「おはよう」イタリア語やフランス語などでは単数形なのに、スペイン語では複数形になる3つの説
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さて、
今日の話題は
第2外国語としても人気のスペイン語
最近では
スペインバルを街のあちこちで
見かけるようになりましたし
街でスペイン語を
耳にすることも
かなり増えました
私が勉強をはじめたころ
40年近く前の話ですが
当時は教材も少なく
辞書も古いものしかなく
しかも
小さな辞書でも1冊6,000円とか
とても貴重なリソースでした
サッカー人気も手伝って
数字やちょっとしたスペイン語なら
単語レベルで知っている
という人も
多いでしょうね
いずれにしても
私にとっては
とても嬉しいことです
挨拶も
耳にしたことがあるんではないでしょうか・・・
オラ!
何ていう挨拶は
知っている人も多いと思います
おっす、オラ悟空!
の
「オラ」
とはちょっと違いますよ
Hello
という意味の
オラ
Hola
です
「ホラ」
ではありません
「オラ」
です
「おはようございます」は
buenos días
(ブエノス・ディアス)
「こんにちは」は
buenas tardes
(ブエナス・タルデス)
「こんばんは」「おやすみなさい」は
buenas noches
(ブエナス・ノチェス)
フランス語は
恐らく幅広い世代の方が
ご存じかと思います
ボンジュール
ですよね
bonjour
イタリア語も
ご存じの方が多いのではないですか?
buiongiorno
ブオンジョールノ
※「ボンジョールノ」
だと思っている人が多いかもしれませんが
「ボン」ではなく「ブォン」
です
ブォン
それから
どこかに
「ヴォン・アペッティート」
というレストランがあったかと思うのですが
イタリア語の「召しあがれ」
という意味の
buon appetito
は
「ヴォン」
ではなく
「ブォン」
です
V ではなく B で始まるので
ヴ
という発音にはなりません
ブ
です
ブックの ブ
えっと
話が随分と脱線したのですが・・・
スペイン語の「おはようござます」
という意味の
buenos días
なぜ
複数形なのか
気になったことありませんか?
días
は
英語で言う「day」という単語と同じ
日
という意味
día の複数形が días
day - days
みたいな感じです
それに合わせて
「良い」という意味の
bueno も buenos と
複数形になるのが
スペイン語の特徴なのですが・・・
ともかく
なぜか
「おはよう」のdíasが
複数形なんです
朝は1つですよね?
ちなみに
午後のあいさつ
「こんにちは」の
buenas tardes
も複数形
夜の挨拶
buenas noches
も複数形なんです
同じラテン語を起源とする
イタリア語やフランス語は
単数形なんです
「良い朝」
という意味
これは納得できます
でも
スペイン語は納得しがたい・・・
実は
これには諸説あって
はっきりとした答えは
分かっていないそうです
でも
その諸説が
いずれも説得力があるので
今日はそれをご紹介したいと思います
「スペイン語の挨拶はなぜ複数形なのか?」
①この挨拶には続きがあった
Buenos días te dé Dios
もともとは
こういうフレーズが挨拶として交わされていた・・・
つまり
「神が汝に良い日々を与え給うように」
これは
その日1日だけでなく
日々、良い日を与えてもらえますように・・・
という挨拶だった
ということです
それが短くなって
Buenos días
となったというのが
最初の説です
「こんにちは」も「こんばんは」も同様に
Buenas tardes te dé Dios
「神が汝に良い午後を与え給うように」
Buenas noches te dé Dios
「神が汝に良い夜を与え給うように」
これが短くなって
最初の部分しか言わなくなった
ということです
②もともと礼拝の言葉だった
キリスト教には
oras canónicas(時課)というのがあって
1日を7つに区切って
その都度礼拝をしたいたのだそうです
夜明け前がmatines
明け方がlaudes
明け方から6時頃がprima
9時頃がtercia
正午頃がsexta
午後3時頃がnona
午後6時頃がvísperas
夜9時頃がcompletas
ということで
朝の時間、
午後の時間、
夕方の時間
いずれも
1つの区切りではなく
複数の区切りがあり
それを挨拶として使ったので
複数形になる
というのが
2つ目の説です
3つ目の説が
③強意の複数形説
強意の複数形については
以前、別の話で取り上げました
よろしければそちらも
お読みください
Congratulations が複数形になる理由… 「キョウイの複数形」をご存じですか? | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所 (ameblo.jp)
フランス語やイタリア語
そして
英語にもこの用法はあります
数えられない名詞を
複数形にすることで
意味を強調するのです
たとえば
「ありがとう」
スペイン語では
Gracias
(グラシアス)
と
必ず複数形になります
イタリア語も複数形です
Grazie
(グラッツィエ)
フランス語は
単数形ですね・・・
Merci
英語でも
Many thanks
なんて言います
これらはすべて
強調している複数形なのです
それを
強意の複数形
と言います
驚異の複数形でも
脅威の複数形でもありません
「強意」です
意味を強めているのです
強めることで
強く願う
ということなのでしょう
この用法は
覚えておくと便利です
Congratulations!
を
複数形にするのを
忘れなくなりますよ
ともかく
スペイン語の挨拶が複数形になる理由は
以上の3つの説が
主な説のようです
それは分かったのですが
じゃあ今度は
なぜ、他の言語では
複数形にならなかったのか??
というのが
まだ疑問で残ります
Photo by Nick Fewings on Unsplash
ストレートに
「良い朝!」
という意味で単数形なんでしょうけど
スペイン語では複数形のい言い回しを挨拶にしたのに
なぜ、他の地域では
そうならなかったのか?
同じカトリック教でも
そうならなかった理由・・・
それについては
まだ研究が進んでいません
いつか調べられたらいいなぁと
思います
ちなみに
スペインでは
スペイン語以外にも
カタルーニャ語
ガリシア語
バスク語
など
いろいろな言語があります
それから
同じイベリア半島の
ポルトガル語もあるわけです
それらの言語はどうか・・・
と言うと
カタルーニャ語: Bon dia (単数形)
ポルトガル語: Bom dia (単数形)
これに対して
ガリシア語:Bos días (複数形)
ガリシア語だけは
複数形でした
カスティーリャと関係が深かったから
でしょうか・・・
どうなんでしょ・・・
同じ宗教で
隣接している地域なのに
このような違いがあるのは
とても興味深いです
スペインには
バスク語
という言語もありますが
これは
スペイン語やイタリア語などの
ラテン語系とは
全く違う言語です
その存在も不思議です
Buenos días は
バスク語で
Egun on
だそうです
すいません、
これは単数なのか複数なのかすら
勉強不足でまったくわかりません!
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