IDSアライグマ・ハクビシン・スズメバチ駆除日記 -4ページ目

IDSアライグマ・ハクビシン・スズメバチ駆除日記

ハチ・有害獣駆除担当のヴェスパ1号、アライグマ駆除担当の変人プロチョーネ1号、太ったネズミ駆除担当ムスムスクルスムスクルス初代 そして、ハクビシンのツヨシとヨワシの日常の奮闘ブログです♪
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 プロチョーネです。昨日(15日)の昼ごろ、僕はこの前紹介したアニマルコントロールポール(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12609262927.html)と諸々の道具を持って前の記事で母親が捕まったと書いた空き家の前に立っていました。隣の人が「3日前くらいからまたアライグマの子供の鳴き声がする」と言ったので・・・。

 前よりも荒れた感じのする台所

 浴槽には何も落ちてないのを確認し、2階に上がりました。

 

 ※部屋の荒れ具合は前と同じです。

 家の周りを歩いていた際には1階の軒下から野良猫も出てきたので今はいないのか?と思ったのですが、それは思い違いで、しばらくすると足音と例の鳴き声が聞こえてきました・・・。

 矢印の方向にいるらしいのですが、狭い天袋から覗かねばならないのでどこに母親がいるのか、襲ってこないか警戒しまくって物をどかしたりあちこち照らしたりして5分ほどしてから意を決して覗き込みました・・・。

 矢印の方向。ちょうど屋根の斜面になった部分の裏らしく、かなり狭いすき間が広がってるようです。こりゃ人間はどうにもできないです。

 

                 ↓隙間の中の光景

 うわぁ・・・あんな奥に親子が、こちらの警戒を無に帰すほど仲睦まじい様子でぬくぬくと過ごしていました。子供はまだ生後1ヵ月半程度で目も開かずにキーキー鳴きながら母親の体の下に潜り込み、母親は子供を舐めたり、母乳を与えたりしているようでした。その目は既に何百頭のアライグマを捕獲してきたプロチョーネにも優しげに見えました。

(この時に動画を撮影したのですが、帰って再生したら全然光が足らずに何も見えませんでした・・・イラッカメラが人の目のように物を映すとは思っちゃいけませんね)

 しばらくの間親が反撃してきたり、この光景を乱していいのかと逡巡しましたが、この鳴き声を毎晩聞かされる周辺住人のためにもポールを突っ込んでみました。すると、母親は大して反応もせずにうずくまり、しばらくすると悲しそうな目をして画面右方向に去っていきました。

 別の方向から不意打ちしてくるか・・・?などと周りを警戒しながら子供の捕獲にとりかかりましたが、結局母親の姿を見ることはありませんでした。できれば捕獲したかったですが、逃走経路をしっかり確保していてその余裕もありませんでした。いつかは成獣も捕獲したいものですおーっ!

 どうにか子供の体にワイヤーをひっかけて1頭ずつ引っ張りました。親子がいたところは本当に奥深いところで、120cmのポールを精一杯伸ばしてギリギリ届く位置でした。これを持っていないと間違いなく捕獲は無理でしたね。で、1,2,3・・・

 

4頭いました。

 この時期にしては遅い生まれで、5月下旬から6月に生まれた子供のようです。アライグマの通常の出産時期は60日ほどの妊娠時期を経て3~5月の間なんですが、産まれた子供を全部失う、交尾機会を逃すなどの事情のメスは繁殖期以外にも出産が可能という柔軟な生態(機能?)を持ってます。

 ただ、これまで防除に関わってきた中で7月に屋内で子育てをしているアライグマに遭遇したことも、こんなに小さな子供を捕まえた覚えがないのも確かなんです。つまり、なかなか見られないんですが、どこかでは人知れずに通年アライグマの子育てが行われているし、行われてきたというわけなんですよね。

 しかもこの捕獲によって今週言ったばかりの推論が的中したとも言えます。7月頭に母親が捕まった1家族がいなくなって2週間ほどで別の家族が入ってきたように、空き家は1度に1家族が利用していることが実証され、すぐに別の家族が入ってきたことからもこの母親もこの空家のことを前から「子育て、住居に使える」と記憶していたのでしょう。そして、まだまだ他にもこの家の事を「使える」と認識しているアライグマがたくさんいることも推測できます・・・。

