おふたりさま物語 ◇16 | 有限実践組-skipbeat-

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 現代パラレル蓮キョの最終話をお届けいたします。長いです。

 お楽しみいただけたら嬉しいです。


 前のお話はこちら⇒おふたりさま物語<1101112131415>


■ おふたりさま物語 ◇16 ■





 以降、二人は土曜日にほぼ一日を使って、平日には週に2回の夕食で、真剣交際のデートを重ねて互いの親密度を増していった。


 そして今日。正確に言うと今夜だが、敦賀くんは、二人の出会いの場となったあのホテルの一室で、ようやくキョーコちゃんにサプライズプロポーズを敢行する。



 現在時刻を確認しようと、LME結婚相談所の壁にかかっている時計を見上げた俺は、いま二人はどんな心境だろうかと想像しながらひそかに口角を持ち上げた。



 自分が予約をしたホテルレストランのラウンジで、手違い発生の謝罪を受けただろうキョーコちゃんはさぞかし慌てた事だろう。


 けれどその何倍も敦賀くんは緊張しているに違いない。



 頑張れ!!

 心の中でエールを送り、いまの二人を想像した。





「 …申し訳ありません!!最上様のお名前で確かにご予約を承ったのですが、当方で手違いが発生したようで店内にお席のご用意ができていないのです。大変申し訳ございません 」


「 そんな。じゃあ私たちは入店出来ないってことですか? 」


「 大変申し訳ございません。それで、お詫びと言っては何ですが、お部屋を一室ご用意させていただきます。そちらでディナーをお召し上がりになっていただく…というのはいかがでございましょう?合わせてレンタルドレスなども無料でご提供させていただきますので 」


「 着替え?…って言われても…。敦賀さん、どうしましょうか? 」


「 ん?俺は別にいいよ。…っていうか、むしろ大歓迎。こんなこと滅多ない事だし、せっかくここまで来たんだし。

 それに、サービスしてくれるって言うんだから素直に甘えても良いんじゃない?俺、君のドレス姿見たい 」


「 そんな気楽な… 」


「 ありがとうございます!!では早速ご用意させていただいて宜しいでしょうか? 」


「 お願いします。それって俺も着替えられますよね? 」


「 勿論でございます。お二人でドレスアップしたディナーを是非お楽しみください。では、大変お手数ではございますがこちらに移動をお願いいたします 」


「 つ…敦賀さん!! 」


「 ……いいじゃないか、せっかくそう言ってくれているんだし。素直に甘えてしまおう?俺も着替えるから 」


「 う…はい、敦賀さんがそう言うなら… 」


「 重ね重ねありがとうございます。こちらでございます 」



 もちろんこれらは全て仕組まれた上でのこと。

 敦賀くんは、ただ、ただキョーコちゃんを喜ばせたい一心でやっているのだ。



 キョーコちゃんが夢見ていたプロポーズシーンというのは、彼女の義父がお母さんにしたのと同じシチュエーションだと俺に告白してくれた。


 キョーコちゃん曰く、彼女の母親は少し拗れた人らしい。

 それゆえキョーコちゃん自身は、二人は結婚しないのではないか…と危惧していたらしいのだ。



『 ところが、です!父のプロポーズを母がすんなり受け入れたんです!しかもたった一回で、ですよ!?本当に驚きました!! 』



 プロポーズは、ホテルのレストランで、ディナーの時に…だったらしい。


『 それって、でも本当は、二人ともいい年だったので人目を避けるべく、ホテルの一室で二人きり…の予定だったらしいのですけどね 』


 しかしホテル側の手違いで部屋に入れなかったらしいのだ。

 けれど結果としてそれが功を奏したのだろうとキョーコちゃんは分析していた。


『 何しろ母はとにかく人目を気にする人ですから。二人きりだったらきっと首を縦に振らなかったと思います。だから手違いが二人を結び付けてくれたんだって、あとで父からこの話を聞いて感謝したぐらいです! 』



