膝を捻じるは靭帯を伸ばす怪我!


 何だか『脚のアンドゥオールは捻りの極致』とSNSで発信している方がいらっしゃる様なのですが、全くの馬鹿げた話で、この様な方は指導者として失格です。



 膝関節というのは一方向にしか屈伸しない蝶番関節で股関節と肩関節の様な広い範囲に動かせる球関節とは違い捻じる動きはあまり許容されていません。(負荷がかかり過ぎない様にある程度の捻りは許容されますが)

 その関節を捻じるという事は本来真っ直ぐに繋がる靭帯が斜め方向に引っ張られるという事で靭帯が伸びてしまう事を意味します。 靭帯が伸びるという事は関節が緩んでしまうという事でそれは膝関節を更に捻りやすくして靭帯をもっと伸ばしてしまう原因となります。 靭帯が伸びてしまった状態では膝関節は反張し易くなり、立っていると痛い、下腿を振ると痛いという事が起きやすくなります。 また一度伸びた靭帯は二度と元に戻らないので痛みを出さない為には関節がゆるゆるになって脱臼しない様に筋力で補い続けなければならなくなります。

 膝関節に捻りがあると普通は強い痛みが出る筈なのですが『アンドゥオールは捻りの極致』と教える様な方は、痛みの感受性が著しく低いのでしょうね。 自分が痛くないから他人も痛くない筈という思考で危険な事を教えているのだと思います。 でも敏感な人程簡単に膝を壊すので、こういう鈍感な人の言う事を鵜呑みにしては駄目なのです。





関節に捻れがあると力が出なくなる!


 関節を捻じる事は力学的にも不利です。 膝関節に捻りがあると関節の上下で力の伝達が上手く行かなくなり床を押しても骨盤に床からの反発力が伝わり難くなり身体の引き上げが上手く出来なくなります。

 跳躍の様に床からの強い反発力が必要な際に、これは致命的な欠点ですし、片脚バランスやピルエット等でも床からの反発力で身体を引き上げ、回転をしているので確りと立とうと思ったら本来なら必要無い筈の余計な力を使う必要が出て来ます。 しかしこれは筋肉太りに繋がるので身体の美しさを損ねます。


 ポワントやドゥミポワントで立つ際は脚をアンドゥオールさせるより膝に捻れが出ない様に脚の筋肉を身体と一繋がりと意識して引き伸ばして床を押す、その反発力で腰と身体を更に上に引き伸ばす事を最優先で意識する方が安定してアンドゥオールで立つ事が出来ます。

 つまり力の出ない見た目だけアンドゥオールっぽい事をするのではなく、脚に確りと力が入る(引き伸ばせる)状態で無理なくアンドゥオールする事がプロアマを問わず正しく踊る為に絶対に必要な事なのです。


 これはアンドゥオールが絶対正義だと信じている人達には受け入れ難い様な話だとは思いますが、凄くアンドゥオールしているロシア人ダンサー達でも超絶テクニックを行う(強力な脚力を出す)際は脚をパラレルに近い位置に戻している事が真実を物語っています。(まあ殆どの人には動きが一瞬過ぎて見えない事ですが)

 ロシア人ダンサーの力強さはアンドゥオールとパラレルを使い分ける事で成されていると言っても良いでしょう。



 『アンドゥオールは捻りの極致』と言ってしまう様な未熟な指導者は間違っている事を正しいと信じて教えているので生徒がそれを間違いだと見抜くのは難しいとは思いますが、怪我なく、そして力強く踊る為には生徒側も気を付けて欺瞞に騙されない正しい知識を身に付ける事が自らの身を守る事になります。







 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆

問い合わせ先 harada.ballet@yahoo.ne.jpまで


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




骨盤の安定は逆転の発想で!


 『脚を前後左右に正確に出す』たったこれだけの事が意外にも難しい事は皆さん良く分かっている事と思います。 特に後ろに脚を出すとなると海外のバレエ団員でも正しくやっていない者もいる位です。 何が原因で外れてしまうのでしょうか? そして、どうしたら真っ直ぐに脚が出せるのでしょうか?



 海外のプロでも出来ていない人がいる位に難しいと素人は考えてしまいそうですが、これって意外と簡単な意識で直す事が出来ます。



 両脚で確りと立つ時は両腿を骨盤の中心に寄せる意識を持ちますが、片脚立ちでも同じ様に両腿を中心に寄せる意識を持てば良いのです。



 前後のバットマンタンデュ等の際にも軸脚、動脚のそれぞれで『もし反対脚がここにあっても正しい第5ポジションになる』という位置(中心)に内腿を締めていれば軸脚も動脚も骨盤の中心位置から外側にも内側にも外れる事はなく、また軸脚が常に第5ポジションになれる位置にあるという事は骨盤が真っ直ぐな状態でありピルエットをしてもアラベスクをしても骨盤が外れない事を意味します。



 『骨盤を安定させる』とは両脚を中心に締めると云う働きから得られるので骨盤を意識し過ぎて股関節を固めない様にして下さい!




