森から長万部へ。噴火湾を望む函館本線鈍行列車の旅【夏の北海道⑤】 | 湘南軽便鉄道のブログ

湘南軽便鉄道のブログ

「湘南軽便鉄道」です。

本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(駒ヶ岳や噴火湾を望む函館本線・森駅)









JR函館本線  森→長万部
森駅で20分間の長時間停車(16時27分〜16時47分)をする、函館本線普通列車の長万部行き

キハ40形気動車単行





16時47分、森(もり)駅を発車



森駅から先、長万部駅までは海沿いを行く。



トンネル

森駅の次に、かつて桂川(かつらがわ)駅があったが、利用者減少により廃駅になり、今は無い。



内浦湾(噴火湾)に沿って走る。




森駅を過ぎると、長万部駅までの大部分の区間は複線。函館と札幌を結ぶ特急「北斗」や、本州と北海道を結ぶ貨物列車も通る大動脈。

かつては寝台特急「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」も走っていた。








石谷(いしや)信号場。近年は利用者は殆どおらず、2022年(令和4年)3月廃駅になった。

閉鎖された駅舎がまだ残る。


廃駅に伴い、ホームの駅名標は外された。

この先にある本石倉(ほんいしくら)駅も2022年(令和4年)3月廃駅になった。


駒ヶ岳が後ろに遠ざかる。




石倉(いしくら)駅




落部(おとしべ)駅

木造駅舎が残る。

駅名板がたくさん並んでいる。




野田生(のだおい)駅


長万部発・砂原支線経由函館行き普通列車とすれ違い




山越(やまこし)駅

駅くには「日本最北端の関所」として知られる江戸幕府の関所跡があり、駅舎も関所を模した造りになっている。

海沿いの牧草地

今から約9年後の2031年(令和13年)には、八雲駅の手前に、北海道新幹線の新八雲駅(仮称)ができる予定。


八雲(やくも)駅
八雲駅は、現在、北海道最西端の駅。八雲周辺は酪農が盛んな地である。

特急「北斗16号」函館行きと交換













八雲駅を過ぎると、鷲ノ巣(わしのす)信号場を過ぎるが、ここもかつては駅だった。

海沿いの草原



山崎(やまさき)駅


少し風が強く、海は若干荒れている。










海沿いの草原



黒岩(くろいわ)駅



黒岩駅の次に北豊津(きたとよつ)信号場があるが、ここもかつては駅だった。



国縫(くんぬい)駅 

かつては、国鉄・瀬棚(せたな)線(国縫〜瀬棚間48.4km)がここ国縫駅から分岐していたが1987年(昭和62年)3月に廃止。瀬棚線の列車は長万部まで直通していた。

古い駅舎が残る。





中ノ沢(なかのさわ)駅

待合室はヨ3500形車掌車(貨車)を再利用



荒れ地(原野)が広がる。






17時57分、終点の長万部(おしゃまんべ)駅到着

始発の函館駅から乗車した普通列車は、終点の長万部駅までの走行距離は125.1km(砂原支線経由)、所要3時間36分


特急「北斗18号」札幌発・函館行きと交換

キハ261系特急型気動車。今年9月末をもってキハ281系が定期運行から退いた後は、特急北斗はこの261系に統一される。

長万部駅では、特急列車は1・2番線、普通列車は3・4番線を使用する。

側線には、老朽化したキハ40などの置き換えとして、現在続々投入されている新型のH100形電気式気動車が停まっている。

函館本線山線区間(長万部〜小樽間)と、室蘭本線(長万部〜東室蘭間)は、新型のH100形気動車に既に置き換え済みで、今はキハ40形気動車やキハ150形気動車は走っていない。





キハ40形気動車の脇を転線するH100形気動車

H100形気動車の愛称は「DECMO(デクモ)」

ローカル輸送を担う新旧気動車


長万部駅の普通列車発車時刻表。どれも本数は少ない。
函館本線下り(ニセコ・倶知安・小樽方面の通称 山線)は4本、函館本線上り(森・函館方面)は6本、室蘭本線下り(洞爺・伊達紋別・東室蘭方面)は4本のみしかない。

長万部駅は、かつては鉄道の拠点駅で、広大な構内には機関区や車掌区などもあった。しかし今は広い構内は閑散とし寂しい限り。



跨線橋から函館方面を望む。

札幌方面を望む。


函館本線山線(ニセコ・倶知安・小樽方面)は、この先で左にカーブし、本線から分岐する支線のよう。札幌方面に向かう特急「北斗」や貨物列車は、この先直進する室蘭本線を行く。



長万部駅は特急列車が主体(赤字の列車)。普通列車はどの方面も列車本数が極端に少ない。倶知安・小樽方面に向かう函館本線(通称 山線)は、今や優等列車も貨物列車も通らず、単行のワンマン気動車が一日4本走るのみ。

このJR函館本線山線は、
政府・与党申合せ(長野新幹線開通(北陸新幹線部分開通)以降、新たに建設する新幹線と並行する在来線はJRの経営から分離するという申合せ)に基づき、
2031年(令和13年)の北海道新幹線札幌駅延伸時に、長万部〜小樽間の山線区間全部が廃止になることが決まった。
地元市町村は存続を模索したが、国や北海道(現知事)は一貫して鉄道存続に消極的だった。
こうした背景から、せめて山線のうち乗客が比較的多い余市〜小樽間だけでも存続させてほしいという余市町の要望も実ることなく、山線は結局全区間廃止になることが決まった。



古い駅舎が残るが、長万部駅は北海道新幹線停車駅になる。そのため、今の駅舎は取り壊し、新たに高架駅を建設する予定。



長万部の名物駅弁・かなやの「かにめし」
かなやの「かにめし」は、現在は長万部駅や特急列車の車内販売は無くなり、事実上駅弁としての役割を終えた。今は駅前の本店(かにめし本舗かなや)で販売しているほか、本店内に併設されている食堂でいただくこともできる。しかし北海道新幹線開通に伴う駅前再開発工事により、駅前の本店は当面の間閉店することが決まっている。


長万部駅にはもう一つ駅弁があった。合田(ごうだ)の「特製もりそば」
この「もりそば」の駅弁は、日本初のそばの駅弁と云われており、長年販売されていたが、今は駅前にある老舗そば屋の合田でいただくことができる。





長万部から札幌へ
長万部駅18時08分発、特急「北斗17号」札幌行きに乗車

キハ261系特急型気動車







特急列車は、JR室蘭本線、千歳線等をハイスピードで走り抜け札幌へ。




終点の札幌(さっぽろ)駅に20時35分到着






北の都・札幌。北海道各地を結ぶ様々な列車が発着するターミナル駅。



隣のホームには、快速「エアポート」新千歳空港行き






札幌駅改札外の宮越屋珈琲

宮越屋珈琲は、札幌市郊外の円山坂下に本店を置く喫茶店。今は東京銀座、仙台などにも支店(店舗)がある。

天井の照明は凝った造り。








※2022年(令和4年)8月上旬