映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台 ☆ 根室本線廃止予定区間を行く【夏の北海道⑲】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台  JR根室本線 幾寅駅)




★過去記事↓↓↓
















JR根室本線 幾寅(いくとら)駅

2016年(平成28年)8月31日の台風災害で、根室本線の東鹿越駅〜新得(正確には上落合信号場)間は不通に。
今は、東鹿越駅〜幾寅駅〜落合駅〜新得駅間は列車代行バスが結ぶ。



東鹿越駅から列車代行バスに乗り、朝8時14分、幾寅(いくとら)駅に到着。北海道空知郡南富良野町の中心駅で、通学する学生の利用が多い。



幾寅駅の駅舎には、実在しない「幌舞駅(ほろまい)」の駅名板。
ここは、1999年(平成11年)公開の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地になった駅で、幌舞駅はこの映画設定上の架空駅。映画では炭鉱輸送の終着駅として登場。


実際の駅名「幾寅駅」はこちらに小さく表示。

駅前には映画で使われた気動車のカットボディも保存


映画撮影のために改装された幾寅駅の駅舎(「幌舞駅」は映画上の駅名)


駅舎内

駅舎内は、映画ロケーション記念展示コーナーにもなっている。






幾寅駅発車時刻表。現在は全てバス代行輸送。下り方面4本、上り方面5本のみの閑散区間だが、富良野駅〜幾寅駅間は朝夕を中心に学生が大勢利用する。


駅舎内は今も綺麗に保たれている。




映画ポスター





駅舎内は、綺麗に飾られた花の良い香りが漂う。


ホーム側


ホームは、駅舎から一段高い位置にある。


ヒマワリが咲く北国の短い夏


駅舎脇には、国鉄時代のコンテナが置かれている。





こちらが本当の駅名

ホームから見下ろす駅舎


列車が来ないホーム。
台風災害で長期不通の上、幾寅駅を含む根室本線富良野〜新得間は廃止が決まっている

東鹿越駅、富良野駅方面を望む。


新得駅、帯広駅方面を望む。

幾寅駅は、かつて大正時代から昭和時代初期にかけては幾寅森林軌道(馬車鉄道)の駅土場があった。


ホームから望む駅舎と、南富良野町の中心・幾寅の街

駅前には、映画に登場した気動車のカットボディ




東鹿越駅、富良野駅、滝川駅方面に延びる線路

廃止も決まり、二度と列車が来ることのない災害不通区間の線路


新得駅、帯広駅方面に延びる線路

腕木式信号機がオブジェとして保存

駅前には映画記念植樹


映画で登場した気動車「キハ12  23」(キハ40 764)のカットボディを静態保存。

JR北海道苗穂工場で、キハ40形気動車を、かつてのキハ12形気動車風に大改造。車両の経年劣化を表現するために映画スタッフにより「汚し」も入れられている。すでにここで静態保存を開始してから時間も経過し、国鉄首都圏色の塗装自体が雨雪で色褪せている。

映画「鉄道員(ぽっぽや)」用改造車「キハ40 764」
映画撮影用として、当時釧路運輸車両所に所属していたキハ40 764をJR北海道苗穂工場で大改造。同作品に登場するキハ12形を再現するため、側窓部をバス窓風に、車両前面のパノラミックウィンドウを平窓に、前照灯を1灯式に改造。
また、塗装は経年劣化の汚しを表現し、形式番号表記は「キハ12  23」とし、映画撮影に使用。

撮影終了後は、JR北海道旭川運転所に配属し、前照灯をシールドビーム2灯化、本来の形式番号「キハ40 764」を小さく追加表記。
根室本線の滝川〜富良野〜幾寅〜落合間の臨時快速列車「ぽっぽや号」等として走行。その後石北本線で運用された後、廃車。

廃車後に、車体が2分割され、先頭部側のカットボディを幾寅駅前に保存


バス窓風に改造された側窓

床下の台車


内部も見学できる。



キハ40のパノラミックウィンドウの一部を塞ぎ、平窓に改造した跡がうかがえる。

実際のキハ12形気動車は22両製造されたため、23番目のキハ12という意味で「キハ12  23」としたそう。



カットボディ化される前の現役時代は、車内に映像モニターがあり、走行中に映画関係の映像が流れていた。




車内には、 
映画「鉄道員」出演者のサイン色紙を展示。主演の高倉健はじめ小林稔侍、大竹しのぶ、田中好子、志村けん、吉岡秀隆、広末涼子など。








国鉄マーク「JNR」が入った扇風機

外板だけキハ12形を再現したバス窓風に改造した苦労がうかがえる。キハ40形極寒地仕様の窓が二段開閉式ではなく、一段上昇式だったため、バス窓風に改造できたといえる。









平窓化した車両前面のパノラミックウィンドウ


本来の形式番号「キハ40  764」は小さく表記


幾寅駅の駅前にも映画撮影用の建物セットがいくつも残る。



























※2022年(令和4年)8月上旬