いやー、先週は幼獣騒ぎで忙しかったんですが、(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12600405064.html)今週はまたもや急に気温が上がったからか、月曜以降はほとんどアライグマの捕獲がなく、日頃から罠を仕掛けてるところにも全く気配がありませんでした。
※埼玉県はあちこち普通にキジが歩いてます。昔はもっといたとすれば、体格、人馴れした感じからして桃太郎のお供として選ばれると納得できます。実際はほとんど飛べないし攻撃性もなさそうなので鬼退治にはさっぱり使えそうにないですが・・・
金曜の今日なんかは一層暑く車から出たくない気分でしたが、駆除業者の使命として空き家に突入してきました。
そう、あの家です。あれから罠を家の周りに仕掛けていたんですが猫が引っかかるばかりで何も手ごたえが無く、それでいて連日物音はするという近所の方に「このまま何も捕まらないなら金曜日に突入して親子ともども対処します」と伝えていたんです。
周辺住人の方々によると皆さん4年以上前からアライグマらしき姿を目撃しており、この家を始めとした周囲数件の空き家の天井裏で動き回る音を夜な夜な(時折日中も)聞かされ続けてきたそうです。ではなぜこんなあからさまに被害がある現場のことが長年僕に伝わらなかったのか?アライグマがいる空き家の持ち主からの被害を訴える連絡がなければ行政は動けないから。これに尽きます。
まあ、空き家問題は前々から言われてましたし近頃空き家に対する行政の権限を強める方針が国会で決まり始めてるらしいですけど、まだまだ強制執行で対処された空家なんて数百件程度、全国にあるとされる空き家の総数が約850万戸ですから全く対処は進んでません。権利や放置されることによる周囲への危険などもありますが、僕らのような人間視点からすれば、アライグマハクビシンを始めとした野生動物の格好の居場所にされ、繁殖と安全で快適な生活を促進するという問題があると指摘できる問題です。
※それに何より、強制執行して空き家を解体したところでその費用を持主から回収できない場合が大半みたいですから行政にとっては大損という点がきついですね
ですからいくら周囲の住人が被害を訴えても空き家の権利者が介在しなければ行政は動けない場合が大半なんです。今回は権利者とも連絡がとれて、依頼を直接くれた方が鍵も預かっていたのでようやく踏み入ることができたわけですが・・・。
というわけで、玄関から突入開始。
玄関のスノコにいきなりアライグマの手形が。
1階奥の台所なんて天井が酷いことに。経年劣化もあるでしょうが、そこに長年アライグマたちが踏み込んでドタドタと重い体を揺らして暴れたことが原因なのは明らかです・・・。
で、隣りの風呂場は不穏な雰囲気。糞の欠片みたいなものが散らばっています。
天井は破損も無く、天井裏自体がなさそうですが・・・、
浴槽は
おいおい・・・・・。幼獣です。
・・・かといって、異様な光景を突然見た割にプロチョーネは意外と落ち着いてましたね。何故かと言えば、すぐにこうなった理由が想像できたから。事故死。それもここ数日の話のはずです。
幼獣はほとんど腐敗しておらず、浴槽には出ようとした手形がたくさんあることからも、ここ数日の間に家の中で遊びまわっていたところで浴槽に落ちてしまったのでしょう。以前、学校のゴミ集積場のコンテナの中にアライグマ親子が落ちて1頭を踏み出しにして全員逃走なんて現場がありましたけど(https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12495759785.html)、ここでは踏み台にできるものもなく親が踏み台になる知恵もなかったか、または親が浴槽の中にいる子供を見つけられなかったのか、色々と可能性はありますが、落ちてしまった子供は浴槽から出られずにそのまま死んでしまったのは間違いないでしょう。先週もこの近所で子供が捕まったように、ここの親はあまり子供を大切にしない、子供をすぐに見失う傾向が強いようです。
アライグマたちにとっては快適な住処となり遊び場所にもなる空き家ですが、思わぬ危険が待ち受けているということが今回の件でよく分かりました。まあ、それは家で過ごすニンゲンの子供にとっても同じことではありますが・・・。生きることは常に危険と隣り合わせです。
さらに2階を調べると・・・
衣服や布団が放置されたままの部屋も荒らされ放題。押入れの中は意外ときれいでしたが、天袋部分は特に破損がひどいです。天井板も完全に壊れて部屋と天井裏の境目がなくなってます。
押入れ横の天袋はさらにひどい。
何年もの間積もったであろう大量の糞が・・・
乾燥してカビが生えて、一体どれだけの時間、どれだけの数の動物がここに来ていたのかと思うには十分な量です。しかもまだここは糞がされている場所その一程度にすぎないはずで、まだ見ていない天井裏の各地にはもっと大量の糞があることでしょう・・・。
で、肝心の親はいないようでした。どうやら子供が2頭いなくなったことで逃げたのか、それとも近隣の別の空き家に潜んでいるのか。本日はひとまず近隣の空き家近くにも罠を仕掛けて退散しました。ここで1家族いなくなったところでまた別の個体が来るのは目に見えてます。住人の方々の騒音被害に対処するためにも、衛生問題のためにも、今後もこのあたりには注意を向けるとします。