 拗れまくったあの母が、すんなり受け入れたくなるほどそれは素敵だったに違いない。


 想像しただけで胸がときめき、自然とキョーコちゃんは自分もそのプロポーズが良いと思うようになったとか。

 それからずっと憧れています…と続いたキョーコちゃんの声は、まんま乙女のそれだった。



『 ただ、私自身は父が計画していたホテルの一室で…の方に憧れています。だってプロポーズなんて完全に二人だけの都合じゃないですか。だから、レストラン内で人様の注目を浴びるより二人きりがいいかなって… 』


「 なるほど、了解。じゃあね、そういうシチュエーションになるように敦賀くんと約束しちゃえばいいよ。それで食事中にでも自分のご両親のプロポーズ話をさりげなく振っちゃいな。それならどんな鈍い男でも気づくよ。そういうプロポーズが良いって伝えようとしているんだなって 」


『 そ…そうでしょうか…。でも、今まで牛丼屋さんとかラーメン屋さんとかだったのに、いきなりホテルでディナーなんて誘ったら、敦賀さん、困らないでしょうか… 』


「 キョーコちゃん、そこは言い方!デートの時いつも車を出してもらっているので、とか、何度もお食事をご馳走になっているのでたまには私がご馳走します、とか、誘いネタはいくらでもあるでしょ? 」


『 は、そうですね!社交辞令的なことを言えばいいんですね?! 』


「 そうそう 」


『 分かりました。ではそのうち、頑張ってみようと思います! 』


「 よし!じゃあ、実行する前にちゃんと俺に報告してね? 」


『 もちろんです!! 』




 ……というネタをもって俺は敦賀くんと策を練った。


 ここで意外だったのは、彼女はかなり真剣に敦賀くんとの結婚を考えているらしい…と話した途端、彼が冷静な男に立ち返ったこと。



「 問題は、キョーコちゃんが敦賀くんを誘うまでこちらが動けないってことだよな。ホテル側が対応してくれなかったら万事休すになっちゃうから 」


「 社さん、それ、問題ないです。俺が最上さんにリクエストをします。誘いを受けたときに、お見合いしたホテルのディナーで、と 」


「 !!なるほど。それなら現時点でホテルに依頼をしておくことが出来るな 」


「 はい。今から話を通しておいて、彼女からの予約の電話は普通に受けて欲しいとお願いしておきます。

 部屋の確保はともかく、ディナーとレンタル衣装の予約は2日程度あれば調整してくれると思いますから、少し色を付けて払えるものは前払いして協力を仰ごうと思います 」



 ハイ、そうです。

 つまり当然のことながらホテル側もグルな訳で、今日プロポーズされることを知らないのはキョーコちゃんのみなのだ。



「 あー、待っている身はつらい。早く報告こないかなー 」



 俺の小さなつぶやきに、近くにいたテンさんがすぐさま反応してくれた。



「 大丈夫よ、社くん。だって社くんが二人のスパイになってやっと今日を迎えることが出来たんじゃないの。きっとすぐ幸せの報告が届くわよ 」


「 スパイって、聞こえ悪い… 」


「 あら、ごめんなさい、訂正するわ。社くんは腕のいい仲人よ。だから心配いらないわ 」


「 そうだと信じていても、やっぱり心配なんだよ…… 」



 今だから言うけれど、俺がキョーコちゃんにお見合い数を積み重ねさせたのは、どこか自分に自信がない彼女のそれを払拭させるためだった。




 ――――――― そんなんだからあなた結婚できないのよ!!