 あと4月に幼獣5頭を捕まえた現場でもそうでしたが(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12593894343.html)、どうやらアライグマは天井裏を使う場合は広い場所ではなく屋根の軒下部分をねぐらにすることを好むみたいです。それでいて糞尿は天袋や天井裏スペースの一箇所に固めて行われているうんちので、スペースを分けて使っているみたいですね。もしかするとねぐらで出た子供の糞も母親がトイレスペースに持って行ってるのかもしれません。現にどちらも軒下に糞は見当たりませんでしたしね。

 

 アライグマにとって利用価値のある空き家は常に侵入される可能性があるので年中監視し、適宜対処することが必要なのは間違いないでしょうね。その場所が長年利用されるほどその場所を記憶している個体も多いことでしょうから手が抜けません。やはりその点は近隣の住人の方々の協力が無ければ気付く事も出来ないので、そのへんの連絡体制を自治体が整えることも今以上に必要でしょう。

 色々と学べる現場でした。

 プロチョーネです。このところ捕獲自体は例年より少ないですが一定間隔で重要な箇所で捕獲が出来てる印象です。その経緯をご紹介しまーす。

 

 

 ↑この前のトウモロコシ畑で捕まっていた野良なお方。既にカビが生えてカチコチになった餌になぜかつられたみたいです。

※すぐに逃がしました。

 

 

 もう先月末の話なんですが、いつも行ってる自治体でまた長年動物が利用していたらしい場所から連絡が来たのですぐに対応しました。

 依頼者の方家族の家の隣でお母さまが一人で住んでいる家なのですが、耳が遠いために長年動物の気配に気づかなかった、物忘れが激しくなったために伝えようとしても忘れていたで最近まで被害が明るみに出なかったようです。

 この通り、屋根に穴が開いてます。典型的すぎる内側から体重がかかったことによる破壊ですね。この家は他にもあちこちに穴が開いており、長い間利用され、侵入されていたことが伺えます。

 で、天井裏を覗いてみれば隅っこに糞が散らばっていました。脆いので奥には進みませんでしたが、依頼者さんのお話の通り、アライグマの親子が利用しているのは明白です。

 5月に彼らがこうして利用している場所がまだまだ無数にあるだろうと悟った通りの場所(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12600405064.html)が現れたので早速罠を仕掛けました。

 2,3日は音沙汰が無かったのですが、金曜日の夜あたりに捕獲があったと週明けに連絡が。

 子供が捕まりました。もう生後3カ月以上は経過してるオスでした。身長も50cm程度になりあと10cmもいけば成獣という大きさで、ここで捕まえなければ立派に成長してあちこち荒らしまわってたことでしょう。

 週末には回収できないので数日間捕獲したままではありましたが、まだ親きょうだいがいる可能性に賭けてすぐさま罠を仕掛けてみますと・・・

 早速翌日連絡が。80cm、5㎏と大きい母親でした。やはりこの家も以前のところのように毎年アライグマの子育ての場所として利用されていたのでしょう。この親子だけではないでしょうから、毎年入れ替わりに別の親子が使っていたと考えるべきでしょうね。

 

 そうそう、前に子供が浴槽で事故死していた家(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12602106187.html)にはあれからずっと罠を仕掛けていたのですが何ら反応もなかったところ、今月頭についに捕獲があったのでした。

 これまた立派なメス。75cm、5.5㎏とこちらも大きく、他にここに立ち寄っていたアライグマもいなかったことから、確実にこの場所で子育てをしていた母親でしょう。おそらく子供がいなくなってもこの場所を縄張り、行く必要のある場所と認識しており、別の場所をしばらく回った末に戻ってきたのでしょう。特に浴槽に子供が落ちたことには気づいていなかったからこそ、探しに戻ってきた可能性もあるかもしれませんね。

 

 