 さて後ろに脚をバットマンする時には脚が外側に外れやすいのは何故か? それは身体の後ろ側では両脚を中心に締める、脚を確り伸ばすのどちらも意識が抜けやすいからです。 

 『長座で両脚を真ん中に寄せる(骨盤の前)』、『立位で両脚を真ん中に寄せる(骨盤の下)』は比較的誰にでも簡単に出来ると思いますが、うつ伏せで上体を少し起こして両脚を確り伸ばしたまま中心に集める(骨盤の後ろ)は凄く大変な事なのが分かるでしょう。 締める意識が弱まると両脚は開いてしまいますからね。



 同じ様にバットマンタンデュ デリエールは軸脚、動脚共に中心に脚を集めるのが大変なので集める意識が足りない事が脚が外れる大きな原因です。 そしてもう一つの理由が骨盤の後ろ側では脚がアンドゥオール側に回り難いという事があります。 股関節の構造上、骨盤の後ろ側では大腿骨が外旋し難い為に骨盤ごと脚を動かす事でよりアンドゥオールしていると自分自身をも騙してしまうのです。 そして骨盤を動かすと軸脚も動脚も共に骨盤の外側へと中心から離れて行きます。

 これは最早『がに股』と呼んでもいい状態なのです。




 アラベスクはバットマンタンデュの発展系なので脚が低い位置で中心に集められないのに、それを高く上げれば脚はもっと外れて行きます。 そして一度外れた脚を高い位置で中心に集めようとしてもそれはほぼ不可能です。 何故なら中心から外れた脚を上げていく過程で体幹や骨盤、腕などの全ての部分が正しい位置から外れて行くので、最早脚だけを直せば良いという物では無くなっているからです。



 アラベスクで重要なのは脚の高さや足先が真横向きになっている事ではありません。 両脚が中心に集まったまま上体と脚が一体化して下から支えられる様に伸び続ける意識で全身を働かせ続ける事です。



 脚の高さやアンドゥオールは優先順位が最後です。 アラベスクが正しく出来ない人はそれを最初に持って来る事がアラベスクを更に難しい物としてしまっているのです。



 日本では『バレエを踊るには先ずアンドゥオールが出来ないとダメ』と思われていますが、アンドゥオールの前に出来なければならない事が本当に沢山あります。 だから海外の国立バレエ学校等では新入生の最初の授業から脚のアンドゥオールを教えたりは絶対にしないのです。



 アラベスクを美しくしたいなら両脚を中心に集めたまま関節の可動域内で可能な限りのアンドゥオールと全身の引き伸ばしを意識しましょう。 大人バレエでも美しいアラベスクのラインが出て来る事を保証します。







 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆

問い合わせ先 harada.ballet@yahoo.ne.jpです。


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




形だけを真似てはダメ!


 多くの生徒やダンサー、いや指導者でもグランソードゥシャやシソンヌの進行方向側の脚は反対脚より下げる物だと思い込んでいませんか? これって実は間違いなんです。 正しくは両脚を均等に同じ高さになる様に張る、若しくは広げるのです。



 『でも実際にどんなダンサーでも前脚は後ろ脚より低くなっているじゃないですか?それでも間違いなんですか?』と聞かれた事もありますが、それでも間違いだと断言します。



 何故ならダンサーが踊っている時に空間に作り出す身体の形と云うのはダンサー自身の身体のコントロールの他に空間で身体という物体が動いた事により起こる物理法則の結果として作り出されているからです。

 つまり身体のコントロールで全てが決まるのではなく、身体を動かした時にかかる遠心力や反作用といった物理的な力を計算に入れた上で身体をコントロールしているのです。



 グランソードゥシャやシソンヌで進行方向側の脚が下がる理由は慣性力です。



 どういう事かというと天秤の両端に同じ重さの重りを乗せて中心軸をシソンヌの様な速度で移動させると重りには元の位置に留まろうとする力が働き(慣性力)天秤は進行方向側に傾きます。



 これがグランソードゥシャやシソンヌ等で進行方向側の脚が下がる原理です。 また移動の為の後ろ脚側の踏み切りの力も傾きに影響しています。



 移動しながら同時開脚する跳躍では常にこの慣性力の影響を受けて進行方向側の脚が下がります。



 そしてここからが問題なのですが、多くの人がこれを理解せずに空中での脚の角度の見た目だけをコピーしているのです。 そうすると真似しようとした形に慣性力がかかり更に進行方向側の脚が下がり、また両脚を同じ高さに均等に張る時は骨盤が真っ直ぐを保たれますが、進行方向側の脚を下げると考えていると骨盤が傾いてしまい、これが脚を更に下げる要因となります。

 進行方向側の脚を下げるというやり方は、この様に連鎖して行き最終的に進行方向側の脚は殆ど垂直になってしまうのです。



 また、この様な跳び方を正しいと信じていると両脚を張る事をしなくなり筋肉を緩めたままで動こうとするので、結果的にどんどん跳べなくなるので、こういう原理原則を知る事はテクニックの基礎を知る事と同義なのです。



