“スーテニュ”は片脚で回る!


 指導者と生徒の多くが勘違いしている様ですが“スーテニュ”は片脚で回ります。



 両脚で回ると云うのは単なる思い込みで間違っているのです。




 その思い込みとは?




 『床から両足のつま先を離さずに身体を回転させならない = 両脚で回る(軸脚が無い)』



 と云う物ですが、これは本当に『=』なのでしょうか?



 『床から両足のつま先を離さない!』と云うだけで軸脚が無いと決めつけるのは少し短絡的で無思慮では無いでしょうか?



 例えば“バットマンタンデュ”の状態で半回転をする時に両足のつま先は床に付いたままですが、ちゃんと軸脚がある状態のままで半回転出来ます。


 ですから『両足のつま先が床に付いたまま』と云う条件だけで『軸が無い』とか『両足に均等に体重を掛ける』とはならないのです!



 ここの理解が足りない為に色々な勘違いが起きてしまいます。
 これが理解出来たら“ピルエットアンドゥオール”や“ピケアンドゥオール”等が“スーテニュ”の延長線上にあるテクニックだと解るのです。



 今日はあまり詳しくは説明しないので、上記の内容をよく読んで理解しようと努めてみて下さい。

 どうしても解らないと云う場合は後日補足説明しますね(^_-)-☆





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“グランバットマン”も“バットマン”の一種なのに・・・


 “バットマンタンデュ”や“バットマンジェッテ”では早く動かしたり、ゆっくり動かしたり、アクセントを外や内にしたりと速度やアクセントのコントロールをするのに、何故殆どのダンサーが“グランバットマン”の時だけ一切のコントロールを放棄してやりっ放しにしてしまうのでしょうか?


 “グランバットマン”は“バットマンタンデュ・ジェッテ”の延長であり、同じ動かし方をしているのですから速度のコントロール等は“バットマンタンデュ”と同じ様に出来なければならない筈ですよね?


 でも、どんなテンポの音楽を掛けようとも何故か“グランバットマン”だけ速度コントロールが出来ずに動く速度が一定になるダンサーが多いのです。


 しかも上げる時だけ力を使って、下ろす時は脱力したりする等と不可思議な事をしています。

 そんな事を“バットマンタンデュ”等の時にはしませんよね? でも“グランバットマン”では脱力してしまうとは基礎に反する事です。


 同系統の“パ”なのですから、そんな事はあり得ないのに何故、こうなるのでしょうか?





 端的に言うと何も考えずに脚を振り回す様なレッスンをしているからです。





 “グランバットマン”とは脚が上げられる所まで上げれば良いという物ではありません。 ここまで上げなければダメと云う絶対的な決められた高さと云う物もありません。

 指定された位置へ指定された速度で脚を動かす訓練をする物です。

 その位置や速度は音楽が教えてくれるので音楽から外れて動く事は許されないのです。



 例えば“グランジェッテ”では初めに前脚を“グランバットマン”してから後脚で床を押して跳び上がりますが、前脚の振り上げが遅いと後脚の踏み切りとのタイミングが合わなくなります。

 また振り上げた前脚が上がった位置を保持出来ずに直ぐに落ち始めたら踏み切り脚が床を押しても腰が上がりません。 それどころか突き飛ばされる様にバランスを崩します。


 跳躍だけでなくポワントワークの時も“グランバットマン”の高さと速度のコントロールは非常に重要で色々な“パ”が組み合わさっているヴァリアシオンを踊る時には、このコントロールの良し悪しが踊りの良し悪しを決めると言っても過言ではありません。



 バーレッスンでの“グランバットマン”とは何の為に訓練するのか? どの様に訓練をしたければならないのか、現状では理解してレッスンしているダンサーは殆ど居ないと感じます。


 ですから一人一人が意味を考えて“グランバットマン”への理解をもっと深めて欲しいと思います。








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正しく終わらないとは基礎が目茶苦茶な証拠!


 バレエを教えていていつも思う事があります。


 プロ、大人バレエ、ジュニアを問わずに何故下手なダンサー程、動きを最後までやり切らずに中途半端なままで打ち切って次の動きをやろうとするのか、何故アンシェヌマンの最期まで気を抜かずにやらないのかと云う事!


 最後までやり切らないと云う事は動きが崩れて終わっていると云う事です。

 そして動きの最後のポジションとは、次の動きの最初のポジションなんですよね。


 つまり最後までやり切らないと云うのは、次に続く動きを崩れた所から始めなければならないと云う事!


