素人でもできる自衛隊装備着用例その9(15年頃・海自陸警隊) | ちょんまげインプの部屋

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(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

(9)2015年頃・海自陸上基地警備隊員

それまで海上自衛隊の個人戦闘装備は、立入検査隊が専用装備を使用していた他、陸上基地警備隊は輪番で警衛につく程度で、旧式な装備しか用いられませんでした(中の人の話によると、その昔は人選も…という傾向があったりなかったり、とか?)。

しかし近年は陸警隊が急速に進化し、新しい装備や実践的な訓練も取り入れ、注目度が高まっています。

(↑モデル:しまこ氏・サーブ氏)

謎な部分が多いのですが、2015年の観艦式の際に大々的に姿を現した超絶カッコイイ(笑)横須賀陸警隊の装備を、SATマガジンやネットに掲載された画像を参考に再現してみました。

*陸上戦闘服2型
米海軍のような、青基調のデジタルパターンの迷彩服で、2013年頃から配備が始まっています。
この迷彩服は、当初は加賀屋産業がレプリカを販売していましたが、のちに大御所のエスグラがレプリカを販売しました。

今ではエスグラはリップストップ生地のものも販売しています。

なお、匍匐することがないからか、それとも昔の作業服のなごりか、観艦式の時は上衣の裾をズボンに入れている隊員さんがいました。

しかし基本的には、すそはズボンから出すのだと思います。

 

*戦闘帽

実際に官品で存在するのかどうか分かりません(ネットでも隊員さんが着用しているのを見たことがない)が、陸自と似たような形状のものが売っているので、とりあえず着用してみたもの。

*半長靴

官給品としては陸上用の半長靴がミドリ安全製であるようですが、似た形状の市販品がありません。

参考にした陸警隊では隊員さんが自由に選んでいるらしく、同じ所にいる隊員でも、履いているブーツがまちまち。

ここでは、使用例のあったリッジ社「アルティメイト」のハイカットモデルを使用しました。 他にもいろいろなメーカーのブーツが使われています。

 

*部隊識別帽

正式なものではありませんが、士気高揚のために部隊ごとに作られたもの。

なお、ツバに装飾があるのは左官用です。

しかしこのツバに装飾がついたものを被った陸警隊員の写真を見たことがありません。

(追記:いただいたコメントにもあるように、陸警隊には左官はいないので、このツバの装飾付きの帽子は実物には存在しない贈答用だそうです)

 

 

*名札

戦闘服にベルクロメスがついており、左側に名前、右側に部隊名をつけるようです。

「あっくん」さんがまとめて注文した際に乗っからせてもらいました。

*Tシャツ

戦闘服と同じデザインのTシャツも売られていますが、青や黒のTシャツを着用することも多いようです。
ここでは黒のTシャツを着ていますが、見えません。

(モデル:沖野しずく氏)

*88式鉄帽
内容は陸自のものと同一。 

現在販売されている製品として形状が官品に最も似ている“ヤフ個人ッパチ”の中号に、テキトーな内装を取り付けました。

以前は覆いなしで使用されていて、明るいグレーの鉄帽むきだしでしたが、最近になって海自デジタル迷彩の覆いが使われだしています。 海自デジタル迷彩の覆いは当初は市販品がなく、仕方なく個人製作品を知人に依頼しましたが、その後エスグラ製が普及しています。

しかし個人製作品のほうがフィット感に優れています。

偽装の必要がないせいか、鉄帽バンドは使用しないようで、そのため覆いにはバンド通しのループはありません。 

ちなみに顎紐は、2型タイプのものや旧来のものが混在しているので、ここでは旧来タイプのレプリカ顎紐を使用しました。

※海自用の88顎紐レプリカつくりました(こちら

ちなみに、鉄帽の左側の耳のあたりについているのは、ライト用の台座。

近年は陸自でもサイドワインダー等のヘルメットライトが普及してきています。

 

 

*防弾チョッキ

黒い防弾チョッキで、海自が独自に採用した官給品ですが、情報が少なく詳細は不明。 

こちらもレプリカ製品がないため、コスプレはここもネックになります。 たまたま、この防弾衣を「つぐーみ」さんが少量製作してらしたので、企画に混ぜていただきGETしました。 