 最後にシソンヌフェルメやグランソードゥシャの着地は基本的に両脚同時になります。 踏み切りや開脚が同時で着地や閉脚がほぼ同時になるのが原則で、そこから導き出されるのは開脚の角度は跳躍の高さに比例するという事です。 腰が上がっていないのに過度な開脚をすると着地までに脚を戻す事が出来ませんからガニ股の着地になってしまいます。



 綺麗な開脚姿勢を見せる為には跳躍と開脚の速度の連携を考えて下さい。 上昇中に開脚、下降中に閉脚で脚の開閉のリズムが跳躍のリズムとピッタリ合えば自分でもびっくりする程高く跳べる様になり空中姿勢も安定し綺麗な開脚姿勢も見せる事が出来る様になります。 特にシソンヌフェルメでは跳躍の最高地点に到達する瞬間にポーズが完成し、着地の瞬間に第5ポジションに脚が集まる様に開脚と閉脚の速度を調節すると空中で静止した様に見えます。



 グランソードゥシャやシソンヌは見た目程難しくはありません。 難しいと感じるのは跳躍の高さと開脚具合の釣り合いやリズムを崩して滅茶苦茶に跳ぼうとするからです。 落ち着いてリズムと釣り合いを取る練習を続ければ、どんな人でも出来る様になるので焦らずに練習しましょう(^_-)-☆








 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆

問い合わせ先 harada.ballet@yahoo.ne.jpまで


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




中心ではなく外側から支えるのが正解!


 大人からバレエを始めた所謂大人バレエはなかなか踊れる様にならないと云う人が多いのではないでしょうか? でも何故踊れる様にはならないのでしょうか? プロになった人達の中にはバレエを始めたのが中高生位からと云う人もいるので決して幼少期から始めていなければ上達出来ない訳ではありません。



 では大人からバレエを始めても踊れる様にはなるのでしょうか? 結論から言うと身体がバレエ向きでなかったとしても踊れる様にはなります。 勿論テクニックの難易度が高くなればなる程にフィジカルの条件が厳しくなり意識も強く持たなければ身体をコントロールし切れませんが。



 でも初心者は簡単なテクニックから身に付けるのですから最初から強い意識も筋力も必要ありません。



 最初に必要なのは安定して軸脚に立つ事ですが、これって意外と簡単に身に付きます!

 こう考えてみて下さい。 両手でトレイ(骨盤)の両端を持っています。 支えが片側だけだとトレイは落ちますが両側からならトレイを安定して持っていられますし、トレイの傾きも自由自在にコントロール出来ますよね。


 もしトレイを指一本だけで支えろと言われたらトレイの重心位置を探して、その一点だけで支えなければなりませんが、重心位置を探すのに時間が掛かり、しかも不安定な状態ですし、トレイの傾きのコントロール等は不可能と言って良い位に難しくなります。



 実は軸脚に立つ事を難しくしているのは、この考え方の違いなんです。



 骨盤を支えるのに重心位置の一点で支えるのか? それとも両端の二点で支えるのか?

 たったこれだけの考え方の違いで軸脚に確りと立てたり立てなかったりするんです。



 片脚立ちで骨盤の軸脚側と動脚の両側を手で持ってトレイの様に支えるイメージで脚を空間に浮かせて置けば重心位置は勝手に軸脚の真上に来てくれます。



 もしパッセをした時にパッセ側の骨盤が上がってしまったら、それは軸脚側の支えがパッセ側より弱いという事でパッセ側の骨盤が下がるならパッセ側の支えが弱いと云う事になり原因と結果の因果関係がハッキリしています。

 アラベスク等でもバランスが上手く取れないと云うのは軸脚側と動脚側の支えが均等になっていない事が原因で、身体を両端から均等に支えていれば多少のポジションの崩れなどは問題にならなくなります。



 また回転の際は身体を支える二点を回転方向に動かす事で滑らかに回る事が出来ますし、上に動かす事でルレベェに、男性がそこを手で押し上げてくれればリフトになるので、二点で身体を支える事が踊る上での身体のコントロールの基になる事が良く解るのです。



 『回る』『跳ぶ』『立ったまま静止する』と云う踊りのテクニックに必要な要素は全てこれで解決できます。 プロだろうが大人バレエだろうがそれぞれのレベルで確りと踊れる様になるので今日から考え方を切り替えてみて下さい。


 本当に学びたいなら私のレッスンにいらして下されば手本を見せながら丁寧に解説いたします。







 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆

問い合わせ先 harada.ballet@yahoo.ne.jpまで


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




回れる人の論理に従っても回れる様にはならない!


