性を受け入れる余裕があった。賢三のいたパリにはカール・ラガーフェルドがいてイヴ・サン=ローランがいた。ロンドンではマリー・クワントが頭角を表していた。デザイナーはやりたいことを目いっぱいやっていた。流行なんて考えちゃいなかった。なんという贅沢な時代であろう。

 

日本の布を使用したドレス

 

柄が東洋っぽい

 

オリエンタル!

 

この組み合わせが一番気に入った

 

ブラウスのブルーがKENZOブルーよね

 

どれを見てもカラフル

 

圧巻のKENZO柄

 

賢三の実家は芸者が出入りする待合であった。美しく着飾った女たち、和箪笥に納められた鮮やかな反物、中原淳一描く少女像。それらが賢三の糧になっている。賢三は日本を愛していた。ファッションを通して日本を表現した。

 

綿入れ半纏ではありませんか

 

モンペ的なコンビネゾン

 

鯉口ドレス!!

 

スゲー柄

 

和柄ブラウスに矢絣スカート

 

子供の浴衣っぽい柄ですね

 

ペイザンルック(農家風)の絣コンビネゾン

 

90年代以降、好き勝手やってきた初期の爆発力は影をひそめる。パートナーを亡くし、右腕だったパタンナーが病に倒れるという不運に見舞われ、クリエーションとビジネスの両立が難しくなったのである。93年にLVMHに身売りして賢三は破産した。LVMHの経営方針と対立しながらKENZOのデザイナーを続け、99年10月にKENZO30周年のショーを最後に引退する。

じゃあデザイナーを辞めたのかと言うと止めるはずがない。なぜならアーティストは創造を止めることができないからだ。そして思い出の残るバスティーユの豪邸(日本家屋に日本庭園!)と美術品を売却して心機一転、70歳で再出発を宣言する。

 

売却した自邸は数奇屋造り

 

ブログタイトルにした「華やかじゃなきゃ、ファッションじゃない」とは、この頃のインタビューで賢三が答えたものだ。マリクワの「退屈なファッションなんて無意味」と同義語である。ファッションは精神に最も干渉するものなのだ。

 

2016年、レジオンドヌールを受勲

 

2020年1月、ライフスタイルをデザインする「K三」を立ち上げてサンジェルマンにショールームをオープン。こんどこそ賢三アイテムを手に入れることがマダムにもできるかも、と楽しみにしていた矢先、コロナの合併症で賢三逝去のニュースが飛び込んできた。寝耳に水であった。

 

1970年JUNGL JAPにて

 

今展覧会は若き賢三の爆発的なスピリッツが詰まりに詰まりまくった展覧会であった。憧れのブランドを手に取るときのワクワク感、初めて腕を通すときの背筋が伸びる感じを思い起こさせる。まあ、マダムはKENZOを一枚も持ってないんですけど。

 

 

 

 

 

 

 

文句があったら水族館へいらっしゃい! アクアパークのばら

ベルばらが品川水族館とコラボするという。なにそれ?どうやって?と疑問を抱いたマダムは偵察に行ってきた。入口からベルばらだった。

 

単行本を模したセンスある看板

 

看板の左ページ

 

左のページはコラージュだろうか。使われているコマを探してみた。

 

フェルゼンと出会った仮面舞踏会ですね

 

貴族に擬態して潜入した舞踏会ですね

 

4年ぶりに再会したシーンですね

 

オスカルとアンドレは見つからなかったので第6巻から引用されているのだろうか。マダムは6巻を持っていないのである。ベルばらファンにはあるまじき不貞である。

まあそんなことはどーでもよくて、もうここからベルばらファンの同僚と一緒にきゃあきゃあ騒ぐ。他の客もきゃあきゃあしており、年齢層から見てもベルばらファンだと思われる。ベルばらのせいで客の平均年齢が一気に上がったはずである。

入場するとさっそくオスカルとアントワネットのカップルが!オスカルが礼服を着用している。ステキ。漫画だけどステキ。

 

マダムもオスカルにエスコートされたい

 

屋内遊園地エリアでは海賊船の向こうの窓にロザリーが!

