バランスは両端から支える!


 パッセのバランスにせよ、アラベスクのバランスにせよ、片脚でポワントに立ってバランスを取る事はあまり難しい事ではありません。 原理さえ理解していれば至極簡単に出来る事です。 そしてバランスが取れない理由は原理を間違って解釈しているからに他なりません。

 バランスの取り方の原理について説明しますので指導者やプロダンサーの方々もレッスンで試して下さい。



 バランスを取ると云うのは『トレイの両端を持ってトレイを水平に支える』様な物です!



 トレイを骨盤に置き換えて考えて下さい。

 例えばトレイに飲み物を乗せて運ぶとします。 この時にトレイを支える方法としては、トレイの両端を両手で支える、トレイの中心を手のひらで支えると云う二つの方法が考えられます。


 更にポワントに立ってバランスを取るとは指先しか使えないと云う事なのでトレイの支え方も指先だけに限定します。

 ではトレイの中心(重心位置)を指先だけで支えるのとトレイの両端を指先で支えるのとでは、どちらがより安定するでしょうか?


 答えは一目瞭然でトレイの両端を支えた方が遥かに安定しますしコントロールも簡単です。 他方で中心の一点だけでトレイを安定させるのは非常に難しく重心位置を探すだけで物凄く時間が掛かります。


 それに飲み物と云うのは液体なので微妙に揺れ動いて、その度に重心位置が変わります。 しかし、トレイの両端で支えていれば重心位置の変化にも簡単に対応出来ますが中心の一点で支えている場合は対応が困難です。

 体幹も液体の様に無意識の内に細かく揺れていますので同じ様に重心位置の変化も絶えず起きています。 ですから中心軸の一点でバランスを取る事はとても難しい事なのです。


 パッセバランス等で中々バーが離せないのは、一点でバランスを取る方法を選択している為です。



 上記の様にバランスを取る為には骨盤を両端から支えて上げれば良く、パッセのバランスでは膝を骨盤の延長として考えて膝を支えて上げるのです。 アラベスクやアティテュードも同じ様に考えて骨盤と膝を下から支えて上げればバランスは簡単に取れる様になります。


 またピルエットの時にパッセを下げては駄目なのは、それが両手で支えていたトレイの片端を放す様な行為だからです。

 片端を放したらトレイはひっくり返りますが、パッセを下げたら骨盤も同じ様に急激に傾いて軸脚ごと崩れ落ちてしまいます。



 そして骨盤やパッセの膝を両端から支えて上げられるのならば、そこを回して骨盤を直接回転させる事も可能です。 つまりピルエットやプロムナードではバランスを取る事と回転力を生み出す事を同じ場所でコントロールが出来るのです。

 これはアラベスクやアティテュードのターンでも同様で回転原理もバランスを取る原理も同一なので至ってシンプルで本当に簡単だし無駄な力を使わないのでとても省エネになります。



 実はバットマンタンデュ等の脚を上げない時でもこれと同じ考え方でコントロールすると身体の引き上げも脚の張りも格段にレベルが上がるのでレッスン全般において左右から骨盤を支えると云う意識でトレーニングをしてみて下さい。


 





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全体を俯瞰しなければ正しく踊れない!


 『木を見て森を見ず』と云う言葉があります。 ごく限られた部分だけを見ていて全体像を見ていないと云う意味ですがバレエではこの様なダンサーが意外にも多いのです。


 例えば足先を美しく見せる為には、そこに繋がる全て、つまり全身の繋がりを意識しなければなりません。 これは全身の調和を取る事が大切という事で足先にどれだけの力や意識を注ぎ込もうと他の部分が抜けていては調和が取れず全体としては美しく見えなくなるのです。


 バットマンタンデュ等の時に足先にばかり意識を集中して、もっと甲を出そうとしたりするのは将に限られた部分だけに注目していて全体像が見えていない近視眼的な状態と言えます。 甲を出したければ自分の身体を俯瞰して全身一体の引き伸ばし、中心への引き締めを意識すれば結果的に甲は出て来ます。


 腕と脚の連動が上手く出来ない人も、腕と脚の各部を近視眼的に見ているから連動出来ないのです。 初めから全体を俯瞰し全身が一体で動くという視点からレッスンすれば身体の連動はとても簡単に出来ます。



 ストイックなダンサーというのは反面で、この様な近視眼的な思考に陥りやすいので、視野を広く持って『木を見て森を見ず』にはならない様に気を付けて下さい。






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股間を広げて踊るのは上品?