 こんな注意をよく聞きます『パッセの形を保って回り終わりまで立ち続けて居れば良い!』


 でもこういう風に言う人って回れる人なんですよね。 だから回れない人が言われる通りにやってみても全然回れる様にはならないんです。

 実際に回れる人の言う事なのに、その人の言う通りにやっても回れる様にはならないのはどうしてなのでしょうか? それは回れる人達が事実を誤認しているからです。



 回る感覚に優れている人達って『ポーズを崩さずに何もせずに立っているだけ』と思っていますが実際には無意識に身体を回転させているのです。 こういう人達の回転力って物理法則に則り遠心力を非常に上手く利用して生み出されているのですが、これが本人達にとってごく自然に行われていて頭で考えるより先に身体が反応する類の物なのです。 回る感覚のある人にとって『回る』は自然体であり考慮する必要のない事なので『パッセを崩さずに』だけが気を付けなければならない唯一の事だと誤認してしまうのです。



 でも独楽だって竹とんぼだって回す力を加えなければ回転しませんし、力を付け足さないと回転は直ぐに止まってしまいます。 回る感覚のある人はこの力を加える、付け足すを呼吸をする様に当たり前に行っていますが感覚の無い人にとっては意識せずにこれをするのは不可能なのです。 だから回る感覚に秀でていない人は身体を回転させる事を先ず考えてなければなりません。


 身体を回転させると言っても難しい事ではなく膝や肘で空間に綺麗な円を描く事をイメージして動かせば良いのです。 例えば紙の上に鉛筆で綺麗な円を描くためには途中で手を止めずに描く速度を一定に保ちますよね。 同じ様に空中の平面に一定の速度で円を描く意識で膝を動かせばピルエットは回れます。



 膝が回転方向に動けば嫌でも骨盤が回転しますから、その回転に肘の回転を同期させれば回転力を減衰させる原因が取り除かれ回転にブレーキが掛からず滑らかに回転してくれる様になります。



 逆に回転にブレーキを掛ける動作を羅列すると、骨盤より軸脚が先行して回る(軸脚の内旋)、パッセ脚が骨盤の前と横の間で緩んで動く(パッセ脚の内転と外転)、腰部と胸部の回転のズレ、上半身の左右非対称等が上げられます。



 例えばアンドゥオールピルエットの場合、踵から先に回転方向に動かすと軸脚の内旋とパッセ脚の内転が同時に起こります。 また腕を振って回転しようとすると左右の腕が身体(回転軸)の回転から切り離されて動き腰の回転と腕の回転速度が一致しなくなり、左右の腕も対角線上から外れて左右非対称になってしまいます。



 回転の感覚がある人、得意な人と云うのは回転を邪魔する要素を極力取り除いた上で回転軸から最も遠い身体の部分で円を描く様にしています。

 そしてこの方法はプロムナード等にも応用が効き安定した動きを約束してくれるのです。


 回転が上手くなりたい人は是非レッスンを受けに来てみて下さいね(^_-)-☆







 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。 

問い合わせ先 harada.ballet@yahoo.ne.jp


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




動的ストレッチのみは片脚だけで歩かされる様な物!


 さて前回の続きとして少し話したいと思います。

 『関節は筋肉が縮む事で力を出しますので、その前に筋肉を伸ばす意味が無い』との主張があるのですが、これにも事実誤認があります。



 確かに筋肉は縮む時に力を出すと云うのはその通りですが、収縮させる前には先ず伸ばさなければなりません。 固く伸びなくなっている筋肉を収縮させて得られる力(出力)と柔らかく伸びている状態の筋肉を収縮させて得られる力のどちらがより大きいのでしょうか? 後者に決まっています。


 また跳躍する時には腕を振る動作で反動を付けるのが高く跳ぶ為には普通ですよね。 ではもし関節が固くて腕を上手く振れない時は動的ストレッチでは怪我の危険があるので静的ストレッチでゆっくりと肩周りの筋肉をほぐす方が安全です。


 それに筋肉とは単体で使われる物では無く主働筋と拮抗筋がセットなので片方が縮む時にもう一方は伸びています。 主働筋が縮む時に拮抗筋が伸び難い状態では主働筋の縮む力を拮抗筋が抑制してしまいます。 ですから主働筋が確りと働く為には拮抗筋のストレッチが必要不可欠ですので、冒頭の『・・・筋肉を伸ばす意味が無い』は大きな矛盾を孕んで居るのです。





 『伸び切ってゆるゆるになったゴムは縮まないから運動前のストレッチはダメ』との主張もありますが、それも確かにその通りで伸縮性を失ったゴムや筋肉は使い物に成りません。 これは一見正しそうに聞こえますが、ストレッチの目的である『伸縮性を失って固くなった筋肉に伸縮性を取り戻す為』に行うのがストレッチなのですから筋肉を伸ばし過ぎて伸縮性を失う程の行為は既にストレッチと呼べる様な物では無いと言えます。 こちらもストレッチとは何かを誤認した方の盲言と言えるのではないでしょうか?




 ここでダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)が運動前に最適と云う話にも触れて置きますが、ダイナミックストレッチでも怪我の危険は伴います。 急に関節を大きく激しく動かすと靭帯を伸ばしたり脱臼してしまう場合があるからです。 特に膝関節、肩関節、肘関節は振り子運動で筋肉を解す際に遠心力で関節が過度に反張したり可動域から外れたりして怪我する事もあり得ます。 関節を動かす前には今現在の可動域を正確に知り可動限界を超えない様に動的ストレッチを行うのが怪我の防止の観点からも必要です。 その為に必要なのが静的ストレッチです。 静的ストレッチではゆっくりと関節の可動域、筋肉の柔軟性を調べる事が出来るので、その後の動的ストレッチでどの程度の負荷を掛けるのが最適なのかを知る事が出来ます。

