デタラメ映画批評 Vol.47
ちょっと前にショッピングモールに行ったら「帰ってきたあぶない刑事」で使用されたレパードとハーレーが展示してあった。
綺麗過ぎて本当に劇中で使用したのか?と訝しんだマダムですこんにちわ。あぶない刑事?観てません。そんなことより毎日毎日暑すぎて動けません。動けないためブログも滞っております。脳味噌も停止状態だからです。あとやっとネトフリに入ってコブラ会に夢中、ますます脳味噌停止状態です。マダムの脳味噌が機能するのはまだ先となります。
禁じられた遊び
戦時下で両親を亡くして孤児となったポーレットの悲しいお話。ポーレットは農家一家に拾われるが、まだ死を理解していないポーレットは十字架や花で飾られた墓を所望する。少年ミシェルはポーレットの願いをかなえてやるためにネズミやモグラを捕まえては秘密の場所にせっせと墓を作る。無邪気に喜ぶポーレット。
ある日警察が農家一家を訪ねてきた。ポーレットを戦争孤児として施設に入れるためである。ポーレットは一旦修道院に連れていかれるが、すぐさま「戦争孤児」の名札を首から下げさせられて駅に放置される。
思ってたのと全然違った
駅に放置されたまま終わるという、まったく救いのない終わり方であった。当時はこのように駅に置き去りにされる孤児が多かった。大勢のひとびとが行きかう駅では孤児を拾ってくれる大人がたまにいるからである。では拾われなかったら?ホームレス化するか、死ぬかである。
観ていて楽しい作品ではない。それでもこういった作品は必要であると思う。
シャレード
富豪と結婚したレジーナがスキー旅行から戻ってみると家はスッカラカン、レジーナが留守の間に夫が家財道具一切を売り払って金を持って逃走したという。そのうえ夫は乗っていた列車から何者かに突き落とされ死亡。夫の仕事のことなど一切知らないレジーナは途方にくれる。
そこへ旅行先で知り合ったピーターと名乗る男が現れる。ピーターはレジーナを心配して駆けつけてきたのであった。レジーナはピーターを頼る。というかピーターしか頼れない。夫はなぜ逃げたのか?そのとき持っていたに違いない大金はどこに消えたのか?ピーターは何者だろうか?
非常に良質な娯楽作品
ヘプバーン主演のミステリ作品。ストーリーも面白いが、見どころはやっぱりヘプバーンのファッション!帽子にスカーフ、スーツとバッグと靴の組み合わせ、イエローやレッドのコート。衣装は全てジバンシィ。いやあ、美しい。
惚れ惚れ
煙草を吸う姿がサマになってる!
憧れのスカーフとサングラス
ヘプバーンのコメディエンヌっぷりが可愛い。軽さがあって声に品があって本当に素敵。可憐とはこのことか!
シェラ・デ・コブレの幽霊
建築家で心霊調査員のオブライエンのもとに「死んだ母親から毎晩電話がかかってくるので調査してほしい」という奇妙な依頼が舞い込む。依頼者は盲目の資産家であった。オブライエンが現地へ赴くと依頼者の妻ヴィヴィアが母親の墓に案内する。ここでまず一発目の心霊現象。幽霊は本当にいるのか?いるとしたら、なぜ幽霊は出現するのか?
古いけどモダン
フィルムが現存せず幻とされていた64年制作のモノクロホラー作品。どーしたワケかアマプラにあったので観賞。アーティスティックなモノクロの映像にホラー風味の不協和音、そこに女の啜り泣きが加わってバリバリに不穏な空気。ハッキリ言って美しい。ホラーのセオリーをちゃんと踏んでいる。
面白いのは心霊調査員のオブライエンがリアリストであることだ。心霊調査員なのに幽霊を信じていない。そのうえで調査する。途中で幽霊の正体が分かった途端、ホラーからサイコスリラーに変わるどんでん返しが非常に巧み。落とし前もつく。面白かった。
インサイドマン
真昼間に銀行強盗事件が発生、人質を取られて警察は手も足も出ない。警察は周到な計画を立てた強盗団に翻弄される。襲われた銀行の会長は知り合いの敏腕弁護士に助けを求める。勝つのは誰だ?