 普段は『骨盤は傾けてはダメ、確りとお尻を締めてまとめて!』という様な表現で注意をするのですが、今回はあえて下品な表現をします。


 それはバレエの上品な表現方法とは全く相反する様な開脚を多くのダンサーや生徒達がするからです。


 グランバットマン等で骨盤を動かすとは大股開きで股間を広げて観客に披露する様な物で、そうまでして脚を高く上げて恥ずかしくないのかな?と私は常々思っていました。

 私からしたらお尻の穴を広げて観客に見せている様な感じがして、その様な脚の動かし方は見るのもやるのも恥ずかしくて仕方ありません。 実際にお尻の穴を締めたままで脚を動かすと骨盤は動き難くなりますしね。

 一般の観客の感覚からしても大股開きて股間広げて見せられては恥ずかしいと感じると思うのですが。


 例えバットマンタンデュでも股間が広がる様な脚の動かし方は恥ずかしいと云う思いが私は強いのですが、皆さんはどうですか?


 チュチュを履いて、大股開きをすればスカートを捲くり上げて股間を見せる様な形が強調されるので、決して美しくも上品でも無くなります。


 『骨盤を動かさない』

 『骨盤を締める』

 『お尻を締める』

 『丹田に力を入れてまとめる』


 この様に色々と注意をされますが、これを守らないと体幹が保てないと云う技術的な理由だけでなく股間を広げて観客に披露すると云う下品な踊りに成り果てるからなのです。



 では何故多くのダンサー達がこの大股開きをしてしまうのでしょうか?



 それは一般人の感覚を理解していない事と『みんなやっているから!』と云うダンサー達の中だけの集団心理から、それが恥ずかしいと云う感覚が無いからでしょう。


 一般の人達にとってはタイツとレオタードと云う身体のラインをはっきりと見せる姿でさえ裸を見せられている様で恥ずかしいと感じるのに、大股開きは更に見てはいけない物をみせられる感覚でしょう(^_^;)


 こういう話があります。 その昔、王子の衣裳はタイツの上にかぼちゃパンツが定番だったのですが、あるダンサーがかぼちゃパンツを嫌いタイツ姿で舞台に立ったそうです。 その当時はズボンを履かずに下着姿で舞台に出た感覚だったのでしょうね。 その一件でそのダンサーは劇場を鶴首されたそうです。 その位に下品で衝撃的な出来事だったのでしょう。


 現在は多様な価値観が認められていますが、それでもタイツ姿のダンサーを見る事に対して恥ずかしく感じる感覚は色濃く残っています。 ですから股間を広げる行為なんて論外なのです。


 ガニ股が忌避されるのも美しくないという理由もあるでしょうが、やはり股を広げている姿であると云うのが下品さを感じさせるのです。


 ですからプロダンサーも生徒ももっと周りからどの様に見られているかを感じ取って欲しいのです。


 同じ開脚でもお尻を締めているのと締めていないのでは全く異なって見えます。


 下品に見えない様に動くと云う事が基礎で教えられている事と一致するので単に脚を高く上げるのではなく股間を開かない、他人にデリケートゾーンを見せないと言った意識を持ってレッスンして下さいね(^_-)-☆






 ※今年の火曜特別クラスは金米糖のアダージオを練習して行きます。 立ち方だけでなく腕の使い方を重点的に練習しますので他所では学べない内容になります。


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焦りが一番の敵!


