近年では健康への意識が高まり、健康的な食生活食をする方が増えてきたように思います。
昔からよく言われているのが、食品添加物に対する安全性です。
メーカーや販売店、販売ネットワークでもそういったニーズに応えるところが増えてきています。
僕自身、こだわりの食材や食品を取り扱うスーパーで働いていますが、
小さなお子様づれのお客様や、病気になってから食への関心が高まったというお客様が増えてきたように思っています。
そこで、今回は僕目線での安全な加工食品と調味料の選び方やそのメリット・デメリットを
基礎として解説します。
安全食品や調味料を選ぶ基準とメリット
- 身体に負担をかけるものが入っていない
- シンプルな素材のみを使用している
- 小規模メーカーや農家、伝統の製法や由緒ある歴史を守ることにつながる
身体に負担をかけるものが入っていないこと
食品や調味料の原材料を見てみると、添加物が入っていることがあります。
本来の食品や調味料は、そういった添加物を使わなくてもいいものです。
僕はそんな基準で選んでいます。
身体に負担をかけるものは様々あります。
合成着色料(タール色素)、合成保存料、合成香料、リン酸塩、加工でんぷん、人工甘味料など、
自然界に存在しないものや、抽出物になります。
少量では健康被害は少ないものの、これらを大量摂取、常食したり、複数の添加物を摂取したときの安全性の確認が不十分なため、注意が必要です。
防カビ剤や防ばい剤(イマザリル、TPZ、OPP)は、輸入の果物や柑橘類に使用されています。
日本では過去に、人体への危険性が高い農薬として使用禁止になりました。
しかし、柑橘類を輸入したいアメリカの圧力に負け、輸入する果物に至って使用を認めた経緯があります。
輸入果物を食べる場合、しっかりと洗う(できれば水洗いとアルコール)。果肉までは浸透しにくい(フルーツ研究家の中野瑞樹さん調べ)ので、皮を剥いて食べるというのが無難です。
シンプルな素材のみを使用していること
添加物を使わなくてもいいので、シンプルな素材のみで作られているものを選んでいます。
シンプルな素材の場合、特に油の質に注意しています。
油は酸化しやすく、風味や味にも影響するので、
なるべく酸化しにくい飽和脂肪酸のものか、脂質を極力含まないものを選んでいます。
現在の表示では、素材と食品添加物の区別を分かりやすくするために、
スラッシュ記号を使って、素材と食品添加物を分けるルールができました。
これによって分かりやすくなりました。
小規模メーカーや農家、伝統の製法や由緒ある歴史を守ることにつながる
添加物不使用の食品は、大手ではない小規模なメーカーで作られていることが多いです。
伝統的な製法であったり、消費者の安全性に対するニーズに対応していることもあります。
調味料は元々、伝統のある製法や由緒ある歴史があります。
しかし、大手メーカーの多くは経済や流通を優先しているため、
短期間で製造し、添加物を使い、プラスチックボトルに入れているものが大半となります。
僕は消費者の安全ニーズに応えるメーカーや農家、
伝統の製法を忠実に守っているメーカーを応援したい気持ちで選んでいます。
大手メーカーの商品でも、
ミツカンの三ツ判山吹、グリコの牧場しぼり、井村屋のあずきバーなど、探せば中にはいい物があります。
その辺りは、ニーズやお財布との相談をしてみましょう。
安全な食品や調味料を選ぶ上でのデメリット
- 手に入りにくい
- 腐りやすい・傷みやすいことがある
- 美味しいとは限らない
- 値段が高め
- 産地や素材の良し悪しが分からない
- 隠れた添加物が使用されていることがある
手に入りにくい
僕がおすすめしているものは、一般的なスーパーではほとんど見かけません。
デパートやこだわり商品を取り扱うスーパーくらいなものです。
そのため手に入れたければ、送料はかかりますが、ネットショッピングを利用した方がいいと思います。
腐りやすい・傷みやすいことがある
添加物不使用の食品や調味料は、保存料や酸化防止剤を使用していないこともあり、
賞味期限や消費期限が短いことが多く、腐りやすかったり、傷みやすいことがあります。
過去には加工食品に含まれていたボツリヌス菌による食中毒で、死者を出したこともある辛子蓮根という熊本県の郷土料理があります。
その教訓を踏まえて、亜硝酸Naがボツリヌス菌中毒が発生すると思われる食品に、添加されるようになりました。
(元々ドイツなどの国ではハムやソーセージは岩塩で味付けをしますが、その岩塩に硝酸塩が不純物として含まれていました。硝酸塩は化学反応で亜硝酸Naとなり、発色剤としての効果と保存料としての効果があります)
また、不飽和脂肪酸を使った食品は酸化しやすく、酸化するとケトンやアルデヒドとなるため、
風味や味が劣化し、身体にもよくありません。
そのため、酸化防止剤が添加されていることがあります。
こうした理由で保存料や酸化防止剤は添加されていますので、食中毒を防ぐという理由で、やむを得ない場合があります。
美味しいとは限らない
せっかく物が良かったとしても、美味しくなければ意味がありません。
添加物不使用の加工食品や調味料は、当たり外れがあることも少なくありません。
美味しくなければ、次は買わなくなってしまいますよね。
僕自身、これはよく経験しています。
値段が高め
添加物不使用の加工食品や調味料は、素材そのものが良かったり、小規模メーカーが作っていることが多いので、
大手メーカーのものと比べて、値段が高い傾向にあります。
ただでさえ物価は上昇していますので、調味料だけは添加物不使用なものを使って、
加工食品はなるべく食べないようにするなどの工夫をしてみましょう。
産地や素材の良し悪しが分からない
添加物不使用の食品は、産地や素材の良し悪しが分からないことがあります。
例えば、原材料に小麦と書いてあるだけなのか、小麦(国産)と書いてあるのかでは印象が違ってくると思います。
丁寧に記載しているメーカーもありますが、コストを抑えるために原材料を海外産に頼っている物もありますので、気になる場合はメーカーに問い合わせてみましょう。
隠れた添加物が使用されていることがある
一見、添加物不使用に見えても、加工しないと使えないような食材には、隠れた添加物が使われていることがあります。
これをキャリーオーバーといいます。
例えば、ゆであずきではあずきが早く炊き上がり、保湿も兼ねて、リン酸塩が使われていることがあります。
この餡を仕入れて加工食品に使えば、ゆであずきに使われている添加物を記載しなくても良いというルールです。
キャリーオーバーについては、購入したメーカーに問い合わせるしか方法がありません。
まとめ
安全な加工食品と調味料の選び方やそのメリット・デメリットを基礎として解説しました。
加工食品は便利な反面、日持ちを良くするなどの工夫がいるため、どうしても添加物を使っている場合があります。
加工食品は、使いたいニーズに合わせて使うのがポイントで、
特に添加物が使用されている場合は、毎日同じ加工食品をたくさん食べるといったような、
常食をしないようにするのが良いと思います。
毎日使うのであれば、せめて調味料だけでも添加物不使用なものにして、
料理は極力、手作り。
困った時だけは加工食品を使うというのがポイントかなと思います。
あまりに添加物不使用にこだわりすぎると、キリがありません。
使い分けをしたり、パートナーや家族がいる場合は無理やり押し付けないこと。
食品添加物を使わないことに越したことはありませんが、
こだわり過ぎると、ストレスを溜めたり、パートナーや家族と軋轢を生じることがありますので、注意してみましょう。
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