 でも動的ストレッチだけでバレエレッスンをしようと思うと筋肉の柔らかさや長さが全然足りない状態にしかならないんです。 だって普通のスポーツより筋肉の伸縮の範囲が信じられない位に大きいから! ですから足りない分はどうしても静的ストレッチに頼らざるを得ません。



 つまりストレッチとは動的ストレッチも静的ストレッチもお互いを補い合い助け合う関係で、どちらか一方だけで良いと云う物では無いのです。 『運動前には動的ストレッチのみで良い』と云うのは、まるで『歩くのには右脚のみで左脚は無くても良い』と言っているに等しく非合理的な話なのです。



 人間とは怠惰な生き物です。 『これは必要ない』とか『これだけやっておけば充分』なんて話があれば直ぐに飛びついてしまいます。 でもちょっとした手間を惜しむと思った様な効果が得られるどころかマイナスに作用する事もあるので気を付けたいですね。



 最後にバレエを踊る為に必要なストレッチとは何かですが、バレエでは単に身体が柔らかいだけではダメなんです。 強さが伴わなければテンセグリティ構造を維持する事が出来ずバレエの基礎的な動きからテクニックまでを正しく行う事が出来なくなります。 ですから一般的な主働筋を縮める際に拮抗筋は脱力して伸びると云うストレッチだけをしていては踊れなくなります。

 例えばハムストリングスを解したい時は前腿(大腿四頭筋)を一緒に引き伸ばさなければなりません。 一般的には膝関節を伸ばすには大腿四頭筋側の筋肉を縮めますが、これをするとバレエで求める膝の伸ばし方ではなく、膝が若干曲がった形で落ち着くのと膝関節が押し潰される様な伸び方になるのですが、これは怪我に繋がる事なので注意が必要なのです。 これを防ぐ為には骨盤と踵が遠くに離される様な意識で脚の中心軸を引き伸ばし、中心軸を挟んで対角にあるハムストリングスと前腿が同時に伸びて行ける様な状態にして上げるのです。



 関節を引き離す様に伸ばすと言うと『脱臼しないの?』と疑問に思う人が居るのですが大丈夫なんです。 筋肉とはゴムの様な伸縮性を持っています。 ゴムは引き伸ばすと収縮しようとする力が働きます。 つまり筋肉を正しく引き伸ばすと収縮する力も同時に掛かるので関節には離れようとする力と近付こうとする力の両方が掛かり釣り合いが取れます。 これが関節の安定性を高めてくれるのです。

 逆に前腿の筋肉を強く収縮させると関節には押し潰される力だけが強く掛かり関節の骨が当たる様な感じでロックが掛かるんです。 これでも関節は動かなくなりますが、筋肉の張力で関節を安定させるのと物理的に骨が当たってそれ以上関節が動かなくなるのとでは、どちらが安全で、どちらが危険かは一目瞭然でしょう!



 この様にバレエを正しく踊る為には筋肉の引き伸ばし方、使い方に色々なヴァリエーションがあり、その使い分けが重要なのです。 実際に踊り出す時にそれを学ぶのではなくストレッチの段階から学び訓練して習熟して行く事がレッスン時の正しい身体の使い方に繋がり、効率よくバレエが踊れる身体へと導いてくれます。



 キネシオレッチでは上記の考え方をもとにストレッチだけどバーレッスンと同じ意識で訓練しているので、バーレッスンが始まった時の身体の状態がまるでバーレッスン後の様な感じになっているのです。 ここからレッスンが始められるのですから、そのアドバンテージは計り知れません。



 運動前の静的ストレッチ自体は悪くありません。 でもストレッチのやり方やデータの取り方次第で悪い様に見えてしまう事があるので、何事も鵜呑みにせずに確りと調べたり考える事が大切なんです。

 皆さんも自己流ストレッチは止めて正しいストレッチを学びに来て下さい(^_-)-☆



 





 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆ 大人バレエの方大歓迎です!

問い合わせはharada.ballet@yahoo.ne.jpまで


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




静的ストレッチがダメは冤罪事件!


https://ameblo.jp/oshaberi-dance/entry-12976655163.html



 ブロ友さんのブログで↑こんなのがあって、ちょっと興味をそそられたので論文等の過去の研究についてAIと会話してみました。 別に論文の内容まで深く読み込んだとかでは無いしAIは間違った事も教えるので概要から私の理解を深める為にAIを利用したのですが、それでも、何故これをバレエダンサーに適用出来ると考えた人が居るのかとビックリしました。



 先ず運動前の静的ストレッチが良くないとの最初の論文が出たのは1998年で、それは静的ストレッチを行った10分後に膝関節を伸ばす際の大腿四頭筋の出力と膝関節を曲げる際の大腿二頭筋の出力を測った時のデータと別日にストレッチを全く行わずに計測したデータとの比較から静的ストレッチ後は筋肉の出力低下が見られると結論付けられた様です。 そして主働筋が働く時は拮抗筋が弛緩している、主働筋の瞬間最大出力を計測するとの前提で実験データは取られた様なのですが身体が運動する際に内部で何が起こっているのか等を考えさせられる本当に意義のある興味深い研究ですね。