 これはテクニックに限った話では無いのですが、何かが上手く出来ないと脚が弱いとか、体幹が弱いから、それを鍛えなければという話に直ぐになってしまうのですが実は本質はそこにはありません。


 バレエの動きやテクニックには身体を動かす順番という物があり、脚を伸ばす時には膝から先端に向かって順番に関節を伸ばして行くという様な事がありとあらゆる動きに存在しています。


 この動きの順番を守ると自然に踊りが力強く美しくなります。


 これとは逆に動きの順序を考えずに踊ると出来る筈の事も全く出来なくなります。


 例えば跳躍では身体(脚)を引き伸ばす動作が先に完了してからつま先は床から離れますが多くの人は身体が伸び切る前に足を床から離してしまいます。 またピルエットでパッセに脚を引き上げるのは全ての動作の一番最後になるのですが、多くの人は他の動きを無視して早くパッセに脚を引き上げようとして結果的に回転も立ち上がりも全てを中途半端にしてしまいます。


 何故こんなにも順番を無視して踊ってしまうのでしょうか?


 焦ってしまうからです!


 人間というのは焦れば焦る程普段の実力を出せなくなり、普通なら簡単にやれる事さえ全く出来なくなる生き物なのです。


 焦る原因は、基礎力や筋力の不足、やろうとしているテクニックへの理解不足、そして練習不足、練習方法の誤り等が考えられますが、焦りを取り除く為には、そのテクニックを構成している動作がどの様に組み合わさっているのかを正しく理解する事が良いでしょう。


 テクニックの構成が解れば、動作の順番も一目瞭然で理解出来る様になり、練習方法の目処も立ちますし、どの様なテクニックでも段階を踏みながら練習する事が出来る様になって来ます。


 こういう段階を踏みながらの練習というのは自信をつけて焦りを生む余地を無くして行くので、とても効果的だと思います。


 時間が無いとか早く上手くなりたいとかいう思いは焦りを生みますから、何事ももっと心を落ち着けて練習してみる事をお勧めします。




 


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ルレヴェとドゥミポワントは全く違う!


 『ピケ(Piquer)』は刺すと云う意味なのは皆さんご存知だと思いますが、実際につま先を床に突き刺す様にしてポワントやドゥミポワントに立たなければなりません。 ピケは『ルレヴェ(Relever)』と違い脚全体をタンデュしたままポワントへ立ち上がりルレヴェはプリエから脚、足首、つま先の順に関節をタンデュして行く事でポワントへ立ち上がります。


 建物の2階に上がる事に例えるとピケは棒高跳びで2階に上がりルレヴェはエレベーターに乗って2階に上がるイメージですね。


 指導者でもルレヴェとドゥミポワントを混同している人が多く見られますがこの2つは全く違うものです。 ルレヴェはドゥミポワント、ポワントに上がる為の方法なので間違えない様にして下さい。





画鋲を刺す様につま先を床に刺す!


 さてアテールでもポワントでも片脚でも両脚でも立っている時に骨盤から上の上半身のバランスを安定させる事は踊る上で最も重要です。

 特にピケで立つ時は斜め上に向かって上がらなければならない為にバランスを取る事を難しく感じると思います。 しかし、どの様な立ち方にせよバランスを取るのが難しい理由は重心位置の問題だけではないのです。 では何が問題なのかと言うと、それは立っている時に骨盤がフラフラと動いてしまう事です。

 何故腰が動いてしまうのか? それは骨盤を下に向かって押していないから。


 例えば棒を床に立てるとします。 棒を上から押さえれば、押さえない時よりも安定します。 また棒の下に滑り止めを付ければより安定しますし、画鋲を貼り付ければ床に突き刺さってもっと安定します。


 しかしバランスを取るのが不得手な人は上記の様な事は何もせずに単に棒だけを単体で立たせ様としているのです。 これでは棒がフラフラして安定しないのは当たり前でしょう。


 ですから骨盤を確りと下向きに押して骨盤で床を押す感覚を感じ取って下さい。


 また画鋲を床や壁に刺す時には根元まで確り刺さないと安定しないのと同様につま先も床の中まで差し込まれる様に確りと上から押し付けて上げる事で安定性が抜群に上がります。 勿論つま先や脚全体が押された力に負けて曲がってしまう様ではダメですので強くタンデュされた脚を意識しなければなりませんが。


 ピケの前に『確りとつま先と脚を伸ばして!』と注意されるのはつま先を床に差し込む際に脚が緩んでしまわない様に先んじて準備する為なのです。


 『その方が美しいから!』と思っている人も多いかも知れませんが、それは副次的な物で先ずはピケに立つ為に必要最低限の動作がつま先と脚を伸ばすなのです。



 ピケにせよルレヴェにせよつま先を床にめり込ませる位の積りで腰から押して上げる事が安定性を高めますので試してみて下さい。







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背中の意識を保って動く事が大切!


