アライグマ対策セミナー(2019年11月21日)1-2 加藤卓也先生 アライグマの社会性(完) | IDSアライグマ・ハクビシン・スズメバチ駆除日記

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前回

https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12565793373.html

 

 前回はアライグマが危険な理由について扱いましたが、まずはアライグマの社会性について5月と内容が被るところもありますが、扱われました。

 5月と同じ説明ですが、「一定の社会性」というものについて補足します。アライグマにはメスはメスで近い位置に暮らし、オスはオス同士で通路や餌場、メスとの出会いの場を共有する習性があるのですが、これを「コリージョン」(小規模なネットワークの意)といい、それが本当であることはブログでも書いてきたようにあちこちでそれを証明する事例が見られます。

 この季節表ですけど、特に交尾期には12月の捕獲から思ったようにメスがいるところにはきっちりとオスが近寄ってくるところからも、彼らにはフェロモンや何かで引き寄せられる習性があるのかと思って加藤先生に質問をしてみました。

 すると「コリージョン仲間のオス同士のグループが移動経路、メスを探す通路を共有してくまなく移動してメスを探す努力をしてる」とのこと。ただし、仲良くするのはメスのところに行くまでのようで、いざメスを目前にしたオスたちの間では争いが起こることもあるらしいです。

 映像がないのが大変悔しいのですが、今月川口市でアライグマが3頭よりついていた家でメスが捕獲されたそうです。その家には監視カメラが仕掛けてあったそうで、捕まったメスのそばにずっとアライグマが1頭寄りそっていたところへまた別のアライグマがやってきたかと思えば、2頭は取っ組み合いの大喧嘩をしたそうです。この説を踏まえれば争った2頭がオスなのは予想がつきますね。去年の冬も尻の部分にひどく噛みつかれた(明らかにアライグマの仕業)オスが捕まっていましたけど、これもおそらくメスを争った際の傷なのではないかと思います。この際にも年齢や体格によって色々と違うんだと思いますが、社会性が高いアライグマも子孫を残すためには同類を押しのけてでもメスを目指すようですね。

 

 また、アライグマが別の動物に及ぼす被害も決して軽視はできません。今のところ埼玉県ではあまり騒ぎにはなっていませんが、先日アライグマの凶暴性を示す被害現場を見てきました。

 そこでは鶏の大きな品種である軍鶏が飼われているのですが、そのうちの1羽が襲われたという話でした。

 このケージが現場。周りに羽が飛び散っていますが・・・

 

 

(以下 閲覧注意)

 

 

 

 

 

 

 

 ケージの中にいた軍鶏がこの通り、首を噛み千切られ、周りの羽毛もひきちぎられる無残な姿で殺されていました。おそらく首を出していたところに噛みつかれたのだと思いますが、タヌキやキツネなどであれば顎しか使えないと思いますので、手で他の箇所も掴んだり引っ張ったりすることができるアライグマにしかできない仕業だと確信しました。

 こうした現場は未だに少ないのですが、アライグマの仕業だと思われないまま報告に上がらない場合も多いと思われますし、何より野良猫や他の野生動物などの被害であれば人々の目につかないことも多いでしょう。しかし、この調子でアライグマが増加して人々の生活圏に近い所に来るほどにペットや野良猫などがこうした目に遭う可能性が上がることは間違いないと思います。

 

 このほかにも農業被害に衛生被害、アライグマの生息圏が広がるほどに人々には無視できない危険が続々と起こることでしょう。特に全国有数のアライグマ捕獲、生息地域の埼玉県にお住いの皆さま!!

 もはや他人事ではないと思って頂ければと思います。