 ボロッボロに傷ついて、零れ落ちて行った繊細な涙たち。

 彼女はそのとき失くす必要のない自信まで取りこぼしていた。


 LMEに登録して、婚活を再開して、キョーコちゃんが自分を取り戻せるまでの間に彼女自身で良いと思える人が現れたらそれも運命かと俺は考えていたけれど、しかしどうやら何かが違うらしい。



 だったらもう、自分のインスピレーションを信じてみようと思った。


 そうなのだ。

 俺は最初から、本当は敦賀くんとキョーコちゃんを引き合わせたいと考えていた。


 キョーコちゃんのあのセリフを聞いた時から…。




 ――――――― 私は、相手の年収とか学歴とかはどうでもいいと思っています。私を引っ張ってくれる人なら、スペックにはこだわりません。




「 おまたせ、最上さん。ごめん、俺の方が少し時間を食って待たせちゃったみたいだ。ごめんね? 」


「 そんなこと……っていうか、何ですか、敦賀さん、その恰好?! 」


「 え?おかしい?ホテルの人にはお似合いですって褒められたんだけど… 」


「 おかしいなんてとんでもない!!……すっごく素敵です!!いつもカッコいいと思っていましたけど、今日は最高に素敵です!! 」

※原作3巻ACT.16、某大物女優40周年パーティ出席時のアルマンディ着用中。


「 ありがとう。そんなに褒めちぎられると照れくさい。最上さんも可愛い。ドレス、凄く似合ってる 」


「 ありがとうございますっ! 」


「 本当にお二人ともとてもお似合いですよ。そして大変お待たせいたしました。ディナーをご提供させていただきますお部屋はこちらとなります。ごゆっくりどうぞ 」


「「 あ、はい 」 ……え? 」



 本人にその自覚はどうやら無いようだけど、キョーコちゃんは正真正銘のお嬢様だから、通された部屋がスイートである事などきっとすぐに気づくだろう。



 敦賀くんの計画では、このあとすぐプロポーズをすると決めていた。


 なぜかと言うと、ディナー予約をしたキョーコちゃんが、手違いのことを食事の間中ずっと気にするのではないか、と考え、敦賀くんがそうすると決めたのだ。



「 ……え? 」


「 最上キョーコさん。どうか俺と結婚してください。君を一生幸せにすると誓います 」



 そう言えば敦賀くん、俺のアドバイス通りに宝石を用意していた。

 一回だけ見せてもらったけど、かなりお高めの石と見た。


 その宝石には既に名前がついていて、なぜそうなったのかはさておき、プリンセスローザ…というらしい(笑)



 たぶん、あれを見たらキョーコちゃんはびっくりするんだろうな、と俺は思った。

 そしてその通り、これは後で聞いた話だけど、彼女はそれを見るなり驚愕の表情に変わってしまって、受け取れない!…と全身で拒否をしたとか。



「 な…なんですか、これ?こんなの、受け取れません! 」


「 なんで?それは俺と結婚したくないってこと?でも俺たち、結婚を前提に真剣交際をしていたよね?それは君から言い出したんだ。なのに、受け取ってもらえない? 」


「 違います!!こ…こんなびっくりサプライズプロポーズ…自体は嬉しい。凄く嬉しいんです!でもいまは、嬉しいより怖い!!だって、こんな高価な石、受け取れません!!お願いですから、今すぐ返品して来てください! 」


「 ……なんでこれが高価って分かる? 」


「 分かりますよ!言ったことありませんでしたけど、私、鉱石鉱物が専攻なんです!大学で受け持っている講義は鉱物学です! 」


「 あ、鉱物学。なるほど、そうか 」


「 そうか…じゃないです。敦賀さん、いくらお金の使い方が上手でも、こんなのは絶対ダメです!今すぐ返してきてください。せめて普通のダイヤに変更してください 」


「 ……出来ないよ。だってこれは君のために悩んで、悩んで、やっとこれって決めたものなんだ 」


「 でも敦賀さん…っ…!! 」


「 あのね、君がいま俺を気遣ってそう言ってくれているって判ってる。年収270万の男がこんな背伸びして…ってことだよね?ありがとう。

 だから俺、君に惹かれた。そんな君だから一緒になりたいと思った 」


「 ふぇぇぇぇ…??? 」





 ――――――― ウチの息子をお願いします!