両肩の四角形のパッド?が特徴で、ここが雰囲気を出す大きなポイントとも言えます。 

なお、チョッキに装着するポーチ類は、特に統制されているふうでもなく、隊員によって種類や位置がまちまちになっています。 

ここでは、いろんな隊員のケースを取捨選択して配置しました。

左肩のDカンはクイックリリースの取っ手。

なお、実質的には、チョッキが真っ黒なうえにポーチ類をたくさん装着してしまい、チョッキ自体のディテールも隠れるため、既製品でも十分にそれらしく見えると思います。

ただ、見る人が見ると「なんかちょっと違うなー」と思われてしまうため、できることなら似ているものを選びたいもの。

主観ですが、既製品で最も似ているのは、ウォーリアーアサルトシステムの「ラプター」というプレキャリ。

胸のベルクロ(メス)の辺りの造形からも、陸警チョッキが参考にしたのでは?と思えてしまいます。

ちなみにこれだけだと肩パッドがないので、わしが自作してみました。

*小銃マガジンポーチ

官品というものが存在しないであろうことから、それらしく見える市販の黒い2連マグポーチ(7.62mm用)を、前面左側に装着(ライラクス)。

89式小銃を使うのでもちろんポーチも5.56mm用なハズですが、64式を使用していた名残か、7.62mm用のポーチしか見かけません。

7.62mm用のポーチには89式用の弾倉が1本ずつ入っています(2本は入らないため)。

*拳銃マガジンポーチ
官品も存在しますが、市販の黒いマグポーチ(ダブル)を装着。

隊員によってはシングルポーチの人もいます。

*メディカルポーチ
官品は存在せず、隊員によってまちまち。 

実例に合わせ、カリマーSFのポーチを装着しました。

 

 

参考にした隊員はポーチ上面に、黒字に赤の赤十字マークのパッチを付けており、ここでもそれに倣っています。 

赤いヒモは、負傷した等の緊急の際に、すぐにメディカルポーチだと判別できるためのもの。 

また、市販品のベルクロパネルに、ロービジらしき青い旭日旗のパッチをつけています。 

背中にこのパッチをつけているケースもあるようです。 

なお、白と赤の旭日旗パッチを見ることもあります。

*ニーパッド

観艦式では3種類くらい、異なるタイプのものが見られましたが、その中のアークテリクスにしました。

エルボーパッドはあまり見かけないため装着していません(エルボーパッドをしているケースもあります。中にはエルボーパッドをヒジとヒザに装着しているお姿も…)。

*アイウェア
ゴーグルではなくシューティンググラスが多用されているようです。

官給品はないと思いますが、黒っぽいものもクリアなものも見かけるため、ここではクリアの市販品にしました。

*上腕ポケット
L.E.M製の上腕ポケット(黒)を使用しているケースが多く見られたため、同じ製品を購入し、左肩に装着(右肩に装着するケースもあります)。

ベルクロベースに、横須賀陸警隊のワッペン等を貼り付けています。

↓のようなワッペンもあります。

 

*PTTスイッチ

陸警隊では、テムコジャパンの無線システムを使用しているようです。

丸いPTTスイッチが特徴。

骨伝導タイプのイヤホンマイクを使用しているのではないかと思われます。

*グローブ

これも隊員によってまちまちなので、市販の作業グローブを用いました。

田村装備開発のを使ってる隊員さんもいます。

 

 

*弾帯

黒くハトメ穴が2列の官品がありますが、同じものが市販されていないため、米軍タイプの黒いピストルベルトを使用(防弾チョッキに隠れて見えません)。

弾帯だけの他、クッションパッドを併用したものも見られます。

元々は陸自の旧タイプの弾帯を海自でも使用しており、いまだに旧タイプのOD弾帯を使用している隊員さんもいるようです。

しかし市販品ではなかなかいい感じの黒い弾帯がありません。

 

*ダンプポーチ
弾帯の腰から吊るしています(ノーブランド)。

*ラジオポーチ
チョッキ背面左に無線ポーチを装着している隊員さんがいたので、それらしく見えるようにラジオポーチ(タスマニアンタイガー)を装着しました。

ポーチだけで無線機を所持していない実例を再現しています。

*警棒ホルスター

モデル撮影時はライトホルダーにスポンジ棒を突っ込んだだけですが、実際には専用設計の警棒ホルスターが採用されています。

※特殊警棒はプラ製の見た目だけのもの。

レプリカも似たものも見当たらないため、自作しました。

記事はこちら

*手錠ホルダー

手錠入れポーチも官品らしきものが採用されていますが、似た形のポーチがない。

これはまあまあ似てないこともないかな、というもの。

(官品は四角形に近いですが、このレプリカは台形です)

 

