豊胸術後の乳がん検診についての続きです。
豊胸術の種類は、大きく分けると次の2つの方法になります。
①バッグになったものを一か所に入れる
②脂肪や薬品を乳房の色々なところに入れる
今回は、脂肪注入と脂肪幹細胞注入について説明します。
脂肪・脂肪幹細胞注入は、自分の体の他の部位から取った脂肪を乳房内に注入する豊胸術です。
自分の体の脂肪ですから、アレルギーはおきません。
生きた脂肪組織を砕いて、脂肪細胞や幹細胞を乳房に入れます。
乳房内で、注入した細胞がすべて生きるわけではありません。
脂肪細胞は、血液がめぐらないと死んでしまいます。
脂肪細胞の生着率(どのぐらい生きるか)と壊死(細胞の死)が問題となります。
たとえば100個の細胞を入れても50個死んでしまうことがあります。
注入食後のボリュームは、半分になります。
死んだ細胞は、体の中では不要な細胞です。
片づける必要がありますから、炎症細胞が出てきて掃除します。
炎症がおこり、その後は、硬くなります。
そして、しこりができます。
注入部位が複数ヶ所あれば、その部位には、しこりが出来る可能性があります。
しこりの周りには、石灰化が起こります。
また、生着した脂肪塊の周りに線維性の被膜ができて硬くなることがあります。
これも、しこりになります。
しこりは、外から触れて分かるものと、触れないものがあります。
脂肪注入の場合は、注入から時間がたっている場合は、マンモグラフィを行うことは可能ですが、石灰化などの影響で診断ができない場合もあります。
超音波検査も石灰化の程度や場所によって診断がむずかしいことがあります。
やはり、一般的な『乳がん検診』では対応できません。
豊胸術を行っているクリニックで、乳がん検診をしているところもあるようです。
診察してくれるクリニックを探して、定期的に診察をうけるようにしましょう。