盛岡散歩・惣門跡と鉈屋町の街並み | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

盛岡駅周辺や、駅から少し離れた場所にある市街地には、

 

あまり古い街並みは残っていませんが、

 

盛岡城跡公園の南西にある地域に行くと、

 

風情のある街並みがあります。

 

以前紹介した旧石井県令邸や南昌荘などから少し南に行くと、

 

何か所かに、こんな標識があります。

惣門跡。

 

 

この看板に誘われて行ってみても、中々見つからなかったのですが、

 

ある日、これか!?と思ったのがこの石碑です。

盛岡城警備惣門遺跡と書いてあります。

 

特に案内板などはなく、何度もここを通っていたのに

 

全く気が付きませんでした汗

 

 

引きで見るとこんな感じ。

ここは文化財の建物の前なので、

 

その関連の石碑かと思って見過ごしていました。

 

盛岡城からは直線距離で約750メートル。

 

この場所が盛岡城の南門で、この前の道が旧奥州街道でした。

 

南門は穀丁惣門と呼ばれていたそうです。

 

 

この石碑の前は駐車場になっているのですが、こんな石があります。

よく見ると真ん中に四角い穴が開いているし、

 

もしかしたら城門に使われていた石が

 

現在も形と場所を変えて石垣になっているのかなと思いました。

 

 

ちなみに岩手県の指定文化財なのはこちらの木津屋本店さん。

この建物は天保5年(1834年)竣工で、平入切妻作りです。

 

白漆喰が美しく、またうだつもあり、大店の商家らしい建築です。

 

こちらの木津屋本店さんは寛永15年(1638年)創業の老舗。

 

創業の地は山城国(現在の京都府)の木津村で、

 

天保になって盛岡へ移住したきたそうです。

 

だから屋号が「木津屋」なのでしょうね。

 

移住の理由が仰天で、国書改ざんの罪で流刑になった

 

対馬藩の規伯玄方(きはくげんぽう)を慕って付いてきたのだとか。

 

当時の盛岡は京の都から遠く離れていたので、

 

流刑地でもあったというのにも驚きましたが、

 

慕っていたからと言って、そんな地へ移住したということに驚きました。

 

こちらは現在も事務所として使用されています。

 

 

裏手には煉瓦塀と蔵があります。

惣門の石碑の横の建物も古そうですが、こちらもかなりなレトロ具合。

 

許されるのならば敷地内から蔵などを見てみたいです。

 

 

惣門跡の石碑を左手に見て、2本目の丁字路を右に曲がると、

 

こんなレトロな看板建築があります。

道幅が狭いので、全景がうまく撮れないのが残念。

 

ファサードには鎌田藥店という文字があります。

 

詳しい建築年等は分からないですが、昭和初期の建築のようです。

 

 

正面から見ると3階建てに見えますが、横から見るとこんな感じ。

3階は窓部分だけしかなく、後ろには塔屋のようなものがあります。

 

看板建築とは、この建物のように店舗兼住宅の和風の建物で、

 

道路に面している部分だけ洋風の外観に改装した建物のことです。

 

上部階がこんなにフェイクな看板建築は久しぶりに見ました萌え

 

 

旧奥州街道へ戻り、惣門跡を背に進むと、

 

風情ある町屋の街並みが残っています。

本当に古い町屋と、町屋風に改装した建物が混在していますが、

 

街並みが揃っているのは良いですね。

 

 

たばこのホーロー看板が残っている古い建物もあります。

このホーロー看板は今でもたまに見かけますが、

 

壁に「たばこ販売店」のプレートが残っているのです。

 

これは貴重きゃっ

 

 

こちらは一般の方のお住まいですが、明治期の町屋だそうです。

格子の表構えが美しいです。

 

この界隈は毎年朝顔を育てているお宅が多いので、

 

夏になると色とりどりの朝顔が軒先まで咲いて美しいです。

 

その景色を撮りに行こうと思っていたのですが、

 

今年の夏は帯状疱疹に罹ってしまった為、撮りに行けませんでした泣

 

 

この辺りから振り返ると…。

遠くにニョキっとマンションが見えます。

 

この街並みもいつか

 

再開発の波に呑まれてしまうのかなと心配になりましたが、

 

盛岡市の条例で建物の高さや外観を街並みに揃えるなど

 

細かいところまで決められているそうです。

 

そうでもしないと風情ある町並みは残せないですよね。

 

 

この街並みの一画には大慈清水があります。

以前も賢治清水や御田屋清水など

 

お城の近くの清水を紹介しましたが、ここにも清水があります。


 

藩政時代から利用されていて、その当時は本当に湧水でしたでした。

 

しかし昭和51年(1976年)に湧き水は枯れてしまい、

 

現在のお水は井戸を掘って出たお水だそうです。

 

井戸は一番井戸から四番井戸まであります。

一番井戸は飲料水、二番井戸は米とぎ場、

 

三番井戸は野菜・食器洗い場、

 

四番井戸は洗濯物すすぎ場となっています。

 

 

横からみるとこんな感じで、上から飲料水、下が洗濯物すすぎ場です。

水を上手に使っていたのが分かります。

 

 

こちらも時々水を汲んでいく人を見かけます。

平成の名水100選にも選ばれているお水だそうです。

 

 

屋根の下には大慈清水用水組合の看板があります。

大慈清水は

 

近隣の80世帯が納入した組合費で管理・運営されているそうです。

 

確か毎週水曜日に掃除もされていたはず。

 

部外者が気軽にお水を汲んで行くのは良くないのかも…。

 

 

再び旧奥州街道を進みます。

平日は人影もあまりありません。

 

遠くに塔屋のある建物が見えてきます。

 

 

この建物は大慈寺地区コミュニティ消防センターです。

平成22年(2010年)3月竣工だそうですので、まだ新しい建物です。

 

でも街並みと合っていて素敵です。

 

中に展示物があるのですが、私が行った時に開いていたことがなし。

 

休日などに開くのかな?

 

 

大慈寺地区コミュニティ消防センターの斜め向かいにあるのは

 

旧鉈屋町消防番屋です。

昭和26年(1951年)竣工の建物で、

 

当時の車庫だった部分を山車保管展示室に改装しています。

 

火の見やぐらが残っているのが良いですねグッ

 

 

お隣は三喜亭。

こちらは明治期の皮革問屋だった藤原峯治商店の町家です。

 

女優の三原葉子さんの生家でもあるということなのですが、

 

その方を存じ上げないので調べたところ、

 

戦後の新東宝女優のトップスターだった方だそうです。

 

こちらは有料イベントもよく行われていますし、

 

町屋の宿泊体験もできるそうですよ。

 

そうそう、今回紹介しませんでしたが、大慈清水のお隣には

 

無料で利用できる大慈清水お休み処があります。

 

八百勘というお店を改装した建物で、内部も見学できます。

 

鉈屋町散策の際は、是非立ち寄ってみて下さいなウィンク

 

 

 

今回のおでかけ

★盛岡城惣門跡

  住所:岩手県盛岡市南大通2-3-20

  見学:自由

  駐車場:なし

 

★木津屋本店

  住所:岩手県盛岡市南大通2-3-20

  見学:外観のみ

  駐車場:なし

 

★大慈清水

  住所:岩手県盛岡市鉈屋町3

  電話:019-604-3305(盛岡観光コンベンション協会)

  見学:自由

  駐車場:なし

  ウェブサイト:大慈清水(岩手県観光協会)

 

 

 

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