ボンジュ~ル珍道中2 憧れの博物館へ | 不思議戦隊★キンザザ

ボンジュ~ル珍道中2 憧れの博物館へ

緊張のせいであろうか、何度も夜中に目を覚まし熟睡できず。
それでも全く疲れはない。きっと浮かれているせいだ。(そしてこの浮かれは最終日まで続く)
8時前、ホテルの朝食(ビュッフェ形式)を摂りに1Fのレストランへ、いそいそと出かける。

客層は7割日本人であった。もう少し遅い時間になると、欧米人客が多くなることが分かった。面白い現象だ。

なんというか、国内外も仕事も関係なく、朝早くから動き始める日本人の勤勉さを目の当たりにした感じである。


朝食メニューはパン数種、パウンドケーキ(激甘)らしきもの3種、ハム類、卵、ドリンク各種、果物、ヨーグルト。
ただし、野菜類は全くなし。本当に、マジで、全くない。

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ある日の朝食(食べすぎ)


朝食は代金に含まれていたし、ホテルのビュッフェなのでまるで期待していなかったのだが、意に反してパンが美味い。
旅行しているうちに理解したのだが、パンはどこで食べても美味かった。


朝食を終えたら出かける準備をして、いざ出陣だ!
メトロのホームでneco ちゃんと待ち合わせして、今日の一発目はこちら!


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校外学習であろうか、お子様の団体と一緒になった


フランス革命に関する品揃えが豊富なカルナヴァレ博物館、マダムが最も行きたかった博物館である。
入場無料(企画展は有料)。館内は常設展示のみ写真撮影可、ただしフラッシュ禁止。
くだくだと説明しても面白くないので、写真を載せていつものノリで紹介する。


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なぜか古代ローマ風スタイルの太陽王(ルイ14世)の銅像

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昔の看板を揃えた部屋

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真ん中の黒猫は19世紀の有名なカフェ「Chat noir」の看板

奥に見える縦型の絵画、なんの画だろうと思ってタイトルをみると、どうやらナポレオンである。

しかし、ナポレオンの表情がちょっと・・・しょんぼりしてる・・・・。ヘタウマ・・・なのか?

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ボケボケですまんが、ちょいと貧弱すぎやしないか?

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部屋の装飾にメデューサが!カッケー!

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元貴族の館で浮かれるマダム


さあ、この階段を上ったら、フランス革命の部屋へ突入だ!

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お蝶婦人の屋敷みたい(行ったことないけど)

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ヘタウマ?なんだろう、このほのぼの感

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なぜビームやら乳やら出してんの?右の生物は何?

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ここまでの三枚は王党派の画かな?

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こちらはルイ16世に対する風刺画のようだ

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奥の肖像画はルイ16世


そしてここからは、バスティーユ襲撃から恐怖政治までに至る逸品の数々だ!期待してくれ!

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ジュ・ド・ポームの誓い、中央で手を上げているのはバイイか?

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バスティーユ襲撃!

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バスティーユ監獄の模型、カッケー!


バスティーユが襲撃される10日前まで、なんとマルキ・ド・サドがこの監獄に入っていた。これ、豆な。


以下の肖像画はピエール・ユラン、軍人であったが民衆側に寝返り、バスティーユ襲撃に参加。

バスティーユ敷地内に入り、はね橋を切って降ろした二人のうちの一人、とも云われている。


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結構イケメン

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バスティーユの戦勝者、との見出し


民衆と一緒にバスティーユを襲撃する軍人か・・・・。って、あれ?なんかそんな少女漫画があったよね?

そう、彼こそが「ベルサイユのばら」の登場人物、オスカル様のモデルになった人物である!!


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ベルばらでは「ユラン伍長」として登場

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ユランよりルイ16世に預けられたバスティーユのかけら

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バスティーユ監獄の鍵

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タンプル塔の鍵と、額縁に入っているルイ16世の遺髪!

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新聞記者カミーユ・デムーラン


ベルばらの登場人物ベルナール・シャトレは、当時のジャーナリスト、カミーユ・デムーランがモデルである。

パレ・ロワイヤルで演説するシーンはそっくり。

革命の始まりでは、ロベスピエールの仲間であったが、内ゲバの権力闘争で負け、最後は断頭台で斬首された。


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当時の新聞に掲載された演説するデムーランの挿絵

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こちら、ベルばらのベルナール・シャトレ演説シーン

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やはり権力闘争の末に斬首されたコルドリエクラブのボス、ダントン

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マラーの暗殺


そして、お待たせしました!こちらはnecoちゃんに「誰!?このイケメン!」と言わしめた人物!


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殺戮のイケメン

ロベスピエールの片腕、冷酷で残酷な恐怖政治の一翼を担い、「大革命の天使」「殺戮の天使」との異名を持つ

サン・ジュストである!!美男子ぶりは当時から有名であった。

この胸像は、20センチ程度の小さなものである。カルナヴァレを訪れる人は見落とさないように。


最初は、権力を持たない民衆の不満から始まったフランス革命、その混乱の中で徐々に精鋭化された思想の

行き着いた先が、密告社会じみた恐怖政治であったことは、いまでも我々に多くを考えさせる。

ロベスピエールを暗殺した熱月党(テルミドール)は、ロベスピエールを殺らない限り自分が殺られる、という

思想も何も持たない者たちが中心となって起こした反乱であった。

明治生まれの仏文学者、辰野隆(たつのゆたか)は、フランス革命をこう語っている。


  革命の中心人物はおおむね、若造だった。だからぶちこわしは見事だったが、建設面ではすこぶる寂しい。

  要するに、フランス革命は、「青春にして智あらば、老年にして力あらば」という古い格言を思い起こさせる。


これほど革命の真髄を突いている一説を、マダムは他に知らない。

辰野の革命観は、いま起こっているシリアの内ゲバジャスミン革命を果たしたチュニジア、続くエジプト革命、

及びガダフィ殺害後、gdgd状態のリビアにも当てはまるのではないだろうか。


※2/19訂正

上記文言「シリアの内ゲバ」について、アラビストさんから重要な指摘が入りました。

今現在のシリアに於いて、反体制デモは起こってはいるものの、体制側の圧倒的な武力制圧により、

いまだ体制打倒は果たされておらず、よって革命もなされてない状況であるそうです



さて、ちょっと冗長に語ってしまったが、期待通り、カルナヴァレは最高に面白かった!
他に特筆すべきは、お湯が出る洗面所があることだ!
湯の出る洗面所は珍しく、「うわ、湯がでる~」「あったけ~」などと日本語でしゃべっていたら、
隣で手を洗っていた年配のムッシューが「あったかいな!」と話しかけてきた。なにこの以心伝心具合。


ブティックでカルナヴァレの簡単な図録、ヴァロワ朝とブルボン朝の系図、カタコンブのポストカード購入。
看板の部屋にぶら下がっていた「Chat noir」の猫は、ここのキャラクターになっているらしく、グッズが沢山あった。
値段が高かったので購入はしなかったが。


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系図なんて誰が買うんだ、と思ったが買ってしまった



さて、午前中いっぱいカルナヴァレを堪能した後、次なるターゲットへ向けて我々は博物館を後にした。