(前編からの続き)
【色味の比較】
ここで、それぞれの色味の比較をしてみましょう。
背面のループ部のUPで比べてみます。
元々はそれなりにいい色味だったんですが、色あせの進行が速いです。
続いてノーアイロン(PE)。
3型の「制電素材」。
緑も茶も強すぎてニセモノっぽい(^^;
色が褪せてきていますが、割といい色味。
悪くはないけどやっぱりクッキリしてるな~
防暑服4型タイプの3型麻混。
色味ヨシ、夏場はこれに決まり。
ただしヨレるのもケバ立つのも早め。
で、ここからはVC。
官品生地(IR加工)の2型。
いやあ、ホンモノは色味も風合いもいいですなー。
VCの薄手3型。
色味はいいですな~。
費用対効果としてはマル。
2型の空挺用(官同品?)
いいですね~
※評価は主観なので、色味は本物と比べてご判断ください。
※生地の材質によって色合いが違うわけではありません。同じような材質の生地でも、製造元によって色味が違うことがあります。不安な方は、じかにお店に行ってみましょう。
※官品2型はどちらかというと「茶」が、3型は「緑」が強いような?という傾向があるような気がします。
【番外編】
①陸自砂漠迷彩
ソマリアの海賊対策でジブチの基地に派遣されている陸自隊員に支給されている、砂漠仕様の迷彩服。
ちょっと前にRANGERから数量限定で販売されたもののすぐ完売、そして近年S&Gから発売されたので買ってみました。
パターンは2型迷彩のまま、配色を換えた程度のようです。
砂漠地帯という用途から、背中の枝差しはありません。
予め胸と方にベルクロベースがつけられていたり、「JAPAN」のワッペンが付属するのは嬉しいですが…
なぜかサイズが一部に限られているのが残念なところ。
また、RANGER製には色味や質感は譲ります。
②航空自衛隊野戦迷彩「戦闘服」
空自では昔はグレー系の作業服を使用していましたが、80年代後半から、基地防空隊や高射隊などを対象に、迷彩の「戦闘服」が支給されだしました。
生地の迷彩パターンは、当時陸自が使用していたいわゆる“熊笹迷彩”と同じもので、配色だけ濃いめに変わっています。
戦闘服としても、上着が熊笹迷彩服のファスナーからボタンになり、上着をズボンに入れないような使用法になる(胸ポケの下にもポケットがついた)など、熊笹迷彩服より進んだ造りになっています。
もっとも、後の90年代に陸自が更新する戦闘服2型に比べてしまうと、上着のボタンが生地の内側に隠れないなど、古さを隠せない部分も。
2000年代になると、基地警備隊が陸自に倣ってCQB的訓練を行うことも増え、一般市民への露出も増えています。
おそらく官品は時代的にビニロンコットン(V/C)だと思われます。
レプリカは、以前はPXサイトーがV/C生地のものを販売していましたが、今はテトロンコットン(T/C)のノーアイロン仕様しか流通していないようです。
これは、RANGERで購入したもの(T/C)。
T/Cは生地に若干のテカりがあるので、容易に識別ができます。
袖などは全てボタン、ポケットもボタンなので、ちょっと使いにくい。
迷彩効果としては、パターンが大きいためやや不利かもしれませんが、色味の関係で秋~冬のサバゲーでは意外に使えると思います。
なお、サイズ展開は現行の4Aとか3Bとかいうものでなく「1号、2号…(1号が大きい)」というもののため、各個人への適合度はそんなに高くなかったのでは…と思っています。
難点としては、コイツは爪とかでひっかいた程度で色落ちしてしまうこと。
洗濯も、ネットに入れてあげないと折り目が擦れて色が落ちることがあります。
③空自デジタル迷彩
空自の作業服はこれまでODのもの(野戦用の戦闘服は迷彩柄)でしたが、2010年頃にグレーを基調とした「作業服改」としてデジタルパターンに更新されました。
初めて目にした時は強烈にカッコイイ!と思った記憶があります。
その後雑誌で「基地警備隊」の写真を見て・・・買ってしまいました。
意外にも、襟の形状は陸自戦闘服の2型のような感じ。
襟を立てることがないのかしら・・・
ちなみにこれは楯桜で購入した、E/C生地のもの。
RangerのものもEC生地で、同じかと思ったら、肩のこの部分の造りが違うみたい。
テープですが、rangerのは紐でした。
官品はどうなんだろう?