強盗団VS警察だと思ってたら、強盗団VS会長の頭脳戦。もちろん強盗団が一枚上手であった。緊張感が持続して飽きない作品。
クライヴ・オーウェンが渋い
ザ・ファン
野球好きが高じた野球好きのおやじが贔屓にしている選手のストーカーになる話。
もっとこう・・どうにかなっただろ!
軸足がブレブレで野球愛なのか家族愛なのか親子愛なのかサイコサスペンスなのか、優先順位がはっきりしないので全体的にとっ散らかった印象。とことん中途半端。焦点をどれかに絞ってほしい。余韻なし。そのうえBGMがことごとくシーンに合っていない。センスなさすぎ。まさかトップガンの監督だったとは・・・。
刑事ジョー ママにお手上げ
強面刑事のジョーは今日も今日とて強面だった。腕力は素晴らしい。腕力が全てを解決する。そこへママがやってきた。ママはジョーがいまだに独身なので心配しているのだ。ジョーは狼狽える。ママこそジョーの弱点だからである。
スタローンだからこその作品
スタローン主演のコメディ。ゆる~観れて脳味噌使わない系なので猛暑の夏にもってこいの作品であった。内容はすぐ忘れるけど重要じゃないから構わない。
ゴーストシップ
半世紀前に行方不明だったほぼ幽霊船となった元豪華客船に乗り込んでみたら幽霊が出てくるわ死体が出てくるわ仲間が次々と死ぬわ等々不吉なことがバンバン起こる。これやっぱ幽霊?オカルト系?それともサイコホラー系?どうやって落とし前つけるんだろう?と思ってるとなんと犯人は悪魔。は?悪魔?オチはこれでいいの?本当に?と混乱しているうちに、悪魔はもう次の仕事を見つけてせっせと働き始めているところで終わった。ものすごく腑に落ちない。
時間の無駄だった
LA大捜査線 狼たちの街
相棒を殺された主人公、相棒の仇を取るため偽札事件の犯人を追う。犯人はちょっと狂った芸術家。その狂気が主人公にも伝播し、法も秩序もかなぐり捨てて追い詰める。
80年代臭さえなけりゃな~
80年代のシリアスなサスペンスアクション。スジは悪くないけど、80年代にはイケてたであろう「イケてる感」が今では古臭くて観賞の邪魔をする。ファッション、BGM、メイク、キャメラワークなどである。なぜ80年代はあんなにもダサいのか。個人的嗜好だろうか。マダムが苦手なだけか。ただしカーアクションは素晴らしく、フレンチ・コネクションみたいだなあと思ったら同じ監督だった。納得。
16ブロック
素行のよくない刑事が16ブロック先(約1.6キロ)の裁判所まで頑張って囚人を護送する話。たった16ブロック先に届けるだけなのだが主人公の刑事がブルース・ウィリスなのでそう簡単には行かない。出発してすぐ酒屋で酒を買ってたら車に残した囚人が殺されそうになる、馴染みのバーに逃げ込んで応援を頼んだら仲間に裏切られる、そっからまた逃げ出して囚人とブルースが追われる身になって、たった16ブロックなのにすげー遠回りする羽目になる。囚人を連れて情報を探ると警察にも裁判所にも裏切り者がいることが判明。ブルースは無事に囚人を送り届けることができるだろうか?
やはりブルース・ウィリスは偉大だ
面白かった。これはもう全面アクションでとても良かった。逃げて逃げて逃げまくってバンバン撃ちまくる。ラストもちゃんと綺麗な落とし前をつけてスッキリ爽快。ブルースはやっぱアクションの重鎮だよ。
ギフテッド
フランクは亡くなった姉の娘メアリーを引き取って育てている。メアリーはギフテッド、つまり天才であった。しかしギフテッド向けの学校には通わせず、普通の学校に普通の生徒として通わせていた。そこへフランクの母親でありメアリーの祖母であるイヴリンがやってくる。イヴリン曰く「歴史に名を残すためギフテッド用の教育を与えるから私にメアリーを預けなさい」。
フランクは断る。なぜなら天才数学者だった姉のダイアンがメアリーを残して自殺した元凶が、ダイアンを管理支配して名誉欲を得ようとしていたイヴリンだからである。
つまらないこともない
なかなか良かった。ギフテッドとその周辺も苦労があるんだろうなあと思った。周りにそんな人物おらんけど。
MAMA
長年行方不明だった姉妹が山小屋で発見された。叔父のルーカスが姉妹を引き取り育てるが姉妹は懐かない。姉妹ふたりで架空の「ママ」を作り出して遊んでいる。それが大変不気味である。というか、本当に超常現象が起こり始める。姉妹は本当に人間か?誰と話しているのか?彼女らの「ママ」とは一体なんなんだ?
