札幌発・旭川行き923D / 朝一本だけの札幌発キハ40鈍行列車【夏の北海道⑥】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(朝の札幌駅を発車する281系特急「北斗」函館行き)











朝の札幌駅
朝5時40分、札幌駅の一斉改札開始



長年、北海道全域の駅で馴染みの駅名板下部の「本場の味  サッポロビール」の広告板。
契約変更により撤去や白く塗り潰しが進んでおり、間もなく北海道全域で見られなくなる。今後は札幌圏、旭川、函館、帯広、釧路、上富良野、北海道新幹線の駅のみで、新デザインの広告板が掲出される。


JR函館本線の小樽〜札幌〜旭川間は、全区間複線・電化の路線
そんな中、朝一番の札幌発旭川行きロングラン普通列車は、全区間電化されているにもかかわらず、キハ40形気動車で運転されている。


札幌駅午前6時00分発の旭川行きの普通列車が7番線に入線

苗穂運転所から回送でやってくる。

使用車両はキハ40形気動車の2両編成

北のターミナル駅・札幌駅に乗入れる唯一のキハ40形気動車使用列車

この札幌〜旭川間の923Dを含めた函館本線札幌〜旭川間主体の運用は、苗穂工場での検査車両の入出場を兼ねたもの。夜の上り列車は岩見沢から回送で苗穂に戻ってくる。

この送り込みを兼ねた運用では、主に旭川地区や苫小牧地区の気動車の入出場車両を併結。ちなみに苫小牧地区の気動車は、千歳線経由ではなく、室蘭本線を通り岩見沢経由で苗穂工場に送り込みを行う。


苗穂工場の送り込みを兼ねた運用は、他にも、札幌朝6時18分発東室蘭行き2724Dと、東室蘭20時22分発札幌行き2819Dがある。この2本はともにキハ143形気動車(国鉄50系51形客車を気動車化した車両)の2両編成であり、JR千歳線を走る希少な普通気動車


これら苗穂工場への送り込みを兼ねた国鉄型気動車の札幌駅乗入れ運用は、キハ40形気動車はH100形への置き換えが進んでいることや、キハ143形気動車は2023年(令和5年)春に新型737系電車へ置き換えが決定していることから、どちらも国鉄型気動車の札幌乗入れは、さほど先は長くないと思われる。

札幌銘菓「白い恋人」の看板と、極寒地使用の国鉄型キハ40形気動車更新車(1700番台)。札幌駅に乗り入れる希少な非冷房車

JR北海道のキハ40使用列車は、今でも通常は行先板(サボ)を使用

札幌発旭川行き普通列車は、旭川方から、キハ40 1701(オリジナル座席車)+キハ40 1821(2✕1列への座席配列改造車)

札幌〜滝川間は、北海道のキハ40では珍しく車掌が乗務し、滝川〜旭川間はワンマン運転になる。
車両は「札ナホ」苗穂運転所所属車。


キハ40 1701は、昭和56年宇都宮の富士重工製(製造時の車番はキハ40  239)


札幌駅ホームでは、今も、吊り下げ式の列車乗車口案内板が健在


キハ40 1821も昭和56年宇都宮の富士重工製(製造時の車番はキハ40  226)




 
苗穂工場送り込みを兼ねた朝6時00発の普通列車旭川行き(キハ40形気動車2両編成)が出発した後、7番線には同じく送り込みを兼ねた6時18分発の普通列車東室蘭行き(キハ143形気動車2両編成)が入線する。


非冷房のキハ40





札幌から旭川へ(923D)
函館本線札幌発旭川行き普通列車(923D)、朝6時00分札幌(さっぽろ)駅を発車


同時刻の朝6時00分に札幌駅を発車した特急「北斗2号」函館行き

僅かな間、特急「北斗」と並走

28年にわたり北海道で活躍してきたキハ281系特急型気動車は、2022年(令和4年)9月30日(金)をもって定期運行終了予定。同年10月22日(土)・23日(日)にはかつて走っていた特急「スーパー北斗」のリバイバル運転を行う予定。