 ここで疑問ですが、バレエでは膝関節を伸ばす時に大腿四頭筋だけでは無く大腿二頭筋も強く働かせます。 逆に膝関節を曲げる時にも大腿二頭筋だけでなく大腿四頭筋も働かせていて、大腿四頭筋の強さだけが床を押す(膝を伸ばす際の)脚力の強さと完全に一致する訳では無いので論文のデータをバレエに適用するには無理があるのでは無いかと云う事が一点。

 それから論文では筋肉の最大瞬間出力を測ったとあるのですが、多分これは力を出し終えた後に筋肉は収縮を止めて弛緩状態になったという事なのだと思います。 しかしバレエでは床を押し終えた後も筋肉を働かせ続けて居なければ脚は伸び続けませんので大事なのは一定の出力を保持し続ける事で、果たして瞬間的な出力の大きさを問題にして、それをバレエに適用する事が意味のある事なのかと云う事がもう一点。

 そして静的ストレッチ後に筋肉の最大出力や跳躍力が落ちたとしても本当にそれが大きな問題なのかと云う点も疑問に思います。 もしストレッチをしない方が高く跳べたとしてもストレッチをしていない脚が果たして空中で美しくしなやかに伸びて見えるだろうか?

 例えば、どれだけ高く跳び上がっても、どれだけ長く片脚立ちで静止姿勢を保っても、どれだけ沢山回っても、それだけではバレエでは評価はされません。
 跳躍では、まるで空中で静止しているかの様に、また全身を引き伸ばして流れる様な身体の線を見せる姿勢制御が求められていますし、回転や片脚立ちでも求められる姿勢制御は跳躍と同様です。 高さや強さでは無く姿勢の維持と制御の方が大事なんです。 それにバレエの動きの強さは全身の筋肉の有機的な働きの連鎖で決まり脚力だけでは測れません。
 単純な筋肉の出力の話では説明出来ない範疇の事なのですから大腿四頭筋等の瞬間的な最大出力の低下と云うデータを元にレッスン前の静的ストレッチは良くないとするのは論点を完全に外していると言えます。



 また静的ストレッチと言っても、そのやり方には色々と種類があり、場合によってはストレッチ後に筋肉が固くなる事もあるのです。 大別すると静的ストレッチにはパッシブ(受動的)とアクティブ(能動的)があり、無理矢理筋肉を伸ばそうとした場合は筋肉が伸び過ぎない様に防御反応が起きて筋肉が縮み、結果的に固くなる場合もあります。 ストレッチしても身体が柔らかくならない人と云うのは、この様なやり方をしているからかも知れません。


 だからバレエの為のストレッチも本来なら正しい方法論を理解した指導者の下で独立したレッスンとして指導が行われるべきなのです。


 つまり運動前の静的ストレッチが悪いのではありません。 身体の繋がりを考慮していない研究やストレッチのやり方の悪さ、論点を理解していない人が騒いだ事により静的ストレッチが誤解を受けたのです。



 これっていわば
 冤罪事件なのです!



 レッスン前の静的ストレッチはダメだと、その理由をどれだけ説明されても釈然としない人が多いのは、それが冤罪だからでしょう。 この説が広まったのもとりあえず良かれと思って周りに布教した人達が多かったからでしょうね、内容も理解せずに(^_^;)

 若しくは矛盾に気付いていても『論文に書かれている事が間違っている筈がない』と云う思い込みから矛盾を無視したのかも。 日本人にはあり勝ちですよね。 皆がそう言っているから、偉い人が言ったから『正しい』と信じる人!

 でもほんの三〜四百年前までは偉い人も大衆も天動説こそが正しいと信じていました。 でも偉い人や周りの人皆の言っている事は間違っていましたよね? だからどんな著名な研究者の言う事でも必ずしも正しいとは限らない、多数派の意見が正しい訳ではないのです。
 だから『あの先生のレッスンは良い(悪い)』『あのダンサーは基礎が出来ている』何ていうのも生徒には本当の事が解る訳無いんですよね。 だって凄い高い次元で踊ったり、指導していたら生徒の理解レベルが追いついて来ないから! これは自分の好き嫌いであって良し悪しでは無いのです。



 『筋肉の最大出力が低下する』とは衝撃的で、ついその土台での議論に巻き込まれそうに私もなりましたが、よく考えたら本質はそこでは無かったのです。 こういう欺瞞に騙されない様にこれからも勉強して行きたいですね(^_-)-☆






 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆ 大人からでも本当に踊れる様になりたい方は是非どうぞ!


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




形だけ同じでも鳴らない楽器は本物なの?


 『バレエダンサーの身体って弦楽器の様』なのです。

 ギターでもバイオリンでもピアノでも弦はただそこにあれば良いと云う物ではなく、正しい種類の弦を正しい位置に正しい張力(テンション)で配置しなければ楽器は音楽を奏でる事が出来ません。



 バレエダンサーの身体も全身の筋肉に正しい張力を掛けている事で形や重心位置が保たれていますし、滑らかに踊る事が出来ます。 これがテンセグリティです。 でも同じ形に見えても筋肉に掛かる張力がゼロ、若しくは過小だったらどうでしょうか? 楽器なら音は少しも鳴りません。



 見た目は全く同じ形に見えるのに音の鳴らない楽器って本物?