*「海上自衛隊」表示プレート

実戦ではまず使用されないものかと思われますが、災害出動時やイベント警備時では、海自の存在をアピールできる重要なアイテム。

防弾チョッキとセットでつぐーみさんに製作してもらいました。

 

*防護マスクケース4形

各部が刷新された陸警隊の装備ですが、ここだけ2代前のものが使用されているのが意外。

なお海自版はマークが錨ですが、そのようなレプリカがないためPXサイトー製の陸自版レプリカを使用し、左腿に吊るしています。

中に入っているのは自分の着替えです(笑)

なお、米軍の暗視装置(PVS-7)用ポーチを代用しているケースも見られました(サーブさんありがとう)。

*拳銃用ホルスター
弾帯からサファリランドのホルスターを吊るし、右腿に装着。
観艦式の際は、ブラックホークとサファリランドが見られました。

ランヤードスリング(ブラックホーク)も使用しています。

*9mm拳銃

おなじみP220のライセンス生産品で、タナカのガスガンです。
製品としては海自バージョンもありますが、そこまで買い分けるわけにはいかないので陸自バージョンを使用。

ちなみに当該の観艦式の際は、89には皆さん弾倉を装着していたのに、この9mm拳銃には弾倉を装着していない隊員さんもいました

果たして89の弾倉には実包は入っていたのかどうか…。

*89式小銃(新型折曲銃床タイプ)

東京マルイのガスブローバックエアソフトガンです。
海自では永らく64式小銃が使用されていましたが、2013年辺りから89式小銃が調達され、2015年には89式小銃が表に出るようになりました。
二脚は装備しないようなので、外してあります。
脱落防止は、陸自ほど徹底していないようで、最小限行っているケースもありますが、行っていないケースもあるようなので、ここではあえて行いませんでした。
ドットサイトは、エイムポイントらしきものを装着している写真がありますが、装着していない隊員の写真もあったので、敢えて装着せず。
場合により、フラッシュライトか何かの光学機器を被筒に取り付けることもあるようです。

*小銃スリング

防弾チョッキに続いて謎なのが、陸警隊の89式小銃スリング。
隊員によっても異なる製品を使っているのか、あるいは個人の裁量で取回しを変えているのか、そしてどこのどんな製品を使用しているのかサッパリ分かりません。
ただ、どうやらワンポイントスリングを使っているらしいこと、銃床基部にストックホルダーを巻き付けていること、ストックホルダーに連結するフック金具はHKフックでも一般的なナスカンでもなく、マグプルのスリングのようなスナップシャックルであること、等を各種画像から読み取ることができます。 

1点スリングは5.11タクティカルのVTACスリングを使用し、ストックホルダーはRABGER製のものを使用したうえで、実例を参考にズレ防止のためにタイラップで締めました。

なお、同じ2015年の観艦式の際は、受け持ち地区によって異なる装備品を使用していました。

目立つ差異としては、二―パッドがハッチタイプのものだったり、ホルスターがブラックホークのカイデックス仕様だったり。

(ホルスターがブラックホーク、二―パッドがハッチタイプのケース。ポーチの配置も異なっています)

個人の裁量でいろいろ変えられるとはいえ、部隊ごとに微妙な統制の差異があるのは興味深いです。

※横須賀の吉倉地区と船越地区に分かれて武装した陸警隊が警備に当たっていましたが、片方は「ホルスター:サファリランド」「ニーパッド:ハッチ?」「弾帯パッド:なし」という傾向、もう片方の地区は「ホルスター:ブラックホーク」「ニーパッド:アークテリクス」「弾帯パッド:あり」という傾向がありました。

 

おそらくまだ過渡期であろう、現行陸警隊装備。
そのうち新たな官給品が採用されたり、あるいはレプリカの登場もあるかもしれませんが、今後も陸警隊の進化を追っていきたいと思います。

 

【誰にでもできる自衛隊装備着用事例記事】

その1 (90年代陸自普通科装備・前編)

その2 (90年代陸自普通科装備・後編)

その3 (00年代陸自普通科装備・前編)

その4 (00年代陸自普通科装備・中編)

その5 (04年イラク派遣陸自普通科装備)

その6 (00年代陸自普通科装備・後編)

その7 (10年頃陸自普通科装備)

その8 (14年頃空自基地警備隊装備)

その9 (15年頃海自陸上基地警備隊)

その10(空自野戦装備)

その11(15年頃陸自普通科装備)

番外編(昭和後期陸自普通科装備)