 

背景は3Dなのにロザリーは2D

 

メリゴーの隙間からオスカルが!!

 

手前に写るアザラシが味わい深い

 

水族館内なのでメリゴーのデザインは海をベースとしたもので、馬の代わりにラッコやイルカやタツノオトシゴなのである。ちなみに海賊船もメリゴーも1回1000円。高っ!これは貴族の乗り物か?

 

海の乗り物

 

では本番のはじまりはじまり~~~。

 

ルイ・シャルルとマリー・テレーズかな?

 

さてここは水族館なのでちゃんと魚類が展示されている。ベルばらコラボとあってベルばらっぽい魚類を集めてあるのである。例えばコイツ。ホウセキカサゴだそうだ。ピンク色のフリルみたいなヒレがまさにベルばら。

 

ベルばら感ある

 

赤いサンゴはオスカルの情熱のようでもあり、アントワネットの愛のようでもあり、民衆の流した血のようでもある。

 

エビもいます

 

そして壁にはアントワネットに秘めた想いを寄せるフェルゼン。

 

お前も不幸な男よのう

 

ベルばらメンバーに選ばれた魚たち。名前は覚えてない。

 

なんか気持ち悪い

 

バブル時代に流行ったエンゼルフィッシュ

 

 

ル・ルーちゃん

 

続くは名シーンと魚類の「追憶の花園」。少々唐突感がなきにしもあらずだが、ベルばらファンは名シーン名セリフで小一時間くらいは軽く盛り上がることが出来る。ベルばらで盛り上がって魚なんて誰も見ちゃいない。

 

マダム世代が多かったです

 

上手いな~~

 

ジャンヌが絶対いいそうにないセリフ

 

上手いな~~

 

件のダイヤの首飾り

 

女装オスカル

 

切ない女ごころが垣間見えます

 

アンドレが嫉妬するんですよね

 

オスカルの見合い相手のジェロ―デルに

アンドレが啖呵きってますね、6巻ですね

 

マダムはアンドレが一番好きです

 

オスカル殉職シーン

 

いや、民衆側に付いたので殉職じゃないのか

 

三色旗が誇らしい

 

光り輝く初夏の日のオスカル、

花と相まって遺影のようだ

(まあ、遺影になったんですけど)

 

水槽の前でいちいち引っ掛かり、そのシーンについて評論などして疲れてきたところへちょうど良い具合にカフェがあった。その名も

 

フェルゼンが宗方コーチみたいだ

 

ロザリーが店番をしている。

 

ロザリーっていつ見ても可憐

 

おすすめメニューは

 

周囲をざわつかせたメニュー

 

野菜のきれはしがほんのすこしういてるだけ・・・のスープ!これは黒い騎士を追っていたオスカルが殴られて意識を失い、助けられた先でロザリーと再開、そのときサーブされた貧しいスープにオスカルが「これだけ・・・!?」と驚愕し民衆の貧しさに全然気づいてなかった自分を恥じ入り貴族のアイデンティティーついて深く考える発端になった野菜のきれはしがほんのすこしういてるだけのスープだ!(早口)

 

貧しすぎる庶民の食事に驚くオスカル

 

他にもいろいろあったが貴族価格なのでなにも買わず、飲まず食わず。テーブルが水槽になってたので水槽だけ愛でて次へ。

 

小さな宇宙のようだ

 

イソギンチャク?

 

可愛い

 

面白い

 

円柱の水槽でクラゲがゆらゆら揺らめいている。君たちはベルばらとどういったご関係なのでしょうか。

 

こいつ絶対地球外生物だぜ

 

ポヨポヨしやがってカワイイじゃねえか、この野郎!

 

幽玄

 

不思議

 

不老不死クラゲがいるって本当?

