(前回記事の続き)
(JR宗谷本線音威子府駅 稚内行き鈍行)
JR宗谷本線 士別→名寄
士別駅ホームの看板「羊のまち 士別」
1番線ホームから、13時58分発快速「なよろ6号」旭川行きが発車
JR宗谷本線の旭川〜名寄間の快速や普通列車の殆どが、新型H100形気動車に置き換えられた。
愛称は「DECMO(デクモ)」
駅名板の下のサッポロビールの看板は契約終了により撤去が進む。
士幌(しべつ)駅14時15発の特急「サロベツ1号」稚内行きが入線
この特急は、旭川駅13時35分始発→稚内17時23分着の宗谷本線全線を走り抜ける列車
特急型261系気動車
特急サロベツ号に乗車し名寄へ向かう。所要14分。
士別駅を過ぎると、すぐに天塩川を渡る。天塩川は士別市の天塩岳(1558m)に源を発する全長256kmの北海道第二の長大河川。
名寄駅が近づくと、進行方向右側の丘の上に旧・JR名寄本線の廃線路があり、何両もの静態保存車両が見える。
名寄公園(名寄駅から800m、徒歩約10分)のSLとキマロキ編成
この編成は、かつて除雪を担っていたSL排雪列車で準鉄道記念物に指定されている。
名寄(なよろ)駅14時29分到着。ここで下車。
名寄駅ではかつて角舘商会が駅弁を販売していたが、今は廃業により無くなった。
1番線から跨線橋を渡り2番線へ。
1番線の特急「サロベツ」稚内行き(左)と、2番線の普通 稚内行き(右)
稚内に向け去っていく特急サロベツ号
跨線橋から旭川方面を望む。
名寄駅発車時刻表
名寄を境にして、上り旭川方と、下り稚内方面で列車本数が大きく異なる。
下り稚内方面は特急3本、普通4本のみ。本線とは名ばかりの長大ローカル線で、名寄〜稚内間183.2kmは廃止も危惧される。
3番線には、14時42分発の快速「なよろ8号」旭川行きが発車待ち
H100形気動車は、JR東日本GV-E400系気動車と基本仕様は同じ。乗降扉と客室を隔てるデッキはない。側窓は固定式だが一部の窓は上部が僅かに内側に開く。
H100形気動車は、座席数が少なく旅行者には不向きなローカル輸送車両
H100形気動車は近年、函館本線山線(長万部〜小樽)、室蘭本線(長万部〜苫小牧、室蘭〜東室蘭)、石北本線(旭川〜上川)、宗谷本線(旭川〜名寄)、根室本線(新得〜釧路)と、急速にその勢力を拡大している。
名寄駅は、かつてはJR名寄本線(名寄〜遠軽、中湧別〜湧別)やJR深名線(深川〜名寄)も発着していたが、名寄本線は1989年(平成元年)5月に廃止、深名線も1995年(平成7年)に廃止されてしまった。
2番線の稚内行きキハ54形気動車(右)と、3番線の旭川行きH100形気動車(左)
宗谷北線へ
JR宗谷本線(通称︰宗谷北線)、名寄始発・稚内行き普通列車
国鉄末期ににデビューした、昭和61年富士重工製のステンレス製気動車
「キハ54 528」。サボは行き先表示ではなく、路線名に利尻島の利尻富士が描かれたものに変更
キハ54形気動車は、JR四国の0番台と、JR北海道の500番台があるが、両者は仕様がだいぶ異なる。
窓と座席割が一致しない。
側窓は一段上昇の開閉式。冷房はない。
3番線から、14時42分発の快速「なよろ8号」旭川行きが発車
キハ54形気動車の稚内行き鈍行に乗車
前方。右側は便所スペース
車内はセミクロスシート
車両中央部は、転換クロスシートが並ぶ。
車内に冷房は無い。
扇風機のスイッチ
天井には扇風機が並ぶ。
扇風機には国鉄マーク「JNR」が残る。
キハ54形500番台気動車
JR北海道のキハ54形500番台はデッキを備える。
乗降ドアは片開きでステップ付き
長距離運用が多いため、デッキには和式便所を備える。
側窓は一段上昇式の開閉窓。酷寒仕様のため内側にもう一枚窓を備えた二重窓構造。
車内は非冷房
クロスシート部分の一部がロングシート化改造され、ロングシートのスペースが製造時より広がった。
扇風機が回る。
宗谷本線(宗谷北線)名寄始発・音威子府行き普通列車、終点音威子府でそのまま稚内行き普通列車になる。実質は名寄と稚内を結ぶ一本の普通列車。
JR貨物の名寄駅。日本最北端の貨物駅。
JR貨物の名寄駅は、オフレールステーションで鉄道貨物輸送ではなく、トラックで輸送を行っている。
日進(にっしん)駅
小さな待合室がある無人駅で利用者は1人以下。
(日進駅待合室︰Wikipediaより)
板張りのホーム
JR北海道では近年利用客の少ない駅が続々と廃駅になっているが、宗谷本線は特に廃止になった駅数が多い。
日進駅の隣に、秘境駅として名高かった北星(ほくせい)駅があったが、2021年(令和3年)に廃駅になった。
(旧・北星駅待合室︰Wikipediaより)
北海道第二の長さを誇る大河・天塩川(てしおがわ)に沿って走る。
智恵文(ちえぶん)駅
待合室はヨ3500形車掌車の廃車体
利用者は10人以下
智北(ちほく)駅
利用者は1人程度
北海道は駅間が長く普通気動車もハイスピードで走る。
智恵文駅の次は南美深(みなみびふか)駅があったが、2021年(令和3年)に廃駅に。
美深(びふか)駅。15時25分〜15時29分の4分間停車。
初野(はつの)駅
利用客1人程度の駅
ホームは降雪時に滑りにくい板張り。北海道には板張りの駅が多い。
初野駅の次に紋穂内(もんぽない)駅があったが、2021年(令和3年)3月廃駅に。
恩根内(おんねない)駅
利用者はほぼいない。
豊清水(とよしみず)信号場。2021年(令和3年)3月までは豊清水駅だったが廃駅に。
天塩川温泉(てしおがわおんせん)駅
駅から約700mのところに天塩川温泉(住民保養センター天塩川温泉)がある。
利用者はほぼいない。
ここもホームは板張り
ホームが短く、一両のキハ54形気動車すらホームからはみ出す。
咲来(さっくる)駅
この駅も利用者はほぼいない。
名寄盆地は日本における稲作の北限地で、名寄盆地より北は水田も無くなる。
列車は間もなく音威子府