A21(その3):
豊胸手術後の乳がん検診の続きです。3回目です。
豊胸術で乳房内にバッグが入っている場合について説明します。
乳房内に豊胸術のバッグが入っていると、通常の乳がん検診は難しくなります。
乳房内のバッグに次のようなトラブルが発生することがあるからです。
①バッグの破裂
②バッグ周囲に組織の膜が袋をつくり硬くなる(カプセル拘縮(コウシュク))
③バッグ周囲に石のように硬いカルシウムの沈着がおこる(石灰化)
④バッグの表面のしわ・段差
①バッグの破裂について説明します。
バッグは、できるだけ壊れないように素材の改良が進んでいます。
しかし、長い間にどうしても劣化します。
バッグが破れやすくなります。
したがって、外から強い力で圧迫することは、避けなくてはなりません。
マンモグラフィ検査では、乳房とバックを強く圧迫することになります。
マンモグラフィ検査によって、もしバッグが破損したら、手術をしてバッグを抜き取る必要があります。
バッグの内容によっては、早急に手術をする場合があります。
検診のために、そのような大きな危険性のある検査はできません。
したがって、
豊胸手術でバッグを入れている場合は、マンモグラフィによる検診は受けない方が良いです。
乳がん検診を受ける場合は、必ず豊胸術を受けているかどうか伝えてください。
また、豊胸手術を受ける場合は、どのような手術なのか記録を残しましょう。