アライグマの住居利用状況

 この2箇所から言えるのは、アライグマが子育て、住居に利用する場所はいくら縄張り意識が薄い彼らであっても1度に1家族しか使わないみたいということ。ただし、長年利用されるということは他のアライグマたちもこうした場所を冬や春先に徘徊している際に、または生まれ育った個体が知っており、おそらく先着順なのでしょうが常に複数の個体がその場所を記憶して、使う可能性があるらしいということ。

 そりゃ当然と言えば当然の話かもしれませんが、やはり机上の理論だけで動物の生態は語れないわけですから今回ひとつ学べましたね。これを読んでいる皆さん(特に埼玉県民、北海道民、神奈川県民、千葉県民、東京都民!)・・・ムカデを1匹見たらもっといると思えとか言われますよね?(実際はそんなにいないらしいですが)1つの、アライグマが侵入できそうな建物があれば、何十頭ものアライグマがその建物を隙あらば使おうとしてると思った方がいいですよ・・・真顔

 プロチョーネです。本日は前から欲しかったおもちゃ、捕獲道具が届きました。これまでもアライグマの幼獣を似たような道具で捕まえていたのですが、お手製だったのでいざという時にうまく作動しないこともあったので、本場アメリカのしっかりしてるものを注文したんです。

 

 その名も・・・アニマルコントロールポール(Ketch-All Pole) というもので、カリフォルニア州の

Ketch-All Company

https://www.ketch-all.com/about-us/というペストコントロール、自然対策関連の会社で1952年から開発、販売が行われた歴史ある一品でございます。アイディーサービスの大先輩というわけですね。その「何でも捕まえる」という語気の通り、これまで様々な動物の移動、保護に使われて来たみたいです。

 

 ↑社名が貼ってあります。

 

 君たちのKetch-All Poleでボブキャットやピューマまで何種類もの動物を捕まえてきたよ。素晴らしい製品だ!

 

 このKetch-All Poleで南米のジャングルのダム建設による自然破壊から数多くの動物、爬虫類を助けることができました。

 

 これほんとすごいよ!この16年でコヨーテからアナグマ、アライグマまで捕まえてこれましたよ。

 

 20年以上使ってきてますが、これほど安全性、耐久性、汎用性に耐える装備はないですね。我々の車に1本ずつ装備してます。

 (ホームページの利用者の感想より(プロチョーネ意訳))

 

 獣医や自然保護団体、我々の同業種の方々など利用者の方々の感想を信じるのであれば、かなり使えそうですね。あんなでかいコヨーテやらピューマにまで使えるのならアライグマなんて楽な部類だと思いたい・・・ぶー本来は安全に野生動物を保護、移動させるための道具であって、アライグマも原産地のアメリカでは住宅地などに出現しても保護、どこかに逃がすのが基本なので使い方が少々違うんですがね・・・。

 

 というわけで使い方を試してみました。

 

 全体。長さなどに種類がある中で120cmのものを買いました。これでも結構長いです。

 

 これが先端のワイヤー部分。輪が閉じた状態。

 

 持ち手の部分を引くと・・・

 輪が広がります。これで動物の首や胴体などを挟んで捕まえるわけです。

 

 そのへんに捨ててあった壺で試してみましょう。輪っかで挟んで

 

 手元のワイヤーを引けば締まります。これまで使っていたものだと輪っかが広がりにくく動物を挟み辛く、さらに引いた手を緩めてしまうと途中で外れてしまう恐れがありました。

 それがこの製品だと持ち手部分を引かない限りは輪っかが緩まないので、一旦捕まえた動物が逃げるのは困難です。これならアライグマの成獣相手であっても捕獲できそうですね。

これでいざアライグマと遭遇した際に迷わず対応できそうです。ニコこうして対策を用意した時に限ってなかなかそんな機会がこないのも確かなんですが・・・。

 

 で、僕は気づいたら埼玉県北のトウモロコシ畑のそばに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、アライグマが畑に侵入してトウモロコシを食べそうになったら、その子達をつかまえることなんだ――つまり、アライグマたちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっかから、さっと罠を仕掛けてやって、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。トウモロコシ畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ

