ドバイのメイダン競馬場のダートコースについて書きたいと思います。
距離の設定とコース形態は下記図のとおり、基本的にはアメリカの伝統的なダートに近いコース形態となっています。。
ダートは1周1,750m、ゴール前の直線は約400m。アメリカの競馬場と比較すると1周の長さは大体同じで、直線は長いです。
直線は1.5%の勾配があり、なだらかに約6m上ります。
アメリカのチャーチルダウンズ競馬場は1周1,609mと標準的な1マイル、直線約376mは長い方
ガルフストリームパーク競馬場は1周1,810mと大きめで、約直線290mは標準的
まず、日本とアメリカのダートの違いについて一般的な認識として、
日本のダート = 砂
アメリカのダート =土
ということがよく言われますが、実際どれくらい違うのか計数的に明示してされることはほとんどありません。
そこで、その違いについて説明したいと思います。
下表は、主要な競馬場のダートコースの素材比率です。
日本は東京競馬場を例として使用していますが、JRAも地方競馬も全て砂100%です。使用されている砂も、多くが青森県六ヶ所村の海砂が使用されています。
理由としては、丸砂で粒の大きさが約2㎜と均一なのだそうです。
メイダン競馬場は今回のドバイワールドカップ(首G1)が行われる競馬場、キングアブドゥルアジーズはサウジカップ(G1)が行われる同じアラビア半島にある、サウジアラビアの競馬場です。
チャーチルダウンズ競馬場は、アメリカ・クラシックの頂点ケンタッキーダービーが行われる競馬場でアメリカの中東部のケンタッキー州にあります。
ガルフストリームパーク競馬場は、開催場が固定されているレースでは最高賞金額のペガサスワールドカップ(米G1)が行われる競馬場で、アメリカ南東部のフロリダ州にあります。
日本と海外のダートの差は、砂だけか、泥以下の大きさの素材を含むかどうかにあります。
アメリカのダートは、粒子が小さいシルトや粘土を多く含み、ガルフストリームパーク競馬場は砂と粘土の割合が半々となっています。
一方、チャーチルダウンズ競馬場は、75%が砂で、残り25%がシルトと粘土という構成比になっています。
メイダン競馬場とキングアブドゥルアジーズ競馬場は、9割弱が砂で、それ以下の素材が1割強の構成比で、日本とアメリカのダートの中間ぐらいになります。
日本のダートは雨が降って締まると時計が速くなり、アメリカ等の泥を含むダートはパンパンの良馬場が時計が出やすいという違いや、距離体系も異なるので走破時計での単純な比較は出来ません。
ただ、アメリカの競馬場に比べると砂の割合が多く、日本のダートに近い部分はあると思います。
昨年のチュウワウィザードやナドアルシバ競馬場時代にトゥザヴィクトリーが2着していることもあり、アメリカ本馬のダートよりも日本馬が通用しやすくも思えます。
アメリカのダートは前に行ってハイペースで押し切るのが強い馬、そういう馬が今年は多く来ています。
アメリカの伝統的なダートは”土”と思われがちですが、基本的には砂の割合が多いのです。