もう、資格取得に役立つ民法わかりやすく教えちゃうよ!(320)(非典型担保/仮登記担保)
Head&Tail係長は、何かの作業中は必ずBGMを流しております。現在もサザン・オールスターズのオルゴールバージョンを低めに流しております。ただ、いきなり大好きな “愛しのエリー”から始まったので、どうしてもそちらに注意が向かってしまいます。俱楽部Head&Tailのエリーちゃんということで、今回は、非典型担保の最後、仮登記担保(かりとうきたんぽ)です。仮登記担保は、仮登記や仮登録のできるものなら何にでも設定できるのですが、通常は不動産を目的物として利用されます。仮登記担保を定めるのは民法ではなく仮登記担保契約に関する法律(仮登記担保法(かりとうきたんぽほう))ですが、非典型担保の一つ、民法のテーマとして出てきます。仮登記担保の意味、それは仮の登記の担保です。(すみません、それでは説明になっていませんね)ではこれも事例で見てみましょう。 事例:ワンルームマンション購入をせがまれた麗奈(れな)ママ 麗奈(れな)ママ: この間W商会のW社長にね、今事業が厳しいんで1,000万円どうしても必要だって打ち明けられたの。でね、郊外に凄く眺めの良いワンルームマンションを持っていて、それを即金でで買って欲しいっていうのよ。本当にピンチみたいね。 他でもない社長のためだから何とかしてあげたいわ。でも、今すぐって言われてもね。あなたも知ってるとおり、私、不動産売買とか結構慎重な方でしょ。それに、登記だなんだって結構手間が掛かるだろうし。正直、お金ポンと貸しても良いんだけど、全く保証がないっていうのも不安だし。どうしようかしら・・・。 沙姫(さき): 思っていた通り、麗奈(れな)ママってステップを踏むタイプですよね、例えば男性に関しても随分時間かけちゃって。あっ、すみません余計な事言っちゃって。(ペコっと頭を下げる沙姫(さき)) でも、そんな時は仮登記担保(かりとうきたんぽ)~。 整理すると、社長にはお金を貸したい。でも保証なしでは不安。かといって今すぐワンルームマンションを買うというのも大袈裟。それなら、「この物件は、社長が麗奈ママに借りたお金を返せなくなったら、ママの所有物になります」という契約を社長と交わし、しかも、そのことを一応登記しておくんです。 麗奈(れな)ママ: なるほどね。あなた私が見込んだだけあるわね。ところで沙姫(さき)ちゃん、あなたのその「仮登記担保~」っていう時の物言い、伝説的声優、大山のぶ代さんそのものよね! 担保の仕組みとしては譲渡担保と似てます。しかし、譲渡担保では1)最初から所有権を債権者へ移転させねばならず、2)不動産でそれをやろうとすると登記の手続きやコストも結構面倒です。そこで、所有権の本格的な移転まではせず、かつ、本格的な登記(本登記(ほんとうき))より簡素でローコストな登記(仮登記(かりとうき):所有権移転請求権保全の仮登記)で済ませるのがこの仮登記担保の特徴です。仮登記担保の設定には債権者と設定者(債務者や物上保証人)の合意(契約)が必要です。被担保債権は金銭債権に限ります。契約の性格は、「もしも債務を履行できない場合には、債務者や第三者(物上保証人)の所有権などの権利を債権者に移転等する」目的を持った「代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約その他の契約」です。代物弁済とは「本来の給付に代えて他の給付をすることで債権を消滅させる契約」のことで、その予約とは、事例で言えば、W社長が麗奈ママに対して借金返済の代わりにワンルームマンションを給付することの予約です。なお、譲渡担保の時と同様、債権者側が、債権額に比べて過大な価値を有する不動産を、最終的にぼったくるような真似は許されず、目的物の価額が債権額を超過する場合には債権者は清算義務を負います(仮登記担保法§3①)。債務不履行があった場合、いわば債権者は自動的に所有権を取得できるのですが、ステップはあります。清算金の見積り通知→通知から2か月の清算期間の経過→所有権の移転となります(仮登記担保法§2①)。●債権法、そして物権法、お疲れさまでした。この後は、頭を少し切り替え、民法の中でも家族法(親族・相続)と言われる領域に入ります。少し書きダメをしようと思いますのでしばらくお休みします。時々スタッフの子たちにはご挨拶させますのでしばらくお待ちくださいね。絵里(えり)ちゃん(愛称エリー)/好きなタイプ:一生懸命努力する人“いいわ、本気で合格する気あるんなら、つき合っても”(Byエリー)姉妹ブログも宜しくお願いします!!●ヘッドライトとテールライトHead & Tailhttps://ameblo.jp/headtail/こちらもどうかよろしくお願い致しますね!!!●日本赤十字社のウェブサイト東日本大震災義援金東日本大震災義援金|国内災害義援金・海外救援金へのご寄付|寄付する|日本赤十字社www.jrc.or.jp