 

クラゲに囲まれてオスカルが何か言っている。

 

誰に言ってるの?クラゲ?

 

貴族を守るため民衆に銃を向けるか、それとも民衆とともに戦うか決断を迫るときのセリフですね、服装がちょっと違いますけどね、戦いに向かう途中オスカルはアンドレに「これが終わったら結婚式だ」と伝えるのが不吉なんですよね、そしてアンドレが・・・。ここはもう涙失くしては語ることのできない重要なシーンですね(涙声)。

 

読み返してまた感動して号泣

 

オスカル、アンドレ、そしてアランをはじめとするフランス衛兵隊は名もなき英雄になろうと約束する。

 

マダムは単行本コミックの絵面の方が好きです

 

ベルばらを推薦図書にするべき

 

オスカル様!!マダムもあなたに付いて行きます!そこが例え地獄であろうとも!さて、感情が高まったところで次はイルカショーである。まさかイルカがベルばらを演じるわけもねえしなーと訝しんでいると、看板と司会のお姉さんの衣装がベルばら要素なのであった。流れる音楽はフランス・ギャルやオー・シャンゼリゼなどフランスにちなんだ曲であった。

 

座れませんでした

 

パフォーマンス最高でした

 

暑そうでした

 

イルカショーを見てコツメカワウソのショーを見て、ペンギンとアザラシを見て、エイやサメが泳ぐトンネルを通って、チンアナゴを観賞して終わりである。

 

このトンネルが出来た当初はスゴイ人気でした

 

海中を飛んでます

 

不可解生物

 

お前らそれで仮装してるつもりか?

 

ルイ16世に感謝されました

 

ベルばらも楽しんだが、久しぶりの水族館も大変楽しめた。既に14時に近い。開館の10時から約4時間遊んだわけである。やっぱ定期的にこういう場所って必要よね。そんなことより貴族の館では飲まず食わずだったので小腹空いたわね、どっかで庶民的な食事をしない?ってことですぐ近くの秋田アンテナショップに入店して炭水化物定食を摂取。

 

鳥丼、きりたんぽ鍋、そうめん、じゅんさいなど

 

美味かったです!!

 

腹一杯に秋田料理を詰め込み秋田土産を購入し、お開きとしたのである。充実した一日であった。次は同僚の勧めるチンアナゴカフェでも狙うか。ってゆーかベルばらファンの同僚がどーしてチンアナゴカフェというピンポイント過ぎる誰得情報を持っているのか。もしかしてマダムは騙されているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

宮殿の舞台裏 ヴェルサイユ宮殿に暮らす

ヴェルサイユ宮殿。絢爛豪華な大サロン、煌びやかな衣装の紳士淑女が豪奢な舞踏会に集う。各国王族の誰もがヴェルサイユ宮殿に憧れフランス宮廷文化を取り入れた。ヴェルサイユ宮殿は究極の宮廷文化であった。


ヴェルサイユ宮殿に暮らす
ウィリアム・リッチー・ニュートン
訳:北浦 春香 
白水社

 

そんな「ヴェルサイユ宮殿に暮らす」。なんという甘美な夢であろう。いいなあ、憧れるなあ。ベルタン嬢のドレスを着て伯爵夫人たちとセーヴルのティーセットでお茶して美味しいもの食べて広大な庭を散歩して、夜になったら気になる殿方と愛の神殿で密会するの!うっとり。マダムの妄想は捗りまくる。

 

優雅で悲惨な宮廷生活・・・

 

ではヴェルサイユではどのような日常が営まれていたのか、ちょっと覗いてみよう。庭園には既に宮殿の勤め人たちが集まり大変な熱気である。

 

「ヴェルサイユ宮殿で暮らしたいかー!?」

「暮らしたーい!」

「宮殿で暮らす覚悟はあるかー!?」

「覚悟ありまーす!」

「よーし、では最初の問題はこれだー!部屋を探せーー!」

「うおおおおおおおおおッ!」

 

