素人でもできる自衛隊装備着用例その5(04年陸自イラク派遣) | ちょんまげインプの部屋

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これであなたも立派な変態。
今後ともどうぞよろしくっす。

(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

2003年末から2009年初頭まで数次に渡って実施された、陸自のイラク派遣。

イラク派遣は陸自にとってもかなりの転換の機会だったようで、一気に装備が更新されています。

陸自装備でサバゲを始めたばかりの頃、このイラク派遣の写真を雑誌で見て、青空を背に砂漠に立つ緑基調の迷彩服をまとう隊員の姿に

「カッコイイ!」

と強烈に思った記憶があります。
で、いつかはやってみたい…と思っていたその装備を、ようやく纏うことができました。

 

 

(5)04年陸自イラク派遣装備
イラク派遣は、前述のように5年以上に渡って実施されていて、時期によってけっこう装備が違うためどこかに絞らないと収拾がつきません。
なので最も印象的であり、かつメディアも注目して資料の多い第一次派遣隊の本隊(2004年初頭)装備を選択しました。


 

 

 

 

*防弾チョッキ2型

最も目立つものは、モールシステムのようなウェビングのついた防弾チョッキ2型(S&Graf製)。

ただしアリスクリップにも対応するように日本独自規格で製作したため、正規のモールシステムのポーチ類が綺麗にはまりません。

S&Gや楯桜の防弾チョッキ2型はまさにこの当時の型を再現していますが、イラク当時の実物のウェビングはもう少し鮮やかな緑色です。

またこの製品はやや色味が濃いため、迷彩服と比べると差異が目立ってしまうのが残念なところ。

ちなみにイラク派遣の画像では、隊員さんはちゃんと(?)抗弾プレートを入れているため、チョッキの前面と背面がかなり分厚く見えます。
ワシは背中にお風呂マットを入れました。

また、肩パッドは外している隊員もいました。

なおここでは見えませんが、防弾チョッキの下には旧来の弾帯+吊りバンドを装着しています。

*防暑靴4型

これも外見上の大きな特徴。

イラク派遣に当たり、中東地域での旧来の革製の半長靴では使用に困難があったため、登場したばかりの戦闘靴2型の素材を変更した、ベージュ系のブーツが急きょ支給されました。

しかしこれのレプリカは存在しないため、米軍のデザートブーツで代用。

ただイラク派遣中に短期間で3度も小改良を施されているそうで、色合いも微妙に違うかもしれません。

ちなみになんと、戦闘靴2型でもない旧来の茶革の半長靴を履いている隊員さんの写真もありましたが…大丈夫だったんだろうか?

 


*弾入れ(いわゆる「イラク弾納」)
もう一つのイラク派遣装備の特徴が、オープンタイプの弾入れ(S&Graf)。
俗に「イラク弾納」と呼ばれるものです。
弾倉1本用と2本用があるのですが、いま製品としては2本用しかありません(以前はTOPが1本用を製品化していましたが)。

ただし第一次派遣隊では全隊員に行き渡らなかったのか、旧来の弾入れとの併用や、それかイラク弾納を2本だけとかいう写真もあります。

なのでここでは前面の両側に2本だけ装着し、その外側に旧来の弾入れを装着しています。
面白いのは、オープンタイプのイラク弾納にフタをつけたような、見たことのない弾入れをよく見かけること。
ひょっとしたらイラク弾納の試作品か何かでしょうか…?
ちなみにこの頃は、防弾チョッキの前面のどこになにを装着するか統制されていなかったようで、各人が各々好きなところに弾入れを装着しているのが面白いです。

*防暑服4型

防暑服は、それまでの海外派遣用に薄手の戦闘服が支給されていたので、イラク派遣を機に更新されたわけではないと思いますが…

一時期はPXサイトーで“まんま”のレプリカが販売されていましたが、今はもうないためRangerの防暑服4型タイプ・3型迷彩服で代用。

防暑服4型は外観・形状は2型に近い(背中の偽装差しがないくらい)ですが、防弾チョッキなどに隠れて見えないためこれで妥協。

ちなみに、腕まくりした隊員さんも多かったようです。

*Tシャツ

ほとんど見えませんが、イラク派遣隊員にはカーキ色のTシャツが支給されていました。

ここでは市販のODのTシャツで代用。

 

 

*ワッペン類

テッパチ前部・左肩・右胸・背中についた日の丸ワッペン(市販品)も、イラク(というか海外派遣)装備の特徴。
日の丸ワッペンは、実物は表面が革っぽいものですが、刺繍のものしかなかったのでここではそれで代用。

ちなみに実物は縫いつけではなく、ベルクロでつけるようになっているため、ここでもそれを再現しました。

テッパチ前部のやや小さい日の丸ワッペンも、覆いに縫い付けではなく、覆いにつけたメス(台座)にベルクロで貼りつけていました。
右肩につけるイラク派遣専用のワッペンは、第一次派遣隊の先遣隊員には見られませんが、本隊の隊員は揃ってつけていたようです。
幸いレプリカのワッペンが入手できたので、右腕につけました。