 敦賀くんの父親が、土下座同然でLME結婚相談所にやって来たのはもう3年以上も前のこと。


 実は敦賀くんの実家は京都にあって、実家は大層な資産家だった。


 若い頃から自分ではなく、家のお金を目当てにすり寄られることが多かった彼は、その時点で女性不振に陥っていたという。


 それでも、仲の良いご両親を見ていたせいか、結婚に対する憧れはどこかに持っていたのだろう。


 その証拠に彼は大学を卒業し、就職先を東京に決めると、新天地で何度か恋人を作っていた。しかし結局長続きはしなかった。どころか彼は女性不振に益々輪をかけてしまっていた。



 一般的な認知度は低いかも知れないが、彼は自然科学研究者の一人で、その平均年収は706万。

 つまり実家を脱した東京でも、彼に近づいてくる女性は年収目当ての女ばかりだった、というわけだ。


 結婚する気を失った一人息子は、以降恋人すら作らず、30歳を過ぎても独り身のまま。

 そんな彼の将来を案じた両親が無理やり敦賀くんを引っ張って、かなり強引にLMEに入会させたのだ。


 そういう経緯だったため、最初からやる気が無かった敦賀くんはスタッフの話に一切耳を貸さず。


 俺が彼の担当をすることになったのは、敦賀くんのご両親に泣きつかれ、担当したスタッフにも泣きつかれたからだった。



 登録してもらった以上はプロフィール票を作ってもらわねばならない。

 それにあたって俺は、やる気のない敦賀くんにこう提案をした。



「 敦賀くん。君の年収をわざと低く書いたらどうかな?そのプロフィール票を見て申し込んでくれる人は、間違いなくお金目当てじゃないよね? 」



 結婚相談所のプロフィール票は嘘が無い…と思い込んでいる人が大半だろうけれど、実際は決してそうとは言い切れない。


 なぜかと言えば、本来の年収より高くすることは出来ずとも、敦賀くんのように資産や年収目当てを避けるため、意図的に減額した年収を記載することに規定はないのだ。


 前にキョーコちゃんが登録していた相談所のプロフィール票で年収欄が空欄だったように、男女の別なくおよそ30人に一人の割合でそういう登録者は存在する。



 ともかく、俺の話を聞いて納得してくれた敦賀くんは、俺の提案を受け入れてくれた。



「 それもそうですね。いいですよ。じゃあ、俺の言う通りの内容にしてくれるのならプロフィール票を作ってもいいです 」


「 OK!君の言うとおりにしよう! 」



 結婚というのは、20代半ばまでなら顔が良ければ全然OK!という所があるのだが、しかし婚活界においては、いくらイケメンでも30代ともなればお金を稼いでいない男性との結婚は難しい…と考える女性が大半を占める。



 一般的に言うと、女性が考える最低年収の理想は300~500万。



 そこで敦賀くんは、念には念を…の考えで相当写りの悪い写真をお見合い用として採用。また過去に仕事として扱ったそれをマニアな趣味として書き連ね、独特のプロフィール票を作り上げた。


 そして年収に至っては……



「 え?つまり、敦賀さんのプロフィール票に書かれていた年収は、本当の年収ではないってことですか? 」


「 そう。その金額は実は年収じゃなくて俺の月収。しかも仕事とは違う収入のものなんだ 」


「 ……はい???仕事とは違う収入? 」


「 もともと自然科学研究の仕事って残業が一切ないんだ。でも俺、どこかに遊びに行って派手にお金を使うってこともしなかった。そのうち、別に失敗しても良いかって気分になって…… 」