君もウカウカしてはいられない。早く部屋を押さえないと宮殿に暮らすことはできないぞ!もし部屋を与えられなかったら宮廷外の市中へ部屋を借りて毎日参内することになる。そうするといらんカネと時間がかかる。なので宮殿勤め人たちは必死である。宮殿といえども部屋数は限られているのに住み込み勤め人は増える一方だからだ。部屋を選ぶことは出来ず、与えられただけでも幸運だと思わなければならない。どんなに狭くても日当たりが悪くても我慢するしかない。

一般職の勤め人たちが暮らすのは寮のように部屋が並んでいる大共同棟である。当たり前だが台所や湯浴みスペースはなく、家具が揃っていれば儲けもの。ノミやシラミが同居人である。もっと良い部屋がいい?だったら総督ノアイユ伯爵へ辛抱強く嘆願書を送りまくることだ。

 

ここは屋根裏部屋

 

ちなみに王族とコネクションを持つ大貴族や高級官僚、王家礼拝堂の聖職者は部屋数が多いアパルトマンを割り当てられていた。この「宮殿横断ウルトラクイズ」に強制参加させられているのは役職なしの一般職として仕えている宮殿勤め人である。

 

部屋が決まれば住まいの心配はなくなった。心配がなくなると急に腹が減ってきた。じゃあちょっくら食堂で食事してこよう、と君は考えるだろう。ちょい待ち!宮殿の食堂に一般職の席はない。じゃあどこで食べ物を調達すればいいのかといえば、城館内の隅っこや中庭の壁沿いの露店から食べ物を購入することになる。ここで売っている食べ物は王の食卓に供されたものであった。しかし常に大量なので大量に余る→王の食卓を管理する食膳部の官僚に下げても余る→給仕係と侍従に下げても余る→小売商に下げられてやっと露店へ並んでいるのである。フランス宮殿でまさかのもったいない精神。

露店には美味そうなソースのかかった鴨がある。君はそれを購入して部屋で食べる。そして腹を壊すであろう。美味そうに見えたのに腐っていたのだ。なーにがもったいない精神だよ!詐欺だよ、詐欺!クソ露天商がああああ!腹を壊しても部屋にトイレはない。陶製のチャンバーポット(おまる)がトイレである。君は露天商を恨みながらチャンバーポットにまたがるであろう。

 

たまにアンティークショップで売ってるけど

これ、おまるなので気をつけてください

 

露天商は品物が腐ろうが傷もうが知ったこっちゃない。仕入れた余りものを売りつくさなければ大損を被るので、あの手この手で売りさばくのである。たまには新鮮で美味いものもある。

食膳部関係は無駄遣いと汚職の温柔(官職が売買されていた)となっており、王家の財政が逼迫していた1978年にやっと大幅改正、人員を大量リストラし、露店の食べ物再販も禁止されることとなる。まあ翌年には革命が起こるワケで改正もリストラも遅きに失した模様。

 

うーん、露店で買うのはもうやめよう。自炊しよう。え、台所がない?じゃあ1階の回廊にかまどを据えて煮炊きすればいいか。だってみんなやってるもん。

宮廷の調理場は王族のためのもので、住み込みの一般職用の調理場などなかった。そのため各々勝手に簡易な台所を作って食べ物を温めたり湯を沸かしたりしていた。炭を使って調理していたので中毒症状を引き起こすおそれがあった。

 

回廊を仕切ってかまどが並んでいたと思われる

天井は煤で黒ずみ、腐敗臭が充満していた

 

あぶねーあぶねー。もう少しで一酸化中毒で死ぬところだった。回廊でぶっ倒れていたところをノアイユ伯爵が見つけてくれたから助かったものの大目玉を喰らったわ。次からはちゃんと換気に気を付けよう。

いや、そういう問題じゃねえだろう、とは誰も思わなかった。宮廷内が不便すぎるからである。生活するのに全く適していないのである。それでも職を辞してここから去ろうとは思わない。なぜならヴェルサイユだからだ。ウルトラクイズは続いている。

 

愛の神殿もあるし!

