(前回記事の続き)
(三笠鉄道記念館の動態保存の産業用SL)
豪雨の留萌本線の旅 / 間もなく姿を消す留萌駅【夏の北海道㉔】
北海道・岩見沢バスターミナル
かつての官営幌内鉄道、後の国鉄・JR幌内線が走っていたルートを、今は路線バスが結ぶ。
北海道中央バス
石狩川に面した新篠津村に向かう新篠津交通のバス乗り場もある。
北海道の鉄道発祥の地・三笠へ
日本の鉄道の発祥は、1872年(明治5年)に開業した新橋〜横浜間であるが、北海道の鉄道の発祥は1880年(明治13年)。幌内炭山(現在の三笠市)から手宮港(現在の小樽市)への石炭輸送を目的としたもの。
1880年(明治13年)に手宮〜銭函間が開通。徐々に延伸され、1882年(明治15年)11月に手宮〜幌内間の全通開通。日本で4番目(3番目という記述も見られるが正式には4番目)の鉄道・官営幌内鉄道となる。
官営幌内鉄道は、その後、手宮〜南小樽間は手宮線(現在は廃止)、南小樽〜岩見沢間は函館本線、岩見沢〜幌内間は幌内線(現在は廃止)となる。
岩見沢バスターミナル午前8時25分発の北海道中央バス三笠線・幾春別町行きに乗車。
このバス路線は1987年(昭和62年)に廃止されたJR幌内線のルートに沿って走る。
北海道の鉄道発祥ルートのJR幌内線は、岩見沢〜幌内間の本線と、三笠〜幾春別間の支線があったが、1987年(昭和年)7月13日に廃止。
三笠市民会館停留所に午前9時01分着、ここで下車。
三笠鉄道記念館(三笠鉄道村)へ
三笠市民会館停留所から三笠市営バス幌内線又はタクシーで約3kmのところに位置する。
かつてここは幌内炭鉱の選炭場があり付近はボタ山だらけだった。
廃線となった幌内線の幌内駅跡には「三笠鉄道記念館」があり、
三笠駅跡には「クロフォード公園」がある。
旧・三笠駅(幌内太駅)〜旧・幌内駅間には今も幌内線の線路がそのまま残り、遊覧鉄道としてトロッコ列車が走る。
これら2つのゾーンを合わせ、「三笠鉄道村」と称している。
「三笠鉄道村」は、三笠鉄道記念館のある「幌内ゾーン」とクロフォード公園のある「三笠ゾーン」の2ゾーンがあるが、こちらは「幌内ゾーン」
幌内ゾーンにある「三笠鉄道記念館」は、北海道鉄道発祥地として歴史的遺産・文化保存のため、1987年(昭和62年)にオープン。冬季を除く4月中旬頃から10月中旬頃まで営業。
屋内には蒸気機関車C12 2、交流用電気機関車ED76 505等を静態保存
遊具鉄道
屋内には、明治、大正、昭和時代の資料、鉄道部品、SL模型等が展示されている。
鉄道ショップもある。
かつて北海道各地で活躍した様々な車両を展示するほか、屋外には、動態保存の蒸気機関車S-304号や5インチゲージのミニ鉄道も走る。
動態保存の産業用蒸気機関車S-304号
鉄道記念館駅2番線のSL乗り場。土曜・日曜・祝日に運転される。
ちなみに鉄道記念館駅1番線は三笠トロッコ鉄道乗り場、3番線はアドベンチャートレイン・ジオパーク線乗り場となっている。
北海道内の工場専用線等で活躍してきた産業用蒸気機関車Cタンク機S-304号。1939年(昭和14年)日本車輌製。
5インチゲージのミニ鉄道
現在、ミニ列車が走らない区間は、5インチゲージ線路が草に埋もれ廃線跡のような雰囲気
5インチゲージ線路が縦横無尽に通る。
列車レストラン
土曜・日曜・祝日のみ営業のレストラン(食堂)「キッチン ポロナイ」
そば、うどん、ラーメン、カレーライス、かき氷など庶民的なメニューが揃う。
屋外の静態保存車両たち
ディーゼル機関車DE10 1702
側面にはタブレットキャッチャーが付いている。
セキ6000形石炭車「セキ6657」
「道外禁止」の文字。「道外禁止」とは北海道内専用車両のこと。道内で使われていた貨車のなかには本州と北海道を結んでいた青函連絡船の車両積載庫に固定するのが難しく船に積載できない貨車があったため、北海道外に出るのを禁じる「道外禁止」の言葉を表記していた。
有蓋貨車ワム60000形「ワム66172」
アドベンチャートレイン
廃線路は園内より先へ続く。
この先は「三笠トロッコ鉄道アドベンチャートレイン」と呼ばれる予約制のアトラクションへと続く。土に埋もれていた幌内炭鉱専用線の線路の一部を掘り起こし、かつての炭鉱の跡地へトロッコやトラックを乗り継ぎ小さな冒険の旅。起点となる鉄道記念館駅3番線からアドベンチャートレイン・ジオパーク線のトロッコが発車する。(現在、コロナ禍により運休中)
部分的に三線軌道となっているのは、かつては、太平洋炭礦の凸型機関車をこの場所で保存していた名残り。
(アドベンチャートレインを委託運行する「カラマツトレイン」HPより)
※2022年(令和4年)8月上旬