 蛙の子は蛙…とは昔の人は良く言ったものだと俺は思う。

 東京に出てきてから敦賀くんは、実家のご両親と同じように不動産を徐々に所持していったのだ。


 LMEに登録した時点で彼は自分名義のマンションをいくつも所持していて、その家賃収入だけで月収270万。



 彼は生まれた時からお金には何不自由のない生活を送っていた。そんな彼にただ一つだけ不足していたのは、心から寄り添うことの出来る安らげる伴侶だった。



 登録してから3年間。彼の思惑を肯定するようにお見合い申請は一件もなく、彼自身ももしかしたらLMEに登録していたことなど忘れていたかもしれない。


 ところが、明らかに稼いでいてお金目当てではなさそうなキョーコちゃんからお見合い申請が初めて届く。

 彼は相当驚いたと思うんだ。


 何しろ俺の電話を受けたとき、足の小指を机にぶつけてしまうぐらい動揺していたのだから。



 同時にどこかで不信感を持っていたに違いない。だからあの日、彼はホテルの入り口で待ち伏せしていたのだろうと思う。



「 初めて会ったあの日に、もし、最上さんが俺の職業を聞いてきたら…。あるいは俺の年収を確かめてきたら、その時点で俺は帰ろうと思っていた。でも君は、一度も聞かなかったんだ。

 あの日だけじゃない。今日までずっと……たったの一度も 」



 育ちのよさそうな見た目にも関わらず、牛丼屋やラーメン屋に連れて行って欲しい…とおねだりしたキョーコちゃんに彼は見事に打ち抜かれていた。



「 最上さんは俺の内面を見てくれる素晴らしい女性だと思った。君以外の人との結婚なんて考えられない 」


「 ……私、こそ。私、ずっと探していたんです。力強く私を引っ張ってくれる男性を…。敦賀さんに出会えたとき、本当に嬉しかったんです、私 」


「 俺が守る。何も知らない君を俺が一生、守るから。俺と結婚してください 」


「 …っっ!!はい、はい…よろしくお願いします。よろしく…… 」




 ――――――― 敦賀さん。ラウンジのドリンク代も支払って下さったのに、ここでもなんて悪いです。牛丼代は私が…。



 ……いいんだよ。君は時間を使ってわざわざこっちに来てくれただろ。そのお礼を俺が出すのは当然だから。それより、昼ご飯に付き合ってくれてありがとう。ほら、邪魔になっちゃうから外に出て?



 スマートな誘導、さりげないリードテク。

 それには少しも嫌味がない。



 ハイスペックがネックになっていたキョーコちゃんは、それでもLME結婚相談所で婚活を始めてから、何も知らないこの子を俺が守ってあげないと…と言ってくれる男性、敦賀くんに出会えた。



 お互い裕福な家庭で育っていたため、共通点も多く、また子育てや仕事の価値観もピッタリ。

 生活水準も二人は似通っているから、結婚してからトラブルになることも無いだろう、と俺は思っていたのだ。



 携帯が振動して、着信相手を確認せずにすぐ通話ボタンを押して応答した。



「 はい、社っ……そう、そうか!!良かったな、おめでとう。その報告を待ってたよ!! 」



 後日、成婚退会手続きのためにLME結婚相談所まで足を運んでくれた二人は、とても幸せそうだった。





 ――――――― 大人になったら……



 お嫁さんになること。


 そしていつかお母さんになること。



 子供の頃はごく自然に、それが当たり前だと思っていた。


 だけど、実際には大人になったから結婚をするんじゃなくて、大人になったから子供を産むわけでもなかった。


 年齢は、重ねるごとに幸せになれる魔法ではないのだ。



 よく、結婚は恋愛の延長線上にあるもの…と聞くけれど、その考え方は間違いだとこの頃の私は考える。



 昨日までの恋愛を

 今日の結婚に変える意思が無ければ、恋愛はずっと恋愛のままなのだ。



 そして愛情というものは人に与えるだけではダメで

 人から貰うだけでもダメで


 循環して初めてバランスが取れるものだということを、私は敦賀さんと出会ってから知った気がする。



「 いらっしゃいませ。おふたりさまでしょうか? 」


「「 はい、ふたりです 」」


「 …くす。ご案内いたします。どうぞこちらへ 」


「「 ……っ…はい………クス 」」



 肩を並べていた私たちは自然と顔を見合わせて

 微笑み合いながら、二人で居られる幸せを噛み締めた。 






   E N D


原作には絶対ないスピード婚(笑)

お付き合い頂きましてありがとうございました♡



⇒おふたりさま物語◇16・拍手

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※おまけ話はこちら⇒「おふたりさま物語◇おまけ」



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