 

せっかくのヴェルサイユなのにどーしたワケか毎日がサバイバル。思ってたのと少々違うが日々を暮らすうちに精神力忍耐力弁解力がついた気がする。これなら宮廷横断ウルトラクイズも最後まで残れそうだ。と思っていた矢先、君は耐えられないほどの悪臭に苛まれるであろう。もともとの悪臭には慣れてしまって気にならなくなっていたのに、夏の暑さもあって日に日に悪臭が強くなってきたのである。これはもう地獄の臭さである。原因は水であった。

ヴェルサイユの大庭園には噴水やら池やらグランカナルやらが設営されており大量の水を必要とする。その水は約10キロほど離れたセーヌ川からポンプ式で運ばれているのである。この「川の水」というのが曲者で、フランスではなんでもかんでも道端に捨てるという習慣があったため(というか、いまもある)、道端には腐った野菜、おまるからブチ撒かれた糞尿、動物の死骸などが堆く積み上がり常に悪臭を放っていた。雨が降るとそれらは押し流されてセーヌ川に流れ込む(それをフランス人は掃除と呼ぶ)。そんな汚水をせっせとポンプで汲み上げヴェルサイユ宮殿のグランカナルに運ぶもんだから美しい宮殿一帯が地獄の臭さになるのであった。

 

悪臭の大運河

 

あーダメだ。悪臭だけは我慢できない。悪臭のせいだろうか、ここ最近肌の調子が悪い。吹き出物は酷いしかゆいし全身にポツポツとした赤みが出ている。かゆい。かゆいのでぽりぽりと掻くとよじれた垢が際限なく出てくる。垢太郎でも作ってヒマをつぶすか。

垢を汚いとは思わないし自分自身が匂っているとは気づかない。なぜならみんながそうだったからである。王も王妃も高級官僚も下級貴族も家庭教師も女官も等しく臭いのである。唯一、風呂を習慣としていたアントワネットだけは違った。ところが清潔の概念を持たないフランス人とは習慣が違うということで所詮「オーストリア女」と呼ばれたのであった。相互理解って難しい。

 

寒い。暗い。季節は巡って冬である。夏はあんなに暑かったのに10月になった途端に朝晩が急に冷え込むようになった。金属のパイプ煙突付き陶器ストーブでは全然暖まらない。そのうえ窓の木枠が腐ってるので隙間風が入り放題なのである。もうずいぶん年季の入ったストーブは金属パイプが朽ちかけてところどころから煙が出ている。

夏の悪臭は我慢できたけど(のど元過ぎてすっかり忘却)底冷えする寒さは我慢できない。煙くて家具が煤だらけになるけど寒いのでガンガン薪を突っ込んでたらパイプの割れ目から火が出てあやうく大火事になるところだった。隣部屋の女官友達が火をぶっかけてくれて助かったもののノアイユ伯爵にバレて大目玉くらった。「またお前か!」って言われたけど反省なんてしない。いちいち反省してたらここで生き残ることはできない。ここは弱肉強食の世界、毎日が戦いなんだ!

 

冬にはだーれも庭園に出ない

 

初めて宮殿の裏側に足を踏み入れたとき、君は多少なりとも驚いたことを覚えているかい?埃と油で黒ずんだ床、腐った階段(死亡者が出たとの記録あり)、朽ちた窓枠、紫外線でボロボロのカーテン、破れた壁紙、そしてどこにいても漂う臭気。ネズミの大群に出会ったときは卒倒しそうになった(卒倒したらネズミの大群の中に倒れる恐れがあったので頑張って踏ん張った)。どうして掃除しないのかしら?掃除夫はいないのかしら?

