函館本線(滝川→旭川) / 宗谷本線で士別へ【夏の北海道⑦】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(宗谷本線から望む大雪連峰)













滝川から旭川
札幌駅朝6時00分発、JR函館本線の普通列車旭川行きに乗車中(キハ40形気動車2両編成)


滝川(たきかわ)駅到着、午前7時51分〜7時58分の7分間停車 
かつて滝川駅からは、北海道電力滝川発電所専用線が分岐していた。

札幌駅から滝川駅までは車掌が乗務していたが、滝川から旭川間はワンマン運転となる。

国鉄型の赤い711系電車が引退した今、函館本線の北部(岩見沢〜旭川)を走る普通列車の主役・721系電車

かつて札幌近郊の普通列車や、新千歳空港アクセス列車の快速エアポート等で活躍していた721系は、次第に札幌圏での活躍の場を減らし、ローカル輸送へシフト。




札幌発旭川行き普通列車923Dキハ40は、午前7時58分、滝川駅を発車

ここ滝川を起点とし、はるばる根室まで繋がるJR根室本線が右へ分岐。根室本線の滝川側は、通常1.2両の一般形気動車の普通列車が走るだけの単線非電化路線で、とても長大本線の起点には見えない。数年前の台風災害により、今は富良野駅の先の東鹿越駅で線路が途切れ分断されたたまま。

全長443.8kmの根室本線だが、滝川側は夏の観光シーズンを除けば富良野へ向かう優等列車もなく、ローカル線そのもの。このうち富良野〜新得間(正式には上落合信号場)間は廃止が確定している。

北海道を代表する函館本線も滝川から先の普通列車は一日8本しかなく、乗車中の朝7時58分発の次の普通列車は、12時10分発まで約4時間無い。
特急列車は1時間に1〜2本あり、末端区間は特急が主体の運用となっている。



江部乙(えべおつ)駅

古い木造駅だが、外観はカラフルな塗装




全線複線電化区間を走るキハ40



石狩川を渡る。


石狩川は、北海道の屋根と呼ばれる大雪連峰に源を発し石狩平野を流れ日本海に注ぐ、北海道一の大河



第1石狩川橋梁(493m)






妹背牛(もせうし)駅



「日本一の米の里 きたそらち(北空知)」のパネル



深川(ふかがわ)駅

深川駅は、JR留萌本線の起点駅。
留萌本線(深川〜留萌間、50.1km)は段階的に廃止されることが確定。石狩沼田〜留萌間は来年春の2023年(令和5年)3月末で廃止、残る深川〜石狩沼田間も2026年(令和8年)3月末で廃止になる。

深川駅は、かつては、深川と宗谷本線の名寄間を結んでいたJR深名(しんめい)線が分岐していたが、1995年(平成年)9月に廃止。





納内(おさむない)駅



石狩平野の北端を走る。キハ40形気動車でも時速80km超のハイスピードで行く。

音江連山

神居山(799m)

列車は石狩平野から山間部に入る。
現在の新線は山間部をトンネルで貫くが、1969年(昭和44年)に廃止された国鉄函館本線の旧線は石狩川沿いを通っていた。旧線にあった旧・神居古潭(かむいこたん)駅は現在保存され駅舎も復元。

長い神居トンネル(4523m)などいくつものトンネルで山越え





山間部を越え、旭川盆地に入る。右側には石狩川が寄り添う。

山間部を過ぎると伊納(いのう)駅があったが、今は廃駅に。

近文(ちかぶみ)駅

かつて近文駅から旭川大町駅まで函館本線の貨物支線(大町線)が分岐していた。

ホームには年季が入った古い待合室が現存

この木造待合室は明治時代後期に建造されたもの。

近文駅のすぐ裏にはバスの廃車両

丸みを帯びた昔懐かしいモノコックバスの廃車両

この廃車両は、元・道北バスの日産ディーゼルUD



石狩川を渡る。





旭川駅が近づいてくると、函館本線は高架線に。




旭川駅
札幌から乗車してきたキハ40形気動車2連の普通列車は、午前8時53分、終点の旭川(あさひかわ)駅に到着

ホームは高架上

旭川市は、広大な北海道の第二の都市だが、人口は33万人足らず。 
駅は札幌駅に次ぐJR北海道の拠点駅で特急列車も頻繁に発着するものの、札幌駅のような賑わいはあまりなく、広い駅構内は閑散としている。
かつての旭川駅は、旭川電気軌道東山線旭川市街軌道(後の旭川電気軌道)も走っていた。