(「ライ麦畑でつかまえて」より。(現代日本のアライグマ駆除人風)

 

 今週は念願叶ってこのつかまえ役になれましたよ。キョロキョロ

 昨日、これまで依頼がなかった地区の人からトウモロコシが動物に食べられてるという依頼が来まして、早速対応したんです。

 地主の方はトウモロコシを作り始めた4年ほど前から被害を受けたので、すぐにこうしてネットを張って、両脇をマイカー線という頑丈なビニールの線で補強したことで被害はなかったそうなのですが、今年になって状況が一変。マイカー線を噛み切られて侵入されるようになったようです。

 あとはスイートコーンを食べ放題。これはまだ雑な食べ方ですが、他では一房まるごときれいに食べられてあちこちに残骸が放置されていました。おそらく当初はタヌキやハクビシンがちょこまか来ていたところ、今年は太い牙でマイカー線を噛み切ることができ、トウモロコシ大好きなアライグマに目をつけられてしまったのでしょう。

 畑の周りを探したところはっきりとアライグマの足跡発見。

 もう一つの畑も同じようにマイカー線を切られてあちこちに食べかすが散乱。早速各所に罠を仕掛けました。

 で、少し2つ目の畑のトウモロコシを頂きました。なんとそのままでも食べられるということなのでかじってみれば、なんとも甘いチュー。この白い品種は通常のスイートコーンより甘さ控えめらしいのですが、それでもかなり甘く、火を通したようなおいしさだったので驚きでした。トウモロコシは生でも食えると知った瞬間です。そりゃ、野生動物が集まってくるわけですよね・・・。

 

 そして今日、すぐに2頭捕獲があったと連絡が。

 スイートコーンの畑の方では幼獣。既に2㎏60cmもある大きな子でした。

 白い品種の方では大きな・・・オスが。母親かと思ったら違いました。こちらも6㎏を越えたかなり大きな個体でした。やはりトウモロコシを食べているために他の地域で捕まる個体よりも大きく育っているみたいです。

 つまり、2つのトウモロコシ畑に別のグループのアライグマが来ているようですね。一方は単独のオス(他にもいる可能性ありますが)、一方は母親と子供数匹だと思います。即座に別の罠を置いておきました。できれば家族ごと捕まえたいものですが・・・。

 

 

トウモロコシ畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。

できることなら埼玉県中(お金たくさん出してくれるところ)のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。

アライグマが子どもを産んでしまった現場にカメラを仕掛けたところ、ハクビシンが映っていました。

残念ながらアライグマ親子は既に引越し済みでした。

 プロチョーネです。前回述べたような波が(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12606089094.html)一旦収まったようで、昨日はアライグマの捕獲が途切れ、本日は自治体の職員がアライグマを捕まえたので回収してほしいという連絡が来ました。

 おそらく親をなくした幼獣が徘徊して弱っていたところを捕まったのだろうと思いましたが、その通りでした。

 

 幼獣が一頭捕まっていましたが、なんだか臭い。顔を見れば、ひどいものでした・・・。

(以下、閲覧注意)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 片目が飛び出してます・・・アセアセ

 おそらくは親とはぐれた、亡くした(プロチョーネに捕獲された)後に一人でうろついていたところを鳥などに襲われたのだと思います。じっとうずくまっていたところをカラスあたりが襲ったのかもしれません。基本的に鳥は死体を食べるときは目を突きますからね・・・。

 

 今月は出産済みのメスが捕まる機会は多かったのですが、周囲に子供は見当たらない場合がほとんどで、彼らが親をなくしてからどうやって生きているのかはいまだによく分かりません。夜な夜な人目にはつかないところを移動して作物や果物などを(今は桑の実やビワなどが豊富です)食べて生きているとは思いますが、親の保護なしではこのように厳しい状況が待ち受けているわけです。この個体を通じてアライグマの幼獣の生きる厳しさが伺えました・・・。

 それでも相当な数のアライグマがいるわけですし、こんな子供は滅多に見ないわけですから、親離れする前に捕まっても立派に生きていけるだけの生命力があるということなんでしょうが。ますます底知れない生き物です・・・。