 実はこれと同じ事がダンサーや生徒達の身体でも起こっているのです。 同じ形に見えて筋肉に掛かる張力が全然足りていない事が指導者に『それは違うよ、全然出来ていない』と言われる原因です。 でも筋肉に掛かっている張力がどの位かを見て判らないから『先生と同じ形になっているのに何が違うの?』と生徒達が疑問に思うのでしょう。



 楽器の弦の張力なら音を鳴らしてみれば音程の狂いが判るので調整する事が比較的簡単ですし、一度調整すれば瞬時に狂い出す事もありませんが、筋肉の張力に関してはそう簡単ではありません。 先ず正しい張力がどれ位なのかが目で見ても耳で聞いても分かりません。 もし正しい張力を筋肉に掛けられたとしても、それを安定してずっと維持し続けなければならないのに、直ぐにスイッチが切れた様に張力が過小になったりゼロになったりしてしまうのです。

 もしバイオリンやギターの弦が演奏中に突然緩んだり締まったりしていたら真艫(まとも)な演奏は出来ませんよね? バレエでも筋肉が突然緩んだり、元に戻ったりするのでは真艫に踊る事は難しくなります。



 実はバレエ基礎で最も習得が難しいのは、この筋肉に掛かる張力を一定に保ち続ける事なのです。 難しさ故にこれを習得しないまま踊るプロもいます。 天性の運動神経で踊れてしまう所は流石の才能だと思いますが、もし張力を一定に保つ術を身に付けた時にこういう人材がどれだけ伸びるのかを想像すると現状がとても勿体なく思うのです。




 見た目は良さそうなのに正しく出来ていないと云うのはストレッチ等でも同様で正しく出来ていないと筋肉は伸びるどころか反対に縮んでしまいます。 こういう間違ったストレッチではいくら頑張っても無意味ですから自己流のストレッチ程意味のない事はありません。




 音の出ない楽器は楽器ではありません。 ちゃんと音の出る楽器と成れる様に全身の筋肉の張力を適切にコントロールするレッスンをしましょう!


※全身の筋肉の張力=引き上げですよ(^_-)-☆







 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆ 大人からでも基礎理論が確りと理解出来るレッスンです。


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




リンバリングは股関節のストレッチ!


 レッスンでは途中でリンバリングと言われるストレッチが入る事が多いですよね。 まあリンバリングと呼ぶのはほぼ日本だけだと思いますが。 リンバリングはバーに脚を乗せたり手で脚を持ったりして脚を上げて行うストレッチの事ですが、このリンバリングとは一体何の為に行うのかご存知でしょうか?



 勿論ストレッチなので筋肉を解す事が目的なのですが、その解す部位を勘違いしている人が多いのです。



 リンバリングでは『ハムストリングスを伸ばして脚を上げやすくする』と思っている人が多いのですが、これは半分しか正しくありません。 何故ならハムストリングスのストレッチなら他に的確な方法もあるので敢えてここで行う必要性が薄いのです。 逆に重力に逆らってのストレッチになるのでやり難くなりますしね。

 ですからリンバリングの時にハムストリングスを伸ばして柔らかくするのではなく、ハムストリングスを柔らかくしてからリンバリングをするのが順番としては正しいと言えます。



 ではリンバリングは何の為に行うのかと言うと、それは股関節を滑らかに可動させる為のストレッチとして行うのです。 平たく言えば股関節のストレッチですね。



 もし股関節を自由自在に動かせる(折り曲げられる)柔軟性があれば脚のアンドゥオールもロンドゥジャンブもフェッテもグランバットマン等も思いのままにコントロール出来る様になりますが、もし逆に股関節の可動域に制限がある場合は脚の動きにも大きな制限が掛かかってしまい、それは習得出来るテクニックの種類にも制限が掛かる事を意味します。 ですからリンバリングの練習を正しく行うのはとても大きな意味を持っています。



 ではリンバリングでは何に気を付けて練習するのかというと骨盤を動かさずに大腿骨だけを股関節の中で動かせる様にする事です。



 というのも多くのダンサーはリンバリングの際に骨盤と大腿骨を固定していて、骨盤を動かす事で脚を顔の前と横へと動かしていて股関節自体が全く可動していない状態なので、これでは脚を前横に動かす意味が無いのです。 また骨盤を傾けて脚を高く上げても、それは軸脚と骨盤が分離した事になり床を押す力が上体には確りと伝わらない事をも意味します。 本来ならば上げる脚の側の股関節が折れ曲がる事で脚は高く上がる筈が逆に軸脚側の股関節を折り畳んでしまうのでは将に本末転倒と言えます。




 リンバリングは正しいポジションで正しく脚を上げられる様にする為の股関節の動きを確認する為のストレッチです。 単純に脚を上げれば良いと言う物ではないので体幹を真っ直ぐに保ったまま股関節から脚を動かす、骨盤と脚の正しい位置関係を守る意識で行いましょう。



 直ぐに出来ないと諦めず『やろう!』という意思があれば大人バレエでも出来る様になりますので頑張りましょう!