 テクニックが上手く出来ない生徒を見ているとある特徴に気付きます。


 足捌きは出来ているのに背中を落としてしまう為に身体の移動が上手く出来なくなる!


 バーレッスンでの単純なプリエ・タンデュは出来ているのにセンターでの移動や回転になると焦りが出て上体の意識が急激に失われて腹部が前に背中が後ろに出てしまい腰が移動しようとしても上体が置いていかれて移動を邪魔すると云う状態に陥ります。

 回転でも回転軸が湾曲していては上手く回れる筈もありませんし、跳躍では腰が上がろうとするのを上体が押し潰す形になっているので跳び上がれる筈もありません。


 特にバーレッスンで肋骨を開いてしまっている生徒は初めから背中が落ちているので要注意です。


 レッスンではどの様なレベルのクラスであろうと基礎に忠実に動く事を前提として訓練しなければなりません。 上級のレッスンとは基礎的な動きをスピードアップしただけなのですから。


 先ずはどんな状況でも背中を落とさない様に身体の引き伸ばし、つまり引き上げの意識を途切れさせない様な訓練をしましょう。 これは身体の訓練と云うより頭脳の訓練ですので思考停止にならない様にしなければなりません。


 動く時に背中を確りと保持出来るだけの意識があれば難しいテクニックも比較的簡単に出来る様になって行きますので頑張りましょう(^_-)-☆







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体幹が強い、弱いとは?


 バレエでは身体を左右対称に使う事が基礎的に大切ですが、皆さんは本当に身体を左右対称に使えているでしょうか? 


 『左右を対称に使う』とは四肢だけの話ではありません。 身体全体、つまり胴体と頭もその中に入ります。

 その為には身体の真ん中が何処に在るのかを正確に把握する必要があります。


 身体の真ん中は何処なのか? この質問に対して正解出来ない生徒は一人も居ないのですが、問題はその先です。


 腰部の真ん中と腹部の真ん中、そして胸部の真ん中と首、頭部の真ん中を真っ直ぐ垂直に合わせてと指示すると意外にも、それを出来る人が激減します。 両脚パラレルで立つ時でさえ身体の真ん中、つまり中心を真っ直ぐに保てる人が意外にも少ないのです。


 それは何故なのか?と言うと身体の中心の意識を持ってレッスンしていないからです。 例えば鏡越しに自分の姿をチェックするとか頭の正確な位置を意識せずに動かす等を行っている人は身体の中心が何処に在るのかという事への意識が低く結果的に真っ直ぐに立てません。


 何事においても無意識に行っていては出来る様にも解る様にもなりません。 常に高い意識を持ち続けて訓練を積む事が必要なのです。 ですからプロダンサーで何となく出来ていても正確な中心軸が理解出来ていない、少しズレたまま踊っている人も数多いるのです。


 身体の中心を正確に把握する為に特に重要なのが頭部の位置です。 頭部の位置を胸部の中心と常に一致させる事が出来れば胸部と腹部のズレにも気付き易くなります。 その為にも頭を垂直に立てて鼻筋を真っ直ぐ前に向かせる事から意識してみましょう。 これは意外と難しいかも知れません。 自分が前を向いていると思っても傍から見ると傾いているとか斜め前向きになっているとかが普通にあるからです。


 頭の向きが正確にコントロール出来れば片脚ポワントでのバランス力もほぼ完璧に行えるレベルに達します。 そしてこの様な状態を『体幹が強い』と呼びます。 体幹が強いとは決して筋力の強さではなく、この様な意識の高さなのです。




右半身と左半身は引っ張り合う!