札幌から旭川まで乗車してきたキハ40車内。2両目は近郊型改造を行ったキハ40 1821で座席は2✕1列。1列座席側には吊り革がずらりと並ぶ。



函館駅から延びる全長423.1kmの函館本線の終着駅


JR北海道新幹線が札幌駅まで開業すると、JR函館本線の函館〜長万部間は第三セクター化、長万部〜小樽間は廃線となり、函館本線は小樽〜旭川間だけの路線に縮小され、大きく様変わりすることになる。




旭川から宗谷本線へ
旭川駅は、JR宗谷本線(旭川〜稚内間、259.4km)の起点駅

宗谷本線区間列車の普通列車永山行きが停車中

宗谷本線の旭川〜名寄間の普通列車は、キハ40形国鉄型気動車が殆ど引退し、現在は新型のH100形電気式気動車が主役

また、旭川駅は、JR富良野線(旭川〜富良野間、54.8km)の起点駅でもある。富良野線は、夏の観光シーズンには観光トロッコ列車「富良野・美瑛ノロッコ号」も走る。


札幌発・稚内行き特急「宗谷」に乗車、旭川駅9時00分発。

特急宗谷は、札幌駅を朝7時30分に出発し、終点 稚内に12時40分に到着する、所要5時間10分のロングラン特急


新旭川駅を過ぎると、JR石北本線と分かれる。
石北本線は新旭川駅から北見駅を経て網走駅までを結ぶ全長234kmの単線非電化の長大ローカル線。列車は全て旭川まで直通する。

JR北海道旭川運転所の脇を通り過ぎる。

宗谷本線旭川〜名寄間用、石北本線旭川〜上川間用の新型気動車H100形を大量に投入
 
まだ装飾シールも貼られていない新造間もないH100形の姿も。

宗谷本線で今も活躍する、国鉄時代製造のラッセル式除雪車DE15形ディーゼル機関車も所属する。遠くにラッセルヘッド車が見える。
この旭川運転所を出入りする回送列車のため、宗谷本線はここまで複線電化されている。
この先は、終点・稚内まで単線非電化となる。


永山(ながやま)駅で交換のため運転停車
向こうはキハ40形気動車の快速「なよろ2号」。今では宗谷本線旭川〜名寄間の普通列車は殆どが新型H100形気動車であり、キハ40使用列車は珍しい。

宗谷本線のサボ。行き先が書かれた従来のサボは使用されなくなった。


車窓右側後方に大雪山系が見えてくる。

永山駅を過ぎると、北海道の中央にそびえ立ち、北海道の屋根と呼ばれる2000m級の山々が連なる大雪連峰。大雪山の主峰・旭岳(標高2291m)は北海道の最高峰。





大雪山の右後ろには、十勝岳連峰も見える。




和寒(わっさむ)駅停車




士別駅到着
特急「宗谷」は、午前9時40分、士別(しべつ)駅到着。ここで下車。


羊のまち・士別


特急「宗谷」は、特急型気動車キハ261系0番台

日本最北端の稚内駅に向け、走り去って行く。

反対側の1番線には旭川行きの特急「サロベツ2号」



かつて、士別駅からは、日本甜菜製糖士別製糖所まで専用線が分岐していた。
また、1959年(昭和34年)まで、士別営林署管轄ストックヤードから奥士別まで士別軌道(軽便鉄道)があった。士別軌道の終点・奥士別ではその先に延びる士別森林鉄道と接続していた。

跨線橋から名寄・稚内方面に延びる線路を望む。

旭川方面に延びる線路

士別は牧歌的な小さなまち


士別駅は宗谷本線で数少ない有人駅


士別駅金魚展
金魚の世話は駅員が毎日行っている。


宗谷本線で活躍するラッセル車のモザイクアート



宗谷本線・士別駅時刻表。旭川〜名寄間は比較的本数が多い。特急「宗谷」「サロベツ」、旭川と名寄を結ぶ快速「なよろ」も停車する。

駅舎内には士別軌道や道北バスのバス時刻表



駅舎内の待合室

待合室の一角には駅そばと売店(フードサービスささき)も営業し、一人の年配店員が切り盛りする。売店では士別の土産も少々扱う。そば屋の営業は11時〜15時頃だが客がいない場合は早めに閉店することもある。

士別駅の駅舎


士別駅前のバス停。バス事業者の士別軌道は、かつてここ士別で軽便鉄道も走らせていた。



※2022年(令和4年)8月上旬