 (久々(こちらの体感時間)にアライグマ成分多めの記事をお届け)

 

 プロチョーネです。このところ気温の上下のためかアライグマの捕獲が減少していたところ、これだけ金曜から雨も降って風もそれなりに涼しかった週末を跨いでも捕まらなかったらさすがにアライグマの生息数自体に影響がある何かがあるのではないかと思ったのですが、月曜に似たような体格、年のオスが3頭捕まって杞憂に終わりました。

 ↑ どれも約77cm、4,5kg程度の何ら変哲もないオスたち。

 

 

 アライグマたちに何かがあると連想したのも、現地の人たちから、どうやら今年は明らかにイノシシの数が被害、徘徊数共に減ってるらしいという話を聞いたためです。原因は、今となっては懐かしいかもしれない豚熱(旧称豚コレラ)らしく、いつもなら被害に遭う畑も被害がなく、あちこちでイノシシの死体も発見されているようです。

 県もこの噂を裏付ける発表を3月にしています。

 

捕獲野生イノシシのCSF(豚熱)検査結果について

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2019/0326-99.html

 

 この時点までに検査対象832頭のうち83頭が陽性だったらしいですから、10%とかなりの割合のイノシシが感染していたようです。その10%が広範囲で糞尿、水場ぬた場などでウィルスを撒き散らしたと考えればかなりの数のイノシシが人から見えない山奥でも感染、死亡したと考えていいでしょう。

 このようなことがアライグマにもあるのでは・・・などと思っていましたが、それならもっといろいろなところで噂を聞くでしょうから違うみたいです。結局アライグマの減少に何ら人間は貢献してないのでこちらとしては嬉しい結果とも言えませんしね。

 

 子供は平均生後2,3ヶ月程度である程度は歩けるようになり、子供を持つメスは子供をつれつつ移動し(よほど涼しく過ごせる場所があればそのままということもありますが、これまで過ごしていた人家の天井裏の大半は暑くて長居できないでしょう)、子供のいないメス、オスたちはあちこち移動してる、つまりだいたいは移動してるのが今の時期の平均的な生態なんですが今月捕獲があったのもほとんどは自治体の外周部ばかりでした。

 

 

↑先月中旬くらいに依頼があったお宅で撮影された、猫の餌を食べるアライグマ。2頭一緒に行動していたらしく体もあまり大きくないのでおそらく1歳程度のきょうだいがそのまま行動を共にしていたのかもしれません。この後すぐに立ち去ったようで1ヶ月罠を仕掛けても捕まりませんでしたが・・・。

 このように、あちこち移動してるために捕まえにくい時期でもあるわけです。

 

 で、本日の捕獲からアライグマの侵入パターンが見えましたので今月の捕獲状況を振り返ってみましょう。

 

 

 

6月8日   オス3頭

 ↑他の2頭は写真撮り忘れましたが、どれもだいたい4.5㎏ 75cmくらいのオスでした。これも平均的ですね。

 

 そして2日後には

6月10日  メス3頭

 今度は約4㎏、70cmくらいのメスが3頭同じような場所で捕まりました。どれも出産済みでしたので子供だけ獲られたか、捕獲された近辺にいる可能性もあります(見つかりませんでしたが)。

 

6月12日 オス

 6㎏80cm程度のオスが山奥で捕まりました。ここからしばらく捕獲が無く・・・

 

6月16日 メス

 今度はいつも捕まる外周部で5㎏70cm程度のメスが。既に出産をしていました。

 

 そして今週の3頭が捕まったんですが、本日火曜も

 70cm4.7㎏のオスが外周部で捕まりました。

 

 以上のことから、まだ未知の生息地(前回https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12600405064.htmlみたいな・・・)があることを除いて、常に罠を設置してる地点を基準として考えれば、現在この自治体には滞在しているアライグマの数はかなり少なく、捕獲されるのはほとんど外部から侵入してる分だけ。そこへ侵入してくる波は、行動範囲が広く活動的なオスから始まり、その後からメスがやってくる形で形成されているのではないか。