ちゃんといた。床磨き職人も掃除夫もちゃんといた。しかし一般職の住居である大共同棟を担当している掃除夫は4人であった。4人!!たったそれだけであの広さを?無理な話である。だもんだから、なにもかもが不潔なままであった。

それなら君は自分の部屋とその周りくらい掃除しようと思うだろうか。全く思わないであろう。なぜなら君の仕事は掃除ではないからだ。ヴェルサイユで「暮らす」ために、更には「絶対王政舞台の登場人物」として君はここにいるのだ。混沌を極めた宮殿に、君は徐々に慣れていく。終わりのない芝居を演じるように。

 

迷子になる自信ある

 

また夏が来た。ヴェルサイユで一年過ごすうち、君の鈍感力は驚くほど磨かれているだろう。臭くても寒くても暗くても暑くても腹が減っても壊れても、表面上は涼しい顔で高貴な方々の世話を焼く。優雅に、慇懃に、当たり前の顔をして。

おめでとう!君は宮殿にジャストミート出来たのだ。しかし一方、「勝負に勝って試合に敗けた」感を拭いきれないのであった。

 

~Fin~

 

以上、妄想を終わる。妄想の中の人物をなぜ「自分」ではなく「君」にしたのかというと、本書を読み進むうちに「ここに住んだら発狂するな」と思ったからである。なので君を犠牲にした。すまない。

本書はこれまでに語られることのなかったヴェルサイユ宮殿の真実(笑)を暴露した一冊である。ヴェルサイユ宮殿を専門とする歴史家である著者は、当時やりとりされた手紙や官僚機構の報告書などを丹念に収集し、読み込み、分析している。そこから浮かび上がってきた「日常生活」は、驚くべき不潔さであった。

 

ここは表舞台の鏡の間

 

宮廷文化が発達していたフランスで、宮廷の華麗さとはまるで相容れない小話が存在する。曰く「トイレが少ないのでバケツに溜めて窓から捨てる」「ハイヒールは汚水をよけるための靴」「東西南北どこでも悪臭」などである。本書を読むとそれらが実話であったことが心の底から理解できる。したくないけど。

ヴェルサイユ宮殿に暮らすこと、それは我慢することなのであった。巨大な宮殿はハッタリをかますには良くても、生活するには不便で不衛生だからだ。それでもやっぱり宮殿で暮らすことは一種のステータスであったのだ。そこに王が御座すからである。

 

「L'État, c'est moi」、朕は国家なり。絶対王政を象徴する言葉である。発したのはルイ14世であった。

 

お芝居大好き太陽王

 

ヴェルサイユ宮殿は、もともと狩り用に作られた簡易な館であった。狩りに出かけたルイ13世(14世の父)が、いちんちでパリまで戻るのは面倒臭えなあ~、妻の目が届かない場所で恋人(男)といちゃつきてえしな~、そうだ!狩り用の館を作っちゃえばいいや!という理由である。

 

その簡易な狩り用館を魔改造して現在の宮殿に整えたのがルイ14世である。ルイ14世のニックネームは「太陽王」、貴族民衆を問わず誰からも愛され、そして愛した王であった。14世は芝居が好きであった。自ら芝居に出演するほどの芝居好きであった。その芝居好きが高じた結果がヴェルサイユ宮殿なのではなかろうか。ヴェルサイユは生活するには不便でも、芝居を演じるには最高の舞台である。

狂気の沙汰とも言える煌びやかな宮殿をこさえてお気に入りの上級貴族を集め、官僚には華美なお仕着せを与えて各所に配置、そこに王は王然として君臨する。王の起床から就寝までの日常生活に細かなルールを制定して、その「日常」を下々に披露する。王妃の出産も公開であった。下々は王(と王妃)の生活を「観賞」する。これほどまでに壮大で傍迷惑な芝居があるだろうか。

後に続くルイ15世とルイ16世は迷惑を被った側である。ヴェルサイユ建造の莫大な借金で国庫には全くカネがなかったうえ、15世はあまりにも細かいルールと変わり映えのない日常に飽き飽きして女に走る。16世は地味で質実剛健な性格のため本気で王をやってしまい、民衆の求める王を演じることが出来なかった。そして革命が起こった。

