膝を捻じるは靭帯を伸ばす怪我!
何だか『脚のアンドゥオールは捻りの極致』とSNSで発信している方がいらっしゃる様なのですが、全くの馬鹿げた話で、この様な方は指導者として失格です。
膝関節というのは一方向にしか屈伸しない蝶番関節で股関節と肩関節の様な広い範囲に動かせる球関節とは違い捻じる動きはあまり許容されていません。(負荷がかかり過ぎない様にある程度の捻りは許容されますが)
その関節を捻じるという事は本来真っ直ぐに繋がる靭帯が斜め方向に引っ張られるという事で靭帯が伸びてしまう事を意味します。 靭帯が伸びるという事は関節が緩んでしまうという事でそれは膝関節を更に捻りやすくして靭帯をもっと伸ばしてしまう原因となります。 靭帯が伸びてしまった状態では膝関節は反張し易くなり、立っていると痛い、下腿を振ると痛いという事が起きやすくなります。 また一度伸びた靭帯は二度と元に戻らないので痛みを出さない為には関節がゆるゆるになって脱臼しない様に筋力で補い続けなければならなくなります。
膝関節に捻りがあると普通は強い痛みが出る筈なのですが『アンドゥオールは捻りの極致』と教える様な方は、痛みの感受性が著しく低いのでしょうね。 自分が痛くないから他人も痛くない筈という思考で危険な事を教えているのだと思います。 でも敏感な人程簡単に膝を壊すので、こういう鈍感な人の言う事を鵜呑みにしては駄目なのです。
関節に捻れがあると力が出なくなる!
関節を捻じる事は力学的にも不利です。 膝関節に捻りがあると関節の上下で力の伝達が上手く行かなくなり床を押しても骨盤に床からの反発力が伝わり難くなり身体の引き上げが上手く出来なくなります。
跳躍の様に床からの強い反発力が必要な際に、これは致命的な欠点ですし、片脚バランスやピルエット等でも床からの反発力で身体を引き上げ、回転をしているので確りと立とうと思ったら本来なら必要無い筈の余計な力を使う必要が出て来ます。 しかしこれは筋肉太りに繋がるので身体の美しさを損ねます。
ポワントやドゥミポワントで立つ際は脚をアンドゥオールさせるより膝に捻れが出ない様に脚の筋肉を身体と一繋がりと意識して引き伸ばして床を押す、その反発力で腰と身体を更に上に引き伸ばす事を最優先で意識する方が安定してアンドゥオールで立つ事が出来ます。
つまり力の出ない見た目だけアンドゥオールっぽい事をするのではなく、脚に確りと力が入る(引き伸ばせる)状態で無理なくアンドゥオールする事がプロアマを問わず正しく踊る為に絶対に必要な事なのです。
これはアンドゥオールが絶対正義だと信じている人達には受け入れ難い様な話だとは思いますが、凄くアンドゥオールしているロシア人ダンサー達でも超絶テクニックを行う(強力な脚力を出す)際は脚をパラレルに近い位置に戻している事が真実を物語っています。(まあ殆どの人には動きが一瞬過ぎて見えない事ですが)
ロシア人ダンサーの力強さはアンドゥオールとパラレルを使い分ける事で成されていると言っても良いでしょう。
『アンドゥオールは捻りの極致』と言ってしまう様な未熟な指導者は間違っている事を正しいと信じて教えているので生徒がそれを間違いだと見抜くのは難しいとは思いますが、怪我なく、そして力強く踊る為には生徒側も気を付けて欺瞞に騙されない正しい知識を身に付ける事が自らの身を守る事になります。
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