*防暑手袋
砂漠地帯での任務を想定して支給された、官品?のグローブ。

どうも一時期は同等品らしきものが出回っていたことがあるようですが、今は入手できません。

フライヤーズグローブという米軍のパイロットが使うものがそれっぽいので、米軍用の放出品入手して使用。

第一次の本隊からは、2型迷彩のグローブ(戦闘手袋改か?)も混じって見られるようになっていますが、意外に素手のシーンも多いのが不思議なところ。

暑い地域で素手で銃とか握って「熱!」とかならないのかしら…。

*89式小銃

小銃じたいに変化はないものの、左側でも操作ができる切り替え軸・俗称「イラクセレクター」がつきました。
第一次派遣群の写真では、不思議と脱落防止のビニテなどが見られないので、ここでも脱落防止を再現していません。
外地のほうがよっぽど脱落防止に気を遣うのかと思っていたのですが・・・
二脚は、つけている写真とそうでない写真を見かけるので、とりあえずつけてみました。
なお、第一次派遣群でも一部に折曲銃床を持った隊員さんもいましたが、第一次派遣群に空挺や特戦群の隊員がいたわけではなく、第7師団(の11普連)が参加していたからではないかと思われます(後の派遣では空挺団の隊員も参加している)。
負い紐は、私物らしき3点スリングを使用しているケースが多いので、ここではテキトーなODの3点スリングをチョイス。
ちなみに黒い市販の3点スリングや、一部には旧来のビニロンの負い紐も見かけることがありました。
官品の黒い3点スリングが登場するのは2005年のことです。

*88式鉄帽

従来のものと全く同じもの(ここでは大号を使っています)。

後述のように、正面に日の丸パッチがつくだけです。

*アイウェア
第一次派遣隊の先遣隊では見られませんが、第一次の本隊の隊員さんはだいたい戦闘ゴーグル1型を鉄帽の上につけていました。
戦闘ゴーグルは山本光学製(=SWANS)なので、SWANS製品でも過去には似たものがあったようですが、うちでは入手していません、しテッパチにつけると日の丸が隠れてしまうので、「つけていない隊員さん」ということにしました。
他には、私物のシューティンググラスを着用している隊員さんも多くいたので、それに倣いました。

*他の装備関連
地域的にもっとも必要なのではないかと思われる水筒2型は、なぜか第一次派遣隊の写真ではみかけないのでつけませんでした(一部、ハイドレーションを背負った隊員さんはいた)。

熱中症とか心配になるのですが…別の方法で水分を補っていたのか、あるいは政治的な理由とか?(分かりません)

また、訓練時よりも必要性がありそうな防護マスクケースも、装備していません。
銃剣もないのですが、まあ必要性は少ないからいいかもしれません。
旧来の小さい救急品入れは、いろんな所につけていたようなので、弾入れの内側に装着。
他には放射能の検知器(決して大量破壊兵器対策とかではなく、米軍の使用した劣化ウラン弾芯弾の残骸対策)やトランシーバーも第一次派遣隊の先遣隊では見受けられますが、ここでは省略。

あとは、隊員によってタバコケースのようなポーチを防弾チョッキにつけていたり、指揮官らしい人は拳銃弾入れをつけていたりするくらい。

なので小さいポーチを防弾チョッキの左胸につけました。

 

 

いろんな意味で衝撃だった、陸自のイラク派遣。
もう10年以上前(第一次派遣)のことですが、その歴史的な装備を再現することができ、光栄に思います。

派遣された隊員の皆さん、お疲れさまでした&ありがとうございました。

 

【誰にでもできる自衛隊装備着用事例記事】

自衛隊装備着用例その1 (90年代陸自普通科装備・前編)

自衛隊装備着用例その2 (90年代陸自普通科装備・後編)

自衛隊装備着用例その3 (00年代陸自普通科装備・前編)

自衛隊装備着用例その4 (00年代陸自普通科装備・中編)

自衛隊装備着用例その5 (04年イラク派遣陸自普通科装備)

自衛隊装備着用例その6 (00年代陸自普通科装備・後編)

自衛隊装備着用例その7 (10年頃陸自普通科装備)

自衛隊装備着用例その8 (14年頃空自基地警備隊装備)

自衛隊装備着用例その9 (15年頃海自陸上基地警備隊)

自衛隊装備着用例その10(空自野戦装備)

自衛隊装備着用例その11(15年頃陸自普通科装備)

自衛隊装備着用例番外編(昭和末期陸自普通科装備)

 

【サバゲ用陸自装備紹介記事】

その1・自分的進化編

その2・戦闘防弾チョッキ編

その3・テッパチ編(前編中編後編 )

その4・迷彩服編(前編後編

その5・戦闘靴・半長靴編(本編番外編

その6・装備品まとめ編