坂道の横に階段があったので上ってみました。
この石段も昔のままなのでしょうか？
本丸へ行けるのかと思ったのですが、
本丸の下の淡路丸の跡に出ました。
ここには桜が沢山植えられてたので、
春になったら見事な眺めになるのでしょう
裏手に回ってぐるっと一周できそうでしたが、
あまりに人気がなく、なんとなく不気味にも思えて来たので、
階段を下りて坂道に戻りました。
階段の先には本丸の石垣。
この横に坂道があって、本丸へ続いていました。
坂道へと張り出した松。
大切にされているようで、添え木が施されていました。
坂道のカーブの先が本丸跡でした。
一番最初に目に飛び込んできたのは、四角い物体。
南部中尉銅像台座とありました。
この地を納めた
南部家第４２代当主・南部利祥公の騎馬像があったそうですが、
昭和１９年の金属供出の際に撤去されてしまったそうです。
そう言えば、仙台の青葉城でも
伊達政宗公の騎馬像で同じような話を聞いたなぁと思い出しました。
本丸跡は本当に何もありませんでした。
この石碑があるのみ。
中奥も何もありませんでしたが、
先程までいた多目的広場がよく見えました。
しばし眺望を楽しんでいると、
いきなり「岩手山はどこですか？」と声を掛けられました。
振り返るとジャンバーに作業ズボン姿の
初老の男性が立っていました。
岩手山は多分反対方向。
そのことを伝えると、更に色々なことを質問してきました。
しかも岩手訛り。
じりじりと近寄って来ていたし、なんとなく怖くなり
「岩手に来たばかりなので分かりません」と答え、
一礼して本丸から渡雲橋へと歩き出しました。
坂道の途中から見えていた渡雲橋。
階段を数段下りてから橋へ。
本丸と二ノ丸を繋ぐ橋で、昔は御廊下橋と呼ばれていたそうです。
二ノ丸跡。
こちらも石碑のみ。
明治政府が廃城令など出さなかったら、
今でも全国に当時の姿のお城が沢山残っていたでしょう。
寂しい城跡を見るたびに、そう思ってしまいます。
二ノ丸跡には石川啄木の歌碑もありました。
「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」
の歌が刻まれています。
啄木はこの近くの下橋中学校に通っていたそうですが、
学校を抜け出しては、この二ノ丸で文学書などを読んでいたそうです。
まさにこの地のことを詠ったご当地の歌碑。
凄いなぁと感慨に耽っていたら、
再び先ほどの男性が声を掛けてきました
しかも真後ろに立っていたのでギョッとした
男性は「私は東京からの旅行者なので･･･」と話し出したのですが、
だってあなた、盛岡のイントネーションじゃないの！
本当に東京から来たのだとしたら、
ご両親が盛岡の人で、
イントネーションをそのまま受け継いだのかもしれない。
でも、旅行者が作業着っておかしくない？
と、瞬時に頭の中で色々なことを思いました。
そして思い出したのが、先程多目的広場で遭った女性。
この女性は本当の旅行者のようでしたが、
私が上るのをやめた三ノ丸への階段を駆け下りて来て、
何度も後ろ振り返りながら芝生広場の方へ走って行ったのでした。
も、もしかして、あの女性もこの不審なおっさんに
しつこく声を掛けられて怖くなって逃げて来た！？
更に距離を詰める男性に
私も本当に怖くなり「ごめんなさい、急ぎますので」と話を遮り、
三ノ丸の石碑だけを最後に撮影。
芝生広場の方には誰もいなかったので、
人がいそうな櫻山神社への道を駆け下りたのでした
本当は大奥跡や腰曲輪など、
まだまだ見たいところはあったのですが、
あまりの恐怖に退散です。
平日の昼間は誰もいなくて写真が撮りやすいと思ったのですが、
あの日の恐怖が忘れられず、再訪できないままです。
男性は本当に旅行者だったのかもしれませんが、
人が誰もいないところで、
見知らぬ人に間近に立たれて声を掛けられることが
こんなに怖いことだとは思いませんでした
今回のおでかけ
★盛岡城跡公園
住所：岩手県盛岡市内丸１－３７
電話：０１９－６８１－０７２２（ＮＰＯ法人緑の相談室）
駐車場：なし
公式ウェブサイト：盛岡城跡公園（ＮＰＯ法人緑の相談室）
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