 

人権宣言

 

現在のヴェルサイユ宮殿は美しい夢である。主役を失った華麗な舞台である。だったらコスプレしてでも昔日の夢の続きを見ようじゃないか!ということで今ではコスプレ舞踏会や音楽会が催され人気を博している。妥当な着地だと思う。

 

コスプレ音楽会

 

実はマダムはまだヴェルサイユ宮殿に行ったことないけど、いつか訪問出来たら「ああ、ここで過酷な宮殿横断ウルトラクイズをやってたんだなあ」と噛み締めたい。

 

 

 

 

 

 

有閑マダムの密かな愉しみ カフェ大好き編

っつってもマダムは全然有閑ではありませんことよ。ほほほ。有閑マダムに憧れているだけの暇ナシ中年女ですの。え、知ってた?OK!

ところで青山のドルフィンってカフェをご存じ?ここでコーヒーゼリーを食べるのがシャレオツな学生たちの間で流行ったんですって。へー、知らんかった。と思ったら創業1971年当時の話らしく、半世紀も前やんけ!知らんがな!ってことで、行ったんです、ドルフィンに。まだあるんですよ、当時の姿で。そしたらスゲー心地よくて断然気に入ってしまいました。

 

テラスがスゲー気持ちいい!

 

なんと喫煙OKなのです

 

ここにいると「選ばれし民」気分が味わえる

 

コーヒーゼリーを食べに?ノンノン、いまはカフェっていうよりレンタルスペースとして貸出してて、知り合いのデザイナーさんがシャツのオーダー会をやるってんでちょいとのぞいてきただけですの。

 

結構細かく採寸してた

 

じゃあシャツをオーダーしたのかっつったら1枚もオーダーせず、約2時間デザイナーさん夫婦としゃべくり倒して帰ってきましたわ、ほほほ。迷惑な客ですわね。次は秋頃にコートのオーダー会をするそうなので、そのときになにかお願いしたいと思ってるところよ。まあ思ってるだけなんだけど。それまでにナニをアレしないと。ということで手抜きで一発、密かな愉しみいきまーす。

店名が分からない、覚えてないお店は画像だけで茶を濁します。

 

喰った覚えはある

 

クランブルケーキということは

 

バビーズかな?

 

ムッシューが喰ってた覚えがある

 

とするとマダムがプリンか?

 

全然思い出せない

 

裕子さんが選んだのは覚えてる

 

これは思い出した!

表参道のロータスだ!

 

これは・・・?

 

ややっ!これは黒い森のタルトだな

 

ということは自由が丘モーツァルトか

 

梅園の甘味

 

日本橋高島屋は穴場だった

 

これはどっかのアフタヌーンティですね

 

デザートは必ず頼みます

 

このプレートは二子玉バビーズだな

 

バビーズのツナメルトだ

 

自由が丘のイタリアン

サラダで分かる

 

メインにチキンを食べたらしい

 

デザートは必ず頼みます

 

ガトーショコラとピスタチオアイス

 

いつ行ったのかは思い出せない

 

日本橋の文明堂だ!

 

フレンチトーストならぬフレンチカステラ

 

カステラ一本分いけるぞ、これ

 

お友達はミルク氷

 

飯田橋、果実園リーベル

 

ランチは1皿にフルーツ載せ放題

 

メインのランチは普通

 

なぜなら

 

リーベルの

 

本気は

 

パフェだからだ!

 

あまおうモリモリ

 

期間限定白イチゴパフェ

 

メロンパフェ

 

イチゴのズコット

 

量がスゴイ

 

白イチゴ、たっか!

 

昭和の香り漂うマスクメロン

 

リーベルのパフェは高いけど、ブティックで売ってるフルーツの値段を知ると断然リーズナブル。また行かなきゃ!!

 

 

 

 

 

 

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