 アライグマが通路や餌場を共有する社会性を持つことは以前のセミナー記事で紹介している通りで(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12568472246.html)、オスからメスの移動順序も以前から社内でも推測されてきたところなので、やはりこの実例からも一定の法則があることが伺えます。

 もちろん周囲の自治体にアライグマが大勢いる限り、未知の安全な生息地や繁殖地がある限り、このような小康状態が破られる可能性も常にあるわけですけれども・・・。

 

追記(6月24日)

 そして今日は外周部でメスが捕まりましたー!オス4頭の後にメスなので単独のことも多いんでしょうが、数頭単位である程度バラけつつ移動している姿が想像できます。この調子で侵入してくるアライグマを止めたいと思います。炎

 プロチョーネです。ここのところ暑いわ突然大雨が降るわの梅雨入りで非常に不安定な天候が続いております。去年なんかは明らかに25度以下の日々が続いて涼しかったのとは大違いです。ただ、7月下旬から急激に今くらいに気温が上がってそれから1ヶ月ほどアライグマの捕獲が急激に減った覚えもあるので今のうちから気温に上がってもらったほうがいいのかもしれません。こちらも彼らも早いうちから暑さに慣れたほうがマシですしね。

 

 てなわけで、いつもなら捕獲が多い週明けも週末の涼しかったところから急激に気温が上がったためか捕獲なし。野暮用を済ませるいい機会(今年狩猟免許の更新年度なので診断書もらったりする必要があって・・・)に利用して帰ると、ヴェスパさんとヌー氏(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12598539003.html)が先週駆除していたミツバチの巣から蜂蜜をとるということなので手伝いました。古来より蜂蜜は人類に貴重な甘味や酒(蜂蜜と水分が混ざって発酵した蜂蜜酒は最古の酒とも言われてます)を提供してきたわけですが、だんだんと数が減っており、大きな巣に遭遇する機会もあまりないんですよね。

 

 今回は2年ものらしい大きな巣です。

 

 

 

 

 

 

 

 巣を絞って、不純物(蜂の死骸、寄生する蛾の死骸、生体等・・・)を取り除いて蜂蜜を出していきます。大きな巣なのでなかなか大変です。

 

 絞った蜜をさらにザルで濾していきます。色々と浮いてきます。

 さらに漏斗で容器に入れていき・・・

 だいたい1L容器5本分もの蜂蜜がとれました。ハチ

 舐めてみたところ、人も食べられなくはないんですが、既に発酵してる節もあり、この程度の濾過では色々と残留していることもあるので希望者の食用、アライグマ等の捕獲用の餌に活用することになりそうです。運転が労働時間の大半を占める仕事なので知らないうちに酔っ払いたくないっす・・・。

 やはり市販の蜂蜜はもっとしっかりと処理がされてますね。天然物の扱いもなかなか難しいものです。

 いやー、先週は幼獣騒ぎで忙しかったんですが、(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12600405064.html)今週はまたもや急に気温が上がったからか、月曜以降はほとんどアライグマの捕獲がなく、日頃から罠を仕掛けてるところにも全く気配がありませんでした。

 

 ※埼玉県はあちこち普通にキジが歩いてます。昔はもっといたとすれば、体格、人馴れした感じからして桃太郎のお供として選ばれると納得できます。実際はほとんど飛べないし攻撃性もなさそうなので鬼退治にはさっぱり使えそうにないですが・・・あせる

 

 金曜の今日なんかは一層暑く車から出たくない気分でしたが、駆除業者の使命として空き家に突入してきました。

 そう、あの家です。あれから罠を家の周りに仕掛けていたんですが猫が引っかかるばかりで何も手ごたえが無く、それでいて連日物音はするという近所の方に「このまま何も捕まらないなら金曜日に突入して親子ともども対処します」ドンッと伝えていたんです。

 周辺住人の方々によると皆さん4年以上前からアライグマらしき姿を目撃しており、この家を始めとした周囲数件の空き家の天井裏で動き回る音を夜な夜な(時折日中も)聞かされ続けてきたそうです。ではなぜこんなあからさまに被害がある現場のことが長年僕に伝わらなかったのか?アライグマがいる空き家の持ち主からの被害を訴える連絡がなければ行政は動けないから。これに尽きます。