ビルの間から1957年(昭和32年)に建てられたさっぽろテレビ塔が見える。



苗穂(なえぼ)駅

先ほど同時刻に札幌駅を発車した、特急「北斗」函館行きが猛然と通過

反対側には、JR北海道苗穂運転所や苗穂工場がある。


豊平川橋梁を渡る。


かつて苗穂〜白石間には東札幌(ひがしさっぽろ)駅があり、定山渓鉄道も発着(当初は白石発着)していたが、今は廃駅に。


白石(しろいし)駅



JR貨物札幌貨物ターミナル駅を通り過ぎる。



並走するJR千歳線の平和(へいわ)駅。函館本線側にはホームはなく素通りする。



千歳、新千歳空港、苫小牧方面に向かう千歳線が右へ分岐



白石〜厚別間には、かつて月寒(つきさっぷ)駅が存在したが廃駅に。


厚別(あつべつ)駅




森林公園(しんりんこうえん)駅
野幌森林公園や、森林鉄道機関庫や復元された馬車鉄道が走る北海道開拓の村も近い。



大麻(おおあさ)駅

札幌近郊区間は、利用客もそれなりにいる。



野幌(のっぽろ)駅
かつてはここから夕張鉄道(野幌〜夕張本町)が分岐していたが廃止になった。

従来の広告板に代わる、新しいサッポロビールの広告板



高砂(たかさご)駅




江別(えべつ)駅



国鉄時代製造の頑丈な鋼鉄車体



新夕張川橋梁(523m)に差し掛かる。

夕張川を渡る。



豊幌(とよほろ)駅




幌向(ほろむい)駅



上幌向(かみほろむい)駅

JR北海道管内で、普通列車が朝晩の通勤輸送で活躍するのは札幌圏のみ




苫小牧方面からのJR室蘭本線が左後ろから合流

室蘭本線の苫小牧〜岩見沢間は、かつては炭鉱列車で栄えたが、今は細々としたローカル輸送のみ。



岩見沢(いわみざわ)駅到着
午前6時55分〜7時02分の7分間停車

向こう側には、室蘭本線のキハ40形気動車(非冷房車)+キハ150形気動車(非冷房車)が停車中。岩見沢駅は長万部・室蘭から続く室蘭本線の終着駅。
かつては、室蘭本線志文駅から旧国鉄万字線(志文〜万字炭山)も乗り入れていた。

かつて岩見沢には、岩見沢競馬場(ばんえい競馬)があったため、ホームには大きな木彫りの「ばんばの像」。


キハ150形気動車には、固定窓の冷房車(富良野線や留萌本線で活躍中)と窓上部が内側に開く非冷房車がある。

岩見沢は、JR北海道岩見沢運転所が隣接する。
かつてはここ岩見沢駅からは、北海道最古の鉄道の一つである国鉄幌内線(岩見沢〜三笠〜幌内、三笠〜幾春別)も分岐していたが、1987年(昭和62年)7月廃止。

岩見沢は鉄道の拠点。特急列車も全列車が停車する。
札幌方面から岩見沢駅止まりの列車も多く、札幌圏は事実上ここまで。駅舎内の観光協会では駅弁も販売。



老朽化等により傷んだ外板




特急「ライラック1号」旭川行きに道を譲る。



キハ40旭川行き普通列車の車内。JR北海道のキハ40はデッキ付き。

両運転台車の車両間通り抜け通路


運転台

助手席側

乗降扉


岩見沢駅を発車すると、普通列車の本数はぐんと少なくなりローカル度合が増す。


峰延(みねのぶ)駅

石狩平野の田園地帯や畑の中を快走

JR北海道のキハ40は、駅間距離が長かったり、直線区間が多かったりし、こういった区間ではかなりのハイスピードで走る。



光珠内(こうしゅない)駅


有人駅時代からの古い駅舎が残る。



キハ40は、複線・電化区間をひたすら走る。


普通列車と一瞬のすれ違い。



美唄(びばい)駅

かつては、国鉄函館本線南美唄支線三菱鉱業美唄鉄道があったが廃止。





茶志内(ちゃしない)駅

かつてはここから三菱鉱業茶志内炭礦専用鉄道が分岐していた。





奈井江(ないえ)駅

かつては三井鉱山奈井江専用鉄道が分岐していた。



豊沼(とよぬま)駅

かつては三井東圧肥料砂川工場専用線が分岐していた。





砂川(すながわ)駅
かつてJR函館本線上砂川支線(砂川〜上砂川、1992年(平成4年)4月廃止)と、JR歌志内線(砂川〜歌志内、1988年(昭和63年)4月廃止)が分岐していた。



第一空知川橋梁(511m)に差し掛かる。


空知川(そらちがわ)を渡る。



JR貨物の滝川駅



滝川(たきかわ)駅。午前7時51分〜7時58分まで7分間停車。 


滝川駅は全長443.8kmのJR根室本線(滝川〜富良野〜新得〜帯広〜釧路〜根室)の起点駅だが、滝川〜富良野〜新得間は細々としたローカル輸送のみ。また東鹿越駅〜新得駅間は台風で長年不通のため代行バスが走っているが、もともと利用客が少ないことから富良野〜新得間は廃止が確定した。

特急「オホーツク1号」網走行きに道を譲る。

石北本線特急「オホーツク」「大雪」は、JR北海道最後の国鉄特急型キハ183系気動車を今も使用。しかし2022年度中(令和4年度中)に全車引退の予定。





※2022年(令和4年)8月上旬