 正しいポジションから始めても正しいポジションに終わるのは難しいのに崩れた所から始めて正しいポジションに終われるでしょうか?


 そんな事は問われずとも崩れた所から始めた動きは更に崩れて終わるのが自明の理ですよね。


 『アンシェヌマンは最後のポジションにまとめて終わる』とか至極当たり前の事が出来ない、やらないダンサーも多過ぎます。



 アンシェヌマンは最後までの責任を持って終わらせる訓練をして置かないと体勢が崩れた時に持ち直す力が付きませんし、一つ一つの“パ”を確りと最後まで終わらせる訓練をして置かないと“パ”を滑らかに繋げて踊る事が出来ません。



 踊っている最中に指導者が頻繁に『第5ポジションを通って!』とか『第5ポジションに終わって!』等と注意するのは、確りと終わる事が最も大切だからです。


 バーレッスンでも第5ポジションの確認が疎かな人がプロでも多いですし、最後まで本当に正しく終わろうとする人はごく少数の上級レベルのダンサーだけなのです。



 逆に言えば『ちゃんと終える意識』が無いから下手なままなのです。



 第5ポジションに正しく脚をまとめて終わると云う事は最難関のレベルのテクニックだと云う事を認識してレッスンしてくらたら、それだけでレベルが格段に上がります。

 とにかく完璧な第5ポジションを意識してレッスンして下さい。








腕を動かす程バランスは崩れる!


 『センターで上手くバランスが取れない!』

 『ピルエットが安定しない!』

 『ジャンプ時の形が綺麗にならない!』

 『ピケで立てない!』




 この様にテクニック的に不安定になってしまう原因の一つに腕を不用意に動かしていると云う事が上げられます。



 例えばジャンプの際、跳び上がる時に腕を上げると仰け反りやすくなりますし、着地と同時に腕を下げてしまうと身体を床に叩き付ける様な着地になってしまいます。



 “ピケ”や“ルレヴェ”で“ポワント”に立つ際にも腕を振り下げる人が多いのですが、体幹が縮んでしまうので腰に下向きの力が掛かってしまい逆に立ち難くなります。



 “ピルエット”等で両腕がバラバラに動いたり、骨盤の動きと連動していないと回転するどころかバランスを取る事さえ出来なくなります。



 “グリッサード”等で移動する際も腕がフラフラしていると上半身が揺れて真っ直ぐに進めません。

 


 殆どの動きで身体の揺れを制御しているのは腕です。 腕を的確にコントロールする事で、体軸が緩まずに張りをキープ出来て体幹が揺れる事を防いでいるので、下半身の事ばかりで腕に意識が行かないと踊りにならないのです。


 素人目には腕を振った方が動きの助けになる様に感じるかも知れませんが、その様な作用は反作用を生み体軸の崩れに繋がるので安易に腕を振らない様にしましょうね。





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開脚が分かった気になってはダメ!


 “ストレッチ”と云うと殆どの人が開脚をイメージすると思いますが、私の言う“ストレッチ”はその様な限定された物ではありません。

 その為に“ストレッチ”の話に関して他の指導者の方々とは違う言語を話しているのかと思う程に話が噛み合わないんです。


 バレエの世界で『身体が柔らかい』と多くの人達が考えているのは180度開脚が出来る事なのでしょうが、実は180度開脚が出来てもそれ以外の部分が非常に固いダンサーはとても多いですし、逆に180度までの開脚は出来なくても総体的には身体が柔らかいと云うダンサーも居ます。


 それに180度開脚と一言で言っても、その中身は千差万別です。 横開脚に前後開脚、脚をパラレル、内外旋と色々な状態を組み合わせて行います。 しかしこれらの区別が付いていないと曖昧なポジションとなってしまい良くありません。

 特に前後開脚は前後ではなく斜め方向への開脚に成り勝ちで有名なプロダンサーでさえ正しく理解して前後開脚をしている人は少数です。


 しかも開脚はストレッチの極一部に過ぎません。

 ですから開脚が出来るだけでストレッチを分かった気にならずに自分の身体を隅々まで研究する気持ちを持ち続けてストレッチをしなければなりません。





上半身もストレッチする必要がある!


 大人バレエは言わずもがなプロダンサーでさえも上半身の柔軟性が著しく低い人が多くて、その影響が下半身にも及んでいる為に余計な力を使ってしまう事がよくあります。


 よく『つま先を伸ばすには全身を引き伸ばさなければならない!』と言われますが下半身のストレッチしかしないで全身を十分に引き伸ばす事が果たして可能なのでしょうか?