 まあ、空き家問題は前々から言われてましたし近頃空き家に対する行政の権限を強める方針が国会で決まり始めてるらしいですけど、まだまだ強制執行で対処された空家なんて数百件程度、全国にあるとされる空き家の総数が約850万戸ドクロですから全く対処は進んでません。権利や放置されることによる周囲への危険などもありますが、僕らのような人間視点からすれば、アライグマハクビシンを始めとした野生動物の格好の居場所にされ、繁殖と安全で快適な生活を促進するという問題があると指摘できる問題です。

 ※それに何より、強制執行して空き家を解体したところでその費用を持主から回収できない場合が大半みたいですから行政にとっては大損という点がきついですねえーん

 

 ですからいくら周囲の住人が被害を訴えても空き家の権利者が介在しなければ行政は動けない場合が大半なんです。今回は権利者とも連絡がとれて、依頼を直接くれた方が鍵も預かっていたのでようやく踏み入ることができたわけですが・・・。

 

 というわけで、玄関から突入開始。

 玄関のスノコにいきなりアライグマの手形が。

1階奥の台所なんて天井が酷いことに。経年劣化もあるでしょうが、そこに長年アライグマたちが踏み込んでドタドタと重い体を揺らして暴れたことが原因なのは明らかです・・・。

 

 で、隣りの風呂場は不穏な雰囲気。糞の欠片みたいなものが散らばっています。

 天井は破損も無く、天井裏自体がなさそうですが・・・、

 

浴槽は

 おいおい・・・・・。幼獣です。

・・・かといって、異様な光景を突然見た割にプロチョーネは意外と落ち着いてましたね。何故かと言えば、すぐにこうなった理由が想像できたから。事故死。それもここ数日の話のはずです。

 幼獣はほとんど腐敗しておらず、浴槽には出ようとした手形がたくさんあることからも、ここ数日の間に家の中で遊びまわっていたところで浴槽に落ちてしまったのでしょう。以前、学校のゴミ集積場のコンテナの中にアライグマ親子が落ちて1頭を踏み出しにして全員逃走なんて現場がありましたけど(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12495759785.html)、ここでは踏み台にできるものもなく親が踏み台になる知恵もなかったか、または親が浴槽の中にいる子供を見つけられなかったのか、色々と可能性はありますが、落ちてしまった子供は浴槽から出られずにそのまま死んでしまったのは間違いないでしょう。先週もこの近所で子供が捕まったように、ここの親はあまり子供を大切にしない、子供をすぐに見失う傾向が強いようです。

 アライグマたちにとっては快適な住処となり遊び場所にもなる空き家ですが、思わぬ危険が待ち受けているということが今回の件でよく分かりました。まあ、それは家で過ごすニンゲンの子供にとっても同じことではありますが・・・。生きることは常に危険と隣り合わせです。

 

 さらに2階を調べると・・・

 衣服や布団が放置されたままの部屋も荒らされ放題。押入れの中は意外ときれいでしたが、天袋部分は特に破損がひどいです。天井板も完全に壊れて部屋と天井裏の境目がなくなってます。

 押入れ横の天袋はさらにひどい。

 何年もの間積もったであろう大量の糞が・・・うんちうんちうんちうんち

 乾燥してカビが生えて、一体どれだけの時間、どれだけの数の動物がここに来ていたのかと思うには十分な量です。しかもまだここは糞がされている場所その一程度にすぎないはずで、まだ見ていない天井裏の各地にはもっと大量の糞があることでしょう・・・。

 

 で、肝心の親はいないようでした。どうやら子供が2頭いなくなったことで逃げたのか、それとも近隣の別の空き家に潜んでいるのか。本日はひとまず近隣の空き家近くにも罠を仕掛けて退散しました。ここで1家族いなくなったところでまた別の個体が来るのは目に見えてます。住人の方々の騒音被害に対処するためにも、衛生問題のためにも、今後もこのあたりには注意を向けるとします。