 さて『左右対称に身体を使う』とは身体を中心から正確に分けてそれぞれが引っ張り合いながら使う事です。

 つまり右半身は左半身から引っ張られ、左半身は右半身から引っ張らている事で左右の力が拮抗して中心軸が安定します。

 例え軸脚であっても動脚側の骨盤と引っ張り合っており、動脚側も軸脚側の骨盤と全く同じ力で引っ張り合う事で力の拮抗がはかられており骨盤が動かず安定するのです。 これは腕や頭も同様であり左肩と頭部の右側面が、右肩と頭部の左側面が引っ張り合う事で頭の位置は中心を維持し、また肩が上がる事も防いでくれます。 そしてこの意識を腕へも延長すれば腕も左右対称となります。


 身体を動かしながらも左右の引っ張り力を均等にする事こそ身体を左右対称に使うでありバレエの基礎の根幹を成す重要な要素となっています。







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“プリエ・タンデュ”が出来ていない事が全ての元凶!


 “シャンジュマンドゥピエ”等の跳躍系テクニックで全然跳び上がれない。 または空中で脚が確りと伸ばせない。 つま先が震える。 着地が乱れたり、連続で跳び続けられない。 また音楽に合わせられない。 こんな悩みがある人は正しい“プリエ〜タンデュ”を意識して下さい。



 跳躍が苦手な人は、直ぐに跳び上がろうとして殆ど“プリエ”をしない、また“タンデュ”の動作も中途半端で床を押し切らない。 “プリエ・タンデュ”をしないから脚力を使えず腰を押し上げる力が足りなくなる。 脚力が足りないから上体を前傾させてから背中を反らせる事で力を補い、また藻掻いて肩が上がり体幹が緩み揺れる為に余計跳び上がれない。 ちゃんと“プリエ”をしていないから脚を伸ばす“タンデュ”の動作も正しく出来ず空中に跳び上がれても、そこで慌ててつま先を伸ばそうとするからつま先が震える。 空中で全身が確りと伸び切らないから着地で身体が揺れる。 身体が揺れているから着地を怖がって着地の“プリエ”を浅くして上体を前傾させる。 “プリエ”が浅く上体が前傾しているから着地が不安定になる。 上体を前後に揺すりながら跳ぼうとするから連続で跳び続けられない。 また“プリエ”が浅いから音楽より早く次のジャンプが始まってしまう。



 跳躍が苦手な人は上記の様に“プリエ・タンデュ”を確りしない所から負の連鎖が始まっています。
 バレエの跳躍ではほぼ100%脚力だけで身体を空中へと押し上げ、上半身はそれを邪魔しない様に補助する方向で働かせる事で跳躍時の安定性などを確保しています。

 それなのに脚力の弱い人程“プリエ・タンデュ”を確りとしない傾向にあり、足りない力を補おうと腕や上体で反動を付けようとしますが、これらが逆に跳躍動作の邪魔となり身体を下向きへと引っ張り、跳びたいのに跳べないと云う状況になっています。


 本当に軽く高く跳び上がりたいと思うなら空中に跳び上がる事より確りとした“プリエ”で床を押せているかを毎回確認する事の方が大切です。

 高く跳べるのは床からの反発力で身体が空中へと跳ね上げられた結果なのです。 そしてその反発力を生み出すのが“プリエ〜タンデュ”と云う動きであり、それを精密に行う練習をすれば誰もが高く、美しく、そして軽々と跳び上がれる様になります。


 上手に跳びたいと思うなら空中ではなく、床での動作と姿勢を見直してみて下さい。





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“プリエ”は単純に見えるけど単純ではない!


 “プリエ”は見た目上『膝関節を曲げる動き』ですが、単に膝関節を曲げただけでは“プリエ”とはなりません!


 『“プリエ”とは脚をバネにする事である!』と以前にも書いていますが、バネには押すと元に戻ろうとする復元力(反発力)が働いて押した力と同じ力が返って来ます。


 “プリエ”にはこの復元力が備わって居なければ“プリエ”とはなり得ず、復元力が働き続けているからこそ“プリエ”とはポジションではなくムーブメントなのです。


 正しく“プリエ”をしている人の腰を手で押し下げてみると適度な反発力と絶対的な安定感を感じます。 これは脚と体幹部の筋肉がゴムの様に確りと伸び縮みする状態になっているからで、これにより脚がバネの様に働いてくれるのです。


 逆に脱力したり筋肉を硬直させてしまうとバネの機能は失われて“プリエ”ではなくなってしまいます。


 “プリエ”とは膝を曲げ伸ばしすると云う関節の動きではなく筋肉の働きで関節が曲がりつつ伸びようとする、またはその逆という頭がこんがらがりそうな複雑な動作なのです。 これが理解出来ているか否かが基礎が確りと身に付くか否かの別れ道にもなります。




“プリエ”が出来るのは全身が正しく使えるから!