 下半身の筋肉の柔軟性が高くても、それに続く上半身の筋肉の柔軟性が低くては上半身が力んでしまうので脚にも力みが伝播してしまいます。 これでは脚が縮み、その結果つま先も伸ばせません。

 それに全身を一体的に引き伸ばして使えないのであれば総合的には『身体が固い』と言って良いでしょう。

 ですから身体を総合的に柔らかくしたかったら、上半身のストレッチも万遍なく行わなければなりません。
 特に広背筋、前鋸筋と云った普段あまりストレッチする事を意識した事の無い部分は念入りにストレッチを試みる事でそれらの筋肉を感じて使う為の訓練の入口ともなります。
 また下半身との一体的なストレッチはそのままレッスンの延長になり得る物なので上半身のストレッチは下半身のストレッチに先んじて行うのがより良いでしょう。

 広背筋周りのストレッチは“アラベスク・アティテュード”や後ろ“カンブレ”に関係していて、前鋸筋周りのストレッチは横の“カンブレ”や“デブロッペ・グランバットマン”等の動きに関係しています。
 勿論、上半身の筋肉は腕の動き、身体の引き上げにも関わる大切な部分なのに殆どの指導者が、その重要性に気付いて居ない事は非常に憂慮すべき事ですね。



 身体を左右上下均等に引き伸ばして使える様になる為に上半身、下半身ともに万遍なくストレッチする様にしましょうね。
 そして例えバレエ指導者であってもストレッチの指導が出来るレベルまで到達していない人は、これから学び始めて下さい。
 ストレッチ指導とは自己流を教える事では無く、素人が無理なく行える様に誘導して上げられる事を言うので気を付けましょうね。
 





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体面ばかり気にする人は上達しない!


 『レベルが低ければ低い程言い訳や口答えが多くなる』


 こんな事はどこでも一緒なんですね。 上手に出来ないなら、それだけ沢山の指導を受けるのは当たり前ですし、レベルが高い指導者が指導に当たれば、才能あるレベルのプロでも生徒の様に指導されるのも当たり前です。

 その様な指導を受けてもプロならば恥ずかしいとは思わないのですが、素人の方の場合は指導を受ける事を恥と感じるのか、直ぐに出来ない言い訳を始める人が多いのです。

 彼女のブログは真理を言い当てていて本当に気持ちよく感じます。


 言い訳をした所で出来る様にはなりませんし、言い訳をしている時間さえ勿体ないので、その時間内に言われた事を練習する等した方が余程効率的ですし自分の為になります。

 でも、こう云う人って『他人からどう見えているか?』が一番大切で恥をかいて居ないかと云う体面ばかり気にする傾向があるので練習をせずに言い訳を考える事に必死で、それと気付かずに自分の面子を自ら潰し恥をかいてしまうのですよね。


 直ぐに出来ない事は恥ずかしくないです。
 直ぐに理解出来ない事も恥ではありません。
 知らない事があっても恥ではありません。


 でも
 理解した振り、出来る振り、知っている振りは恥ずべき行為で、周りの人達からバカにされます。

 理解した振りをしても、それに誤魔化される人は殆ど居ません。 誤魔化そうとすれば周りにバレて恥をかきます。 ですから誤魔化さず解らない事は解らないと素直になりましょう。
 素直になれば周りが助けてくれます。



 『体面を重んじる』とか『面子を立てる』と云うのは自分を実力以上に大きく見せようとする気持ちの表れです。
 現に実力のある方々は自らを飾り立てようとも大きく見せようともしません。 そう云う真摯な気持ちを持って精進したからこそ高い実力を身に付けられたのでしょう。


 ですから何事にも言い訳せずに真摯に向き合って自らを高めて行きたいですね(^_-)-☆






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“カンブレ”と“アラベスク”の類似性!


 “第5ポジションカンブレ”と“アラベスク”って上体と後ろ脚の関係性がそっくり同じだって知っていますか?


 背中の張り方、脚の伸ばし方、上体と脚の位置関係、頭部の引き上げ方等は全く同じですから“カンブレ”の形を維持したまま軸脚の股関節を基点にして身体の向きを90度変えたら(上体を起こしたら)、それは“アラベスク”になります。

 『パキータ』のアダージオにも後ろ“バットマンタンデュ”の“カンブレ”から“ルレヴェ アラベスク”になる振りがありますが、あの振り付けになったのは“カンブレ”と“アラベスク”が全く同じ形だからなのだと思います。 プティパと直接話した事が無いので断言は出来ませんが、私はそう確信しています。 なので私が死んだらあの世でプティパに真相を聞いてみますね(笑)




“カンブレ”が正しく出来れば“アラベスク”も正しくなる!


