ホルモン補充療法と乳がん | 乳がん検診・板橋区・女性医師・マンモグラフィ・超音波・女性専用・針生検・乳房CT検査

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Dr.ちずこの診療日記
ims東京腎泌尿器センター大和病院レディースセンター乳腺科

ホルモン補充療法のリスクは、1980年代から研究されています。

アメリカでは、Women’s Health Initiative (WHI) という臨床研究が、1993年からはじまりました。

16608人の女性が参加しました。

しかし、ホルモン補充療法(EPT: エストロゲン+プロゲステロン併用療法)を行った女性の乳がん発症が予想を上回ったため2002年に中止されました。

2002年と2010年に発表された結果は、つぎのようになりました。

5年未満の治療では、差がありませんでした。

5年以上治療すると、

浸潤性乳管癌(乳がん)のリスクは、1.25倍高い

リンパ節転移は、1.78倍多い

乳がん死亡率は、1.57倍多い

以上の結果でした。

2002年のWHIの報告の結果、米国ではEPTの使用が50%減少しました。

その結果、

EPT使用者は、430万人減少

乳がん患者は、12万6千人減少

心血管疾患は、7万6千人減少

骨折は、26万3千人増加

大腸がんは、1万5千人増加

Joshua A. Rothら Economic Return From the Women's Health Initiative Estrogen Plus Progestin Clinical Trial: A Modeling Study. Ann Intern Med. 2014;160(9):594-602.

日本での研究はありません。

ホルモン補充療法については、利点とリスクを考えることが必要ですね。