まだ幼い姉妹は発見されるまで山小屋でバケモノに育てられていたのである。育ててくれてるんだから姉妹にとってはママである。しかし現実世界を生きていくためにはバケモノと決別しなければならない。どうやってバケモノを穏便に追い返せるだろうか?だがバケモノは姉妹にたいする執着心しかないのでこっちの話を聞かない。なぜならバケモノだからだ。ああ、会話が成立しないバケモノって嫌いだよ。あ、話が通じないからバケモノなのか。
バケモノの存在が前提となっている
最初から最後までずっと不穏である。ホラーファンタジーになるのだろうか。あんまりファンタジーの要素ないけど。引き取られた姉妹の姉は徐々に人間らしくなっていくけど、妹はずっとバケモノに懐いていてイライラする。お前、バケモノがいいんだったらバケモノに付いていきゃいいじゃん!ルーカスも妹は諦めてバケモノにくれてやればいいじゃん!と思ってたらその通りになったので一応良かった。妹、死ぬけど。
しかし幽霊とかバケモノとかを最初から肯定しているホラーはやっぱ苦手だ。納得できないからである。
汚れなき祈り
ルーマニアの修道院で悪魔払いの最中に少女が亡くなった。どういう理由で少女は悪魔憑きにされたのか、どのような悪魔祓いをやっていたのか。悪魔祓いは正当な行いになるのか?
ああ貧乏はいやだ
2005年にルーマニアの修道院で実際に起こった悪魔憑き事件をモデルとしている作品。風景がまず中世。こんな場所であんな暮らしをしていたら、そりゃ脳味噌も中世に戻るわ、ってな感じ。好きでそんな暮らしをやってんならいいけど、どうも好きでやってるようではないのである。全ての元凶は「貧しさ」である。
ルーマニアはチャウシェスク政権の悪夢からまだ立ち直っていないのでは?と思った。避妊や堕胎を法律で禁じて孤児を量産し街には孤児が溢れ、その子孫がいまでは欧州各地で大量のスリと化して悪事を働いている。主人公のアリーナとヴォイキツァも孤児である。育ての親はいても、育ての親が孤児を引き取るのは金のためである。なので成人になったらどっかへ出稼ぎに行かせるのである。こんな暮らしで教育なんて育たない。貧しいから教育より出稼ぎを優先するほかない。負のスパイラルである。
当作品の公式サイトには「信仰と愛のはざま」やら「友情を超えた深い絆」やらといった美辞麗句が並んでいるが、追及するべきはそんなことじゃねえだろうと思った。
ミッションインポッシブル フォールアウト
トム様が撮影中に骨折したやつ。それ以外覚えていない。
すごかった気がするけど覚えてない
マッドマックス フュリオサ
前作「怒りのデスロード」で登場したフュリオサの前日譚。マッドマックスシリーズのスピンアウト作品になるのだろうか。
面白くないこともなかったがデスロードほど熱くなることはなかった。というのも、前作では新鮮だったキャデラック2段重ねのギガホースも命知らずのウォー・ボーイズもゆや~んゆよ~んなハードキャッツも既知だからである。
中毒性はない
初出はバイカー野郎のディメンタスであった。こいつがフュリオサの敵となるのだが、マッドマックスの敵としては小粒。といってもこれはディメンタスのせいではなく、前作のイモータン・ジョー様のカリスマ性とインパクトが破格だったため誰が敵になってもジョー様を超えることはないだろうからである。
まあ前作と比較してばっかりもアレなので今作の良かったところを挙げると、リクタス/スクロータスの兄弟。サンダードームのマスター/ブラスターのコンビを彷彿とさせる。リクタスもブラスターも怪力の大男だが少々オツムが弱いという一種の無垢さを持っており、これがジョージ・ミラー監督のリリカルでセンチメンタルな部分なのだと思う。このコンビが作品に深みを与えている気がする。
以上、最近は暑すぎてお外へ出てないので映画館で観賞した作品は最新でフュリオサである。気が向いたらまたなんかアップするつもりである。