 “カンブレ”も“アラベスク”も首、背中から脚にかけて左右を均等に確りと伸ばす、骨盤を確りと立てる、軸脚を確りと張る、バランスを確りと取ると云う当たり前の事を一つずつ確認して行くと全く同じ身体の使い方をしているのだと云う事が理解出来ると思います。


 特に後に“バットマンタンデュ”をした状態での“カンブレ”は後ろ足を床に置いてしまうと背中の筋肉を押し縮めて無理矢理反ってしまうので良くありません。 床から足先を軽く浮かせた状態で“カンブレ”しないと背中の筋肉を引き伸ばして“アラベスク”と同じ引き伸ばし方にはならないので、間違った方向で頑張っていないかを確認しながら練習しなければなりません。


 この様な“カンブレ”の練習をすると目茶苦茶な方法は出来なくなって行き、それと共に“アラベスク”の方法も正しい方向に改善されて行くので“アラベスク”を綺麗にしたいと思うなら、先ずは“カンブレ”を正しく出来る様に練習をしましょうね。








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何でも出来るオールラウンダーが良い!


 テクニックを教える際に『ロイヤル式はやってはダメ!、ロシア式のやり方しか認めません!』と云う様な指導をする方々が居るらしいのですが、とても下らなくて呆れてしまいます。


 多分こう云う事を言う指導者は異なって見える動かし方の根本にある同じ理論の動きという物が理解出来て居ないのだと思います。



 例えば“ピルエットアンドゥダーン”では、「脚を“アラセコンド”までロンドジャンブしてから“パッセ”にする方法(ロシア式)」と「脚を後ろから直接“パッセ”に引き込む方法(英国式)」がある事は知らない人は居ないでしょうが、この2つは同じ論理で回転力を生み出しています。


 それは“パッセ”側の脚を後ろから横まで振る事で生まれる回転力を利用していると云う事!


 勘の良い方なら直ぐに理解出来ると思いますが、直接“パッセ”に引き込んでいる時だって膝までの大腿部は“ロンドジャンブ”しているのです。 違いは脚を長く伸ばしたまま回すのか、 膝までの短い長さにして回すのかの違いだけなのです。
 脚が長ければ回すのに時間が掛かり、回転力は大きくなりますが制御が難しくなります。
 短ければ回転力は小さいですが制御が楽で、早く脚を回せます。
 つまり2つの方法は「沢山回りたいのか」、「素早く回りたいのか」と云う所で使い分けるのが適当であって流派等に拘るのでは無く両方出来なければ駄目なのです。

 それに“ピルエットアンドゥダーン”には別の理論に基づく回転力の生み出し方もあり、上記の2つが全てではありません。 沢山の方法がありその中から一つだけ選び取って、それしかやらない(出来ない)と云うのは良い事なのでしょうか?

 流派をごちゃ混ぜにしろと言っている訳ではありません。
 現代では昔のダンサーが出来なかった様な高度なテクニックをこなすダンサーが綺羅星の様に現れていますし、新たな演出と振り付けによる新作等が沢山作られています。 それに色々な流派の振付を踊る機会だって頻繁にあるのです。
 その中で旧態依然の流派に縛られるのではなく全ての流派を正しく踊りこなせる方が良いのでは無いですか?




日本は未だに19世紀の価値観!


 流派(メソード)と云うのは振付家の作風を表現するのに不可欠の物でワガノワ流の作品を英国流やバランシン流で踊ってしまっては台無しになりますし、バランシン流の作品をワガノワ流で踊っても元の作品とは違う物になってしまうので流派の決まっている振り付けの中で異なる流派のやり方を混ぜるのは良くありませんが、新進気鋭の振付家の作品ならば流派を混ぜようがそれがその人の表現したい物ならばダンサーはそれに従って踊れなければなりません。 『私はこの流派のやり方でしか踊れません』なんて各ダンサーが言おう物なら踊りを揃える事なんて絶望的ですし。


 現代のダンサーは全てのクラシックメソードだけでなく現代舞踊のメソードまでの何でも踊れるオールラウンダーなダンサーで無ければ駄目なのです。


 昔は移動が大変で世界中の人と交流するのが難しかった事もあり各地で独自な流派が生まれたのでしょうが、現代は世界中の人とあっという間に繋がれる時代です。

 あまり流派に拘り過ぎると時代に取り残されてしまいます。 と云うか日本のバレエ界は未だに19世紀の価値観に縛られていて欧米からはかなり遅れていると思いますので、テクニックだけでなく思考もどんどん更新して行きたいですね。


 もっと広い世界に目を向けましょう!





