『黄帝内経』が説く養生の大切さ その1 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます 

先日、「あらためて、東洋医学の根本『黄帝内経』とは?」をお届けしました。『黄帝内経(こうていだいけい)』は、2000年以上前のもので、原本は失われてしまいましたけど、後世の人々が注釈をつけた書物の形で、現代へと伝えられてきたものなんです。

『現代語訳・黄帝内経素問』(東洋学術出版社)は、南京中医学院が種々の古典から起こした『黄帝内経素問訳釈』を日本語に翻訳したもの。つまり、中国の人が中国の古語を中国の現代語に訳したものを、日本人が日本語に翻訳したものなんです。

中身は、漢文のままの表記、つまり漢字だけで書かれたものがあって、それを漢文読みの日本語にしたものに注釈をつけたものと、現代語訳にしたものとで構成されております。この現代語訳がですね、ちょっと昔のにおいがしてて…。さらに訳さないと理解しにくい…。

四季の養生法として、「もうすぐは~るですねぇ~♪」「なつがく~ればおもいだすぅ~♪」「いまは~もうあき~♪」「つがるかいきょう ふ~ゆげしき~♪」で、『四気調神大論篇』をご紹介してます。

それらの記事の青字の部分は、『現代語訳・黄帝内経素問』の現代語訳を参考に、春月が漢文読みの部分を訳したものなんですが、今読み返してみると、わかるような、わからないような…ですかねぇ。まぁ、エッセンスが伝わればいいかなぁ…という感じで書いてますけど。

さて、『四気調神大論篇』は『素問』81篇のうちの第二なので、第一の『上古天真論篇』をご紹介しておこうと思います。何せ書き出しの第一ですから、上古(昔々)の人がどうだったかという話をもとに、養生の大切さを説くような内容となっております。

 昔、黄帝は、生まれつきとても聡明で、小さい時からよく話すことができ、幼いうちから頭の回転が速く、長じて誠実で俊敏な人となり、成人して天子となった。そんな黄帝が、名医の岐白に問いを投げかけた。
 「上古の人は、みんな百歳を超えても動作が衰えなかったと聞いている。ところが、今どきの人は、半分の五十歳で動作が衰えてしまう。これは、時代環境によるものなのか、それとも人々が養生を怠っているからか。」
 岐白が答える。「上古、人々は養生の道理を知り、陰陽の法則にのっとって、修養の術を生活に取り入れ、飲食に節度を保ち、起居にリズムを持って、休息と労働のバランスを取っていました。だから、肉体と精神がともに健やかで、自然な寿命を享受して、百歳を超えて亡くなったのです。
 現代の人は、そうではありません。酒を水のように飲み、でたらめなことを平常として、酔って房に入り、色欲のままに精気を使い、真元を消耗しています。精気が満たされた状態を保つべきことを知らずに、常々精気神気を使い過ぎ、一時の快楽に走って、養生の道に反し、起居にも節制がない。それで、五十歳になるかならないかで、すっかり衰えてしまうのです。」


中国で、2000年以上前の人がいう上古って、どれくらい前なんでしょうね。4000年前かしら?日本でいうなら、弥生時代の人が、縄文時代の人は長生きだったよね…なんて話をしてるって感じでしょうかね。

100歳だなんて、ホントにそうだったんでしょうか?実際に平均寿命がどうだったかは別として、病気をしなければ、誰しも100~120歳くらいは生きられると、現代医学的にも考えられてますから、あながちウソでもない。

貝原益軒先生の『養生訓』巻一の18にも、人の寿命は100歳を上寿とし、養生すればそんなふうに長生きできるはず…とあります。100歳で思い出すのは、日野原先生ですね。『養生訓』を地で行ってるような方だもの。

中国では、古くから不老不死・不老長寿が求められていて、その伝統が東洋医学にも色濃くあって、長寿のための健康であり、養生なんですね。秦の始皇帝もその例外ではなく、不老不死の薬と信じて、仙薬として水銀を飲んでいたとか。で、結局、水銀中毒で亡くなった?薬に頼るとロクなことがない一例ですかね。

真元は真気、あるいは元気とも言います。先天の精気と後天の精気とが合わさったもので、生命維持に欠かせないものであることは、東洋医学講座No.20にある通り。精気・神気については、東洋医学講座No.24「またも気について考えてみる」で解説してます。

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。


皇帝ダリア
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