「ジューンブライド」が推奨された本当の理由とは・・・(なんと欧州の「入浴」の習慣だった!)
みなさん、「ジューンブライド」という言葉はご存じですか?(ですよね?)
ジューンブライド(June bride)とは、「6月の結婚・6月の花嫁」という意味で、6月に結婚式を行うと一生幸せな結婚生活を送れるという、ことわざと言いますか、言い伝えといいますか・・・
なぜ「6月」なのか、考えたことはありますか?
一説によると、6月はゴールデンウィークやお花見の季節が終わり、夏休み(7月)が始まる前、しかも祝日のない6月の売上を上げるための百貨店の戦略!というふうにも言われていますが・・・
(日本では、ホテル業界やブライダル業界が1960年代後半からアピールを始めたものだそうです)
実は、これはもともとはヨーロッパに古くから伝わる伝承と言われています。
でも、なぜ6月なのでしょうか?
UnsplashのAlex Padurariuが撮影した写真
「6月」は英語では「June」ですが、Juneの由来はローマ神話の女神ユノ(Juno)です。
「女神ユノはローマ神話の主神ユピテルの妻で、結婚・出産・育児の象徴であり、女性・子供・家庭を守る神とされています。古代ローマ人にとっての最高位の女神であり、主に女性の崇拝を集めていました。ローマ神話では1月から6月までそれぞれの月を守護する神がおり、ユノは6月を守る女神です」
出所:ジューンブライドとは?幸せになるとされる由来やメリット・デメリットを解説! | 東京のラグジュアリーホテルならホテル椿山荘東京。【公式サイト】 (hotel-chinzanso-tokyo.jp)
では、なぜ「6月」が「Juno」の月になったのでしょうか?
その由来は、実ははっきりしていないのだそうです。
ただ、どうやら逆の考えができるようです。
つまり、6月あたりが「結婚に最適な季節」だったから、6月を「ユノの月」(Iunius mensis)とされたというのです。
6月が結婚に最適な季節というのは、「暖かくなって季節的に良い」というのが概ねの説ですが、カレンダー(暦)が出来た理由を考えても、6月が結婚に最適な季節とされたのも納得いきます。
つまり、カレンダー(暦)が発明されたもともとの理由は、「農期」を管理するため。
農業で重要な季節を把握するために使われるようになったのが「カレンダー」です。
農業と言えば、春先は種まきをする重要かつ多忙な季節。
それが一段落するのが今の「6月」頃というわけです。
その時期に結婚をする人が多かったわけで、その時期に結婚するのが「良し」とされたわけです。
それに加えて、こんな説もありました。
6月に結婚すれば(順調に行って)翌年の春先に子供を産むことができ、子育てしやすいというもの。
だから、6月に結婚するのが奨励されたというわけです。
確かに、これは理に適っていますね。
そして、もう1つ面白い由来エピソードを見つけました。
その出所はこちらなのです↓
出所:The Tradition of the June Bride (brombergs.com)
この記事に書いてあったのですが、June Brideは中世に由来し、しかも当時の「入浴」の習慣に由来するという説が唱えられていたのです。
それがちょっと衝撃でした!
欧州では、今でも、日本に比べると頻繁に入浴する習慣があまりないと思います。
日本人には、毎日のように入浴することを習慣としている人が多いと思います(うちの両親は、古い人なので1週間に1回くらいしか入浴しませんが)
欧州の場合、多くの人が(若い世代は変わってきているかもしれませんが)1週間に1回くらい入浴する感じだと思います。
もしかしたら、もっと少ないのかな!?
しかし、上で引用したJune Brideの記事によると、中世では入浴の習慣がもっと稀だったようです。
しかも、その稀(まれ)度が衝撃でした!
記事の解説によると、当時の欧州では「入浴」をすると病気にかかるリスクがあると考えられていたようで、多くの人が1カ月に1回か、あるいは数カ月に1回だったそうです。
しかも、それは上流階級の人たちの話で、農民レベルになると1年に1回だったそうです。
ひえ~、現代の日本人からすると、それはちょっと衝撃ですよね
その1年に1回の時期というのが、春の終わり。
おそらく暖かくなって農業が一段落したころということだったのだと思います。
そして、体をきれいにして、臭くなくなった時期に結婚式を挙げるのが良いとされたのが、June Brideの由来の1つなのだそうです。
ちょっと衝撃ですよね。
また、この時期に豊富に採れる花から取った香水を使ってよい香りをまとって式を挙げるのに都合が良かったのだそうです。
さまざまな工業製品が揃っていて、香水から何から何まで年中手に入る現代にしてみれば、ちょっと想像を絶するような話ですが、当時はそうだったのかもしれませんね。
どこまでリアルな話かは定かではありませんが、種まきが一旦落ち着き、子育てのことなども考えると、1年の中でこの時期がいちばん結婚に適した時期だったということは、少なくとも納得できますよね。
農業国である日本でも、その習慣がすんなり受け入れられたというのも納得できますね(それがホテルやブライダル業界の戦略だったとしても)。
6月になると、日本でも田植えが終わり、農業的には一旦落ち着く季節かもしれません。
ただ、うちの親戚はサクランボ農家をやっているのですが、サクランボは6月が収獲のピークで、まさに家族総出でてんやわんや。
山形のサクランボ農家は、「ジューンブライド」をやっている場合ではないかもしれませんね。
6月のサクランボが終われば8月の豆の収獲に向けて忙しくなり、9月になれば米の収獲に向けて忙しくなり・・・
現代の農家は、3月から10月までみっちり繁忙期で、結婚式を挙げるとすれば、やはりオフシーズンの冬が最適なのかもしれません。
とはいえ、やはり「ジューンブライド」で幸せな結婚をするのは、多くの人の夢でもあるのかもしれません。
それはそれで、素敵なことですよね。
今月ご結婚されるみなさんは、おめでとうございます
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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