背中は、まあ当然と言えば当然ですが、偽装枝刺しの部分はありません。
腰を絞る部分はベルクロ化されているのに、手首は相変わらずのボタン。
なんか不思議です。
でもけっこういいパターンと配色。
陸自の迷彩がデジタルになるとしても、このパターンだったらいいかも。
④海自デジタル迷彩
*加賀屋産業製
以前は海自隊員が陸戦訓練をする際は、陸自迷彩服を着用していたそうですが、2013年辺りから陸上戦闘服2型という青いデジタル迷彩服が採用され、陸上警備隊等から導入が始まったそうです。
当初は柄だけ見ても特に感銘を受けなかったのですが、2015年の観艦式で警備する陸警隊員さんの写真を見てやられてしまいました。
そんなわけで、加賀屋産業で購入。
しかし基地警備だとすると、空自デジタルのようなグレーを基調にした配色の方が迷彩効果があるように思えるのですが・・・。
青みの強い迷彩だと、海に落ちた時に捜索に困るのではないかと思うのですが、まあ「海自ですよ皆さん!」というアピールのためかも?
形状は陸自の3型迷彩服に似てます。
左右の胸と左肩にベルクロ座があって便利。
襟は陸自の3型のような感じで、襟を立てて留めることができます。
でも、生地はE/Cなのですが、ものすごく厚手でゴワゴワ。
これでサバゲをしたら相当に汗をかきそうです。
なんか実物もゴワゴワしてるという隊員さんのハナシを聞いたことがあるのですが、このレプリカ生地のゴワゴワ具合は尋常ではありません。
この海自迷彩服は、両手首と足首がベルクロで絞れるようになっています。
官品は各部に⚓マークがついているとのことですが、この生地はさすがにそこまで再現していません。
*エスグラ製
加賀屋産業製の海自デジタル迷彩服が2017年末に廃盤・売り切れとなり多くの方々が悶々としていたであろう中、2018年初夏にエスグラから海自デジタル迷彩服が発売されました。
残念ながら、砂漠迷彩と同様に一部のサイズの展開がなく(おそらくかなりの適合者がいるはずの4A・4Bがない)、思えばエスグラは陸自2型迷彩のサイズ展開もそうなのでその関係かとも思いますが、チト困ります。
官品と同じ⚓のマークも再現され、色味もかなりいい。
加賀屋はかなりゴワゴワで、さらに擦れた部分の色落ちが激しいのが難点でしたが・・・
左がエスグラ、右が加賀屋。
エスグラは青みが強く、加賀屋は茶色味?が強く、加賀屋はくすんで見えます。
肌触りは段違いにエスグラ製が〇。
後発なので良くて当たり前ですが、これでサイズ展開が充実していればなあ・・・
【おまけ】
①袖のまくり方
袖をロールアップする時のコツ。
袖を、一気にまくります。
で、先っちょを3分の1くらいまくります。
その上から、袖の先端をかぶせます。
こうすると、半袖状態から長袖にするのが簡単。
この状態から袖を引っ張ると・・・。
びろ~ん。
暑い時期にずっと長袖にしていると体力が奪われてしまいますが、もし急に交戦状態になったりするとこれでは危険(火傷など)なので、瞬時に袖を伸ばすことができます。
2型だと袖口がボタンなので、伸ばした後にいちいちボタンを留めないといけないのが難点。
②迷彩効果
ところで、陸自迷彩はサバゲで
「近くにいたのに気付かなかった」
「ぜんぜん見えない」
と、高い評価を受けることがありますが、残念ながらそれは陸自迷彩柄のせいとも言えないのではないかと思います。
茂みにうまく隠れていたのであれば、真っ白あるいは真っ黒な服でも着ていない限り、他の迷彩柄でも見えづらいと思います。
「近くにいたのに気付かなかった」
という証言は、迷彩柄もさることながら、よほどうまく偽装していたということではないでしょうか。
100mを超えるような場合は確かに見えづらいと思いますが・・・
参考までにブッシュの濃い森フィールドで、陸自迷彩の人を後方から撮影してみました。
後方5mから撮影。
で、この人がさらに10m進んで15mの距離。
画面中央にいるのですが全然わかりません。
ただし晴れていて木漏れ日が当たっているため、明るい曇天などではもう少し見えやすいと思います。
またこのような状況下では、他の迷彩パターンでも同様に見えづらくなると思います。
つまり、陸自迷彩だけが圧倒的に優れているというわけでもない、ということです。
③防寒外被
普通の2型迷彩と同じようなパターンで、冬季に合わせて茶色が強くなっています。
たぶん茶色と緑色を反転させたような感じ。
寒い時期はコイツを着てその上から弾帯などを装着すると、それっぽいですね。
・・・と、いうわけでオシマイ。
しかし日本の迷彩はイイですね!
サバゲー用自衛隊装備紹介記事】
その1・自分的進化編