 




 受講生募集中ですので気軽にお問い合わせ下さい(^_-)-☆ 大人からでも学べるバレエの基礎理論を学びたい方是非レッスンにいらして下さい。


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/



https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/




ソードゥシャは腰を押し上げてこそ!


 ソードゥシャ(パドゥシャ)は跳躍系のテクニックですが本当にソードゥシャが上手に出来る人はあまり多くありません。 それは何故かと言うと本質的な事を勘違いしているからです。 どの様なテクニックであろうとテクニックの根幹部分を勘違いしていれば似て非なるものになってしまうのは当然です。 ではソードゥシャの本質は何なのでしょうか?



 それは

跳躍、つまりジャンプだという事!



 そんな事は当たり前で言われなくても分かっていると言われそうですが、あえて言わせて貰います。

 多くの人はソードゥシャが跳躍だと解っていません。


 では跳躍とはどういう状態でしょうか?


 ①つま先が床から離れたら跳躍?

 ②頭(腰)の位置が上がったら跳躍?


 もしつま先さえ床から離れれば良いのなら脚を素早く折り畳めば腰の位置が下ってもつま先を床から離す事は可能です。 でも腰が落ちる跳躍って本当に跳躍ですか? 例えば走り高跳びで踏み切りの瞬間より腰が落ちてバーより下を通過しても、それは跳躍になる?

 この様な跳び方は幼児がよくやる跳び方で足を床から離すだけで良いので身体を押し上げる筋力が無くても出来るのですが、身体が上がらないのって最早跳躍とは言えないですよね。



 多くの人がソードゥシャが跳躍だと解っていないと云うのはこの部分なのです。 つまり足を床から離す事しか考えていない為に腰を押し上げる事に意識が行っていないのです。

 ソードゥシャの特徴と言えば両脚を引き上げてプリエの形にする蛙足ですが、その特徴的な形ゆえにそこに意識が囚われてソードゥシャは跳躍だという事を忘れてしまっているのです。



 ソードゥシャは先ず踏み切り脚で腰を確りと空中の出来るだけ高い位置へと押し上げる事から始まります。 この為に踏み切り脚は一度確りと伸び切らせなければなりません。 これはグランソードゥシャでも同様ですが、ここでの踏み切りの強さが強い跳躍力を生み出して身体を空中へと押し上げます。 この後に両脚を引き込めば普通のソードゥシャで開脚をすればグランソードゥシャとなるのです。



 ソードゥシャではまだ気を付ける事があり、それは踏み切り脚を引き上げる時に最初に引き上げた脚をもう一度引き上げる事です。 これをしないと踏み切り脚が上がる時に反対脚は自然に落ちてしまうので、骨盤も引っ張られて落ち、折角の跳躍力が減衰されてしまいます。 実はこれって大人バレエがよくやってる動きなんですよね(^_^;) これを防ぐ為には最初の引き上げ脚は空中での脚の引き上げを二回繰り返すと思って下さい。 こうすると二回目の引き上げが丁度踏み切り脚の引き上げのタイミングと合う筈です。 この様に両脚の引き上げのタイミングが合うと身体は空中にふわっと浮き上がった様な感覚になり実際の滞空時間も格段に伸びます。

 また着地も両脚同時でも片脚ずつでも自分の好きなタイミングを選ぶ事が出来る様になり次に来る動きの自由度が高まります。




 グランソードゥシャも同様で開脚のタイミングを両脚同時にして下から上に向かって両脚を振り上げる様に動かす事で骨盤を更に押し上げます。。 つまりグランソードゥシャでは踏み切りと開脚の二回、骨盤を上げるタイミングがあります。 踏み切りで高く跳べたとしても開脚のタイミングとやり方が良くないと腰は上がりません。 またタイミングややり方が良くないのに強い開脚をすると腰は逆に落ちてしまうので、踏み切りのタイミングと開脚のタイミングをピンポイントで正しく取らないと上手にグランソードゥシャは出来ないのです。




 上記の様なソードゥシャの基礎理論を知らずにレッスンしていても上手く跳べる様にはなりません。 こういう点で大人バレエは多くの人がソードゥシャについてよく知らなかったり勘違いをしているのです。 まあプロダンサーや指導者でも勘違いをしている人は多いと思いますが、とにかくソードゥシャを上手に出来る様にする為に先ずは腰を高く押し上げる練習をしましょう。 そうするとそれに付随してタイミングの良し悪し等にも意識が向くと思いますので。



 ソードゥシャと云うほんの一瞬の動きにも、これだけの文章で説明しなければならないというのは、それだけ意識を持ち続けて動かなければならないという事で、何も考えずに踊るなんて事はあり得ない事の証左でもありますよね。


 だからこそバレエは面白いんですけれどね(^_-)-☆







 受講者募集中ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。 大人から始めた方でもあっという間に上達します(^_-)-☆


https://ameblo.jp/hidecchi-1967/entry-12687291933.html


https://www.ballet-arts.jp/


https://www.kands-ballet.com/


https://ballet.mermo72.com/