 では“プリエ”が出来ていないと何が問題なのでしょうか?


 先ず体幹(身体)が安定しません。

 それから床を押しての移動が効率良く出来ません。

 移動や着地時に体幹が揺れ動いてテクニックに支障をきたします。

 身体を押し上げたり、骨盤を回転させる事が上手く出来ません。


 上記の通り“プリエ”が出来ていないと体幹部(身体)を安定して静止させたり動かす事が出来ません。


 逆に言うと体幹部の引き伸ばしやコントロールが出来ていないと脚部の“プリエ”も連鎖的に崩れます。



 つまり“プリエ”が出来るのは全身が正しく使えているからであり、脚しか働いていなければ、どれだけ頑張ろうと正しい“プリエ”は出来る様にはならないのです。



 “プリエ”が上手に出来る様に脚と云う局部的な意識でなく全身が繋がって使える様に意識を変えてレッスンしてみて下さいね。






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関節の構造から解る回転テクニック!


 合気道を見てて思うのですが、あれってバレエの動きと原理的に相通ずる物が沢山あるのですよね。


 合気道では小柄な女性が大男をいとも容易く投げ飛ばしたり、抑え込んだりしていますよね。


 何故、自分より体重の重い者を投げる様な事が出来るのかというと各関節と筋肉などの繋がり方、可動する方向等を熟知した上で、その特性を利用して相手の身体をコントロールしてしまうからなのです。


 例えば誰かに手首を“アンドゥダーン”側に捻られると身体は自然と回転を始めて腕が背中側に回る様な姿勢になってしまいます。 この動きに逆らう事は人体の構造上不可能なので、どうしても身体は回転してしまうのです。



 そして脚でも同じ事が起きます。 脚を“アンドゥオール”側に限界以上に回すと骨盤も同じ方向に回ります。 これも手首を捻るのと全く同じ原理によって起こっています。 これは骨盤を回転させる方法の一つです。


 骨盤を回転させる方法としては、遠心力を利用する方法の他に、この様な関節の構造を利用する方法、テンセグリティの原理の応用である身体の張りを利用する方法等がありますが、テクニックの種類に応じて、これらを使い分けたり組み合わせたりする事で無駄のない綺麗な動きや姿勢を保つ事が出来るのです。



 両脚を限界まで均等に“アンドゥオール”しなければならないのも“アンドゥオール”の作用によって骨盤が左右から均等な力で引っ張られて安定するからなのです。 そしてこの左右の均衡が崩れた時に骨盤は回転を始めます。


 つまり“アンドゥオール”によって骨盤を安定させつつ直ぐに動ける体勢を作っているのがバレエの基礎である『脚のアンドゥオール』なのです。



 また腕も脚と同様に“アンドゥオール”を保たなければならないのは、脚と同様に肩甲骨を始めとした体幹部を安定させつつ直ぐに動ける体勢を取っていると云う事と共に首、体幹、脚の引き伸ばしと云う全身の引き上げに繋がって行くからです。



 関節の構造を熟知して利用していると云う点でバレエと合気道って同じ原理を共有する仲間なのですね。


 ですから人体の構造上の特性を確りと知る事でバレエのテクニックや姿勢の正しい保ち方を知る事が出来ます。


 でも人体の構造を知る為に筋肉や関節の名前などは知らなくても良いし人体解剖図等も必要ありません。


 それよりも人体の構造を思い切り簡略化して棒と棒がジョイントで繋がり、そこに紐が張られて形を保ち、それを外側から引っ張って操作している位のざっくりした感覚の方が全身の繋がりについて理解しやすくなります。


 あまり複雑に考えない様にしましょうね(^_-)-☆






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