マンションで監事になったけれど仕事が分からないし監査時間が短すぎる件!
総会で監事に選任されたけれど何をどう監査したらいいのか分からない、管理会社から会計書類を渡されたけれど簿記の知識もなく、何をどうチェックしたらいいのか分からないと思っている方へ。
本記事では下記の内容を解説します。
1.マンションの監事の業務と監査する時間が異常に短い件!
マンション管理組合の監事の業務は管理規約で規定されています
標準管理規約では「監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査して報告しなければならない。」「不正があると認めるときは、臨時総会を招集できる。」「監事は、理事会に出席して意見を述べることができる。」とされています。
お住いのマンションの管理規約の監事の記載箇所を一度読んでみてください。
標準管理規約によると監事の業務は、
理事会、管理組合の業務の監査&会計の監査という事になります。そして、問題があるときは臨時総会を招集できたり、理事会に意見を述べる事ができます。
会社でいう監査役みたいな感じですね。
監事になった方が会計監査をする時間が短すぎるのではないか、管理会社がわざと書類を監査させないようにしているのではないかという事を話しているのを聞いた事があります。
標準管理規約では、新会計年度開始後2ヶ月以内に通常総会を招集すると記載されていますが、管理規約で2ヶ月以内〜3ヶ月以内と規定されているマンションが多いのではないでしょうか。(マンションによっては決算が上期、下期とに分かれているところもあります)
新会計年度開始後2ヶ月以内に総会を開催するのは、
期間的にはキツイかもしれません。
例えば、マンションの会計年度が毎年4月1日〜3月31日までの場合、2ヶ月以内に通常総会を招集をするには5月31日までに総会を招集するということになります。
4月末〜5月上旬はゴールデンウィークで管理会社も点検業者も休日です。3月末時点での領収書、請求書関係を整理して会計書類を揃えるには管理会社の会計担当が効率よくこなしたとしても、4月末まで(1ヶ月)に準備をするのはキツイと思います。
会計担当、設備担当、営業担当、修繕担当、管理員担当などに分かれているので、会計担当がその月の全ての業務を把握することは難しいからです。
(例えば、年度末の3月に点検や修繕をし、支払いが済んでいないものは未払金に計上する。4月分の駐車場使用料が3月31日に振り込まれた場合には、前受金で処理をするなど)
全ての管理業務の日付、金額、対応状況などの情報と書類の管理ができていないと難しいのです。(点検業者が点検をしても報告書が遅れる、請求書などが遅れるなども)
仮に4月末に会計資料が揃ったとしても、ゴールデンウィークに突入してしまいます。理論上は4月末に書類が揃ったら、決算理事会を5月上旬にのゴールデンウィーク中に開催し、監事は決算理事会後も会計監査をすることに。
そして、通常総会は会議の2週間前までに通知しなければならないとされている場合、2019年の5月のカレンダーを見てみると、皆が集まりやすい土日で総会を開催という事が多いと思いますが、5/25(土)、5/26(日)が総会会日の候補日になります。会計監査の時間は1週間あればいい方で、2、3日しかないことが予想されます。
【3月決算で、新会計年度2ヶ月以内に総会開催が必要な場合】
例えば、こんなスケジュールに・・・
・5/4(土)決算理事会を開催(管理会社は休日出勤)
・5/4(土)決算理事会で決まった内容や総会議案書の修正、理事会議事録(案)の作成をする(管理会社は休日出勤)監事さんは会計監査に入る。
・5/5(日)〜5/9(木)に修正した議案書を理事長が確認、監事は会計監査をして押印する
・5/10(金)総会案内通知をする(総会会日2週間前)
・5/25(土) 総会会日
3月決算で5、6月総会というマンションは多いと思います。総会会場も早めに予約しないと予約できなくなってしまいますので、スケジュールは早めに組んでおいた方がいいのです。管理会社に後回しにされないように、早めにスケジュールを組むようせかしましょう
・マンションによっては総会開催日は、新会計年度開始後2ヶ月以内でなく、3ヶ月以内に開催というマンションもありますし、総会招集手続きが1週間前に組合員に通知というマンションもありますので、これを機に管理規約に目を通してみてください。
マンション管理組合の理事と監事はやるべき仕事が違うにゃー。
2.マンションの管理組合の監査をする時のチェックポイント!
会計年度が締まりましたら、決算理事会で総会案内の草案が出されますので、監事さんは会計監査に入っていくと思います。決算理事会では管理会社より収支の報告があります。その報告を受けて、会計監査をします。
【一般的な監査のチェックポイント】
✔︎収入と支出のチェックをして、今期の合計金額と来期への繰越金額を確認。
✔︎貸借対照表にある資産の合計と繰越金の合計があっているのか確認。(銀行の残高証明書で預金残高を確認、現金の場合には現金出納帳などを確認、未収金、未払金、前払金、前受金なども確認)
✔︎請求書、領収書などをみて、いつ何のために支払ったのかなどを確認
✔︎通帳の記帳と預金口座名義人の確認(前理事長や管理会社に名義になっていないか確認)
✔︎現金の取り扱いがある場合には残高の確認
✔︎保険証券がある場合にはその確認(特に長期契約の場合)
✔︎収益事業があって法人税や消費税を申告している場合には、税金関係の確認や手配
✔︎す・まいる債や借り入れがある場合には、利息なども確認
✔︎前期実績と当期実績の比較(大きく増減した項目はないか?)
✔︎当期予算と当期実績の確認(大きく増減している項目は原因が妥当か確認)
【注意してほしい事】
管理委託契約の内容が変更になっている場合には確認。(例えば、定期清掃が毎月から隔月に変更になった場合や、設備点検などが定額委託業務費から管理組合直契約になった場合など)
水道光熱費や点検費などは請求日と点検日が異なっていることがありますので注意
前年度出てきて今年度出てこない勘定科目があれば記載漏れの可能性がありますので確認
管理員さんの休日出勤時の実働時間と請求金額の確認
管理会社に、ハンコだけ押してくださいと言われて内容をほとんど確認しないまま監査報告書に押印をしている監事さんもいると思いますが、大事な数字だけは確認したいものです。
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