根室本線の起点駅 滝川から富良野盆地へ【夏の北海道⑰】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(根室本線  芦別駅とキハ40)


★過去記事↓↓↓













JR函館本線・根室本線の滝川駅
(北海道滝川市)

駅前には滝川市のシンボル「グライダー」
滝川市にはグライダー愛好家が集う「たきかわスカイパーク」があり、グライダー体験搭乗もできる。



滝川駅発車案内
JR函館本線の上り札幌方面

JR函館本線の下り旭川方面と、JR根室本線の下り富良野・東鹿越方面の案内表示。函館本線の下り旭川方面の普通列車は朝夜を中心に一日8本しかない。
根室本線の東鹿越行きが「改札中」


改札口の目の前にある1番線は根室本線乗り場

1番線根室本線ホームは2両分しかない。

滝川駅は、全長443.8kmの長大路線である根室本線の始発駅だが、滝川〜新得間(東鹿越〜新得間は災害により不通)は今では通常優等列車も無いローカル線。

根室本線の東鹿越〜新得間は台風被災により長年不通であり、この区間を含む富良野〜新得間は廃止が確定。
したがって、根室本線は近い将来、滝川〜富良野間と、新得〜帯広〜釧路〜根室に分断される運命にある。

国鉄首都圏色(タラコ色)のキハ40形気動車が停車中。この車両は、最近まで根室本線の新得〜帯広〜釧路間で活躍していた古い国鉄型気動車であるが、同区間が新型車両に置き換えられたため、滝川方にやってきた。

滝川発・東鹿越行き始発の普通列車は2両だが、後ろの一両は回送扱いで締切。途中の芦別で切り離し、芦別発滝川行きになる。

JR北海道のキハ40は今だにサボを使用

キハ40 1758


行き止まりの根室本線滝川駅1番線ホーム





乗車できるのは、JR北海道色の前側の一両のみ。




根室本線用の1番線ホームには架線が張られていない。

キハ40 1761

根室本線は東鹿越から先、石勝線との合流地点の上落合信号場まで台風災害で不通のため、列車は東鹿越止まり。

東鹿越行きが設定されてから新調したサボ

滝川発の根室本線は、一日9本しかない。

根室本線滝川方には快速「狩勝」も一本ある。「狩勝」の名称は、石狩地方と十勝地方を分ける狩勝峠に由来し、元々は急行列車であった。その後快速列車に格下げされた後も、旭川・滝川〜帯広を結ぶ都市間輸送列車だったが、台風災害により根室本線は分断。今は滝川〜東鹿越間を走るローカル輸送の快速列車となったが、列車愛称名が今も残る。


早朝の下り始発列車はガラガラの状態

国鉄時代から変わらない青色モケットのボックス席が並ぶ。

ボックス席の一区画のみ二人掛けになっており、窓も小窓。窓は一段上昇式で開閉できる。



滝川発・東鹿越行き根室本線普通列車は、朝5時49分、滝川(たきかわ)駅を発車

発車すると函館本線の旭川方面に沿う。

 
函館本線から右へ逸れる。

函館本線と分かれる。





単線非電化の根室本線は、すぐにのどかな風景になる。



東滝川(ひがしたきかわ)駅

一日の利用客は2、3人程度


古い駅舎とホームは跨線橋で繋がる。







空知川を渡る。



JR北海道の極寒地仕様のキハ40は乗降口と客室の間に仕切りがあり、冬季の寒さを防ぐ。

2両目は回送扱いのため、車内の通り抜けはできない。


回送扱いの首都圏色のキハ40を繋いで走る。
 
キハ40の運転台


セミクロスシートの車内


車内は冷房がなく、窓は開閉できる。



赤平(あかびら)駅




赤平駅は、今は寂れた簡易委託駅だが、かつては、付近のいくつもの炭鉱から積み出される石炭貨車で、駅は活況を見せていた。かつては貨物積み出しが日本一になったこともある。

赤平には石炭を採掘する炭鉱が、かつてはいくつもあり、その中でも代表的なのが赤平3山と呼ばれた昭和電工の豊里、北炭の赤間、住友の赤平の各炭鉱だった。赤平駅とこれら炭鉱を結ぶ専用線(昭和電工豊里炭礦専用線、空知炭礦赤間炭礦専用線、住友鉱業赤平炭礦専用線)があり大きな活況を見せていたが、炭鉱閉山により専用線は全て廃止になった。炭鉱が閉山になった今では街も衰退の一途を辿る。


広い駅構内が賑わっていた当時を偲ばせる。






茂尻(もしり)駅
かつては、雄別炭礦茂尻炭礦専用線が分岐していた。



平岸(ひらぎし)駅


一日の利用客は10人未満




駅構内には、かつての貨物用側線の跡が残る。

かつての栄華を偲ばせる広い構内




午前6時22分、芦別(あしべつ)駅到着

乗車中の東鹿越行きは、午前6時22分〜6時40分まで18分間停車

芦別駅は2面2線の相対式ホーム。かつては3番ホームがあり、今は廃止になった三井芦別鉄道の列車が発着していた。





ここ芦別駅で、後ろに連結していた、首都圏色の回送車両を切り離す。

切り離し作業








切り離された首都圏色のキハ40回送車両は、ドアを開き客扱い開始。午前6時32分芦別始発・滝川行きの上り普通列車となる。


芦別駅は簡易委託駅だが、改札は行わない。






東鹿越行き下り気動車(手前)と、滝川行き上り気動車(奥)が並ぶ。



首都圏色の滝川行き普通列車には、学生を中心とした乗客が乗り込んでいく。




古い跨線橋

跨線橋から滝川方面を望む。

跨線橋から富良野方面を望む。


広い1番線ホーム




午前6時32分、乗客を程よく乗せた芦別始発・滝川行きが先に発車






早朝の下り東鹿越行きには乗客が殆どいない。





車内のクールファン(送風機)の作動スイッチ

JR北海道のキハ40の中には、この車両のように、天井にあった丸形扇風機が送風機に換装された車両もあるが、冷房は無い。



午前6時40分、東鹿越行き普通列車発車は芦別駅を発車

石炭の鉄道輸送全盛期を偲ばせる広い構内

芦別駅の広い構内。かつてここ芦別から頼城駅(玉川停留場)まで三井芦別鉄道が分岐していたが、1989(平成元年)年3月26日廃止。今は芦別駅から約5km先にある三井芦別鉄道炭山川橋梁上にディーゼル機関車DD501形と石炭運搬車が静態保存されている。


芦別川を渡る。




上芦別(かみあしべつ)駅




かつては、三菱鉱業芦別鉱業所専用鉄道や芦別森林鉄道が分岐していた。

上芦別駅で、富良野発・滝川行きの上り普通列車と交換




朝の滝川方面行きは、通学の学生で混み合うため、一部列車は2両編成







野花南(のかなん)駅

一日の利用客は2人程度









清里トンネル(5595m)と島ノ下トンネル(2839m)で峠越え



島ノ下トンネルを抜ける。


この辺りには島ノ下(しまのした)駅があったが2017年(平成29年)3月4日廃駅になり、現在は島ノ下信号場になった。


空知川を渡る。




単行気動車は富良野盆地へ。



左後ろから、旭川方面からのJR富良野線と合流




JR貨物富良野駅の脇を過ぎる。

富良野貨物駅の貨物は、普段はトラック輸送だが、農作物収穫の秋〜冬の時期だけ鉄道輸送も行っている。


間もなく富良野駅に到着



※2022年(令和4年)8月上旬