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旗と旗竿の関係の様!


 脚を“タンデュ”させる為に『膝を確りと伸ばし切って!』と指示しても正しく膝を伸ばせるダンサーはあまり多く居ません。 特に軸脚側の“タンデュ”が出来ない生徒は本当に多いのですが、『膝を伸ばす・脚を伸ばす』を誤解している事が原因です。



 『膝を伸ばす・脚を伸ばす』を理解する為に脚を旗に例えて考えてみましょうか。


 旗って旗と旗竿で出来ていますよね。 そして旗竿は細長くて曲がり難い素材で、旗は布地等の柔らかい素材で出来ています。

 旗竿は骨、旗は筋肉だと考えてみて下さい。

 旗竿は立てて置いても曲がりませんが、旗は旗竿に取り付けて置くと風などでゆらゆら動いてしまいます。 揺れ動くと云う事は旗自体には布地をピンと張る力は働いていないと云う事になりますね。


 生徒達は旗竿を見て『伸びている』と考えています。 つまり骨格的な状態で伸びているのか曲がっているのかを判断しています。



 しかし正しくは旗竿だけでなく旗自体がピンと張れて居るかも見る必要があるのです。 つまり筋肉自体も引き伸ばされて居なければ膝が伸びている、若しくは脚が伸びているとは言いません。



 膝関節は反張するまで伸展させているのに『膝が伸びていない』と注意されてしまうのは何故?と疑問に思っている方、それはこの様な理由からなのです。



 『軸脚に腰掛けないで』とか『筋肉を固めないで』若しくは『もっとリラックスして』等と注意されるのは筋肉が休んでいたり、逆に力を入れ方を間違えて縮めている事が見て取れる為です。



 そして脚の筋肉だけを切り取る様に伸ばす事は不可能で脚に続く身体、腕、首等の全身へと伸ばす意識は繋がっているので、部分毎に伸びているかを確認する事は良くありません。 必ず全体を俯瞰して全ての筋肉が繋がって伸びているかを確認する様にレッスンしましょうね。





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何処で回転力を作る?


 “ピケアンドゥダーン”をするのにどの様に回転力をつけるのか知っていますか?






 ①“パッセ”側の脚を振る!

 ②軸脚を回す!

 ③“パッセ”側の腕を振る!

 ④軸脚側の腕を振る!






 さあ、どれが正解でしょうか?






 上に上げた事は、ちょっと大雑把で乱暴な表現なのですが、実は①〜④まで全てやっても大丈夫なのです。




 但し条件があって身体のスクエアは崩さない事(肩と腰の動きがズレない)、両腕が左右対称に動く事と背中より後に行かない事、軸脚の踵と“パッセ”の膝が常に同じ方向を向いたままで回転している事。



 上記の条件を全て満たしていれば、どの様に回ろうとしても大丈夫です。




 よく『“パッセ”の脚は回しては駄目』と言われるのは軸脚の踵が膝の動きについて来られないからで、つまり軸脚が“アンドゥオール”をキープ出来ないからなのです。

 軸脚がウチマタに動くと骨盤の回転方向と反対側に軸脚が動いたと云う事ですから骨盤の回転にブレーキをかけている状態なんですよね。 だから『“パッセ”の脚は回さない!』と言われるのです。




 でも軸脚(骨盤)が“パッセ”の動きについて行かれる(アンドゥオールをキープし続けられる)のなら“パッセ”の脚を振り回しても全然問題はありません。



 同じ様に腕だって体幹のスクエアを崩さずに左右対称を守れれば自然と脚と連動して動くのでぶんぶん振り回しても全然問題ありません。

 回るのが不得意な人は両腕の繋がりが無くバラバラに動いているからで左右対称に動かせるだけで多くの事が改善します。




 じゃあ、それさえ守れば簡単に出来るかと言うと、先述した条件を守る事が出来ない人が多いんですよね。

 分析力に優れていれば先述の条件が回転を助けてくれるロジカルな方法だと気付けるのですが、そうではない人にとっては身体を制御すると回れる気がしないのでしょう。




 回転系のテクニックは回転しようと意識すると身体の制御に失敗して崩れる事が多くなり、それとは逆に手足の使い方を正確に行う事だけを意識すると身体を上手く制御して成功率が上がるので欲張っては駄目なのです。





 欲を捨てて無心に正確な身体のコントロールに心血を注いでみて下さい。







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